トリさんが空を飛んだイキサツとは? トリさんの羽のフシギ[前編] +冬のカンヌ続編
トリさんが空を飛んだイキサツとは? トリさんの羽のフシギ[前編] +冬のカンヌ続編

(初飛行は誰だ!壁を駆け上がるイワシャコの雛から第3の仮説が生まれた)
恐竜の忘れ形見が今日も空を翔ぶ・・
トリさんは恐竜の「忘れ形見」で、恐竜の内、T-Rexや「ジェラシックパーク」で一躍スターになったブラキラプトルなどの獣脚類がトリさんたちの祖先であり、トリさんの特徴の1つ、羽根、羽毛は恐竜の「発明品」であることに今や異論はほとんどないと思います。
羽は恐竜の贈り物、トリは恐竜の忘れ形見、の過去記事はここをクリック↓
恐竜が発明しペンギンに贈ったものそれは羽毛 ブルターニュの小さな港コンカルノー
鳥は恐竜の忘れ形見そしてジャンヌダルク最期の地ルーアン

(鳥と羽についての2冊の本)
トリと羽の2冊の本
トカゲの鱗、ワニの鎧、ヒツジの毛などに比べて、トリさんの羽毛はなんと色鮮やかで繊細で多様なことか、飾りになるのは羽だけですし。こんな“トリさんのフシギ”を素朴だけどユニークな視点で著した2冊の本に出会いました。
出典: “Feathers; The Evolution of a Natural Miracle” 「羽; 進化が生み出した自然の奇跡」 2011年 Thor Hanson氏著、黒沢令子氏訳(2013年 白揚社)
出典: “BIRD SENSE; What It’s Like to Be a Bird” 「鳥たちの驚異的な感覚世界」2012年 Tim Birkhead氏著、沼尻由起子氏訳(2013年 河出書房)
冬は素顔の南仏カンヌ

(カンヌの朝、冬日が柔らかい)
人気の観光地カンヌも冬はオフシーズン、人気が少なく静かで、街の素顔に出会えます。写真は冬のカンヌの番外編です。
カンヌ過去記事はここをクリック↓
ベルエポックが静かに香る冬のコートダジュール、ニースとカンヌ

(レストランの浜辺のテラスはパステル色で統一されています)
じゃ、初飛行はいつ?誰が?
始祖鳥の発見以来、羽を使ってどのように、どんな段階を経て、飛べるようになったか、長らく色々な議論がなされています。進化の流れの中で、中生代のあるとき突然羽の生えたトリ(の祖先)が現れて飛び始めた、と言うのは唐突過ぎるからです。

(ヨットはスタイルがいいですね)
初めての羽は何のためなの?
何かほかの機能のために羽(の原型)がまず少し出来て、そのうちに羽に色々な用途、機能が加わり、多様な形態に進化し、やがて羽で飛び始めたと考える方が自然です(ほかの生体機能の進化がそうであるように)。じゃヒントは?“進化を知りたいなら子供を良く見ること”にあります。

(冬の浜辺は静かです)
垂直の壁を駆け登るけなげなヒナ
キジの仲間、イワシャコ(Alectoris chukar)の雛はかわいい小さな羽が生えていますが、まだ飛べません。でも地上はとってもキケン、「危ない!」ときは近くの木の幹や岩の垂直に近い斜面をかけ登るのです、か弱い2本足で!!

