起きて!フクロヤマネ君、冬の野焼きはとても危険+フランスアルプス湖畔のアヌシー
起きて!フクロヤマネ君、冬の野焼きはとても危険
+フランスアルプス湖畔のアヌシー
~ 冬眠動物は冬の火事の危険にさらされます ~


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(起きて!フクロヤマネ君、山火事だよ)
フランスアルプス、氷河湖畔の宝石アヌシー
かわいいフクロヤマネ君のサイエンス小ネタ、フォトは秋が似合う湖畔の街、フランスアルプスのふもと、アヌシーの街歩きです(再掲)。過去記事はこれです↓
フランスアルプスの宝石アヌシー番外編
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ 第1章

(フランスアルプスの氷河湖アヌシー湖上のシャトー)
予期せぬ山火事が頻発している
開発による生息域の分断、気候変動や人間活動の拡大などのため世界中で予期せぬ山火事が増えているそうです。
これを防ぐため計画的な野焼きが冬場行われますが、冬季は多くの動物が冬眠する季節でもあります。

(冬眠寝起きのフクロヤマネ君の体力測定)
山火事予防の野焼きで冬眠動物が危ない!
冬眠により体温を下げ代謝を落として餌の乏しい冬を乗り切るのですが、当然反応も鈍るため冬眠動物は山火事や野焼きで焼死してしまうリスクがあります。

(ティウー運河から見る愛の橋)
オーストラリアのかわいい冬眠動物フクロヤマネ君
オーストラリア南西部に棲むポッサムの1種、小さくてかわいいフクロヤマネ(eastern pygmy-possums 、Cercartetus nanus)も冬眠します。夜行性で昆虫などを餌にする小さな有袋類で後肢の指は枝を掴むことが出来、しっぽも枝に巻き付けて上手に木に登ります。
冬眠中のフクロヤマネ君は火事に気づけるだろうか?
そこで出典著者、オーストラリアのニューイングランド大学Julia Nowack氏らはどのくらい気温、体温なら煙が迫ったときに冬眠中のフクロヤマネ君が気づいて逃げるかを調べたそうです。

(水面に映る家並みと橋が美しい)
煙で目が覚めるには外気温は15℃以上
外気温15℃(このとき体温は18℃以下)なら雄は煙で目覚め、雌は気づいて顔を上げたそうです。更に体温が24℃強ならしっぽを使って木に登って逃げられるそうです。しかし外気温10℃では煙に対する反応は鈍く遅れてしまいました。
冬眠中でも煙を感知したら直ちに代謝が活発に(→逃げられる)
実際、そのときのフクロヤマネ君の代謝を測定すると、冬眠中なのでほぼゼロの代謝が外気温15℃で煙を感知したとたん、急上昇しました、一気に目が覚めた感じです。でも外気温10℃では代謝が上がるまで時間がかかりました、と言うことは素早くは動けないということでしょう。

(石造りのパッサージュのお店)
冬眠中でもフクロヤマネ君は火事を嗅ぎとれる
ちなみに同じ気温条件で水をかけても全く反応しなかったので冬眠中のフクロヤマネ君は明らかに煙(の臭い)を感知しています。

(紅葉の中の愛の橋、若者がいっぱい)
冬眠開けのフクロヤマネ君の「体力測定」、成績は?
Nowack氏らは外気温10℃の冬眠条件で一晩過ごしたフクロヤマネ君の「体力測定」を行いました。なんとか枝を掴んで落ちない最低体温は約10℃、枝を移動するには約13℃、しっぽで登ろうとするのは約21℃、登れる(=火から逃れられる)には最低体温で約24℃が必要でした。
外気温15℃なら→煙感知、体温24℃に上昇→登って逃げる
フクロヤマネ君にとって、15℃程度以上の外気温があって、冬眠中でも煙を感知できて、すぐに代謝が活発になり速やかに体温が24℃くらいにならないと山火事や野焼きからは逃げられないことになりますね。

(堰を飾る花)
お願い、寒い冬の日の野焼きは避けてください
Nowack氏らは冬眠動物は低い体温でも山記事の煙に気付けるが、体温が13℃を切ると反応も動きも鈍くなるので、冬眠動物が十分逃げられるよう、冬の寒い日の野焼きを避けるべきだと述べています。

