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脳内地図でナビって近道を学ぶコウモリのこどもたち+パリの凱旋門、エッフェル塔

脳内地図でナビって近道を学ぶコウモリのこどもたち
+パリの凱旋門、エッフェル塔

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コウモリは脳内の認知地図で近道する
(コウモリは脳内の認知地図で近道する)
コウモリも脳内地図で近道出来る
・・・ことが分かりました。風景を見て、目標の建物を見つけ、それを頼りに近道が出来るようになります。




知った街なら脳内の地図で目的地まで行く
地図を片手に目的地まで行く、慣れれば地図なしでも土地勘で近道も出来る、「脳内の地図」、認知地図(cognitive map)によるものです。

朝の陽が透ける黄葉の凱旋門downsize
(朝の陽が透ける黄葉の凱旋門)
都会でも渓谷でもコウモリは脳内地図を使う
今回、イスラエルの2つの研究チームが、①都会テルアビブと自然環境のハル渓谷に棲む、②同じ種のフルーツコウモリ(エジプトルーセットオオコウモリ)を対象に、⓷それぞれ独自に開発したバイオロギング装置を駆使して、④コウモリが脳内の認知地図を使って餌の樹まで飛行することをそれぞれ見事に立証し、⑤ほぼ同時期にScience誌に発表しました。
スゴイですね。脳内地図を作り上げて自前の最短コースを確立するフルーツバットもスゴイですけど。

餌を見つけたフルーツコウモリ著者フォト
(記事に載っていた出典著者Yovel教授撮影のフルーツコウモリ;お借りしてます)
果物大好きフルーツコウモリ
今回の主役はEgyptian fruit bat(エジプトルーセットオオコウモリ、Rousettus aegyptiacus)と言う果実食の所謂フルーツコウモリです。コウモリは哺乳類5500種の内、種数第3位の1300種もいて、食性も昆虫食が約7割、果実食が約3割、他に肉食そして吸血(少数派です)と多彩です。
コウモリの過去記事です↓
コウモリが葉に隠れた餌を見つける超音波の秘術+プロペラ夜戦たち
ハエもコウモリも空戦機動で天井に着地する+パリ郊外エアショーの複葉機たち
蛾はひらひら翅をデコイ(囮)にしてコウモリをかわす+DH.タイガーモスとモスキート
コウモリってスゴイんだかドジなんだかでもベストセラー動物+パリの夜


野生での認知地図の立証は難しい
脳内の認知地図は約70年前に提唱され、ネズミ君に迷路の近道を探させる実験などで証拠が得られていましたが、自然環境下の野生動物に認知地図があることの立証は困難でした。

コンコルドから意外に近いエッフェル塔REVdownsize
(コンコルドから意外に近いエッフェル塔)
パリのランドマークは?凱旋門とか、エッフェル塔とか
・・・ですね。使いまわしですが、時間とともに様々な表情を見せる凱旋門、エッフェル塔などのフォトを添えます。
パリ歩きの過去記事です↓
セーヌを渡る散歩道、サンジェルマン、シテ島;晩秋パリ散歩その3
オペラからコンコルド、オランジュリー美術館へ;晩秋パリ散歩その2
ヴァンドームからヴィラージュへ晩秋パリ散歩その1
朝な夕なのパリの表情、シャンゼリゼ界隈
パリ1区から8区への裏道、サントノーレ通りを歩く
気品が華やぐパリ1区ヴァンドーム広場界隈
ゆったり感じるパリの風、サンジェルマン大通り
レトロなパリ、パサージュに刺繍屋さんを訪ねて


大学在住のコウモリが研究協力者
出典著者のテルアビブ大学のYossi Yovel教授らは、大学構内に棲む22匹のフルーツコウモリ(Egyptian fruit bat、エジプトルーセットオオコウモリ、Rousettus aegyptiacus)の幼獣が初飛行してから成獣に成長するまでの飛行を記録しました。

シルエットの凱旋門downsize
(シルエットの凱旋門)
コウモリ用GPSを開発
出典著者のYovel氏らはこの目的のために世界で初めてコウモリに取り付けられるGPS装置を開発しました。動物にセンサーを取り付けて行動を調べるバイオロギングの1種ですね。
バイオロギングの過去記事です↓
バイオロギングが明かすアマツバメの10か月ほぼ空中生活+南イタリアのソレント
「空賊」グンカンドリ、バイオロギングが明かした空中生活
「ご自宅拝見」バイオロギングで垣間見る動物の私生活+南ブルターニュ、キブロン
海のトップスイマー、マグロでも、陸のママチャリ並みです、バイオロギングその2
空飛ぶ者たちを追う愉快なローテク;バイオロギングその3


