トンボとスピットは究極のインターセプター、高度な機動のヒミツ

トンボとスピットは究極のインターセプター、高度な機動のヒミツ

バブルキャノピーSpitXIVのタキシングREVdownsize
(バブルキャノピーSpitfire Mk XIVのタキシング;英国ケンブリッジ郊外Duxford IWMのエアショー)
成功率95%!すご腕ハンター、トンボ
トンボは、高空に侵入した敵機を素早く発見、捕捉、撃退するインターセプター(Interceptor、迎撃機、要撃機)のように、ハエなど餌の昆虫を見つけるや素早く接近、“空中戦”で仕留めますが、その成功率は時に95%以上。それは予測やシミュレーションを使う高度な技であると判ったそうです。





トンボはすご腕インターセプター
(トンボはすご腕インターセプター;“出演”は自作プラモ機たちです)
「秋津」、トンボは2億歳越えの老舗生き物
日本の古称は「秋津島」(古事記)、その「秋津」とはトンボ(蜻蛉目、dragonfly)のこと。日本人には身近な昆虫ですが、三畳紀から生きている2億歳以上の老舗の生き物でもあります。

二重反転プロペラが迫力のSpitPRXIX REVdownsize
(二重反転プロペラが迫力のSpitfire PRXIX;パリ郊外Ferte-Alaisのエアショー)
ホバリングも宙返りも、「複葉機」トンボの高機動性
複葉機のような同じ大きさ、形の4枚翅など古いスタイルの昆虫ですが、ホバリングや宙返りも出来る運動性、常に空中戦で餌を捉え。歩かず移動はすべて飛翔、と言う根っからの優れた飛行家です。

トンボの空中戦はインターセプターそっくり
トンボは大きな複眼で獲物のハエを捉えるやサッと最短距離で飛びつき空中で捕らえる。その華麗な空中戦の技は、目標とその予測軌道を判断、素早く射撃位置につき撃ち落とすインターセプターそっくりです。

PRUブルーのSpitにはInvasion StripesがREVdownsize
(PRUブルーのSpitfireには白黒のInvasion stripesが良く似合う)
エアショーで出会った華麗なグリフォン・スピット
インターセプターと言えば、そりゃもうスピットファイアー(Spitfire)でしょう。・・と言うことで、懲りずにエアショー(パリ郊外、ケンブリッジ郊外)のグリフォン・スピット(Griffonエンジン装備の後期型Spitfire)のフォトを添えています。

究極のインターセプターSpitfire
Spitfire Mk XIVの物凄いパフォーマンスは、馬力、最高速度、上昇率、旋回性能(翼面荷重)、横転率、上昇限度、武装を見れば判ります。唯一の欠点は足が短いこと。典型的なインターセプターです。

Supermarine Type 379 “Spitfire” Mk XIVの緒元
Rolls Royce Griffon 65 エンジン2,050馬力
総重量3,848kg、翼面積 22.48平方m、翼面荷重 171kg/m2
最大速度709km/h(高度7,200m)、海面上昇率1,396m/min、上昇限度 13,564m
武装 20mm×2 12.7mm×2、航続距離 930km

スピットファイアーの過去記事です↓
一味違うコスプレもいいSpitfireお誕生日会続編
憧れのSpitfireのお誕生日会に招かれて・・・


銀ピカのSpitものんびりタキシングREVdownsize
(銀ピカのSpitものんびりタキシング)
モーションキャプチャーで空中機動を捉える
今回、Anthony Leonardo氏(Howard Hughes Medical Institute)たちは、トンボの頭部と胴体に超小型の鏡、「再帰性反射マーカー」を取り付けモーションキャプチャーの手法でその空中機動を高速度カメラで観察し、トンボの捕食が実は複雑、高度な動作、行動であることを明らかにしました。
(「再帰性反射(retro-reflective marker)」:入射光を光源の方向にまっすぐ戻す。赤外線レーザーなど)


270度広角視界の複眼は標的を追うシーカーです
270度広角レンズのトンボの複眼が頭上を飛ぶ獲物のハエを捉えると、トンボの頭部は“レーザー照射された標的を追うシーカー(seeker)”のように常に標的を自動追尾します。一方、胴体の向きを標的の飛行経路の次の予測移置で出会うように翅を巧みに動かして最短で確実に獲物にとびかかるようです。

