輝くメタリックブルーの秘密、色素の要らない生き物たちの構造色 +10万回達成御礼 +飛行機

輝くメタリックブルーの秘密、色素の要らない生き物たちの構造色 +10万回達成御礼 +飛行機~ 色のフシギその4 ~

描くのは無理です、メカニズムが違います
銀翼がきらめくTexanはポルトガル空軍マークREVdownsize
(銀翼がきらめくTexan練習機はポルトガル空軍マークです)
クジャクやハチドリの羽、貝殻の虹色、きれいですよね。でも絵心のない僕などが絵でその輝きを表現するのは至難の業、だってメカニズムが違うんだもん・・と言うサイエンスの小ネタです。「色のフシギ」第4弾ですが、主役(蝶や鳥)の写真がないので飛ぶものつながりでヒコーキが“出演”です。

ありがとうございました、10万回達成です!
皆様のおかげでアクセス10万回を突破しました。今気付いたのですが、先月末に達成しておりました。ブログ開始からようやく1年10か月、これからもがんばりますので、ヨロシクお願いします




日常使うのは「色素の色」
Beaufighterをレストア作業中のおじさんdownsize
(Beaufighterをレストア作業中のおじさん、ケンブリッジ郊外のDuxford博物館にて)
私たちが日常作ったり、使ったりする色、絵の具、染料、ペンキ、顔料、食品の色素、化粧品・・・などはみな色素による発色で、特定の可視光を吸収して残りの波長を反射することで「色づく」しかけです。

濡れると消える色、17世紀フックの好奇心
宙吊りで臨場感のあるCamel downsize
(宙吊りで臨場感のあるCamel)
メタリックカラーに輝くクジャクの羽は美しく、そしてフシギ。17世紀の学者フック(Robert Hooke)もそう思ったようで、彼の着眼点のすごいところはこのクジャクの羽を水で濡らしてみたこと。すると、あらフシギ、輝く色が消えちゃった。「フシギな色」、でも300年前はそこまで。まだメカニズムは分かりませんでした。

「虹色」「玉虫色」、身近な構造色
フライトに向かうP40 WarhawkのデモパイロットREVdownsize
(フライトに向かうP40 Warhawkのデモパイロット)
微細な粒子による光の散乱、溝や薄層などの微細構造による光の干渉などで生み出される色もあります。これら色素によらないミクロの構造が生み出す色が「構造色(structural color)」です。例えば、タマムシなど昆虫の鞘翅やハチドリなどトリの羽の色、真珠、オパールなど宝石、水たまりの油膜、CDの表面、シャボン玉・・・などなど、生き物、無生物、人工の物、身近な例がたくさんあります。

光の波長と同じ長さ(厚さ)の隙間がポイント
燃料を補給中のSeafury downsize
(燃料を補給中のSeafury)
光は粒子であり波でもあります、ホイヘンスが証明したように。波長の同じ波は互いに干渉(interference)し、特定の光(可視光)の波長と同じ長さの隙間(屈折率の違う物質同士でできた)があればその波長の光だけを反射して眼に届き「その色」に見える仕掛けです。例えば、青い波長と同じ幅の隙間構造が鱗粉にあるチョウの翅が青く見えると言うわけです。

構造色にも“色々“あって・・・
光(可視光)の波長に近い厚さの・・・
●膜が1層だと「光の干渉」で: シャボン玉、透明だけど虹色に色づく
●膜がたくさん(多層膜)だと「玉虫色」になり: “元祖”タマムシ君、見る角度で色が変わる

光の波長に近い間隔の・・・
●規則正しい微細構造だと「回折格子」で: CDの表面、どこから見てもメタリックブルーのチョウやトリ
●規則正しいミクロの穴(ナノスポンジ)でも良くて「フォトニック結晶」になり: チョウ、宝石オパール

その間隔を変えると・・・
●温度で隙間が変わると干渉する光の波長も変わり: ハイ、額に貼る「液晶体温計」の出来上がり

1km先からでも青く輝く「宝石」モルフォチョウ
砂漠塗装でレストア中のHurricaneII downsize
(砂漠塗装でレストア中のHurricane II)
「生きた宝石」と呼ばれるメタリックブルーが鮮やかなモルフォチョウの翅は規則正しく微細構造が並んだ「回折格子」で青く輝く色は構造色、発色のエネルギーロスが少ないため、1km先からでもその輝きが見え、視界の悪い熱帯雨林で雌を呼ぶにはとても優れた方法です。