夕暮れ芸術橋(Pont des Arts)のシルエットdownsize
(夕暮れ芸術橋(Pont des Arts)のシルエット)
突然に最短ルートを見つけるコウモリのこども
幼獣は、巣から餌の果実の樹へ、また巣へと、初めは行き当たりばったりルートを模索しながら飛びましたが、ある日突然、効率的な「近道」を取るようになりナビ能力を完成させました。個体ごとにちがったタイミングで。

目立つ建物を目印にしてるんじゃない?
テルアビブの市街にはAzrieli Towers(アズリエリセンター、テルアビブの高層ビル)やDizengoff Center(ディゼンゴフ広場、ショッピングモール)など目立つ建物があるそうです。コウモリたちは近道をするときこれらの目立つ建物の上空を飛んでしました。

ドローンで確かめるコウモリ目線
そこでドローンをコウモリの近道を同じ高度で飛ばすとコウモリたちが目印にしていると思われる目立つ建物;はその高度ならどこからでも見えることが分かりました。

初飛行から記録を取るのがミソです
出典著者のYovel氏らはフルーツバットの初飛行前の幼獣を使うことで彼らの近道が初めてのルートである=「脳内の地図」、認知マップを使っている、ことを確認出来たのです。

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(晩秋の霧雨に人影もまばらなシャンゼリゼ)
逆GPSで自然環境下のコウモリを追跡
ヘブライ大学Ran Nathan教授とテルアビブ大学Sivan Toledo教授は、逆GPSのようなATLASと呼ぶナビ・システムを用いて、北イスラエルのフラ渓谷に棲むEgyptian fruit bat(エジプトルーセットオオコウモリ)の飛行を調べました。

スマートなバイオロギング装置、ATLAS
通常のGPS(受信機)は頻繁に衛星と交信するため電力を消費し重いバッテリーが必要なので小動物に装着するには不向きです。
「逆GPS」のATLASシステムの小さなタグはフルーツコウモリの頭部に糊付けされます。これもバイオロギング装置ですね。

青空を背に斜めの陽を浴びるエッフェル塔REVdownsize
(青空を背に斜めの陽を浴びるエッフェル塔)
数10匹のコウモリの飛行を14の基地局で追う
予め、フラ渓谷の1万本の果樹の位置をマッピングしておきます。
個々のコウモリに装着したATLASタグからの個別IDの信号をフラ渓谷周囲に設置の14の基地局で捉え位置を特定します。衛星との交信の電力負担を避けたATLASのシステムは小さくかつ安価です。しかも一度に数10匹の飛行を追跡できます。

4年間で約3500回の飛行を記録
ATLASシステムを用いて4年間で172匹のフルーツコウモリ(エジプトルーセットオオコウモリ)の3449回の夜間飛行のルートを記録しました。位置特定は延べ1800万箇所になりました。

横みちからノートルダム寺院を見上げるdownsize
(横みちからノートルダム寺院を見上げる)
コウモリは目標目指してまっすぐ飛ぶ
野生のコウモリは餌探しでランダムに飛ぶことは滅多にありません。コウモリたちは目標の果樹目指して往々にして直線飛行の近道を取ります、まるで脳内に地図があるみたいに。
そしてコウモリたちは少なくとも数か月はその近道ルートを覚えていました(迷わず同じルートで飛ぶ)。
ヘブライ大学Nathan教授のチームはこの研究で動物における認知地図(cognitive map)の最良の証拠が得られたとしています。

短距離用のコウモリ超音波レーダー
コウモリって超音波を使って暗闇でも飛べることで有名ですね。でもこの超音波探知のシステムは樹木を避ける、餌の昆虫を捉える、など近距離のナビしか機能しません。

長距離ナビは目で見て
コウモリも、巣と餌場の往復など20kmほどの長距離のナビには超音波ではなく視覚を使います。そして視覚により記憶した風景の情報を使って脳内のナビ地図を作り上げていくようです。

出典:“The ontogeny of a mammalian cognitive map in the real world” Lee Harten, Amitay Katz, Aya Goldshtein, Michal Handel, Yossi Yovel Science Vol. 369, Issue 6500, pp. 194-197 (2020) DOI: 10.1126/science.aay3354
出典:“Cognitive map–based navigation in wild bats revealed by a new high-throughput tracking system” Sivan Toledo, David Shohami, Ingo Schiffner, Emmanuel Lourie, Yotam Orchan, Yoav Bartan, Ran Nathan Science Vol. 369, Issue 6500, pp. 188-193 (2020) DOI: 10.1126/science.aax6904
出典:”BATS NAVIGATE JUST LIKE HUMANS – USING THEIR EXCELLENT EYESIGHT AND A COGNITIVE MAP” July 12, 2020 Tel Aviv University Featured News, Newsroom
出典:“Tel Aviv Fruit Bats Use Skyscrapers to Navigate, Scientists Discover” Ruth Schuster Haaretz.com Science & Health 10.07.2020
出典:ウィキペディア記事「Egyptian fruit bat Egyptian fruit bat」


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報