気まぐれな猛獣、気候変動 + 北仏モルレー街歩き

気まぐれな猛獣、気候変動 + 北仏モルレー街歩き
生物地理学の冒険者その3


北ブルターニュ、モルレー街歩き
水路のヨットとポピーdownsize
(モルレー街はずれの水路にはヨットとポピーがいっぱい)
写真のない話題なので、まだご紹介していない北ブルターニュのモルレー(Morlaix)の写真を添えます。モルレーで何よりも印象的なのは鉄道と街の位置関係。駅に着く直前TGVはスピードを落とします。有名な鉄道橋を渡るから。町一番の高い建物、教会の尖塔が“眼下”にあります。水路の行き止まりにはたくさんのヨットが舫っていて海に通じているのでしょう、やっぱりブルターニュ。

北ブルターニュ過去記事はここをクリック↓
漁船も干上がる干満差、北ブルターニュの小さな港ロスコフ
海賊砦サンマロ、パイレーツ・オブ・ブルターニュの”兵どもが夢の跡”

さて本題・・
地球の歴史では白銀の世界は珍しい

カラフルな木組みの家並みREVdownsize
(カラフルな木組みの家並みのモルレー旧市街)
広大で真っ白な氷の世界、南極、北極、グリーンランドや、アルプスやロッキーの峰を覆う氷河などは素晴らしい自然の景観ですね。でも実は地球の長い歴史では氷がどこにもなかった時代の方が大半なのだそうです。


本題の関連過去記事はここをクリック↓
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ
南極の孤立と生物地理学の冒険者たち+サイパンの浜辺
3つのWが運ぶ海洋島のユニークな生き物 生物地理学の冒険者2
「ひので」のお手柄、地球が寒くなる? + ナポリ歩き寸景




残雪の春の山路を行く
ロータリーは花でいっぱいdownsize
(ロータリーは花でいっぱい)
少し長い尺度でみると、むしろ今は『やっと氷期(アイスエイジ)は明けたけどちょっとまだ寒いよ』という気候(まだあちこちに氷が残る春の山路みたいな)ということになるそうです。


人類はロングサマーの真っただ中
小公園でくつろぐ人たちdownsize
(小公園でくつろぐ人たち)
でも人類が文明を築き始めた1万年前頃から現在に至る完新世をちょっと前の氷河期と比べれば珍しいほどに気候が安定して暖かな“長い夏“なのだそうです。(「早春」か「真夏」か、は時間尺度の違い)


地球の気候は非線形な激変の繰り返し
行き止まりの水路の入り江二舫うヨットdownsize
(行き止まりの水路の入り江に舫うヨット)
先カンブリア紀の雪玉地球スノーボ-ルアース、南極にも緑が茂るデボン紀の温室地球、ペルム紀末の酸欠環境などなど、地球の長い歴史では気候は突然の激変を何度も繰り返してきました。


気候変化は非線形の雪崩現象
旧市街の狭い路地は静かdownsize
(旧市街の狭い路地は静か)
ちょっとした気候のゆらぎが一線を越えただけで、坂道を転がる雪ダルマのように非線形な大変動につながるようです。最近でも太陽の活動が変化しつつあることが分かり地球の気候への影響などが懸念されてますよね。


白い氷が氷を招き地球はフリーザーに・・
城址跡公園の石段から街を遠望downsize
(城址跡公園の石段から街を遠望)
アルベド(albedo、天体の反射能)って聞いたことありませんか?氷雪は太陽を強く反射(アルベドが高い)し寒くなり、更に氷が厚くなる。そして地球はあっと言う間に凍りつき氷期の到来となります。これがもっと極端に起こったのがスノーボールアース、温室効果ガスCO2の海水閉じ込めもあって。


