鼻が利かないとアリさんは社会生活が出来なくなる+初夏の庭の花

鼻が利かないとアリさんは社会生活が出来なくなる+初夏の庭の花
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嗅覚を失うと空気を読まない無鉄砲なアリさんになるdownsize
(嗅覚を失うと空気を読まない無鉄砲なアリさんになる)
「アリさんはゴマ油大好き!」が分かった我が庭の小実験
昔、庭で砂糖水とごま油と塩水と水道水を浸み込ませたろ紙をアリさんの道に置いてみたら、なんと「ごま油のろ紙」にだけ“アリさんの黒だかり”が出来て「アリさんは味より臭いなのか!」と驚いたことがありました。





白いカルミアREVdownsize
(白いカルミア;赤いカルミアの裾にひっそり咲いていました)
夏を彩る庭の花たち
今回はほかに知恵もないので、アリさんつながりで我が庭の初夏を飾ってくれる花たちのフォトを添えます。

ニワゼキショウREVdownsize
(ニワゼキショウ;庭の芝生に勝手に生えてきます)
アリさんはたくさんの臭いセンサーを持ってる
アリさんは350種類もの臭い検知器(嗅覚受容体)を主にそのアンテナ(触覚)に持っています、同じ昆虫でもショウジョウバエは46種類なのに。

アリさんの華麗な香りの世界
昆虫は私たちとは少し違った仕組みでフェロモン、味、臭いなどの化学物質を感知しますが、アリたちは特に嗅覚受容体の種類が豊富です。アリさんがカロリーの高いごま油の臭いに惹かれるのは当たり前ですね。
アリさんの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
負傷兵を担いで救出するたくましいサハラの看護兵アリ+初夏の花たち
灼熱サハラで砂漠アリは万歩計と視覚フローでナビる+哀愁のリスボン再び
森のお百姓さんハキリアリと昔作ったプラモたち


黄色いアルストロメリアその1REVdownsize
(黄色いアルストロメリア;赤と黄色が庭に咲きます)
アリさんの社会行動にも大切な嗅覚
じゃ、臭いを嗅げないとアリさんはどうなるんだろう?
臭いを感知できないミュータントのアリさんは勝手気ままに振る舞い、社会的な行動を行わない「空気を読まないアリ」になると分かったそうです。出典著者Waring Trible氏らの研究です。


嗅げないと空気も読めません、アリさんは
普通なら仲間が付けた臭いの跡をたどって仲間を追うのにミュータントは従わないし、アリさんが忌避する臭いを塗ったラインの前で普通のアリさんはUターンするのに、ミュータント・アリさんは平気で横断してしまう・・とまぁ、おおよそ「空気を全く読まないアリさん」になっていました。

ルリマツリREVdownsize
(ルリマツリ;淡い青の花が陽を浴びています)
臭い感知器に共通の遺伝子を壊すと・・
様々な嗅覚受容体に共通に必須の遺伝子を壊すとアリさんの触覚にある嗅覚神経の集まり(glomerulus)がちゃんと出来上がらず、鼻が利かなくなるようです。

女王なし、皆で勝手に殖える変なアリさん
ところで、出典著者のTrible氏らが調べたアリさんはちょっと変わっていて、女王がいないけどクローンで勝手に殖えるアリさん、しかも他のアリさんを襲うアリさん、clonal raider ants (Ooceraea biroi)です。

ネジバナREVdownsize
(ネジバナ;これも庭の芝生に生えてきます)
純血主義のアリさんの遺伝子操作は無理?
色々な動植物で遺伝子操作による改変が成功しているのにアリさんではまだ成功していなかったそうです。普通アリさんは女王アリさんだけが卵を産み、卵や幼虫は十分な世話がないと育たない上に、遺伝子操作でちょっと臭いが違うと拒絶されてしまうからだそうです。うむ、純血主義なんですね。

皆が勝手にクローンを生むヘンなアリさん
でも、このアリさんclonal raider antsは雌性無性生殖で、コロニーのアリさんみんながそれぞれ親と全く同じ遺伝子のクローン未受精卵を産むうえに、2mmくらいの小さな体なので仔が育って更に孫を産むまでの期間が約2週間と短いから研究モデルとして格好です。

