雲を作って雨季を呼び込むアマゾンの熱帯雨林+雨と虹の島、ハワイ

雲を作って雨季を呼び込むアマゾンの熱帯雨林
+雨と虹の島、ハワイ ~ 雨の種も撒く熱帯雨林 ~

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雲を作って雨季を呼ぶアマゾンの熱帯雨林
(雲を作って雨季を呼ぶアマゾンの熱帯雨林)
雨季を呼び込むアマゾンの低い雲
熱帯雨林が茂るアマゾンは雨季と乾季の季節があります。
その雨季が始まる2,3か月前から低い雲が出来て森に雨が降ります。それが大気の流れを変えてやがて海の水蒸気を呼び込み雨季が始まるようです。






熱帯雨林は雲の材料と種を作る
(熱帯雨林は雲の材料と種を作る)
雨季に先立つ蒸散で熱帯の森は自ら雨を作る
この雨季前の雨は実は熱帯林自身が作り出すようです。
雨季に先立ち熱帯雨林の樹木は光合成が盛んになり、同時に蒸散も盛んになって、遂には森の上空に低い雲が発生し雨を降らせるようです。


朝の空に虹がかかるdownsize
(朝の空に虹がかかる;ハワイ、オアフ島モアナルア・ガーデン)
雨と虹の島、ハワイ
雨→虹→虹の島ってことでハワイのフォトを添えています。
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♪この~木、なんの木・・・♪;冬のハワイ番外編
金色の波に陽が落ちてゆくワイキキ ハワイの冬を行くその4
穏やかで優しいワイキキ虹の島 ハワイの冬を行くその1
静かなワイキキ、冬のハワイ、海洋島を目指した冒険


冬の陽が優しいワイキキビーチdownsize
(冬の陽が優しいワイキキビーチ)
蒸散で葉から水蒸気が大気に放出される
植物は主に葉の気孔から二酸化炭素を取り込み、酸素を放出すると共に、水蒸気も大気中に放出し、これは「蒸散」と呼ばれます。
蒸散の主な役割、あるいは効果は①毛管現象などにより根から水分と養分を吸い上げることと、②蒸発の気化熱による体温調節です(私たちが汗をかくのと同じ)。


光合成が盛んだと葉からの蒸散も増える
それだけではなく、光合成が盛んになると気孔からの二酸化炭素取り込みも盛んになり-結果、気孔が開いて-水蒸気の放出「蒸散」も盛んになります。

オレンジ色に染まるワイキキの日暮れREVdownsize
(オレンジ色に染まるワイキキの日暮れ)
樹木からの蒸散は上昇気流を生んで・・
雨林の蒸散で生じる温かい空気は上昇気流(低高度の上昇気流による水蒸気のポンプSCMP(Shallow Convection Moisture Pump))となり海からの湿った風を呼び込、雨季が始まります。

遠くから朝のスコールの風がREVdownsize
(遠くから朝のスコールの風が・・;モアナルア・ガーデン)
重水の量で水蒸気の出自が分かる
でもなぜ「樹木が雲を作った」、言い換えれば「雲の水蒸気が樹木の蒸散由来」だと分かるのでしょうか?
地球上の水には通常のH2O分子とごく少量の水素同位体である重水素の水、重水D2Oが含まれていてH2OとD2Oの比率は機器分析で測ることができます。更に人工衛星からのリモートセンシング(高空から地上の様子を光学的な方法などにより測定する)でもH2O/D2Oの比率を測ることが出来ます。


人工衛星で雲の重水を測ると・・
そこで出典著者のRong Fu氏らはNASAの大気観測人工衛星Aura(オーラ)でアマゾン上空の雲を分析してみると雨季の最中の雲はD2Oが少ないのに、雨季の前の低い雲はD2Oの比率が普通の値(地球上の水の平均的な比率)だったのです。

