パリ学生のシマウマ戦略

パリ学生のシマウマ戦略
パリのデモはピクニック??

デファンス(Defence)近くのセーヌ(Seine)川downsize
(デファンス(Defence)近くのセーヌ(Seine)川)
(今回内容に関連した写真がなく場所つながりということでSeineやLevallois周辺を載せます)
去年は年金制度や学費などを巡ってヨーロッパじゅうで学生、若者のデモが吹き荒れましたが、2006年の春は当時の「26歳以下ならいつでもクビにしてオッケイ」という初期雇用契約の法案CPE(Contrat première embauche)(悪法ですよね)に反対の学生デモが盛んでパリで何度か出くわしたことを思い出しました。
たまたまの幸運か、出会ったデモは身の危険を感じさせることもなく、むしろホノボノの気分にさせるものでした。デモの背景にはもっと厳しい社会問題があり果たしてこの話題を書くべきか、少し迷いがありましたが、あくまで1人のエトランゼが見たパリ若者の印象の断片として書いてみます。
セーヌ(Seine)の中之島downsize
(セーヌ(Seine)の中之島)
高校生のシマウマ戦略
朝バスで職場に向かう途中の交差点角に高校があり、その交差点で高校生の割にはやるなと言う知恵を見ました。
まず、少人数で訴えかける手段として交差点を場所に選ぶ。交差点で手を数珠繋ぎにした「人の輪」を作ることで四方から来る車を阻止する。でも個人主張が強烈なパリジャンは車で煽って輪を突破しようとする。車に面と向かって迫られれば人間はひるみます。そこで学生たちは内側を向いて手をつなぎあっという間に輪を作りました。見なければ怖くないし、ドライバーが煽るメッセージも伝わらない。ライオンに襲われたシマウマの群れが内側を向いて輪を作るのと同じです。
しかし、さすが統制や団結や意思の持続に無縁なフランス人、1台、2台と突破されるとたちまち輪は崩れてしまいました。これを見計らったバスの運転手もデモを蹴散らして突破しました。たった5分ほどの出来事でした。
セーヌ(Seine)のほとり橋の彫刻と三色旗downsize
(セーヌ(Seine)のほとり橋の彫刻と三色旗)
陽気な学生はデモもお祭り?
それでは学生たちはさぞかし落胆し悲壮な面持ちかと思いきや

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・・・みんなバスのボディーを叩きながらてんでバラバラにはしゃいで笑顔で乗客に話しかけていました、まるで、お祭り騒ぎ。
ジャット(Jatte)島から見るルバロワ(Levallois)橋downsize
(ジャット(Jatte)島から見るルバロワ(Levallois)橋)
ルバロワ橋占拠か!
別の日の朝、少し遅めのバスに乗ったらセーヌ川にかかるレバロワ橋(Pont de Levallois)で早くも大渋滞、バスは一歩も動けず。
そのそばを歓声と言うより「嬌声」をあげる男女学生の一団がゆっくりと、そして取りとめもなく通り過ぎ橋を渡っていきます。その後をたった1台のパトカーが静かについて行きました。
学生たちはときどき思い出したようになんか叫ぶものの、ほとんどは仲間で雑談し、しかも飲み食いしながらの実にダレたデモ行進で、列の先頭と末尾も定かではありません。バラバラの行進はまるでピクニックに行くみたいで脳天気なデモでした。
ジャット(Jatte)島の釣り人downsize
(ジャット(Jatte)島の釣り人)
負けないフランス人
この間バスの運転手は悠々と携帯でおしゃべりしてました。バスは10分くらい止まってから何事もなかったかのように走り出し、乗客のブーイングもありませんでした。もちろんニュースになりませんでした。
この天性の陽気さと開放性が、近代は一度のまともに戦争に勝てず、英国連邦のような構想もないままドタバタの負け戦の末に多くの植民地を失いながら、それでも今やECの主要メンバーで、欧州のみならず、私が居た国際機関などの、グローバルな場でも依然プレゼンスを失っていないフランスというフシギに通じるのかも知れません。
アルマ(Alma)橋のアールデコなシルエットdownsize
(アルマ(Alma)橋のアールデコなシルエット)
大農業国でありながら哲学や数学や基礎生物学などに秀でたフランス人(たとえ一部エリートとは言え)の「食うに困らないから思考を愉しむ」という余裕は揺るがないのでしょうね。

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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報