ウツギREVdownsize
(ウツギ;可憐な白い花です)
魔法の杖か?巡航ミサイルか?CRISPR/Cas9
だから卵に遺伝子操作を行えば同じ遺伝子のミュータントのクローンが短期間でたくさん作り出せる訳で、今回使われた遺伝子操作は最新のゲノム編集(gene editing)の魔法の杖、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャス・ナイン)で従来の遺伝子組み換えと違って狙ったところだけにピンポイントで遺伝子を除去したり(ノックアウト)違う望みの遺伝子を入れたり(ノックイン)出来ます。まるで遺伝子工学の巡航ミサイルですね。

役立つ道具だからこそよく確かめないと
思わぬところに遺伝子が入ってしまうリスクがはるかに少なく応用範囲も広いので安全性が高く正確な新しいタイプのGMO(遺伝子改変動植物)が作れるから、飢餓や貧困を解決するためなどに大いに期待される最先端技術、CRISPR/Cas9。世界が飢えないための大事な技術(の1つ)です。もちろん倫理面や社会容認性の議論が改めて必要になります。


ピンクのカルミアdownsize
(ピンクのカルミア;傘のようにだんだん開いてゆきます)
単細胞だって必死に生きてる、CRISPR/Cas9で
ちなみにCRISPR/Cas9はもともとはバクテリアがウイルス(ファージ)に感染したときに次に備える一種の免疫シシテムなのだそうです。単細胞生物だって必死に生きてるんですね。

動物ならゾウさんが一番鼻が利く
ところで、哺乳類の嗅覚受容体(※)は、ヒトでは347個、イヌで811個、一番多いのがゾウで1948個だそうですが、小さな昆虫の嗅覚はよりシンプル、効率的な別の仕組みだそうです(だから少数でOK)。(※:機能する嗅覚受容体の遺伝子の数)。
ヒトの嗅覚は2つある、と言う過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
呼気で感じる風味の正体、第2の嗅覚で豊かで健康な生活

(出典にリンクは貼っていませんので参照されるときはコピペしてください)
出典:”orco mutagenesis causes loss of antennal lobe glomeruli and impaired social behavior in ants” Waring Trible et al. bioRxiv Feb. 28, 2017; doi: http://dx.doi.org/10.1101/112532.
http://biorxiv.org/content/early/2017/02/28/112532
出典:”World’s first genetically modified ants shed light on how complex insect societies evolved” Elizabeth Pennisi氏執筆 Science Mar 8 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/world-s-first-genetically-modified-ants-shed-light-how-complex-insect-societies-evolved?utm_campaign=news_weekly_2017-03-10&et_rid=208065204&et_cid=1209629
出典:ウキペディア記事(英) “Ooceraea biroi”
https://en.wikipedia.org/wiki/Ooceraea_biroi


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過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
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古代アマゾンの農園からヒトが去っても果樹はたくましく生き残る+カプリの緑と海

古代アマゾンの農園からヒトが去っても果樹はたくましく生き残る
+カプリの緑と海

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客待ちの青の洞窟行ボートdownsize
(客待ちの青の洞窟行ボート;南イタリアのカプリ島マリーナ・グランデ港)
アマゾンの遺跡周辺では栽培種の樹木が占めている
アマゾンの鬱蒼とした熱帯雨林や、アフリカの広大なサバンナって現生人類が“世界制覇”を果たすはるか前からあった「原始の自然」に思えますよね、でも違います、いずれも相当に人為的な自然の姿です。




フェリーから見るカプリは断崖絶壁の島downsize
(フェリーから眺めるカプリは断崖絶壁の島)
カプリ島の緑、花、紺碧の海
何となくのイメージつながりで、青い地中海に浮かぶ緑と花の島、カプリ島のフォトを添えます。
カプリの過去記事です↓(クリックで飛びます)
ナポリ湾の宝石カプリ島で「大事件」目撃のはずが・・・
青く輝くカプリ島青の洞窟と青い光が時計を合わせる第三の視覚
細胞たちのDIY、話し合いの自己組織化で再生医療へ+夢の島カプリ続編


