南仏エズ番外編 + 「からだを包む泡」ペリパーソナルスペース

「からだを包む泡」ペリパーソナルスペース+南仏エズ番外編
テラスのような小広場で午後のおしゃべりdownsize
(エズ山腹のテラスのような小広場で午後のおしゃべり)

南仏鷹ノ巣村エズの番外編
脳のフシギの続きのサイエンス小ネタですが、今回も写真がないので、以前の記事で紹介しきれなかった南フランスの鷹ノ巣村エズ(Eze)の写真を番外編として添えます。
エズの過去記事はここをクリック↓
オークルの小路に陽射しがやさしいエズ旅日記

辻ごとに印象が移りゆく鷹ノ巣村
時が浸みこんだような石壁の陰影downsize
(時が浸みこんだような石壁の陰影)
小高い丘のエズはふもとから登るにつれ狭い坂の迷路に貼りつくように小さな店が続き一辻曲がるたびに印象が移ってゆきます。記事に興味なくてもエズの雰囲気だけでも眺めてみてください。




「からだを包む泡」ペリパーソナルスペース
麓からとなりの丘を遠望downsize
(麓からとなりの丘を遠望)
「からだを包む泡」、ペリパーソナルスペース(peri-personal space)ってご存知ですか?
暗闇でも手さぐりでもドアノブを探って回すなど動作ができますね、それから扉を開けてトイレに立つとか。


骨、関節、筋肉に仕込んだセンサーが作る体性感覚
ようやく辻に陽が射し始めるdownsize
(ようやく辻に陽が射し始める)
これは「体性感覚」のおかげ、骨、関節、筋肉に“仕込んで”あるセンサーが腕や手の位置をリアルタイムに脳に伝え、その情報をもとに脳は体の位置や体制を“3次元画像“で把握できるからです。

リアルタイムの脳内3次元画像
花に導かれる石畳の路地奥downsize
(花に導かれる石畳の路地奥)
だから、例えば、人ごみでも肩触れることなくすり抜けられる。これは視覚と体性感覚(触覚)がバイモーダル(bimodal)に、脳にリアルタイムの3次元画像を描き出すからです。

体性感覚が“領空”を監視します
トンネルを抜けてまた路地が続くdownsize
(トンネルを抜けてまた路地が続く)
3m先の刃物は気にしないけど、伸ばした手にペン先を近づくと思わず手を引込めますよね。これは目(視覚)と手の位置の間隔(体性感覚)で常に自分の体とその周りの“領空“を把握、”監視“していて”領空侵犯”されそうになると反射的に防御反応をするからです。

「ペリパーソナルスペース」があなたの“領空“
白い石積みにブーゲンビリアが鮮やかREVdownsize
(白い石積みにブーゲンビリアが鮮やか)
この体を包む“泡のような空間”があなたの領海、領空、「ペリパーソナルスペース」です。立ったり座ったり、手足を伸ばしたりするとこの“泡”、ペリパーソナルスペースの形や大きさも変わります。

ご注意!女性の1m以内は“領空侵犯”ですよ
狭い路地に洒落た看板がひしめくdownsize
(狭い路地に洒落た看板がひしめく)
この“領空域”、男性は体から約50cmですが、女性は厳しくて約1mだそうです。だから鼻つき合わすような満員電車やエレベーターはツライ、一刻も早く出たくなります。

子供の指先の”泡“もお母さんの”泡“の延長
植込みが続く静かな裏路地downsize
(植込みが続く静かな裏路地)
でも敵でないならペリパーソナルスペースに入り込まれてもオッケー。恋人たちは肩寄せ合い、二つのペリパーソナルスペースは心まで溶け合って“1つの泡“になります。
赤ちゃんや小さな子はお母さんの体の一部のようなもの。手をつないだ子供の指先も自分と同じ泡、何かが近づけば手を引いてかばいます。


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泡と泡が溶け合う狩猟採取民のコミュニティー
木陰が涼しい坂道のカフェdownsize
(木陰が涼しい坂道のカフェ)
せちがらい都会生活とは無縁な今も狩猟採取で暮らす人びとは仲間と触れあいコミニュケーションすることでお互いの泡が溶け合って初めて安心し幸せなのだそうです。

「からだを包む泡」は道具によって拡張される
小さな鐘楼はパステルでオシャレですdownsize
(小さな鐘楼はパステルでオシャレです)
道具を使うには、手の器用さのほかに、「道具が感じている触覚」を脳が感じなければうまく扱えないそうです。ペリパーソナルスペースが道具の先まで延長され脳内のボディマッピングで “道具と一体になる”必要からとか。

