お餅でシミュレーションする日本海の作り方+北仏オンフルール番外編

お餅でシミュレーションする日本海の作り方 + 北仏オンフルール番外編

海の幸のヒミツを探る??

角のシーフードレストランはおいしかったdownsize
(オンフルール港、角のシーフードレストランはおいしかった)
冬はカニがおいしいですよね。水が緩むと富山湾のホタルイカとかシロエビとか、日本海には季節ごと、土地ごとに海に幸の味覚がいっぱいですね。で、今回は、「じゃ日本海ってどうして出来たの?」(+「なんで魚ウマイの?」)と言うサイエンス小ネタです。




海つながりで北フランスの小さな港まちオンフルール風景を・・
朝の光がまぶしいオンフルール港downsize
(朝の光がまぶしいオンフルール港)
やっぱり写真がない記事なので、北フランス、ノルマンディーの小さな港まちオンフルール(Honfleur)のまだご紹介していない写真を添えます。
過去のオンフルール関連の記事はここをクリック↓
冬のノルマンディー前編:オンフルールとドーヴィル
なぜか心が潤うフランスの水辺の風景

日本海誕生はお餅を焼いて再現できるみたい
焼いた餅の一端を引っ張ると・・、引っ張った殻は2つに別れて斜めになって残りの餅とつながり、鏡像のカタチになります。これが日本列島の大陸からの分離の姿だそうです。

2つの殻は東北日本と西南日本
日本海の作り方
(日本海の作り方)
引っ張って割れた2つのお餅の殻は東北日本と西南日本にあたります。そしてお餅の伸びた柔らかい部分は薄くなって少し垂れ下がると、お雑煮ならここに汁が溜まります。これが日本海の誕生だそうです。


日本海誕生のメカニズム
日本海を背後に残して日本列島が独立した
(日本海を背後に残して日本列島が独立、そして私たちの日本が出来ました)
あまりにも“ザっ栗”ですが、以上のお餅のような動きが1985年頃に提唱された日本海誕生のメカニズムだそうです。


殻のかけらが大和海嶺
窓先の花が木の看板に良いアクセントdownsize
(窓先の花が木の看板に良いアクセントになっている)
殻の小さなかけらも少し伸びた部分にくっついて汁の中に沈むこともあります。このようにして日本海海底のまん中に盛り上がった大和海嶺などが残ったようです。

淡水産プランクトンが語る「もとは1つ」
灯りが幻想的な夜のオンフルール港REVdownsize
(灯りが幻想的な夜のオンフルール港)
2つに別れた殻も残った殻も、そして小さな殻のかけらも、同じおこげが付いてることありますよね。つまり同じ種類の淡水産プランクトンの化石が出ることで「もとは1つ」と判るのだそうです。

後に残るは背弧海盆、日本海
日本列島だけではなく、アリューシャン列島、千島列島、琉球列島、フィリピン諸島、スンダ列島などの島弧列島(弧状列島)は大陸との間に、しばしば日本海のような背弧海盆(back-arc basin)を形成します。大陸から島弧列島を引き離すとき、焼いたお餅を引っ張るのと同じで、背後に窪んだ海水が溜まる背弧海盆を残してゆくと言う訳です。

「太平洋にあって大西洋に無いものなぁーに?」
陽が落ちてようやくレストランが賑わうdownsize
(陽が落ちてようやくレストランが賑わう)
それは島弧列島と背弧海盆。つまりプレートの沈み込み帯は太平洋にはたくさんありますが、大西洋にはほとんどないのです。太平洋では太平洋プレートが大陸の縁で沈み込み、島弧や海盆が出来ますが、大西洋は陸のプレートと海底のプレートが一体なので島弧列島はほとんどないのだそうです。

珪藻の真水派から海水派への「政権交代」
日本海の海底コア、特に大和海嶺のコアでは淡水産珪藻の層の上に海産珪藻の層が重なっていて、その境界は1500万年前、つまりその時に日本海が誕生して海水が流入したことを示しているのだそうです。つまり日本海誕生で塩水が流入し珪藻の「政権交代」が起きたと言う訳です。

岩石の磁気が教える陸地の回転
土産物屋さん渋くて古風な店構えdownsize
(土産物屋さんも渋くて古風な店構えです)
さて、日本列島ですが、なぜお餅みたいに大陸から離れ南北逆に傾いたと判るのでしょうか?それは日本各地の岩石に残る古磁気、つまり「石の中の小さな磁石の向きと現在の南北磁極とのずれ」が=「岩石が過去に回転した角度」として判るからだそうです。

関連の過去記事はここ↓
生き物が作る宝石金塊核燃料 小石と砂のネバーエンディングストーリーその3

アイソトープが年齢を教える
更に、同位体比を測定すれば岩石の生まれた年代が分かります。その石が地殻の中でいつどのくらい回ったかが分かるのだそうです。

寡黙な石の証言:「右に54度、左に47度に回れ」
伝統の木組みの街並みREVdownsize
(伝統の木組みの街並み)
このように寡黙な小石でも最先端の分析を使えば日本列島誕生秘話を語り始めるようです。1650-1440万年前に東北日本は反時計回りに47度ほど、一方、西南日本は1480-1440万年前に時計回りに54度ほど、それぞれ回転して今の日本列島になったそうです。その前は逆方向に130度の曲がりで大陸にくっついていたらしいですが。

湖になったり、多島海になったり
対馬海流の恩恵
(対馬海流の恩恵)
そして日本列島の背弧海盆として古日本海、と言うより「日本湖」が誕生しました。やがて氷期が明けると海の水位が上がる海進によって対馬、宗谷、間宮などの海峡が開き、真の「日本海」となったそうです。でもPETM(Paleocene–Eocene Thermal Maximum、暁新世/始新世境界温暖極大)ではもっと海の水位が増し、一時期、日本列島は多島海となったらしい


生き物にも証拠があります
日本列島に棲むオサムシには東系統と西系統があるそうですが、どうやら1500万年前頃に2種に分岐したらしい、これは日本海誕生の時期と一致します。日本海誕生が、そしてその地理的隔離が種分化をもたらしたらしいのです。

日本海を潤す対馬海流が海の幸をもたらす
朝陽にようやく目覚める港のカフェdownsize
(朝陽にようやく目覚める港のカフェ)
対馬海流は黒潮から分かれて中国沿岸河川の水とビミョーに混じりあい、日本海を潤し、やがてオホーツク海などに抜けてゆきます。その独特の塩分濃度や栄養分組成が日本海の豊かな海の幸を育むのだそうです。

日本海の出入口は閉じたり、開いたり・・・
もともと窪んでできた日本海なので出入口の対馬、津軽、宗谷、間宮の各海峡の水深はとても浅く海水面が後退する氷期にはほぼ閉じていて「日本湖」あるいは「日本潟」のようになっていたそうです。
そして現在の間氷期、完新世になって対馬海流が再開通し、おかげさまで私たちは豊かな日本海の海の幸を堪能できる訳です。でも「人為的温暖化」などで気候を攪乱すると、そのうちに“日本海のおいしい海の幸”が食べられなくなるかも???(大変だ~!)


出典: 「日本海はどう出来たか」2008年 能田成氏著(ナカニシヤ出版)
出典: 「ミクロな化石、地球を語る-微化石に刻まれた絶滅と再生-」2010年、谷村好洋氏著(技術評論社)
出典: 「正しく理解する気候の科学」2013年、中嶋映至氏、田近英一氏共著(技術評論社)


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