青の洞窟は幻想的なブルーの世界downsize
(青の洞窟は幻想的なブルーの世界)
外来感染症が先住文化を一掃した
15-16世紀、ヨーロッパ人が南北アメリカを侵略し天然痘(small pox)など病原微生物を持ち込んだため、武力よりは外来の感染症のために先住の人々のほとんどが亡くなりその文明、文化も一掃されてしまいました。

人々が消えても森は遺った
それでもアマゾンには遺跡だけではなく先住の人々の農業の痕跡や影響が今でも数多く残っていることが近年の研究で明らかになってきました。ヨーロッパからの入植者が見た新大陸の森は原始の森」ではなく疫病で先住民が消えた後の「二次林」だったのです。

ブーゲンビリアで着飾ったブランド店downsize
(ブーゲンビリアで着飾ったブランド店)
知られざるアマゾンの高度農業文明
調査によれば、アマゾンには現在でも、例えば、ヤシ(palm)などの栽培品種が多く残っているそうです。先住の人々は高度な農業文明や技術を持ち、アマゾンの密林を人為的に改変していたようなのです。
「原始の森」の印象があるアマゾンですが、実はその多くが二次林であるようです、特にアマゾン川流域の川沿いでは。


アマゾンは8000年前には農園であった
アマゾンの先住の人々は、ヨーロッパ人が来る前から既に、アマゾンの生態系に大きな変化をもたらしていたらしいのです。少なくとも8千年前(日本なら縄文時代のど真ん中)からアマゾン先住の人々は栽培品種化(domestication)した作物を植えてアマゾン川や支流の川沿いを豊かな農園にしていたようです。

木々も家も岩山に張り付いて立つREVdownsize
(木々も家も岩山に張り付くように立っています)
実は多くの目撃証言があったのです
実際、ヨーロッパ人が当初アマゾンを「探検」したとき(まだ感染症が蔓延する前)、アマゾン川支流の川沿いに大きな集落と立派な農地を「発見」していたそうです。

なぜか遺跡の周りには栽培品種が多いけど・・・
また、昔から考古学者はアマゾンの遺跡の周囲には何故か栽培品種の樹木が生えていることに気付きフシギに思っていたそうです(それ以上の研究が進まなかったのは当時考古学から見て生態学は

海に向かって急こう配のケーブルカーREVdownsize
(海に向かって急こう配のケーブルカー)
良く調べるとアマゾンには栽培品種が227種も
出典著者のオランダのユトレヒト大学(Utrecht)及びNaturalis Biodiversity Center のHans ter Steege氏らは、このようなアマゾンの植生のこれまでの研究データを包括的に見直し、整理し、データベース化したところ、「栽培品種」と思われる樹木は227種もあり、その一部は今でもヤノマミ族(Yanomami)など先住民の食糧になっていてご先祖様からの贈り物ですね。

世話をやかなくても自立できるスゴイ栽培品種
もう一つ、アマゾンの先住の農業がスゴイ!のは「アマゾン栽培品種」は、イネやコムギとは違って。「お手入れ不要」であることです。だから、感染症で農民が“消えても”樹木たちは今日までアマゾンでちゃんと繁茂してきた訳です。

島じゅうに咲いているビーゲンビリアREVdownsize
(島じゅうに咲いているビーゲンビリア)
元栽培品種の3分の1以上が今でも優先品種
出典著者であるブラジルNational Institute for Amazonian Research及びオランダのヴァーヘニンゲン(Wageningen)大学所属の Carolina Levi氏とHans Ter Steege氏らによれば、現在でもアマゾンの調査地点1091ヶ所から、上述の栽培品種227品種のうち、85種がその場所の優先種だったそうです。アマゾン先住の人々が生み出した栽培品種はたくましいようです。

崖上の小路から垣間見えるクルーズ船downsize
(崖上の小路から垣間見えるクルーズ船)
アマゾンの生物多様性を担う栽培品種二次林
出典著者らは、アマゾンの東部と南西部でこのような栽培品種の二次林が特に多く、ボリビアでは森林の生物多様性の61%を担っていると推察しています。

なぞ、疑問はまだまだありそう
別の研究者からは今ある栽培品種がいつ植えられたか、が不明で先住の人々が植えたと断定できない、との指摘もあるようで、まだまだ調べることはありです。

