集まったり別れたりふしぎな砂の物語 + サイパンビーチ寸景

集まったり別れたりふしぎな砂の物語 + サイパンビーチ寸景
小石と砂のネバーエンディングストーリーその2

つぶつぶの科学

オブジャンビーチは沖まで真っ白の砂downsize
(サイパン島のオブジャンビーチは沖まで真っ白の砂です)
今度は砂の、「粒々の科学」と言うサイエンス小ネタ。小石と砂のネバーエンディングストーリーの第2部です。

前回記事はここをクリック↓
小石と砂のネバーエンディングストーリーとローマ番外編

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砂は地球を6回旅してます
砂は6回地球を旅している
(砂は6回地球を旅している)
山や岩が砂に、砂は積もり、また岩に山になり、砂は生生流転します。これが地球46億年の歴史の中で平均6回くらい繰り返されたという「砂のNever Ending Story」。砂は平均7,8億才、スゴイな。


サンゴ礁のかけらで出来たビーチObjan
太陽に向かって登るレギュの泡downsize
(太陽に向かって登るレギュの泡)
「砂」つながりで、サンゴ礁のかけらだけで出来た真っ白な美しいオブジャン(Objan)・ビーチなどサイパンのダイビング写真を添えています。


「砂」とは何か?
陽射しがまぶしい午後のビーチdownsize
(陽射しがまぶしい午後のビーチ)
「砂」とは何か?どう定義する?・・・それは大きさで1/16mmから2mmの粒径、材質は問わない。大きさで区分けするだけで粘土でも小石(礫)でもない、時に液体、時に固体のようにふるまうフシギな「砂」独特の性状が顕われます。この砂の物性や振る舞いは「粒子状物質」(大きさの揃った小さな粒の集まり)としての物性です。サイロの穀物や、薬の錠剤なども「粒子状物質」なので「砂」のようにふるまいます。


赤い砂浜、黒い砂浜、宝石の砂、「砂は材質を問わない」
神秘的なオブジャンのガーデンイールdownsize
(神秘的なオブジャンの砂地の海底に棲むガーデンイール(チンアナゴ))
サンゴのかけらでできた真っ白な砂浜が海の中にも伸びて白い海底が拡がるサイパンのオブジャンビーチ。「砂」のほとんどは石英の白い砂。でも「砂は材質を問わない」ので「色々な砂」があります。宝石ガーネットで出来た赤い砂浜、火山の溶岩が砕けた黒い砂浜、緑色の砂浜もあります。


「星の砂」、海洋島では生き物が砂になる
遠浅の砂地はサンゴのかけらで出来てますdownsize
(遠浅の砂地はサンゴのかけらで出来てます)
風や川が砂を運ぶことがほとんどない海洋島の砂は生き物の殻(サンゴ、放散虫や珪藻)で出来ています。八重山群島の美しい「星の砂」は有名ですね、これは有孔虫の殻です。


砂は仲間で集まるのが大好き
人懐っこいカスミチョウチョの大群downsize
(人懐っこいカスミチョウチョウオの大群、どこまでもついてきます)
「砂」は液体、気体、固体のいずれでもない「粒子状物質」。そしてお互いに集まりあうのが大好きです。風に吹かれると砂丘の山を作ります。


砂糖と砂を より分けるには?
安息角
(安息角とは・・)
砂糖と砂をより分ける方法とは?それには「安息角(angle of repose)」の違いを利用すれば良い、つまり上から静かにこぼしてやれば「安息角」の違いで勝手に分かれ層を作って積もります。
「安息角」とは「粉や粒の山」がギリギリ崩れない最大角度のことで、粉や粒(粒子状物質)の大きさ、形、密度、特に摩擦で変わります。つまり「山」の崩れやすさです。



風と水が粒の層を作る
サンゴのかけらで出来た砂浜は真っ白ですdownsize
(サンゴのかけらで出来た砂浜は真っ白です)
自然界では風や水が砂や泥を運びかき回しやがて静かに積もる、やはり粒の種類によってより分けられて層になります。また、種類の違う粒で「山」ができるときは、水を沸かすときのような対流が起こり、断面はマーブルケーキのようになります。


かす汁では困らないが豆ごはんで困ることとは?
かす汁と豆ごはん
(かす汁と豆ごはんの違い?、どちらも好き!)
様々な細かい具の入った筑前煮やかす汁では煮立てても具は均一で、例えば、ニンジンだけが集まるってことはない。でも豆ごはんやかやくごはんを炊くと必ずかき回さないと豆やかやくがご飯の上に集まっています。同じように熱で対流してるはずなのに?


豆ごはんは「粒子状物質」の対流です
それはお米も具も共に砂と同じ「粒子状物質」だからです。炊くときの対流が粒を種類ごとに分け同じ種類の粒だけで集まり偏ってしまうためです。だからチーズ揚げの衣もパン粉を粉チーズと同じくらいの細かさに揉むわけです。
関連記事ホタテチーズ揚げはここをクリック↓
チーズとバターが香るホタテのチーズ衣揚げ

欲しいナッツが取れない
このようなことは柿の種やミックスナッツでも経験しますよね。均一になるよう揺すっても欲しいものが上に来ない。これを「ブラジルナッツ効果」というそうです。ミックスナッツも砂と同じ粒子状物質の混合物で揺すると大きいものと小さいものに分かれて不均一になります。

ナッツの動きはまだ研究中
しかも揺すり方(振動の加え方)次第で大きいものが浮き上がったり、小さいものが上になったりします。1930年代に見つかりましたが、豆ごはんのように「対流」の働きによるらしいと分かったのは1990年代、厳密なメカはまだ研究中なのだとか。

防災に産業に大切な「粒々の科学」
砂で代表される粒子状物質、つまり粒々の性質、振る舞いや働きを知ることは、土木建築、防災、医薬品製剤製造、穀物貯蔵、食品調理などに幅広く役立ちます。しかし、その理論的研究は奥深くまだまだ知らないことが隠れていそうです。粒々って面白いですね。

出典: “The Planet in A Pebble; A Journey into Earth’s Deep History” 「小石、地球の来歴を語る」2010年 Jan Zalasiewicz氏著、江口あとか氏訳(2012年、みすず書房)
出典: “Sand; A Journey Through Science and the Imagination” 「砂-文明と自然」 2009年 Michael Welland氏著、林裕美子氏訳 (2011年、築地書館)
出典: “”The Earth: An Intimate History” 「地球46億年全史」 2004年 Richard Fortey氏著、渡辺政隆氏、野中香方子氏共訳(2009年、草思社)


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