双胴にワケあり、吸血鬼ヴァンパイア一族、名機モスキートを継ぐ者たち

双胴にワケあり、吸血鬼ヴァンパイア一族、名機モスキートを継ぐ者たち
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RAF博物館Vampire F3 downsize
(ロンドンRAF博物館のヴァンパイアF3;ジェットのくせに妙に丸くて小っちゃくてカワイイ)
妙にかわいいヴァンパイア1/72
昔々(多分)エアフィックスの1/72ヴァンパイア(de Havilland D.H.100 Vampire)を作りました。掌に乗る妙にかわいいジェット機でしたが、現存しません。今、手元に1/72シーベノム(Sea Venom)が仮組みで止まっています。P-38も作ったし、箱のままシーヴィクセンもあるし、結構双胴機は好きです。




ゴブリン装備のヴァンパイアdownsize
(ゴブリン装備のヴァンパイアが双胴になったワケ)
RAF「四式ジェット戦」は試作時に時速840km越え
D.H.100ヴァンパイアは初期ジェットエンジンの傑作ゴブリン(de Havilland Goblin)搭載、双胴のユニークなデザインのコンパクトな機体でさすがデハビランドの血統ですね。ヴァンパイアは1943年9月初飛行、試作機は悠々と時速840km越えの高速を発揮、1944年量産発注、部隊配属は1946年です。

戦後に5千機近く作られたベストセラー
英国空軍RAFジェット戦闘機第2弾、D.H.ヴァンパイアは発展型ベノムや海軍型も合わせると5千機弱も生産され、26か国もの多くの国で使われました。第二次大戦も終わってからと言うのに。(ほぼ同期のP-80の運用国は8か国、ミーティアは19か国なのに)

IWM博物館Sea Venom downsize
(英国DuxfordのIWM博物館のシーベノムFAW22か?;とっても低姿勢なのが印象的でした)
か細いジェットは排気口を真後ろに
ユニークなヴァンパイアの双胴スタイル、実はワケありです。ヴァンパイア開発時はまだジェット黎明期、「か細いエンジン推力を無駄なダクト抵抗でそがれるのを避けエンジンのすぐ後ろが排気口を」と、単発双胴になりました。ベノムやシーヴィクセンはこの配置を踏襲しています。

絶滅種双胴機最後の生き残りSea Vixen IWM博物館レストア中REVdownsize
(絶滅種「双胴機」最後の生き残りだったシーヴィクセンFAW2; IWM博物館でレストア中の珍しく迷彩塗装の機体は作ってみたいです(奥はガネットとファントム))
今や絶滅種か「双胴ヒコーキ」
今や「絶滅種」となってしまった双胴(twin boom)のヒコーキたち、第一次世界大戦の英陸軍航空隊エアコー DH.1複葉機に始まり、P-38ライトニング、P-61ブラックウイドゥ、フォッケFw189、サーブJ21、フェアチャイルドC-82とC-119、A.W.アーゴシー・・・と昔は結構いたんです、メジャーじゃないけど。

デハビランド双胴ジェット一族downsize
(デハビランド双胴ジェット一族、だんだん大きく、徐々に後退翼になってる)
デハビランドの双胴ジェット機シリーズは有終の美?
そしてジェット化双胴ヒコーキの(多分)終焉を飾ったのがデハビランド社ヴァンパイア/ベノム/シーヴィクセンのシリーズでしょうか?

DH1とJ21が双胴の理由
(「銃が前向きゃプロペラ尻尾」DH1とJ21が双胴の事情)
「エイプリルフール」だとか、双胴ってキワものか?
双胴と言えば「エイプリルフールの戦闘機」ことサーブJ21のように“キワもの”の印象があります。
サーブJ21の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
北欧田舎空軍の翼前編 エイプリルフールがホンものになったSAAB21

でも、双胴にもちゃんとワケがあるんです
まともなデザインに比べ天邪鬼な双胴機にも、ヴァンパイアのようにそれぞれちゃんとワケや思惑があるようです。

P38Fの縦型配置downsize
(P38はエンジン、過給機、タイヤ、冷却器の縦型配置で双胴に)
ひたすらスリムにと高速追及;P-38
P-38はケリー・ジョンソンが「液冷エンジンと排気タービンを抵抗の少ない細い胴体に収めたい」と双発双胴になりました。