二次林が「持続可能」な生態系の1つの答えかも
いずれにしても、アマゾンの栽培品種や日本の里山のような二次林が未来に向けた“持続可能な(sustainable)”森の1つの姿なのかも知れませんね。

出典: “Hyperdominance in the Amazonian Tree Flora” Hans ter Steege et al. Science Vol. 342, Issue 6156, 1243092 (18 Oct 2013) DOI: 10.1126/science.1243092
出典: “Persistent effects of pre-Columbian plant domestication on Amazonian forest composition” Carolina Levis et al. Science Vol. 355, Issue 6328, pp. 925-931 (03 Mar 2017) DOI: 10.1126/science.aal0157
出典: “Hundreds of years later, plants domesticated by ancient civilizations still dominate in the Amazon” Erik Stokstad Science Vol 357, Issue 6346 (7 July 2017)


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暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁

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暑い潮に鍛えられるサンゴ礁
(暑い潮に鍛えられるサンゴ礁)
サンゴの白化REVdownsize
(サンゴの白化、共生する褐虫藻類がいなくなったため)
サンゴは水温にとても敏感、高くなると白化
サンゴは熱帯~亜熱帯の陽光あふれる温かい浅海にしか育ちませんが、水温にはとても敏感で、暑すぎても、水温が少し上がるだけで「白化」を起こして死んでしまいます、フツウは。
最近のサンゴ礁の関連過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち




サンゴに群れる稚魚たちREVdownsize
(サンゴに群れるさまざまな魚種の稚魚たち)
サンゴ礁が育むサカナたち
サンゴ礁つながりで石垣島ダイビングの写真を添えます。
石垣島ダイビングの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記


ボラ系の稚魚かREVdownsize
(ボラ系の稚魚か、サンゴに隠れて暮らしています)
白化の一歩手前の高温なら鍛えられる
ところが、造礁サンゴは白化に至るほどの強いストレスよりちょっとだけ弱い閾値下のストレスにさらされると“鍛えられて”ストレスに強くなるそうです。

デバスズメダイREVdownsize
(魚影ゆたかなサンゴ礁、デバスズメダイたち)
造礁サンゴを周期的に洗う高温の潮
造礁テーブルサンゴAcropora hyacinthusには外洋から周期的に高い水温の強い潮のパルスが打ち寄せます。高い水温はサンゴにとって白化を招くためキケンなのですが・・・

ハナゴイREVdownsize
(ハナゴイが群れるサンゴ礁)
適度の高温はサンゴの不良品処理(UPR)を促す
出典著者の米国スタンフォード大Lupita J. Ruiz-Jones氏らはその間(17日間)の件のサンゴを調べ、高い水温の潮のときには「細胞の不良部品処理」である「UPR(unfolded protein response)」が高まり、潮が去ると収まることを見つけました。

UPRでサンゴは白化ストレスに強くなる
この高温の潮の水温は白化に至るほど高くないけどサンゴにとって適度の高温ストレスになりUPRが高まることにより、白化を招くほどの高い水温の潮が来ても耐えられるような耐性が出来るそうです。

魚影ゆたかなサンゴ礁REVdownsize
(魚影ゆたかなサンゴ礁)
実験室でサンゴを高温で鍛えると・・・
実験室でサンゴを人為的に「適度の高温」にさらしてみると・・・野外で観察したのと同じ反応、UPRの高まりが起こりました。どうやらサンゴを鍛えて熱耐性を高めることも出来るかも?です。

高温の潮が半月ごとにやってくるワケとは?
地球と月の運動で日々の満ち潮/引き潮出来て、半月単位でそのリズムが大きくなったり、小さくなったりと、大潮/小潮が起こります。保礁に囲まれたサンゴ礁の浅海はほぼ半月の周期で小潮のときに水温の高い(満ち)潮に洗われます。

モンツキスズメダイREVdownsize
(モンツキスズメダイ)
UPRが止めきれず不良品が貯まると自殺する
もともとUPRは真核生物(目に見える核がある生き物、ヒトもサンゴもそうです)に共通に備わっている「壊れてダメなタンパク質が増えたらひとまずタンパク質合成を止めよ」って防御反応です。それでも細胞にダメ蛋白(ちゃんとくるまってカタチになってないunfolded proteins)が貯まり過ぎると生き物の細胞は「もう、こらアカンわ」と言うことで自殺(アポト-シス、apoptosis)します。

