「ワン」は平和なコミュニケーション + パリを彩る花たち

「ワン」は平和なコミュニケーション + パリを彩る花たち

「ウー」 + 「クンクン」 = 「ワン」

ウーたすキャンはワン




「ワン」とは鳴かないさ、大人ならね
Levallois 市章を包むチューリップREVdownsize
(ルヴァロワ市章を包むチューリップ)
猫はニャー、で犬はワン。それではイヌと祖先を共有するオオカミは?→めったに「ワン」とは鳴きません、大人なら。今回の話題も写真がないので、住んでいたパリ郊外ルヴァロワの花たちを添えています。出典①


「ワン」を取り上げてしまって、いいのかなぁ?
タレント犬が声帯除去手術を受けていた、声帯を除去するのは「無駄吠え」を防ぐため、との記事(朝日新聞)を読んでちょっと複雑な思いになりました。そこで「ワン」を考えてみました。

特に意味ない犬の「ワン」
プランシェット公園から見上げるアパルトマンREVdownsize
(プランシェット公園から見上げるアパルトマン)
オオカミは敵やライバルに向かって「ウー」と唸って威嚇し、遠くの仲間に「ウォーン」と遠吠えして縄張りを知らせます。では犬の「ワン」の意味は?「特に意味ない」のだそうです(イヌにとってですよ)。出典①


「ワン」は飼い馴らされたオマケの形質
陽に輝くプランシェット公園のバラdownsize
(陽に輝くプランシェット公園のバラ)
そもそも「ワン」そのものが(野生に生きる尺度で考えると)もともと無駄で、人間が品種改良してきた結果(あるいはオマケ)だからです。だって獲物に向かって「ワン」と吠えればたちまち逃げられてしまいます。出典①
(今回は科学的に書かれたイヌの本など何冊かの関連の本を参考にしてはいますが、永らく実際に犬を飼っていないので、どこか「違うぞ」というところがあればごめんなさい)


“残飯あさり”がやがて“ガードマン”に
ルヴァロワ街角の窓辺の花downsize
(ルヴァロワ街角の窓辺の花)
氷期の「寒の戻り」、ヤンガードライアス期が明けた1万年くらい前、定住が始まりヒトがやっと集団で暮らすようになった頃、その周りで残飯あさりしていたイヌの祖先(オオカミではなく祖先が同じ)が、ライバル集団(隣村とか)の襲撃を吠えて教えたりするので、「こりゃ便利」と飼い馴らすようになった・・・という説もあるそうです(初めは「ウー」だったかも?)。出典①、③


「ウー」 + 「クンクン」 = 「ワン」
オオカミは優位に立っていれば「ウー」(正確には「グルルゥー」か)と唸り、劣位なら「クンクン」「キャンキャン」と服従します。
オオカミはこどものときだけ「ワン」。そしてイヌの「ワン」はこの「ウー」と「クンクン」が混線して混じったものではないかと・・・。出典①


「ワン」を翻訳すると「おい」「ねぇ」「ちょっと」、ヒトと同じで平和的
ルヴァロワ市庁舎庭の花と噴水downsize
(ルヴァロワ市庁舎庭の花と噴水)
野生では唸る低い声は恐ろしいもの、威嚇の印、高い声は弱い=安全なもの、服従の印、その中間、「ワン」のような声は“Hey!”、「おい」という声かけらしい(ユージン・モートン氏の研究)。中立無色無害でとっても便利。ちなみに平和なコミュニケーションをするヒトの言語の発音も多くがこの”無色“の中間音だそうです。出典①


意味なくても人には役立つ「ワン」
プランシェット公園で遊ぶ鳩さんたちREVdownsize
(プランシェット公園で遊ぶ鳩さんたち)
そして「ワン」はもはや野生の生活においては意味あるメッセージじゃなくなっちゃった。でもイノシシを追い立てる、泥棒に吠えたてるなら人間にとって「ワン」は役立ちます。だから永らく「ワン」は役立つ形質として選抜されてきました。出典①、②、④、⑤


何はともあれ“群れ”には「ワン」
イヌはもともとオオカミと同じく群れで暮らす動物。オオカミなら優位と劣位で「ウー」、「クンクン」のところを威嚇・服従行動が既に混線しているイヌは“群れの仲間”である飼い主や家族の誰にも、「お帰り」、「遊んで」、「お腹減った」・・何はともあれ、ともかく「ワン」。イヌが「ワン、ワン」とまとわりつくのはかわいいものですね。出典①、②

「ワン」は大事なコミュニケーション
木漏れ日のプランシェット公園を散歩downsize
(木漏れ日のプランシェット公園を散歩)
だから無駄吠えはありません。本来「ワン」は無駄だったのに、やがてヒトとの大事なコミュニケーション手段になったのですから。「ワン」と吠えるなということは職場や家庭であいさつを禁止するようなもの。
但し、よく吠えるのはかまい過ぎの過保護や(いじめられたりして)警戒心が強すぎるのが原因でもあるようで、「仔(犬)育て」も大切なようです。出典②


出典①: 「犬の科学」”The Truth About Dogs” 、2000年Stephen Budiansky氏著、渡植貞一郎氏訳(2004年、築地書館)
出典②: 「ペットは人間をどう見ているか」、2010年支倉槇人氏著(技術評論社)
出典③: 「古代文明と気候大変動」”The Long Summer; How Climate Changed Civilization” 2004年 Brian Fagan氏著、東郷えりか氏訳(2005年、河出書房新社)
出典④: 「動物と人間の歴史」、2003年江口保暢氏著(菊地書館)
出典⑤: 「動物たちの奇行には理由がある」2009年Victor Benno Mayer-Rochow氏著、江口英輔氏訳(技術評論社)


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コメント

はじめまして!