筆を切れば血が出るほどに一体になる
丘の頂上から地中海を眺めるdownsize
(丘の頂上から地中海を眺める)
書道、料理、武道などの達人は筆、包丁、武具などが体の一部となり名人技をふるえるのだとか。古代中国の書家は字を書いている筆を切れば筆から血が出なければならないと教えたそうで、脳科学を知らずともペリパーソナルスペースを理解していたのでしょうね。

石器がやがてスペースシャトルに・・
石壁にかかる影が長くなってきましたdownsize
(石壁にかかる影が長くなってきました)
道具も包み込む“泡” ペリパーソナルスペースは、チンパンジーのシロアリ釣りの小枝に、旧人の石器に、やがて私たちの包丁、絵筆、ラケットに、更に自動車、飛行機に、そしてスペースシャトルにまで拡張されてきました。

BMIはペリパーソナルスペースの“泡“を拡張する
4つ星レストランは準備中downsize
(4つ星レストランは準備中)
サルが熊手を使って手の届かないジュースを取ることを覚えるとサルのペリパーソナルスペースは延長されボディマッピングが拡張されます。脳に電極を埋め込み道具と直接つなげばBMI (Brain machine Interface)になりペリパーソナルスペースは更に拡張されます。
BMIの過去記事はここをクリック↓
念じるだけで物を動かす脳のフシギBMI

“泡”で包めばガンダムにBMIで脳につなげばエヴァに発展?
ロボットには3つのタイプ、ガンダム(装着型)、鉄人28号(遠隔操作型)、アトム(自立型)があるそうです。ペリパーソナルスペースを道具で拡張するのはガンダム型、じゃ、BMIでつなぎ「思念するだけで動かす」のは「エヴァンゲリオン型」になるんだろうか?

出典①: “The Body has a Mind of Its Own” 「脳の中の身体地図」 2007年Sandra Blakeslee氏, Matthew Blakeslee氏共著、小松淳子氏訳(2009年、㈱インターシフト)
出典②: “Beyond Boundaries” 「越境する脳」 2011年、Miguel Nicolelis氏著、鍛原多恵子氏訳(2011年、早川書房)
出典③: 「つながる脳」 ”Social Brains” 2009年、藤井直敬氏著(NTT出版)
出典④: 「マンガでわかる心理学」、2008年 ポーポー・ポロダクション原田玲仁氏著(ソフトバンククリエイティブ㈱/サイエンス・アイ新書)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: No title

rika3377さま、いつも訪問そしてコメントありがとうございます。エズの丘の頂上のちょっとフシギな「植物園」のような庭にも行きました。地中海と海岸が一望できる素晴らしい眺めでした。rika3377さんも行かれたんですね。私もぜひまた訪れたいです。

> こんにちは!
> ご無沙汰してしまい申し訳ありません。
> エズ、丘の上の庭、行かれましたか?
> もしかしたら丘の上からの写真は庭から撮られたものでしょうか?
> サボテンが素敵ですよね。
> またぜひ行きたいです。

No title

こんにちは!
ご無沙汰してしまい申し訳ありません。
エズ、丘の上の庭、行かれましたか?
もしかしたら丘の上からの写真は庭から撮られたものでしょうか?
サボテンが素敵ですよね。
またぜひ行きたいです。

Re: No title

petero kさま、ご訪問、コメントありがとうございます。フランスの小さな村はいいですね。「泡」もそうですが、コンピュータでもロボットでも真似できないヒミツをまだまだ脳は隠しているようです。petero kさんの優しいブログいつも愉しみに拝見しています。また頑張って書きます。

> Levalloisbeeさん、こんにちは。
> エズ・・・ 過去記事も拝見させていただきました。
> ほんとうにすてきな村ですね。 
> 若い頃、一年半ほどフランスに住んでいましたが、あまり旅行に出かけませんでした。
> ニースには友人を尋ねたことがあります。 もうちょっと行けばエズなのに・・・ 
> ・・ 惜しいことをしました。
>
> そして、peri-personal space・・・ これもまたすばらしい泡ですね。
> このようなお話を聞くと、神様の創造がいかにすばらしいか、再確認させられます。 
> ありがとうございました。

No title

Levalloisbeeさん、こんにちは。
エズ・・・ 過去記事も拝見させていただきました。
ほんとうにすてきな村ですね。 
若い頃、一年半ほどフランスに住んでいましたが、あまり旅行に出かけませんでした。
ニースには友人を尋ねたことがあります。 もうちょっと行けばエズなのに・・・ 
・・ 惜しいことをしました。

そして、peri-personal space・・・ これもまたすばらしい泡ですね。
このようなお話を聞くと、神様の創造がいかにすばらしいか、再確認させられます。 
ありがとうございました。
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