ちっちゃなプランクトンの“勝負発光”は青い閃光
「目の誕生」で著者Andrew Parker氏の研究ブレークのきっかけは、1mmに満たないちっちゃなプランクトン、貝虫の雄が雌に向けて放つ強烈な青緑色の閃光の発見です。そのしかけは雄の脚にある回折格子構造で、普段は殻の中に隠していますが、雌に出会った“勝負どき”にここぞと出すと、陽の光が青い閃光に変わり雌に強烈アピール。エネルギーが要らない小さなプランクトン向きの発光なのです。

関連の過去記事
パりの街角で出会う「色」が好き!
青く輝くカプリ島青の洞窟と青い光が時計を合わせる第三の視覚
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エンジェルフィッシュのスターウォーズと不出来な2.5原色-色のフシギその2

三葉虫の発明のせいで“仁義なき戦い”に・・
カンブリア紀のちょっと前、三葉虫のご先祖が発明したらしい“眼”と“視覚”によって“餌が見える“ようになり、突然海は「喰う、喰われる」の“仁義なき戦い”の世界になったとか。

「構造色」事始め、カンブリア紀の海は虹色でいっぱい
日除けをかけて小休止のB25 Mitchell downsize
(日除けをかけて小休止のB-25 Mitchell)
そこで防御のために硬い殻をまとう(攻殻機動隊だ!)のが流行しました。じゃ、しっかりした殻を作ろうと、ミクロの層を何層も重ねたら、あらまぁ、「虹色」構造色になっちゃった!そして、カンブリア紀の海は虹色であふれていただろう、と考えられるそうです。

マットを一吹き、虹を隠す貝たち
確かに積層構造は軽くて頑丈、貝殻にはぴったり。でもれが構造色になり海の中でいつもキラキラ、目立ちすぎてとっても危険。そこで一番外側だけは不規則な構造にして光を散らすことで貝たちは虹を隠しています。ヒコーキ模型なら、“グロスで塗ってデカールを貼り最後にマットをサーっと吹く”ようなもんです。だから表は地味な貝殻も裏を見れば真珠色です。

湿度で色を変えて変身、カブトムシ
下から眺めると新鮮なイメージのTBF Avenger downsize
(下から眺めると新鮮なイメージのTBF Avenger)
ヘラクレスオオカブトムシの翅が乾くと薄膜の隙間の水が空気に変わり、光の屈折も干渉する波長も変わって、あらまぁ、真っ黒のカブトムシが黄緑色に“変身”!

日常の中に構造色を探してみては?
身の回りには生き物の「構造色」がいっぱい、ハエの翅、貝殻の裏、サンマの皮・・追い払ったり、捨てたり、食べたりする前にちょっと眺めてみては?生き物のたちのせいいっぱいの工夫なんですから。

出典①: 日経サイエンス 2012年8月号 P.76 “Nature’s Color Tricks” 「生物の色彩マジック」Philip Ball氏執筆の記事
出典②: ”In the Blink of an Eye”「眼の誕生」(2003年) Andrew Parker氏著、渡辺政隆氏、今西康子氏訳(2006年、草思社)
出典③: 「マンガでわかる色のおもしろ心理学2」(2007年、サイエンスアイ新書)
出典④:  “The Eye – A Natural History” 「見る」(2007年) Simon Ings氏著、吉田利子氏訳(2009年、早川書房)
関連情報: こんな研究会もあるようです
「構造色研究会」: http://mph.fbs.osaka-u.ac.jp/~ssc/