武士の本懐とは家来を逃がすこと
これがサンゴなら「ワシもうアカンからお前ら(共生の褐虫藻類)もっとエェとこに出ておゆき」・・と褐虫藻類(光合成を行うサンゴ礁の色の元)が去ってサンゴは「白化」に至ります。
「この城ももはやこれまで。おのおの方におかれては城を捨て落ち延びられよ」ってことなんでしょうね。


造礁サンゴを鍛えて白化を防ぐ?
人為的地球温暖化に伴うサンゴの白化が世界中の海で進んでいますが、造礁サンゴを鍛える方法が分かれば何らかの対策に結びつくかも知れません。この研究がもっと進むといいですね。

出典:”Tidal heat pulses on a reef trigger a fine-tuned transcriptional response in corals to maintain homeostasis” Lupita J. Ruiz-Jones* and Stephen R. Palumbi Science Advances 08 Mar 2017:Vol. 3, no. 3

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絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー

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落葉樹の誕生と試練
(落葉樹の誕生と試練)
寒さと乾燥を凌ぐため葉を落とす
植物、特にその葉は低温や乾燥に弱く、温帯・亜寒帯の冬や熱帯の乾季に落葉することで凌ぐ樹木が落葉樹です。添えるフォトはスイス国境に近いフランスのアヌシー(Annecy)の黄葉です。
アヌシー過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
フランスアルプスの宝石アヌシー番外編
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ 第1章





日米欧の森はよく似た風景、でも来歴も多様性も違う
冬に葉を落とすことで樹冠を開ける落葉樹は温帯の森の生態系を維持する重要なメンバーです。日本、北米、ヨーロッパなど温帯の森は一見よく似ていますが、樹種の構成や小動物、昆虫や鳥など森の生態系メンバーの種も違います。自然の歴史がそれぞれ違うためです。

愛の橋はカップルに大人気downsize
(ティウー運河河口の愛の橋はカップルに大人気)
白亜紀の極地で落葉樹は生まれた
恐竜が闊歩していた白亜紀、暖かな極地で落葉樹は生まれました。極地の太陽の無い季節を凌ぐため「葉を落とす」と言う適応を進化させました。そして夜の無い夏、白夜では一気に葉を盛んに茂らせたようです。

激変する地球の歴史を生き抜いた落葉樹
小惑星が落下して恐竜たちが滅んでも、その後の「核の冬」のような暗く寒い時代も落葉樹は高い適応力で生き残りました。暁新世には優先樹種になり、始新世の温暖化、中新世の寒冷化を生き抜き、氷河期に氷河に追われても間氷期には毎回失地を回復しました。

朝の運河は鏡のように橋を映していますREVdownsize
(朝のティウー運河は鏡のように橋を映しています)
地球の歴史を精密に語る花粉化石
稀に偶然が重なって化石になった骨や歯と違い、毎シーズン大量に飛散する花粉の化石なら時系列が連続したデータが得られます、100年単位、時に10年単位の精度で。

湖底の花粉化石は10年単位の歴史の語り部
湖沼の堆積物などに保存されていた過去何万年かの花粉化石の種類と炭素同位体などによる年代測定からいつごろどのような植物がそこで繁茂していたかが分かります。

湖畔の紅葉と別荘REVdownsize
(アヌシー湖畔の紅葉と別荘)
氷河に合わせて南へ北へ、温帯林はえらいこっちゃ!
北米、ヨーロッパの高緯度地方では氷河の前進と後退に伴って落葉樹林も南へ、北へとに後退と前進を繰り返したようです。

氷河からの回復が遅れたヨーロッパの森
ヨーロッパの氷期には落葉樹など木々はスペインなど避難地を除き氷河によりほぼ一掃されました。そのためヨーロッパでは氷河期を生き残った樹木の種は29%にすぎません。
アルプス、ピレネーなど多くの山脈が南北を分断するヨーロッパでは氷河が去っても落葉樹林は失地回復が遅れ、かつ気候が好転して急速に北上し「空き地を埋めた」ためヨーロッパの森の多様性は低いのだそうです。


