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ランカスター家の不出来な長男リンカーンと働き者次男シャクルトン

ランカスター家の不出来な長男リンカーンと働き者次男シャクルトン
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シャクルトンIWM横顔downsize
(シャクルトンの横顔:英ケンブリッジ郊外IWM博物館)
ランカスター家を継ぐ者
ばら戦争のランカスター家とヨークシャー家は英航空機メーカー、アブロ社の四発重爆ランカスターと派生型輸送機ヨークが名にちなむことで「和解」していますが、ランカスターの正統な後継機は誰でしょう?リンカーンって言うんですけど。
ヨークの過去記事はこれです↓
ヨーク白薔薇は赤薔薇ランカスターの栄光の影で地味に働く




ランカスター家の系譜
(「ランカスター家」の系譜:傑作デザインの使い回しか?)
この期に及んでこのデザインですか?
で、そのリンカーン、当初はランカスターMk IV、Mk V(後にリンカーンMk I、Mk II)と呼ばれたくらいランカスターのパワーアップ、拡大型でした。それにしてももはや戦後なのに、尾輪式それも固定脚、出窓のような枠の多い爆撃手席、遠隔操作じゃない砲塔(機首は遠隔砲塔でシャクルトンに引き継がれましたが)など、このアナクロなデザインはどうでしょう?
これもデザイン使い回し、ブレニム一家の過去記事です↓
「イギリスが一番」は遠い日の夢ブレニム一家の「風立ちぬ」

初飛行と就役マンチェスターを含む
(初飛行と就役時期の比較)
B17の後継者はB29、じゃランカスターの後継者は?
革新的重爆だったB-17の後継機はこれまた更に革新的な超重爆B-29だったのに比べて、RAF(英国空軍)三大傑作機、スピットファイア、モスキート、ランカスターの後継機はスパイトフル、ホーネット、リンカーンで、唯一、ホーネットだけが傑作機の栄光を継いだ者ですね。

最大速度
(最大速度比較:B-29の高速は群を抜く)
満を持してのB-29と傑作デザイン使いまわしのリンカーン
革新の重爆B-17を早くも1935年に実用化した米軍とボーイング社でしたが、後継機の登場に7年を要しました、1942年のB-29登場まで。そして与圧室、遠隔砲塔、2000馬力エンジン、高速、高高度、長大な航続力などB-29はすべてが桁外れ、4発重爆の革命でした。
一方、リンカーンは名機ランカスターの大型化&バージョンアップ、そのランカスターもマンチェスターの4発化、つまり、リンカーンは「マンチェスター改×改」の設計使い回し。そりゃ、差がつくわけです。

性能が違いすぎ
B-29とリンカーンの諸元は比べるのが心苦しいほどに違います(文末に諸元を載せています)。エンジン出力も、電子装備も大差はないのですが・・・。

エンジン馬力
(エンジン馬力比較:確かにパワーアップしている)
当初は対日戦タイガーフォース向けロング・レンジ版
・・のランカスターのアップデート・バージョンとして長大な航続力と高い作戦高度を実現するため高アスペクト比の主翼にパワーアップしたマーリン85系エンジンを組み合わせるコンセプトでした。

シャクルトンIWM正面downsize
(シャクルトンのユニークな正面:IWM博物館)
弱いものいじめ、マウマウ団爆撃
そんなリンカーンも活躍の場はありました、旧植民地の武装ゲリラ=独立闘争革命家への弱い者いじめ爆撃です。ケニアのマウマウの反乱とか、マレー半島の独立運動とかへの弾圧です。何かヤな印象です。私、Levalloisbeeがガキの頃、父が買ってくれた「少年ケニア」の話にマウマウ団爆撃のエピソードがあったことを思い出します。

武装
(武装比較:B-29は革命的だった)
RAFはワシントン(B-29)を借用
たまりかねたのか?RAFは戦後の戦略爆撃機としてB-29をワシントンとして借用します。ジェット時代に入り、傑作機キャンベラはモスキートの後継ですが、ランカスターの後継は結局1951年からの3Vボマー、バリアント、ビクター、バルカン配備まで待つことになりました。

シャクルトンIWM二重反転プロペラdownsize
(シャクルトンのチャームポイント、二重反転プロペラ:IWM博物館)
御仏蘭西も採用、ランカスターのマリタイム機
ところで引退重爆の主な再就職先にマリタイム機があります、ウェリントンGRとか。で、戦後RAFも再興中のお仏蘭西空軍もランカスターをマリタイム機として運用しました。搭載量が多く、航続距離が長く、信頼性も実績も高かったからでしょうね。
ウィンピーことウェリントンの過去記事です↓
余り物には珍発明を、「間抜けな漁師のウィンピー」大活躍、WellingtonGRMkVIII

搭載量
(搭載量の比較:いずれもグランドスラム10トン爆弾が積める、日独伊とはケタが違う)
じゃ、コンセプトを変えてみよう・・と、シャクルトン
そこで「不出来な」ランカスター家跡継ぎのリンカーンもマリタイム用途なら使えるかも?と開発された派生型がシャクルトンです。