一転、温室地球に・・・
旧市街の木組みの家REVdownsize
(旧市街に多い木組みの家)
でも何か(多分火山活動)のきっかけで一旦氷が融けると色が濃い(アルベドが低い)海面が拡がり地球は温まる、するともっと氷が溶ける、海水温が上がりCO2が大気に逃げて(温めたサイダーと同じ)、CO2の温室効果で地球は一気に暑くなり、温室地球になる。


“気候の逆鱗”には触れてはならない
段々畑のようなモルレーの街並みdownsize
(段々畑のようなモルレーの街並み)
ガラスのように脆弱な文明生活を維持するにはこのようなブロッカーが”気まぐれな猛獣”と警告した地球の気候の“逆鱗”に触れないこと。だから温暖化ガスによる“人為的で急激な”温暖化が危険なのです。急激な寒冷化でも実は同じこと。


さまざまなリズムで踊る気候のダンス
何の店だろう赤が印象的な旧市街の建物downsize
(何の店だろう赤が印象的な旧市街の建物)
以前にも書きましたが、生物地理学(Biogeography)とは生き物と地球の科学。その2つを結びつける要素の1つが気象、気候です。ミランコビッチサイクル、ダンスガードオシュガーサイクル、ハインリッヒイベンントなど太陽系の一員地球は楕円の公転軌道の離心率、地軸の傾き、回る独楽のような地軸の首振り運動により太陽エネルギーの受け方やその地域差が変わり、更に太陽の活動周期によって降り注ぐ陽の恵みも変動し、様々な周期で気候はダンスを踊ります。


地球はちっともじっとしていません
鉄橋から見下ろした教会も近くで見ると高いdownsize
(鉄橋から見下ろした教会も近くで見ると高い)
これに呼応して海洋も深海水大循環や地球を巡る風、貿易風、偏西風、モンスーンも流れと強弱が変わりデュエットを踊ります。これらに大陸を動かすプレートテクトニクスや火山活動も加わり地球はちっともじっとしていません。


文明を産みそして滅ぼしてきた気候
鉄道橋を見上げるdownsize
(目抜き通りから鉄道橋を見上げると、なるほど高い)
そして地球のこのような絶え間ない変化が気候をドラマティックに変え、文明を興して滅ぼし、ヒトの歴史を動かしてきたようです。メソポタミア、エジプト、黄河文明、マヤとアステカ、マリ王国、楼蘭・・挙げればきりがありません。


気候の逆鱗に触れる火遊びかも?
旧市街の一画白壁が鮮やかdownsize
(旧市街の一画、白壁が鮮やか)
このように人の暮らしを左右する風と雲の気まぐれ、気候や気象の変化を人はコントロールできませんし、少し先の気候変化(温暖化など)をやっとスパコンなどでシミュレーションができるようになったばかりです。“気候の逆鱗”に触れるようなCO2排出、熱帯雨林伐採、海洋汚染などはとってもアブナイ“火遊び”かも、我々はもっと謙虚になるべきなのでしょうね。


今回記事の参考書籍の一覧です
“The Great Warming” 「千年前の人類を襲った大温暖化: 文明を崩壊させた気候大変動」 2008年 Brian Fagan氏著、東郷えりか氏訳(2008年、河出書房新社)
“The Long Summer: How Climate Changed Civilization” 「古代文明と気候大変動: 人類の運命を変えた二万年史」 2004年 Brian Fagan氏著、東郷えりか氏訳(2005年、河出書房新社)
「気候文明史」2010年 田家康氏著(日本経済新聞出版社)
「世界史を変えた異常気象: エルニーニョから歴史を読み解く」2011年 田家康氏著(日本経済新聞出版社)
“Climate Crash” 「異常気象の正体」 2005年 John D. Cox氏著、東郷えりか氏訳(2006年、河出書房新社)
“The Discovery of Global Warming” 「温暖化の発見とは何か」 2003年 Spencer R. Weart氏著、増田耕一氏、熊井ひろ美氏共訳(2005年、みすず書房)


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