こんにちは!!
ユートラベルノートと申します。

ブログをとても楽しく読ませていただきました!!

私達、「ユートラベルノート」はいろんなブログや情報を集めたサイトです。
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ユートラベルノートのホームページ
http://www.utravelnote.com/
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Re: チューリップがすてきです

Panda NEKO No.1さま、こちらこそ、いつも訪問そしてコメント感謝です。また、過分のおほめ恐縮です。パリは何でもない建物の壁、ドア、標識、看板の色彩バランスがうまく、街中を飾る花がこれに加えて良いアクセントになっている気がします。だから(当たり前ですが)腕じゃなく対象物がいいんです。また、ご紹介します。

> いつも、ご支援ありがとうございます。コメントがひとつ前の記事になってしまい申し訳ありません。
> 実は、この記事のチューリップをはじめとする花たちがとてもきれいで、建物など景色とのバランスが(より私の)お気に入りのため、こちらに書かせていただきました。
> “ワン”の話もとても面白かったです。いつもながら、すてきな写真を拝見して、勉強にもなり、楽しませていただいています。
> また、これからの記事も楽しみにしています!

チューリップがすてきです

いつも、ご支援ありがとうございます。コメントがひとつ前の記事になってしまい申し訳ありません。
実は、この記事のチューリップをはじめとする花たちがとてもきれいで、建物など景色とのバランスが(より私の)お気に入りのため、こちらに書かせていただきました。
“ワン”の話もとても面白かったです。いつもながら、すてきな写真を拝見して、勉強にもなり、楽しませていただいています。
また、これからの記事も楽しみにしています!

Re: はじめまして

fugiena様、訪問そしてコメントありがとうございます。そう、あいさつですよね、「ワン」は。普通の「ワン」は平和的でこわくないと言う認識が犬好きではない人にもひろがるといいですね。また、面白そうなネタを見つけたら書きます。

> はじめまして。
> ブログへの訪問、ありがとうございます。
> 私はわんこ大好き人間で、初めての方のブログ訪問でも、まず「わんこネタ」を探してしまうくらいです。
> さて、わんこの「ワン」についてですが、私は「あいさつ」と認識しております。たまに、お散歩中のわんこに、「あいさつ」される時があるのですが、そんな時たいていの飼い主さんはわんこに対して、「こら」とか、「吠えないの」とか注意しますが、それって「あいさつしないの!」と言ってるのと同じではないでしょうか。
> わんこの空気(目つきだとか、しっぽの振り方だとか、毛の逆立ちかただとか)で、敵意があるのかないのか、大体分かります。
> 今回の「ワン」についての文章、大変興味深く拝読いたしました。
> また訪問させていただきますね。
> 追伸:パリの景色・お花のお写真にいつもほっこりさせていただいています。

はじめまして

はじめまして。
ブログへの訪問、ありがとうございます。
私はわんこ大好き人間で、初めての方のブログ訪問でも、まず「わんこネタ」を探してしまうくらいです。
さて、わんこの「ワン」についてですが、私は「あいさつ」と認識しております。たまに、お散歩中のわんこに、「あいさつ」される時があるのですが、そんな時たいていの飼い主さんはわんこに対して、「こら」とか、「吠えないの」とか注意しますが、それって「あいさつしないの!」と言ってるのと同じではないでしょうか。
わんこの空気(目つきだとか、しっぽの振り方だとか、毛の逆立ちかただとか)で、敵意があるのかないのか、大体分かります。
今回の「ワン」についての文章、大変興味深く拝読いたしました。
また訪問させていただきますね。
追伸:パリの景色・お花のお写真にいつもほっこりさせていただいています。

Re: こんにちは

しげちゃん様、いつも訪問そしてコメント感謝です。小さい頃から犬と一緒に育ち犬は大好き、一緒に庭や裏の薬師堂で駆け回っていました。今、犬さんたちが素直に生きられないようになってるかも?と危惧し記事にしました。また面白いネタを見つけたら書きます。

> コメントありがとうございました。
> ブログは休みますが、訪問はできますので・・^^
>
> 今回は面白い題材ですね。「ワン」について考えたことがなかったので、参考になりました。
> ありがとうございます。

こんにちは

コメントありがとうございました。
ブログは休みますが、訪問はできますので・・^^

今回は面白い題材ですね。「ワン」について考えたことがなかったので、参考になりました。
ありがとうございます。

Re: 1枚めは忘れな草

ポンセ様、いつも訪問、そしてコメントありがとうございます。市章を飾る青い小さな花が忘れな草ですか?生物屋のくせに植物分類は暗くて、でも花は大好きです。時刻や天気で色合いが変わるところがいいなと思います。

> 犬の写真がなくても、花はやっぱりいいですね。
> 文章はあとからゆっくり読みますね~。
>
> 花より団子だけど、犬より花!
> きれいな写真をありがとう。鳩のいる写真は色あいが素敵でした。

1枚めは忘れな草

犬の写真がなくても、花はやっぱりいいですね。
文章はあとからゆっくり読みますね~。

花より団子だけど、犬より花!
きれいな写真をありがとう。鳩のいる写真は色あいが素敵でした。
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