航続距離
(航続距離比較:さすがリンカーンはコンセプト通り群を抜く)
長~く愛して、そっと愛して、日陰のコースタールコマンドで
コースタールコマンド(沿岸警備隊)の仕事はとても地味でず。しかし、マリタイム機の要件は派手ではないけど長時間飛行が可能な経済性、安定した飛行特性と高い信頼性、大きな搭載力と余裕があるスペースなど厳しいものです。
マリタイム機の過去記事です↓
海鳥、翼竜、マリタイム機に共通するものとは?
空飛ぶ船サンダーランド飛行艇の洞内巡り
空飛ぶネコか?いえカタリナは両生類


上昇限度
(上昇限度比較:これは運用要件の差でしょう)
30年現役、地味で長持ちも傑作機だよ、シャクルトン
結果、1951年の就役以来、シャクルトンはニムロッドに完全に替わる1972年まで、約20年間もマリタイム任務を務め、地味だけど傑作機になりました。更に、南アフリカ空軍では1953年から1984年まで30年間も現役マリタイム機でした。

近代化に追いつけ、シャクルトンの進化
その地味な成功の秘訣は、リンカーンをマリタイム機にするために、そのまま流用ではなくデザインし直したことのようです。戦略重爆からマリタイム機へ装備替え、また、アナクロなリンカーンをチューンアップ、アップデートしなきゃいけない。

切った貼ったの大改造でほぼ別機のシャクルトン
そもそもリンカーンの胴体取り換え版のシャクルトンですが、1)エンジンはグリフォン、2)尾輪式から首輪式へ、3)2重反転プロペラを採用、4)レドームをお腹に移す、5)砲塔は撤去、6)その代わり機首に長身の機関砲(浮上潜水制圧用か?)は残し取ってつけた銃主席を設ける、などなど・・。これらの新しいチャームポイントでシャクルトンはすっかりイメチェン。バカでかい電柱の碍子まで付いていてなかなか「蛇の目にキュート」な姿になりました。

3Vボマー、RAFは突然変異で未来を目指す
ところでRAFボマーコマンドでは、ジェット軽爆はベストセラー傑作機キャンベラがありましたが、戦略重爆撃機はアナクロなリンカーンからひとっ飛びに画期的デザインの3Vボマー(デルタ翼のバルカン、三日月翼のビクター、フツウの後退翼のバリアント)に更新されちゃいました。
3Vボマーもさすが、唐突にモスキートやハリアーが突然変異で生まれる英国らしくユニークすぎます。

ハサミと凡作機は使いよう・・・
ま、RAFでは複葉雷撃機ソードフィッシュとジェット戦闘機ミーティアが同時に現役だったくらいですから、使えりゃ何でもアリかも?ランカスター→リンカーン→シャクルトンの流れは、いかにもRAFらしいのかも知れませんね。結構悪口を書きましたが、はい、シャクルトンは結構好き♡です。

3機種の仕様
Avro Lincoln I 仕様

乗員:7、または8名、全長:23.9 m、全幅:37 m、全高:5.3 m、翼面積:132.0 平方m
最大離陸重量(Max takeoff weight):37,195 kg
エンジン: Rolls-Royce Merlin 85 (またはPackard-Merlin 68 V-12)液冷1,750 馬力×4発
最大速度: 時速500 km (高度5,600 m)
航続距離:7,160 km (高度4,600 m、爆弾1,400 kg、時速320 km)(4,500 km (爆弾6,400 kg))
上昇限度:高度9,300 m
翼面荷重:257.6 kg/平方m
馬力荷重:7.4 kg/kW
武装:12.70 mm機銃×4丁(機首、尾部砲塔)、20 mm機関砲×2門(背部砲塔)、爆弾6,400 kg またはGrand Slam10,000 kg爆弾1発

Avro Shackleton 仕様
乗員:10名、全長:26.6 m、全幅:37 m、全高:5.3 m、翼面積:132.0 平方m
最大離陸重(Max takeoff weight):39,009 kg
エンジン:Rolls-Royce Griffon 57 V-12 液冷1,960 馬力×4発(二重反転6枚プロペラ)
最大速度:時速480 km
航続距離:3,610 km、航続時間:14時間 36 分
上昇限度:高度6,200 m
翼面荷重:300 kg/平方m
馬力荷重(逆数):0.150 kW/kg
武装:20 mm 機関砲×2門(機首)、搭載量4,536 kg (爆弾、魚雷、機雷、爆雷)

B-29仕様
乗員:11名、全長:30.2 m、全幅:43.1 m、全高:8.5 m、翼面積:161.3平方 m、アスペクト比:11.5
最大離陸重量(Max takeoff weight):60,555 kg
エンジン:Wright R-3350-23 Duplex-Cyclone 2,200 馬力 (ターボスーパーチャージャー付)×4発
最大速度:時速575 km
航続距離:5,230 km
上昇限度:高度9,710 m
翼面荷重:337.5 kg/平方m
馬力荷重(逆数): 0.120 kW/kg
武装:12.7 mm機銃×8~10丁(遠隔動力砲塔) 、12.7 mm機銃×2丁、または20 mm機関砲×1門(尾部)、爆弾(最大)9,100 kg、またはGrand Slam10,000 kg爆弾1発

出典:ウィキペディア記事「アブロ・リンカーン」「アブロ・シャクルトン」「アブロ・ランカスター」「アブロ・マンチェスター」「ボーイングB-29」「ボーイングB-17」など、また、他に色々とウェブサーチしました。

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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報