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海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている+石垣サンゴ礁散歩

海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている
+石垣サンゴ礁散歩

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サンゴが感染症に
(プラごみでサンゴが感染症になる訳とは?)
海を汚すのはマイクロプラスチックだけじゃありません
昨今マイクロプラスティク(廃棄プラスティックの微細粒子)の環境影響が話題になっていますが、海洋のマクロな(大きいままの)プラスティック廃棄物も、海鳥やカメなど海生動物への悪影響が以前から問題になってきました。
ウミドリのプラスティック誤食被害の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海鳥さん食べちゃダメそれ餌じゃないDMS風味のプラゴミ + Xmasのボルドー(再)




亡霊のようにサンゴ礁を襲うプラごみの袋downsize
(“亡霊”のようにサンゴ礁を襲うプラごみの袋:出典より拝借しています)
亡霊のようなプラごみでサンゴ礁が感染症に、えらいこっちゃ!!
更に、マクロなサイズ(5cm以上)の廃棄プラスティックはサンゴ礁に深刻な感染症をもたらすようなのです。なるほどErik Stokstadの出典の写真などを見ると、海底に漂うプラごみはまるでサンゴ礁を襲う“亡霊”みたいです。一体どういうことなのか?

サンゴ礁の調査地域
(4か国8地域159か所で12万4千のサンゴを調べたそうです)
12万ヶ所以上!のサンゴを調査した結果・・
出典著者のJoleah B. Lamb氏ら(コーネル大学(米)、ジェームズクック大学(豪))は2011年から2014年にかけアジア太平洋のミャンマー、タイ、インドネシア、オーストラリア4ヶ国の8地域の159ヶ所のサンゴ礁で12万4千のサンゴを調べたところ、プラごみ(廃棄プラスティック)がないところでは病気に罹っているサンゴはわずか4%だったのに、プラごみがあるところでは20倍の89%のサンゴが病気に罹っていました。

サンゴに群れる稚魚たちREVdownsize
(サンゴに群れるさまざまな魚種の稚魚たち)
主な病気は3種、40倍に増えたものも・・
プラゴミで増えるサンゴの病気は代表的なものは3種で、skeletal eroding band diseaseは1.2 ± 0.1%から43.9 ± 5.1%に、white syndromesは1.9 ± 0.2%から19.0 ± 4.0%に、black band disease は0.6 ± 0.1%から14.7 ± 3.9%に増えていました(いずれの病名も日本語が見つからないので英語名で書いています)。

サンゴの白化REVdownsize
(サンゴの白化、共生する褐虫藻類がいなくなったため)
石垣の海でもサンゴ白化を見た
今回のサイエンス小ネタのサンゴ礁つながりで石垣島ダイビングのフォトを添えています。


サンゴ礁とスカシテンジクダイの群れ
(サンゴ礁とスカシテンジクダイの群れ)
プラごみでサンゴが病気に罹るのはなぜ?
なぜプラごみがあるとサンゴは病気に罹りやすくなるのでしょうか?
1. プラごみはそれ自身病原体を運んできます。例えば、ポリプロピレンのごみではビブリオ菌が殖えています
2. 硬いプラごみはサンゴを傷つけ傷から感染に至ります
3. プラごみ(例えばビニール袋)がサンゴ礁を覆うと
① (多分、流れが滞り)病原菌のバイオフィルムが出来易くなります
② プラごみが太陽光を遮るので共生している褐虫藻の光合成が低下しサンゴの体力が落ちます
その結果、サンゴは感染症などに罹ります。

サンゴについての過去記事はです↓(クリックで飛びます)
暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち


デバスズメダイの群れ切り出しdownsize
(デバスズメダイの群れ、サンゴ礁でいつも出会う)
虫歯のバイオフィルムがサンゴ礁にも
虫歯や歯周病の主な原因が虫歯菌が作るバイオフィルム、つまりは歯垢であることはよく知られています。プラごみはサンゴ礁にもバイオフィルムを作るようで、病原菌の繫殖を促します。

ハマクマノミ切り出しdownsize
(ハマクマノミが巣を守ってます)
枝サンゴはより病気に罹り易い
更に、出典著者のLamb氏らによればサンゴの形状も感染症リスクを左右するらしいのです。枝分かれなどより複雑なサンゴはプラごみによって感染症になりやすいそうです。

魚影ゆたかなサンゴ礁REVdownsize
(魚影ゆたかなサンゴ礁)
サンゴ礁生態系を育むサンゴが一番危ない!
一方、そのような枝分かれの多いサンゴは多様な環境を作り出してサカナなど多くの生き物の棲み処なっているので、その影響はサンゴ礁の生態系全体に及び事態はより深刻です。

プラごみを海に流すTop10の河川downsize
(日経サイエンス2018年4月号記事より、独Christian Schmidt氏らの研究の紹介)
海のプラごみ汚染の4分の1はたった10本の河川から
独Christian Schmidt氏らの研究では、海には年間800万トンのプラごみが辿り着き,その内、河川からは47万トンから275万トンが流れ込むそうで、更に、河川からの海のプラ汚染の93%をたった10本の河川が占めるそうです。それら10本の内8本はアジアの河川であり、ワースト1の揚子江だけでも年間150万トンのプラごみを海に流し込んでいると考えられるそうです(モデルによるシミュレーションのデータ)。

年間1千万トン前後のプラごみが海に・・
一方、出典著者Lamb氏らに依れば、年間480万トンから1千270万トンものプラごみが海に捨てられているそうです。

世界のサンゴ礁の半分以上を占める海が今、危ない
今回出典著者Lamb氏らが調査したアジア太平洋地域のサンゴ礁は全世界の55%も占めていて現地の観光や漁業だけでなく世界の海の生物多様性にとってもとても重要なサンゴ礁です。

便利だけど捨てるとリスクもある文明の利器
プラスティックそのものは私たちがさまざまな場面で恩恵に預かっている大変優れた文明の利器です。しかし人工の産物である限り安易に生態系に廃棄することは、今回の例に限らず、「何が起こるか判らない」リスクを常に内包します。

「プラスティック、使うなら捨てるな!」
私たちがプラスティックを使うなら(たとえコストがかかっても)ちゃんとすべてをリサイクルすることが大切だと思います。
「飲むなら乗るな、乗るなら飲むな」じゃないですけど、プラスティックも「使うなら捨てるな、捨てるなら使うな」じゃないでしょうか?・・と考えたLevalloisbeeです。


フォトについて・・・
今回はサンゴ礁のサイエンス小ネタにつき、石垣島などのダイビング・フォトを添えました。ここしばらくとんと潜れていない(坐骨神経痛のせい?)ので、過去記事からの流用となりましたこと、ご容赦ください。


出典:“Plastic waste associated with disease on coral reefs” Joleah B. Lamb et al. Science Vol. 359, Issue 6374, pp. 460-462 DOI: 10.1126/science.aar3320
出典:”Is plastic trash making coral reefs sick” Erik Stokstad Science 26 January 2018 Vol 359, Issue 6374 doi:10.1126/science.aat1182
出典:「プラスティックの大河」日経サイエンス2018年4月号海外ウォッチ記事P.28-29


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過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報