DNAに見る人類史に類を見ない日本人の優しさ - 心が優しくなる三冊の本(1)

DNAに見る人類史に類を見ない日本人の優しさ
- 心が優しくなる三冊の本(1)

ヴィクトルユーゴ交差点の噴水downsize
(ヴィクトルユーゴ交差点の噴水




明けましておめでとうございます。
新年2012年は希望に向かって歩いてゆく年にしたいですね。2011年は忘れられない、忘れてはいけない辛い年でしたが、日本人を強く意識した時でもありました。

心を優しくする3冊の本
3冊の本downsize
そんな中、心を優しくしてくれる三冊の本に出会いました。その一冊、「DNAでたどる日本人10万年の旅/多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?」の話題。
下手なイラストだけではあんまりので、パリの寸景を添えています。


滅ぼさず、排除せず、そのまま受け入れてきた優しい国、日本
ニュィイ近くREVdownsize
(ニュィイ近くにて)
著者、崎谷満氏の述べるある部分については一つの学説だと思いますが、著者のメッセージ・・

「DNA研究から『人類の出アフリカの主な3系統すべてが揃うのは日本だけ』と判明し、そのことから日本は世界に類を見ない稀な『敗者を滅ぼさず、排除せず、そのまま受け入れてきた優しい国』であることが分る」
・・と言う結論は、著者が挙げる傍証(石器・土器などの遺物や方言など言語の系統と分布など)や関連の他の本の証拠(出典②から⑧)から見てもまず正しいのではないか思います。

日本の豊かな自然が人びとの共存を可能に・・
パッシーの窓辺の花downsize
(パッシー坂道沿い窓辺の花)
著者は日本が豊かな自然、温暖な気候、水源に恵まれ海に囲まれた地であることも幸いし、いくつものグループが争わず共存できたのだろうと述べています。


出アフリカの3大系統すべてが今も共存する稀な国
日本への旅downsize
Y染色体DNAで見ると現生人類の出アフリカしたグループには3つの主な系統(C、DE、FR)があり、日本ではC系統からC1とC3他が、DE系統からD2他が、FR系統からO2b他と3系統すべて揃っていて世界に例を見ないそうです(たいていは新しい支配系統が古い系統を滅ぼしてしまうため)。

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自然を守ってきたご先祖さま

辻から垣間見る聖アレクサンドル.ネフスキー教会downsize
(辻から垣間見る聖アレクサンドル・ネフスキー教会)
「銃・病原菌・鉄」の著者Jared Diamond氏も今日(3日)の朝日新聞記事で「日本は最も環境に恵まれた国の1つ。人口抑制と森林保護で江戸時代の自給自足を可能にした」と評価していました。
パリの国際機関では日本の競争力や交渉力の弱さを時に歯がゆく思ったこともありますが、そのことと表裏一体かも知れない日本人の優しさはやはり受け継いでゆかなければいけないと改めて思いました


Y染色体とミトコンドリアのDNAが描く「家系図」
家系図downsize
ヒトも含め動物の細胞には遺伝子DNAは核とミトコンドリア(植物なら+葉緑体)にありますが、ミトコンドリアDNAは母からしか伝わらずこれを調べれば母系の家系図が数万年以上も遡れます。
遺伝情報のほとんどを担う核DNAは22組の常染色体+性染色体(♂XY、♀XX)、計46本の染色体にまとまられていますが、♂の性染色体、Y染色体DNAは父から男子へとしか伝わらず、これを調べれば同じように父系家系図を数万年も辿れます。


DNAで分る「時間目盛つきの血縁関係」:分岐分類法
分岐分類法の図その1
今では標準になりつつある分子時計と血縁関係を見る分岐分類法(分岐学、cladistics)を使えば、現存する生物(最近は化石からの例も)のDNAの細かい差(SNPs(一塩基多型)など)を詳しく見ればある生物とある生物が近縁か遠縁か、どんな祖先といつ頃分れ別の種へと進化したか、などを「時間の目盛をつけた血縁関係」に表すことができます。

日本人の出所由来
パレロワイヤルの噴水REVdownsize
(パレロワイアル中庭の噴水)
ヒトも同じで、現生人類全体のご先祖様を遡るとアフリカが生まれ故郷で、アフリカ以外の全世界の人々はアフリカを出た一握りの集団を共通の祖先とすることが分った話は有名ですね(ミトコンドリアイブ、Y染色体アダム、出アフリカ、グレートジャーニーなどは聞いたことがあると思います)。

du Gal Catroux角のアールデコdownsize
(du Gal Catroux角のアールデコ)
このような方法で現在の日本人のDNA(核、ミトコンドリア)を調べ、外国の人のDNAとも色々と比較すれば「日本人の出所由来」が浮かび上がってくると言う訳です。


Levallois市庁舎の噴水REVdownsize
(ルヴァロワ市庁舎の噴水)
以上、かなり“ざっくり”した説明で恐縮ですが、これまでに読んだいくつかの関連の本も併せて参照しています。疑問や興味のある方は以下の出典を見てください。


出典①: 「DNAでたどる日本人10万年の旅/多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?」2008年、崎谷満氏著(昭和堂)
出典②: “The Seven Daughters of Eve” 「イヴの七人の娘たち」 2001年、Bryan Sykes氏著、大野晶子氏訳(2001年、㈱ヴィレッジブックス)
出典③: 「ミトコンドリアはどこからきたか」2000年黒岩常祥氏著(NHK Books)
出典④: “Deep Ancestry: Inside the Genographic Project”、「旅する遺伝子」2007年Spencer Wells氏著、上原直子氏訳(2008年、英治出版)
出典⑤: “Out of Eden: the Peopling of the World”「人類の足跡10万年全史」 2003年Stephen Oppenheimer氏著、仲村明子氏訳(2007年、草思社)
出典⑥: “Before The Dawn: Recovering the Lost History of Our Ancestors”「5万年前: このとき人類の壮大な旅が始まった」2006年Nicholas Wade氏著、安田義憲氏監修、沼尻由起子氏訳(2007年、㈱イースト・プレス)
出典⑦: 「モンゴロイドの道」1995年『科学朝日』編/朝日選書(朝日新聞社)
出典⑧: 「日本人の顔」1984年司馬遼太郎氏著/同氏の対談集(朝日新聞社)
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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

コメント

Re: No title

エヌエフさん、いつも訪問ありがとうございます。こちらこそ今年もよろしく、エヌエフさんのカーモデル楽しみに見ています。自分が感じたままを書いているブログ(だから「n=1の心象」)ですが、生き物とちきゅうの話題は何冊か読んで書いています(思い込みにならないように)。プラモも作んなきゃ・・

> “Bonne Année!”
> Kenjiさんの科学的且つ文化的な様々な情報、今年も楽しみにさせて頂きます。
> そしてパリの街角を切り取った美しい写真も!
> 今年も宜しくお願いします。
> bonne chance cette année!

No title

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