P61とC119双胴の事情
(P61やC119にもそれぞれ双胴の事情がある)
双胴なら前後が旋回砲塔になる;P-61
超重量級夜戦P-61も発端はRAF夜戦から学んだ米国の新型夜戦構想、そこでジャック・ノースロップが「こりゃ機首と機尾に旋回砲塔が要るぞ」と双胴になったようです、その後砲塔は上部と腹部に移りました。

ボクもまともに射撃したい;ご先祖のエアコーDH.1
デハビランドの前身、エアコー製DH.1は血筋ではヴァンパイアの遠いご先祖。英国は機銃のプロペラ同調技術で後れをとったため銃座を機首にプロペラを機尾にする苦肉の策でツイン・ブームになりました(ただの鋼管2本だけど)。

荷物積み下ろしが楽になる;C-82、C-119、アーゴシー
輸送機の場合「お尻から(も)荷物を出し入れすれば楽チン」と分かり易い理由で双胴、パラシュート投下・降下も楽になります。

ほとんど戦ってないのに5千機、やっぱり傑作機
ヴァンパイアがマレー共産ゲリラ鎮圧にちょっと、シーベノムがスエズ動乱にちょっと参戦したくらいでこの一族はほとんど戦っていないんです。なのに(米ソならいざ知らず斜陽の英国と英連邦で)こんなに作られ多くの場所で使われたのは傑作機の証拠なんでしょうか?

中小国の皆さま、コスパの良いジェット機はいかが
あるいは、ジェット機時代に入って「ウチもそろそろ手頃なコスパのいいジェット戦闘機が欲しいな」って言う中小国のツボを心得た売り込みがうまかったのか?そう言えば子供の頃、父が読んでいたLIFE誌に「ベノムの写真入り広告」が載っていた記憶があります。

お仏蘭西では艦上の「木枯らし(aquilon)」に
シーベノムは艦上夜間戦闘機としてFAA(英国艦隊航空隊)に採用されました。フランスはシーベノムを「アキロン(Aquilon)」の名でライセンス生産し、もらい物の軽空母アローマンシュ(Arromanches)(元は英空母コロッサス(Colossus))に載せて運用しました。昔エレールでアキロンのキットがありました、買って作ればよかったと思っています。

「ヴァンパイア改」や海軍型「シー○○」と焼き直しばっかり
ゴースト(de Havilland Ghost)にエンジン強化、後退翼化の「ヴァンパイア改」みたいなのが1949年初飛行のベノム、それぞれの海軍型がシーヴァンパイアとシーベノム、と焼き直しばっかり。本気でヴァンパイアから発展させたヴィクセンは墜落事故やら財政緊縮やらで遅れに遅れてシーヴィクセンとして1957年初飛行するも「遅かりし由良之助」でした。

名機モスキートを継ぐ者たち
非武装の爆撃・偵察型モスキートを継ぐ者がE.E.キャンベラなら、夜戦・戦闘爆撃型モスキートの正統な後継者がD.H.ヴァンパイア一族なのかも、と勝手に解釈しています。

6か国が生産、26か国が運用したヴァンパイア
ヴァンパイアは、英国のほかオーストラリア、イタリア、スイス、フランス、インドと5か国でライセンス生産され、ヴァンパイアの運用国は26か国に上ります(オーストラリア、オーストリア、ビルマ(当時)、カナダ、セイロン(当時)、コンゴ、チリ、ドミニカ、エジプト、フィンランド、フランス、イギリス、インドネシア、インド、アイルランド、イタリア、イラク、ヨルダン、レバノン、メキシコ、ノルウェー、ニュージーランド、ポルトガル、ローデシア(当時)、スウェーデン、シリア)、日本も試験的に1機購入しています。

ヴァンパイアの諸元です
D.H.ヴァンパイア(De Havilland Vampire) FB Mk. 5、Mk. 9
全幅11.58 m、全長9.37 m、全高 2.69m、翼面積 24.34 平方m、自重(空虚重量) 3,304 kg
エンジン:de Havilland Goblin 3 遠心式ターボジェット3,350 lbf (14.90 kN)
最大速度 時速882 km、航続距離 1,960 km、上昇限度 13,045 m
武装 :20mm機関砲×4門、爆弾454kg×2発またはロケット弾×8発


出典:本記事掲載の各機種のウキペディア(和英仏)記事
出典:「世界の傑作機」No117「デ・ハビランド シーヴィクセン」、No131「ロッキードP-38ライトニング」(文林堂)


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報