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コメント

Re: No title

必殺遊び人さま、いつも訪問、そして重ねてのコメントありがとうございます。お祝い、うれしくも恐縮です。これも訪問下さる皆様のおかげです。必殺遊び人さんのおっしゃる通り、ダイビングで出会うサカナ君たちも海の中でほんとうにキラキラしていて、スーパーのパックとは美しさが全然違います。翼の形状や物性を変えるなんてすばらしいアイデアですね。最近のジェットライナーのウィングレットも鳥の風切り羽からヒントを得たとも聞いたことがありますが、カラスやカモメなどを見ていると飛行機の翼はなんてカタイんだろうと思ってしまいます。
> 10万回おめでとうございます。まずは祝着
>
> 生物を見ているとほんとに不思議な気がします。最近野鳥の会に入ったのですよ。それでフィールドスコープを購入して覗いて見てみると野鳥が輝いて見えるのです。死んでいる時とはちょっと印象が違います。ミクロ的にある溝構造やら繊維状のものの勢いがうしなわれたから違う感じようになったのかもしれませんね。
>
> 最近テレビの科学番組でサメの肌の表面にやはり特殊な溝状の模様があってそれが細菌の侵入を防いでいるとありました。どういう理屈なのかはわかりませんが、何か似たような印象を受けますね。
>
> 飛行機の翼の表面を微細な溝状の形状を作ってしかもその間隔を電気的制御で持って変えることにより飛行性能をコントロールできないだろうかと考えたことがありました。途中で頭が痛くなって中断していました。←頭悪いもんですから。(笑)

No title

10万回おめでとうございます。まずは祝着

生物を見ているとほんとに不思議な気がします。最近野鳥の会に入ったのですよ。それでフィールドスコープを購入して覗いて見てみると野鳥が輝いて見えるのです。死んでいる時とはちょっと印象が違います。ミクロ的にある溝構造やら繊維状のものの勢いがうしなわれたから違う感じようになったのかもしれませんね。

最近テレビの科学番組でサメの肌の表面にやはり特殊な溝状の模様があってそれが細菌の侵入を防いでいるとありました。どういう理屈なのかはわかりませんが、何か似たような印象を受けますね。

飛行機の翼の表面を微細な溝状の形状を作ってしかもその間隔を電気的制御で持って変えることにより飛行性能をコントロールできないだろうかと考えたことがありました。途中で頭が痛くなって中断していました。←頭悪いもんですから。(笑)

Re: おめでとうございます!

りーさま、いつも訪問、そしてコメントありがとうございます。何だか気恥ずかしいですが、皆さまのおかげで大台に乗りました。お体の調子がもどられて良かったですね。ご無理がありませんように。
私も「色」に昔から興味があり、生き物だけでなく、モケイの塗装、食器、ファッション、何でもまず「色」が気になります。「色のフシギ」シリーズ、また書きますね。
> こんにちは。
>
> 10万回アクセス達成、おめでとうございます!
>
> ここ最近、体調が悪く、頭痛もあって、
> やっと昨日読んで理解ができるほどに回復してきました。何度も繰り返し読みました。
>
> 色について、どうしてこんな色なのかなと思うことはよくありますけど、意味は必ずあるわけですね。
> 読んでいて、追究したくもなってきました。
> 似たような環境で育つものが、どうして色が違って
> くるのかとか・・・
> 近くの桜の木にいる虫たち、種類が変われば、
> 誰でも違うとわかるように違いますからね。
> 虫たちも私はこれだと、自己主張でもしていたのでしょうか?
> 環境で考えると、大昔の恐竜の色もかなり限定できるのだろうか?とか・・・
> いろんな疑問が出てきます。
> また色について、お話がありましたら、書いてください。

おめでとうございます!

こんにちは。

10万回アクセス達成、おめでとうございます!

ここ最近、体調が悪く、頭痛もあって、
やっと昨日読んで理解ができるほどに回復してきました。何度も繰り返し読みました。

色について、どうしてこんな色なのかなと思うことはよくありますけど、意味は必ずあるわけですね。
読んでいて、追究したくもなってきました。
似たような環境で育つものが、どうして色が違って
くるのかとか・・・
近くの桜の木にいる虫たち、種類が変われば、
誰でも違うとわかるように違いますからね。
虫たちも私はこれだと、自己主張でもしていたのでしょうか?
環境で考えると、大昔の恐竜の色もかなり限定できるのだろうか?とか・・・
いろんな疑問が出てきます。
また色について、お話がありましたら、書いてください。

Re: 十万回達成おめでとうございます!

鎌倉いとうさま、激励ありがとうございます、そしていつも訪問ありがとうございます。皆様のおかげでようやく10万回アクセスになりました。いつも、ついつい長い記事になりすみません。大文字のサブタイトルだけを追ってつまみ読みいただいても結構ですよ。
> 全部読めておりませんけれど、いつも刺激になって心が和みます。
> ありがとうございます。

十万回達成おめでとうございます!

全部読めておりませんけれど、いつも刺激になって心が和みます。
ありがとうございます。
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