(ヨットレンジャー整列!)
「我にダウンフォースを与えよ!」
ホントか?と、実験室で壁を登らせてみると、羽をバタつかせることでちゃんと駆け上がれたそうです。羽ばたきがF1カーのウィングようにダウンフォースを生むので雛の体が木の幹に“張り付いて”落ちないそうです。ちなみにかわいい風切羽を切ると駆け上がれなかったそうです。

(豪華なヨットたちも今は微睡のなか)
追って、追われて、駆け上るうちに・・
子供を見れば親だけじゃなく先祖も分かる、「子供は祖先の形質を示す(ことがある)」という経験則に照らせば、トリさんのご先祖、獣脚類恐竜は保温やディスプレイのために羽毛を生やし、餌を追うか、あるいは餌として追われるか、の場面で羽をバタつかせて樹や岩に駆け上がったのではないか。

(シクラメンのピンクが鮮やかな通り)
登ったら降りなきゃ、どうやって?→飛べばいいんです
羽で木に駆け登れそう、は分ったけど、登ったあと降りるのは?飛べばいいんです。やがて樹から樹へと風切羽で羽ばたき、トリへと進化したのではないか・・・と言うのが、Kenneth Dial氏が唱える「WAIR説」です。

(樹上説; 樹から樹へと滑翔するうち羽ばたいて飛んだ?)
(ヴェラキラプトル、ミコロラプトルなどドロマエオサウルス科Dromaeosauridaeが事始めらしい)
樹から樹へジャンプするうちグライダーに?
これまでの代表的な説の1つ「樹上説」では、森に棲んでいた小型の獣脚類恐竜はやがて滑空でムササビのように樹間を移動し始め(滑翔)、そして本物のトリになっていったのではないか・・・と。

(地上説; 走りながら羽ばたく内に“離陸”した?)
必死にバタバタするうちに宙に浮いた?
もう一方の代表的な説「地上説」では、獲物を追う、あるいは獲物として追われる、うちに羽をバタバタさせて浮上、そして飛行したのではないか・・・と。
第3の魅力的な仮説、「子供を良く見てみよう」
樹上説の難点はトリ以外の滑翔動物は羽ばたかないこと、地上説の難点はいきなり飛べる羽が出来たとは考えにくいこと。この2説なかなか勝負がつきません。
これに対して著者Hanson氏はこの「WAIR説」をいずれも満たす第3の魅力的な説として紹介しています。
検証できることが仮説の要件
まだいずれの説も確証はありませんし、新たな化石がまた新しい説を生むかも知れません。でも現生のトリの雛の観察に基づくWAIR説は、その立証も反証も可能と言う意味で、「仮説」として優れていると思います。
羽のフシギのお話は後編に続きます・・・近いうちに。
過去の記事リストは下のイラストをクリック





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(初飛行は誰だ!壁を駆け上がるイワシャコの雛から第3の仮説が生まれた)
恐竜の忘れ形見が今日も空を翔ぶ・・
トリさんは恐竜の「忘れ形見」で、恐竜の内、T-Rexや「ジェラシックパーク」で一躍スターになったブラキラプトルなどの獣脚類がトリさんたちの祖先であり、トリさんの特徴の1つ、羽根、羽毛は恐竜の「発明品」であることに今や異論はほとんどないと思います。
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恐竜が発明しペンギンに贈ったものそれは羽毛 ブルターニュの小さな港コンカルノー
鳥は恐竜の忘れ形見そしてジャンヌダルク最期の地ルーアン

(鳥と羽についての2冊の本)
トリと羽の2冊の本
トカゲの鱗、ワニの鎧、ヒツジの毛などに比べて、トリさんの羽毛はなんと色鮮やかで繊細で多様なことか、飾りになるのは羽だけですし。こんな“トリさんのフシギ”を素朴だけどユニークな視点で著した2冊の本に出会いました。
出典: “Feathers; The Evolution of a Natural Miracle” 「羽; 進化が生み出した自然の奇跡」 2011年 Thor Hanson氏著、黒沢令子氏訳(2013年 白揚社)
出典: “BIRD SENSE; What It’s Like to Be a Bird” 「鳥たちの驚異的な感覚世界」2012年 Tim Birkhead氏著、沼尻由起子氏訳(2013年 河出書房)
冬は素顔の南仏カンヌ

