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あしながリベレーターが英国風仕立てで北大西洋の暗闇を照らす

あしながリベレーターが英国風仕立てで北大西洋の暗闇を照らす
~0.1%が流れを変えた
VLR (Very Long Range、超長航続距離) リベレーター ~

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すべて英国風に仕立てたリベレーターGRV
(すべて英国風に仕立てたRAFコースタールコマンドのリベレーターGRV)
最多生産四発重爆B-24リベレーター
1939年12月XB-24が初飛行したB-24リベレーター(Consolidated Model 32 B-24 Liberator)は四発機で最も多い総生産数18,482機の超有名機・武勲機です。




飛行艇を手早く重爆にする方法downsize
(飛行艇を手早く重爆にする方法、8か月でModel31からB-24へ)
飛行艇をベースに8か月で初飛行
B-17に比べ地味ですが、自慢のDavis翼のおかげでB-24 は長い航続距離を生かして、戦略重爆以外にも哨戒機、輸送機として多用途に使われました。前作の野心的飛行艇Model 31のDavis翼の主翼と尾翼をそのまんま流用したおかげで四発機なのにたった8か月でXB-24 は初飛行しました。

B-24が初の3点式車輪、はいつくばった両生類みたい
B-24は初めて3点式降着装置(前輪と主輪)を採用した大型機で飛行艇くずれの中翼なので地上では“はいつくばった”ような恰好です。同じく飛行艇をまんま四発重爆にしたスターリングは尾輪式、複雑で巨大な主輪のためまるで怪物ですが。
スターリングの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
規制を守って翼を切られた怪鳥の悲喜劇、スターリング物がたり

足の長さを買われたYB24とVLRリベレーター
(足の長さを買われたYB24とVLRリベレーター)
たった0.1%のVLRリベレーターが戦局を変えた
B-24の生産機数のわずか0.1%、たった20機のVLR (Very Long Range、超長航続距離) リベレーター(Liberator) I (LB-30B、B-24A相当)がRAF(英空軍)コースタールコマンドに配備され北大西洋の対Uボート戦で決定的な働きをしました。RAFのリベレーター Iは米国に先駆けB-24シリーズとして初めての実戦デビューとなりました。

黒い隙間Mid Atlantic Gap
(黒い隙間Mid Atlantic Gap)
Uボートが暴れるままの北大西洋の黒い隙間
1942年当時、北大西洋東西両岸の陸上基地からの哨戒機ではどうしてもカバー出来ない海域、黒い隙間:Mid-Atlantic gapがあり、そのためUボートによる商船被害はうなぎのぼりで深刻なものでした。

VLRが哨戒のコンパスを伸ばし隙間を埋めた
1942年夏、RAFのVLRリベレーターは北アイルランドに初配備以来、アイスランドにも進出し、その大きな哨戒範囲で北大西洋の対Uボート哨戒の隙間を完全に埋めたからです。北米東海岸からは米軍B-24がカバーしました。

一番足が長いVLRリベレーターLB-30B
なぜなら、VLRリベレーター I/ LB-30Bはシリーズ中もっとも足が長く航続距離6,436kmで、それまでのRAFコースタールコマンドのサンダーランドの4,640km、カタリナ Iの4,603kmなどよりも長距離を飛べたからです。

黒い隙間は塞がり全Uボートに撤退命令
これらVLRリベレーターに加えてアイスランド、アゾレス諸島の前進基地、護衛空母の対Uボート戦導入とが相まって黒い隙間Mid-Atlantic gapは塞がり、1943年5月デーニッツ提督は全Uボートに撤退を命じました。
護衛空母のF4Fマートレットとアベンジャーの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
狼を追うイワツバメ大西洋のマートレット
大西洋のU-ボートを制した白衣のアトランティックアヴェンジャー


B24機首動力砲塔Duxford IWM downsize
(B24機首動力砲塔Duxford IWM)
リベレーターは必ず英国風に仕立て直します
もちろん先駆けとは言え、たった20機のVLRリベレーター I で足りるはずはなく、以後RAFコースタールコマンドはB-24各型と次々VLRマリタイム機として導入多用しました。でも必ず「英国風」に仕立て直してからですが・・。

RAFリベレーターはバリエーション豊富で面白い
そのため、米軍B-24 各型の形態は機首以外ほとんど変わらなかったのに対して、RAFリベレーターは細かいところでバリエーション豊富で面白いです。

RAFリベレーター尾部動力砲塔Canadian Aviation Musium downsize
(RAFリベレーター尾部動力砲塔Canadian Aviation Museum)
レーダーで見つけて機関砲をぶっ放す四発機
VLRリベレーター I (LB-30B)はUボート探索用にASV II 対艦レーダーを装備、八木宇田アンテナが胴体に林立しています。もちろんB-24として初のレーダー装備。更にUボート制圧用に20mm機関砲4門のガンパックと言う重武装で、重爆で20㎜機関砲ガンパックと言うのは後にも先にもありません。