プラモの化石かニチモ75分1SpitVb downsize
(プラモの化石か?ニチモ製1/75スケールSpitfire Vb、うん拾年前の作品、自作塗料で筆塗り)
トンボもインターセプターも素早く最短距離で攻撃位置に・・
これは頭と胴体を別々に、それぞれを最適に動かせなければできません。
ちょうど激しい空中機動を行いながらもパイロットの眼は常に目標を捉え、機体を最短コースで操り素早く攻撃位置につくように・・・。


トンボも予測シミュレーションの「内部モデル」を使ってる
昆虫など無脊椎動物は(脳も小さいので)主に反射で運動、行動しているとされてきましたが、トンボが素早く獲物に向かうこのような機動は、獲物の動きに反応するだけでは無理で、獲物の動きへの反応に加えて次の位置の予測も行われていると考えられるそうです。
これは私たちが「内部モデル」を使って動き、行動をシミュレーション、予測し、動作を行うのと同じ仕組みではないか、と言うことです。


PRUブルーが煌めくSpitPRXIXのタキシングREVdownsize
(PRUブルーが煌めくSpitfire PRXIXのタキシング)
軌道予測、位置予測でスムースに手を伸ばす
私たちが、例えば、物を掴むとき、無駄なくまっすぐ適切な力具合で手を伸ばしますが、これは重力、慣性、もし獲物のように物が動いているなら予測軌道(予測移置)まで考慮に入れる高度なシミュレーションが必要です。

経験が作る脳内の最適予測シミュレーション「内部モデル」
過去の経験から私たちは“外界”でこれから起こる現象を素早く予測して適切な行動をとります。これは外界の仕組みを学習から”予測シミュレーション”する脳の「内部モデル」の働き。私たちは「内部モデル」のおかげで日々無意識に最適の運動、動作を行っているようです。

てんでバラバラに動く相手は苦手です
“撃墜率”(捕食率)95%以上を誇るトンボですが、餌になるハエの数が多くなり個々がてんでバラバラの動きをし始めると、トンボの攻撃にハエが回避運動をする場合に比べ、成績が落ちたそうです。裏返せば、トンボがハエの運動を予測、シミュレートしていたことを裏付けるのではないでしょうか?

トンボの空中戦は優れた研究モデル
そもそも昆虫の神経系は扱いやすく、更にトンボは重い荷物も背負える(耐荷重能も高い)ので、このトンボの「空中戦」はヒトの運動制御の研究にも役立つモデルなのだそうです。

出典: Natureダイジェスト2015年3月号P.31 “INSECT INTERCEPTOR: Dragonflies use predictive powers to capture prey on the wing” 「昆虫を襲うトンボ要撃機:トンボは予測によって飛行中の獲物を捕らえる」(原著: Nature 517, 7534 2015年1月15日Cover Story)
出典:” FROM MOLECULES TO ECOSYSTEMS: LINKING PHYSIOLOGY TO ECOLOGY” COMBES, S. A., RUNDLE, D. E., IWASAKI, J. M. & CRALL, J. D. J. EXP. BIOL. 215, 903–913 (2012) (http://jeb.biologists.org/content/215/6/903.short)
出典: “Eight pairs of descending visual neurons in the dragonfly give wing motor centers accurate population vector of prey direction” Gonzalez-Bellido, P. T., Peng, H., Yang, J., Georgopoulos, A. P. & Olberg, R. M. Proc. Natl Acad. Sci. USA 110, 696–701 (2012) (http://www.pnas.org/content/110/2/696.short)
出典: “Internal models direct dragonfly interception steering” Matteo Mischiati , Huai-Ti Lin , Paul Herold , Elliot Imler , Robert Olberg & Anthony Leonardo Nature 517, 333–338 (15 January 2015) | doi:10.1038/nature14045
出典: 脳科学辞典 「内部モデル」今水寛氏執筆(脳情報通信総合研究所)(https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB)
出典: ウキペディア記事「トンボ」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9C)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報