(カンヌの朝、冬日が柔らかい)
人気の観光地カンヌも冬はオフシーズン、人気が少なく静かで、街の素顔に出会えます。写真は冬のカンヌの番外編です。
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(レストランの浜辺のテラスはパステル色で統一されています)
じゃ、初飛行はいつ?誰が?
始祖鳥の発見以来、羽を使ってどのように、どんな段階を経て、飛べるようになったか、長らく色々な議論がなされています。進化の流れの中で、中生代のあるとき突然羽の生えたトリ(の祖先)が現れて飛び始めた、と言うのは唐突過ぎるからです。

(ヨットはスタイルがいいですね)
初めての羽は何のためなの?
何かほかの機能のために羽(の原型)がまず少し出来て、そのうちに羽に色々な用途、機能が加わり、多様な形態に進化し、やがて羽で飛び始めたと考える方が自然です(ほかの生体機能の進化がそうであるように)。じゃヒントは?“進化を知りたいなら子供を良く見ること”にあります。

(冬の浜辺は静かです)
垂直の壁を駆け登るけなげなヒナ
キジの仲間、イワシャコ(Alectoris chukar)の雛はかわいい小さな羽が生えていますが、まだ飛べません。でも地上はとってもキケン、「危ない!」ときは近くの木の幹や岩の垂直に近い斜面をかけ登るのです、か弱い2本足で!!

(ヨットレンジャー整列!)
「我にダウンフォースを与えよ!」
ホントか?と、実験室で壁を登らせてみると、羽をバタつかせることでちゃんと駆け上がれたそうです。羽ばたきがF1カーのウィングようにダウンフォースを生むので雛の体が木の幹に“張り付いて”落ちないそうです。ちなみにかわいい風切羽を切ると駆け上がれなかったそうです。

(豪華なヨットたちも今は微睡のなか)
追って、追われて、駆け上るうちに・・
子供を見れば親だけじゃなく先祖も分かる、「子供は祖先の形質を示す(ことがある)」という経験則に照らせば、トリさんのご先祖、獣脚類恐竜は保温やディスプレイのために羽毛を生やし、餌を追うか、あるいは餌として追われるか、の場面で羽をバタつかせて樹や岩に駆け上がったのではないか。

(シクラメンのピンクが鮮やかな通り)
登ったら降りなきゃ、どうやって?→飛べばいいんです
羽で木に駆け登れそう、は分ったけど、登ったあと降りるのは?飛べばいいんです。やがて樹から樹へと風切羽で羽ばたき、トリへと進化したのではないか・・・と言うのが、Kenneth Dial氏が唱える「WAIR説」です。

(樹上説; 樹から樹へと滑翔するうち羽ばたいて飛んだ?)
(ヴェラキラプトル、ミコロラプトルなどドロマエオサウルス科Dromaeosauridaeが事始めらしい)
樹から樹へジャンプするうちグライダーに?
これまでの代表的な説の1つ「樹上説」では、森に棲んでいた小型の獣脚類恐竜はやがて滑空でムササビのように樹間を移動し始め(滑翔)、そして本物のトリになっていったのではないか・・・と。

(地上説; 走りながら羽ばたく内に“離陸”した?)
必死にバタバタするうちに宙に浮いた?
もう一方の代表的な説「地上説」では、獲物を追う、あるいは獲物として追われる、うちに羽をバタバタさせて浮上、そして飛行したのではないか・・・と。
第3の魅力的な仮説、「子供を良く見てみよう」
樹上説の難点はトリ以外の滑翔動物は羽ばたかないこと、地上説の難点はいきなり飛べる羽が出来たとは考えにくいこと。この2説なかなか勝負がつきません。
これに対して著者Hanson氏はこの「WAIR説」をいずれも満たす第3の魅力的な説として紹介しています。
検証できることが仮説の要件
まだいずれの説も確証はありませんし、新たな化石がまた新しい説を生むかも知れません。でも現生のトリの雛の観察に基づくWAIR説は、その立証も反証も可能と言う意味で、「仮説」として優れていると思います。
羽のフシギのお話は後編に続きます・・・近いうちに。
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