白いパラソルが浜辺にリズムを与えているREVdownsize
(白いパラソルが浜辺にリズムを与えている;ワイキキのホテルにて)
蒸発は水分子を選り好みし、蒸散は選り好みしない
海から水が蒸発するとき(=相転移を伴う)より重いD2OはH2Oより蒸発しにくく、結果、海で出来た雲のD2Oは少ないのです。一方、植物の根が地中から水分を汲み上げるのは浸透圧(勾配)(液体のまま)ですからH2OとD2Oを区別せず比率は変わりません。
これにより熱帯雨林が雲を作っていることが分かったのだそうです。


水蒸気だけでは雲が出来ず雨も降らない
雨が出来るためには「種」、凝結核が必要で、純粋な水だけの水蒸気では液体の雨滴になりません。大気中の水蒸気はまずナノメートル単位の水滴になろうとしますが、小さい粒なので表面張力が大きくて水になるに必要な飽和水蒸気圧が“非現実的な”290%と高くなり(ケルビン効果)、仮に水滴が出来てもすぐに蒸発するため雲は生まれません。

大気の微粒子、エアロゾルが雨の「種」、凝結核になる
そこにもしマイクロメートルのサイズ(1000倍)の固形物=エアロゾル、があればその表面に水蒸気が“露”として付着するとサイズが大きいため表面張力の影響が少なく安定した液体の水、雨滴になります。

塩があれば雨粒が出来やすい
更にはその核となる固形物=凝結核、が水に溶け易い塩の場合、雨滴に溶けだした塩分が更に飽和水蒸気圧を下げる(ラウール効果)=更に蒸発しにくくなる、ため雨滴は安定し雲になります。人工降雨実験に使われたヨウ化銀を思い浮かべればイメージできると思います。


エアロゾルの4分の1は植物が飛ばしたもの
雨粒を作る「種」、凝結核となるのは大気中の微粒子エアロゾルで、山火事や工場の煙のすす、火山噴火や工場からの硫黄化合物(硫酸塩)などもありますが、いちばん多いのが花粉など植物由来の有機物で26%、次いで黄沙などの土ぼこりで24%、次いで海の波しぶきが飛んだ塩粒で12%を占めます。

雨季アマゾンのエアロゾルは生き物由来
そこで出典著者のSid Perkins氏らが雨季のアマゾン上空のエアロゾルを分析したところ大部分が有機物のエアロゾルで、そこには2割ほど塩が含まれていました。有機物だけでは凝結核の大きさがマイクロメートルサイズにはならず、塩に有機物が付着すればサイズが大きくなり、その上に水蒸気が露になって付着し雨粒を作ることが分かりました。

樹木は空に塩粒を撒いて雨粒に育てる
つまり塩の種が、豊富な水蒸気とともにアマゾンに雨をもたらしているということになります。そこでエアロゾルの塩の組成を調べると海のしぶきのそれとは違っていて、アマゾンの樹木は雨の種の塩も空に撒いているようです。

アマゾンの森は自ら雨を作り生き物を育む
アマゾンの森は自らの水蒸気で雲を作って雨の季節を呼び込み、雨の季節には雨の種を撒いて降らせ続けるということのようです。熱帯の雨は多くの動植物の命(微生物も)を育みます。アマゾン熱帯雨林は「命の母」、やっぱり森の力はスゴイですね。

樹を伐れば雲を失う、やがて気候も変わるかも?
今回分かったことから、アマゾン熱帯雨林を開発で伐採することは、アマゾンを乾燥化させる気候変動を招きかねないことが分かります。また、これはアマゾンに限らず熱帯雨林が直面する人為的気候変動のリスクの1つでもあります。出典著者のFu氏らは次にアフリカのコンゴの熱帯雨林を調べるそうです。

出典:“Rainforest-initiated wet season onset over the southern Amazon” Jonathon S. Wright et al. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (ProNAS) August 8, 2017 Vol. 114 No. 32, P.8481–8486, doi: 10.1073/pnas.1621516114
出典:”Trees in the Amazon make their own rain” Ilima Loomis Science 4 August 2017 Vol 357, Issue 6350
出典:”Amazon Seeds Its Own Rain” Sid Perkins Science 4 August 2017 Vol 357, Issue 6350
出典:「雨はどのような一生を送るのか」 2017年、三隅良平著(ベレ出版)


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