(フクロヤマネの仲間の生息地、南東オーストラリア)
出典:” Can hibernators sense and evade fires? Olfactory acuity and locomotor performance during deep torpor” Julia Nowack et al. Science of Nature October 2016, 103:73 DOI: 10.1007/s00114-016-1396-6
出典: ウキペディア(英文)記事 “Eastern pygmy possum”
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フランスアルプスの宝石アヌシー番外編
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ 第1章

(フランスアルプスの氷河湖アヌシー湖上のシャトー)
予期せぬ山火事が頻発している
開発による生息域の分断、気候変動や人間活動の拡大などのため世界中で予期せぬ山火事が増えているそうです。
これを防ぐため計画的な野焼きが冬場行われますが、冬季は多くの動物が冬眠する季節でもあります。

(冬眠寝起きのフクロヤマネ君の体力測定)
山火事予防の野焼きで冬眠動物が危ない!
冬眠により体温を下げ代謝を落として餌の乏しい冬を乗り切るのですが、当然反応も鈍るため冬眠動物は山火事や野焼きで焼死してしまうリスクがあります。

(ティウー運河から見る愛の橋)
オーストラリアのかわいい冬眠動物フクロヤマネ君
オーストラリア南西部に棲むポッサムの1種、小さくてかわいいフクロヤマネ(eastern pygmy-possums 、Cercartetus nanus)も冬眠します。夜行性で昆虫などを餌にする小さな有袋類で後肢の指は枝を掴むことが出来、しっぽも枝に巻き付けて上手に木に登ります。
冬眠中のフクロヤマネ君は火事に気づけるだろうか?
そこで出典著者、オーストラリアのニューイングランド大学Julia Nowack氏らはどのくらい気温、体温なら煙が迫ったときに冬眠中のフクロヤマネ君が気づいて逃げるかを調べたそうです。

(水面に映る家並みと橋が美しい)
煙で目が覚めるには外気温は15℃以上
外気温15℃(このとき体温は18℃以下)なら雄は煙で目覚め、雌は気づいて顔を上げたそうです。更に体温が24℃強ならしっぽを使って木に登って逃げられるそうです。しかし外気温10℃では煙に対する反応は鈍く遅れてしまいました。
冬眠中でも煙を感知したら直ちに代謝が活発に(→逃げられる)
実際、そのときのフクロヤマネ君の代謝を測定すると、冬眠中なのでほぼゼロの代謝が外気温15℃で煙を感知したとたん、急上昇しました、一気に目が覚めた感じです。でも外気温10℃では代謝が上がるまで時間がかかりました、と言うことは素早くは動けないということでしょう。

(石造りのパッサージュのお店)
冬眠中でもフクロヤマネ君は火事を嗅ぎとれる
ちなみに同じ気温条件で水をかけても全く反応しなかったので冬眠中のフクロヤマネ君は明らかに煙(の臭い)を感知しています。

(紅葉の中の愛の橋、若者がいっぱい)
冬眠開けのフクロヤマネ君の「体力測定」、成績は?
Nowack氏らは外気温10℃の冬眠条件で一晩過ごしたフクロヤマネ君の「体力測定」を行いました。なんとか枝を掴んで落ちない最低体温は約10℃、枝を移動するには約13℃、しっぽで登ろうとするのは約21℃、登れる(=火から逃れられる)には最低体温で約24℃が必要でした。
外気温15℃なら→煙感知、体温24℃に上昇→登って逃げる
フクロヤマネ君にとって、15℃程度以上の外気温があって、冬眠中でも煙を感知できて、すぐに代謝が活発になり速やかに体温が24℃くらいにならないと山火事や野焼きからは逃げられないことになりますね。

(堰を飾る花)
お願い、寒い冬の日の野焼きは避けてください
Nowack氏らは冬眠動物は低い体温でも山記事の煙に気付けるが、体温が13℃を切ると反応も動きも鈍くなるので、冬眠動物が十分逃げられるよう、冬の寒い日の野焼きを避けるべきだと述べています。

(フクロヤマネの仲間の生息地、南東オーストラリア)
出典:” Can hibernators sense and evade fires? Olfactory acuity and locomotor performance during deep torpor” Julia Nowack et al. Science of Nature October 2016, 103:73 DOI: 10.1007/s00114-016-1396-6
出典: ウキペディア(英文)記事 “Eastern pygmy possum”
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