フランスの夢見る仇花か双発戦闘機ポテ630シリーズ

フランスの夢見る仇花か双発戦闘機ポテ630シリーズ
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フランス航空雑誌のポテ特集downsize
(フランス航空雑誌のポテ特集;なんとスーパーで売ってた)
フランスでは「悲劇の傑作機」なのか?ポテ
敗戦間際の日本、ドイツの試作機たちは「悲運の名機」ですが、開戦直後のフランス機も(フランス人にとっては)「悲劇の名機」なのか?パリで買った航空雑誌には2回に亘るポテの特集(Potez 630シリーズ)が載っていました(写真見てください)。





ポテ631三面図downsize
(ポテ631三面図;ポテはちょっと小粋で小洒落た機体です)
華麗なる駄作っ機の宝庫、レシプロ双発戦闘機
岡部ださく氏(本当は岡部いさくさん)の「世界の駄作っ機」で“格好の題材”、あるいは“題材寸前”の参照例になっている第二次大戦前夜や最中の役に立たない「(レシプロエンジン)双発戦闘機」は、エアラクーダ、ウェルキン、SE-100、F5Fスカイロケットなど各国にたくさんあります。加えて、まぁ一通りは働いたけど、そもそも当初コンセプトが「あぁ勘違い」のMe110、月光、ホワールウィンドなどもあります。

ポテは手さぐり黎明期です原型初飛行比較
(ポテは「あぁ勘違い」の手さぐり黎明期です。双発戦闘機の原型初飛行年の比較)
双発傑作戦闘機は例外中の例外
だからモッシー(DH98モスキート)、ボー(ブリストル・ボーファイター)、Pe2、P-38ライトニングなどは例外中の例外の“成功した双発戦闘機”なんです。

1940年6月コートダジュールのポテ631downsize
(1940年6月コートダジュールのポテ631)
お仏蘭西の優雅な仇花ポテ630シリーズ
そんな“期待の星が役立たなかった“、「仇花」となった”お仏蘭西な”双発戦闘機にポテ630(Potez 630)シリーズがあります。スタイルはさすがフランス、とってもエレガントなんですけどねぇ・・・

双発戦闘機のエンジン馬力比較
(双発戦闘機のエンジン馬力比較;ポテは非力すぎる)
コンセプトは先駆的だったのに、ポテ
大戦前夜、プロペラ双発機に求められた大事な資質の1つが多用途性ですが、ポテ630シリーズは、
・エンジン換装の実用戦闘機型631は250機ほど生産
・中止になった夜間戦闘機635
・ダグラスDB-7が輸入され中止になった爆撃機633
・生産中に敗戦となった重戦闘機671
・ゴンドラ付偵察機637
・一番多く700機以上生産されよく戦った透明オタマジャクシ機首の偵察・地上攻撃機63.11
などなど、バリエーションがたくさんあって、その点では先取りしていました。


1940年6月ボルドーのポテ630REVdownsize
(1940年6月ボルドーにいた初期型のポテ630)
優雅でも尖がり方が足りない、ポテ
でも「双発戦闘機」として成功するには、モッシー、P-38、J21、ウェストランド・ホワールウィンド、He219ウーフーなど、単発戦闘機にも勝る“尖がったデザインとコンセプト”が必要なんですが、ポテ630はそこまで先鋭化したデザインではありませんね。

1940年12月中東ハイファの自由フランス軍ポテ6311downsize
(1940年12月中東ハイファの自由フランス軍ポテ63.11)
タフな多用途性にはパワフルなエンジンを・・
また、モッシー、ボー、P-61などのように、双発の利点である多用途性(multi-roles)、頑強性(robustness)や生存性(survivability)などを発揮するには、パワフルで信頼性の高いエンジン(マーリン、ハーキュリーズ、ダブルワスプとか)と余裕があり使いやすい機体構造が必要です。

双発戦闘機の最高速度比較
(双発戦闘機の最高速度比較;やっぱり遅すぎるポテ)
ローヌ・エンジンが非力すぎるのも一因
しかし、ポテ630シリーズはこの点で“ヤワ過ぎ”ます。搭載のイスパノスイザ・エンジン(Hispano-Suiza 14Hbs)は640馬力、馬力強化型ポテ631のノーム・ローヌ・エンジン(Gnome et Rhone 14M)でも出力はたったの660馬力しかないので。ちなみにゼロ戦や隼の心臓、栄エンジンはこのノーム・ローヌ・エンジンの血統を継いでいます。

双発戦闘機の馬力過重比較
(双発戦闘機の馬力過重比較;ポテはひ弱)
非力なままの横展開(多用途)ではもう限界だよ、ポテ
もっとも初飛行が後に名機となるライバル達より少し早い1936年なので双発戦闘機の成功条件を求めるのは酷かも知れません(後出しじゃんけんなので)。また、ブレニム→ボーフォート→ボーファイターのようなパフォーマンス向上ではなく、戦闘機→襲撃機・観測機と横展開したのが(エンジンが非力でそうせざるを得なかったのが)敗因なのかも?

双発戦闘機の翼面過重比較
(双発戦闘機の翼面過重比較;ポテは軽快)
小粋でひ弱な若旦那、ポテ
ポテとほぼ同じくして時代の先端をゆく当時はカッコいい新鋭機にブレニム(元ネタはビジネス機ブリテンファースト)がありました。共にアカ抜けたデザインながら非力でやがてA-20ボストン、B-25ミッチェル、Ju88、P-38ライトニング、DH98モスキート、Pe-2などパワフルな後輩たちにとっとと追い抜かれました。そしていざ空の戦いが始まるともはや単なる「斬られ役」。
でも大戦前夜、「一夜の夢」の思い込みと勘違いのポテやブレニムの小粋なデザインは結構好き♡です。


敵味方双方の各国に愛された素直なポテ
それでもポテ631やポテ63.11はフランス降伏後もヴィシー政権軍でも自由フランス軍でも引き続き就役したほか、ギリシャ、ポーランド、スイスでも使われました。更に占領軍であるドイツとその枢軸国のイタリア、ルーマニア、ユーゴスラビアでも練習機として使われました。“乗りやすい愛すべき”ヒコーキだったんでしょうね、ポテは。

レシプロ円熟期には双発でも傑作機が群がり出る
ま、ジェット機時代黎明期になると、一方のレシプロ機の方は円熟期で周辺技術も進歩し、P-61ブラックウィドウ、F7Fタイガーキャット、DH103ホーネット、F-82ツインムスタングなど双発でも成功作が目白押しになりますけど。
でも、ポテみたいにダメだけどエレガントなヒコーキもいいですね。


Potez 631の諸元
原型(Potez 630)初飛行1936年4月25日
乗員 3名
全長 11.07m、全幅 16.0m、全高 3.08m、翼面積 32.7平方m
空虚重量(自重、Empty weight) 3,135kg
エンジン Gnome et Rhône (ノーム・ローヌ)14M 660馬力×2基
最大速度 時速460km、航続距離 1,225km
武装 20mm機関砲×2、7.5mm機銃×1(後方旋回)


出典:ウキペディア(日英仏)「ポテ(Potez) 630/63.11」
出典:AIR MAGAZINE No16 (2003年10・11月号)、No19 (2004年4・5月号)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報