対Uボートの切札ASV対艦レーダー
その時必要で使えそうならヒコーキになんでも載せちゃう、くっつけちゃうのはRAF流ですね。
ちなみにASV対艦レーダーの初装備はRAFのハドソンです。

ハドソンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ベンチャー成上りの礎は丸っこくかわいいハドソン機 空(そら)物語その3

英国風仕立て、動力旋回砲塔
B-24初期型の防御武装は手動式12.7mmでしたが、リベレーター II (LB-30)からは7.7mm4連装動力砲塔(尾部、背部)に替えています。B-24として初めての動力砲塔装備でした。B-24リベレーターは米国より英国が先に行ったことがたくさんあります。なんでLB-30がII型でLB-30BがI型なのかナゾですね。

B24のエンジンDuxford IWM downsize
(B24のエンジンDuxford IWM)
RAF名物、あごの下のチン・レドーム
コースタールコマンドの次の主力はB-24D相当のリベレーター III から発展したリベレーターGRVですが、ASVレーダーは機首下部のレドームに収まり、一見B-17Gみたいです。ウェリントンGRXIVもこのチン・ターレットならぬチン・レドームですが、米軍には例がなく、やはり「英国風」改装です。
ウェリントンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
余り物には珍発明を間抜けな漁師のウィンピー大活躍Wellington GR Mk VIII

前代未聞、4発機のロケット弾攻撃
その上、一部のリベレーターGRVはなんと主翼真下の小さな張り出しにロケットランチャーを付けてロケット弾8発を装備しました。もちろん対Uボート用ですが、4発のロケット弾攻撃機はさすがにリベレーターだけで「英国風」どころか他に例がありません、双発機ならボーファイターがありますが。英国はこういう改造が好きですね。
ボーファイターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
Beauよ君はホントに戦闘機か 後編 いえ空のインディ・ジョーンズ
Beauよ君はホントに戦闘機か 前編 なんせ間に合わせなもんで


800万カンデラのサーチライトで夜のUボート狩り
800万カンデラの物凄く明るいリー・ライト(Leigh Light)はRAFコースタール・コマンド自慢の夜間索敵サーチライトでコースタールコマンドのリベレーター各型で使われ、また、カタリナ、ウェリントンなども装備しました。夜間ASVレーダーで浮上中のUボートを見つけ、至近距離でリー・ライトを照射し攻撃するもので、おかげでUボートは充電時以外昼夜問わず潜航を強いられることになり、商船隊の被害を防ぐことに貢献しました。

中立国の飛行機を撃たないで!
VLRリベレーター I (LB-30B)より前に増加試作型YB-24(LB-30A)6機がレンドリースのフェリーパイロットを北米に連れ帰る旅客機として使われました。もちろん非武装で胴体にデカデカと星条旗を描いて「中立国です、撃たないで!」とアピールしました。

フランス注文流れは英国風に仕立てないと
RAFのB-24リベレーターは、ボストンと同じくフランス注文流れを英国が引き取ったのが最初ですが、英国は痛く気に入り、次に自ら発注し、更に米国のレンドリースで、合計2200機以上もがRAFリベレーターとして就役しました。だから“嬉々として?”「英国風」アレンジをしたのでしょうね。

故国存亡の危機を凌いだ米国機
存亡の危機にあって、ボストン、ハドソン、カタリナ、キティホーク、マートレット、リベレーターなどを得たのは英国の幸運だったのでしょうね。同時に、ロッキード、ノースアメリカンなど米国航空機ベンチャーの起爆剤でもあったようです。
ボストン、キティホークの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
3人の天才が生んだ美しき器用貧乏A-20ボストン
凡作だけど地味に頑張ったキティホーク、誰にでも取り柄はあるもの


出典:世界の傑作機No.160「B-24リベレーター」(204年文林堂)
出典:Combat Legend “B-24 Liberator” 2003年 Martin Bowman氏著 (Airlife Publishing Ltd.)
出典:A Detail & Scale Vol.64 “B-24 Liberator in detail” 1993年Bert Kinzey氏著 (squadron/ signal publications)
出典: “Covering the Approaches” 1996年 John Quinn氏、Alan Reilly氏共著(Impact Printing Ltd.出版)
出典:ウィキペディア記事「」、「レンドリース法」、「大西洋の戦い (第二次世界大戦)」、「XP4Y (航空機)」、” Consolidated B-24 Liberator”、” Consolidated XP4Y Corregidor”、” Davis wing”、” Mid-Atlantic gap”


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