小さな運河の眼鏡橋downsize
(運河に掛かる小さなの眼鏡橋)
大陸とくっついたり離れたりで日本の森は豊かに
氷河の進出が厳しくなかった日本など東アジアでも同様で氷期と間氷期に伴う寒冷と温暖の繰り返しで落葉樹林は分布を変え、加えて海進と海退のため島になったり陸続きになったりしました。これは日本は欧米よりも落葉樹林の多様性が高い要因に1つです。

アヌシーのティウー運河べりレストランまだ準備中downsize
(スイス国境フランスの街アヌシー、ティウー運河沿いのレストランはまだ準備中)
日本の森が豊かなワケとは?
東アジアでは落葉樹は氷期に完全には一掃されず、海進で島になると孤立化し新種が出現します。そして再び地続きになると、今度は多くの種が混じり合いました。そのため96%の樹木種が氷河期を生き残りその多様性も高くなっています。北米はヨーロッパと東アジアの中間の結果であるようです。


ブタの看板のAnnecyのレストランdownsize
(ブタの看板のアヌシーのレストラン)
失地回復も一様ではない
1万年とちょっと前、最終氷期が終わり氷河が後退し北米の森が北に向かって「失地回復」の進軍をしたときも樹種によってスピードはバラバラで風散布のヤナギは年に287mなのに鳥が散布するヌマミズキは年70mと差があります。

常にメンバーが変わってきた北米の森
その結果、例えば、コネチカット州ロジャース湖底の花粉化石を分析すると、たった1万年ほどの間に、最初はツンドラ→1万2千年前、マツの寒帯林へ→9千年前、カエデなど落葉広葉樹へ→2千年前、クリの木が加わるなどの順で森の構成が移り変わってきたことが分かりました。北米の森も常に樹種が変わってきたようです。

太古の森なぞ(ほぼ)存在しない
落葉樹林は戻って来たその度に違う動植物のパートナー同士で森の生態系を新たに作り上げてきたようです。だから温帯には「悠久の原始の森」なんてないんです。

森のメンバーはたまたま居合わせた者の組合せす
動物、植物の種は気候の変動、環境の変化にそれぞれ別々のやり方で反応します(適応し進化するとか、移動してしまうとか)。温帯の森は特定の組合せの動植物が互いに依存しあう「運命共同体」ではありません。

森は地球史の中の偶然の出会いで出来てる
むしろ温帯林の生態系は、棲む環境の条件が似ているもの同士が地球の歴史の中で偶然の巡り合わせでたまたま同じ時期、同じ場所に居合わせ棲んでいる植物、動物の集団です。たまたま今日乗り合わせた電車やバスの乗客同士のようなものでしょうか?

これからの森とのつきあい方とは?
ここまでは私たち現生人類がまだ地球環境を大きく変え始める前の物語りです。それでも落葉樹や温帯の森は激変する気候や環境の中、めくるめく健気にその姿を変えながら生き延びたし、その回復力、適応力はこれから私たち森とつきあってゆくための多くのヒントがあることでしょう。

秋の紅葉は滅んだ縄文の森を落葉樹が継いだもの
落葉樹は適応力、回復力が高いたくましい植物なのです。開墾など、人々が元からあった照葉樹林を伐採し、その後何らかの理由で(例えば、14世紀のヨーロッパでペストが流行し人口が激減した)人が去れば落葉樹林が進出、占有して優先種になります。日本では縄文の照葉樹林の多くが「伐採→放置」を経て、現在は紅葉や黄葉する落葉樹林になったようです。

出典について
出典著者Askins氏は米国コネチカット大学教授、鳥類学と生態学の研究者で、同志社大学でも講義を行い日本の、特に京都の森も研究対象です。日本の自然や文化に対する造詣も深く、森の成り立ちと変化、これからについて示唆に富む本です。今回はごく一部のご紹介ですが、ご興味あれば書店や図書館で実際に手に取ってみられることをお勧めします。

出典:「落葉樹林の進化史」”Saving the World’s Deciduous Forests” 2014年 Robert A. Askins氏著、黒沢令子氏訳 (2016年、築地書館)

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言葉を知らない赤ちゃんも5つの色に色分け+カラフルなアルザスの家並み

言葉を知らない赤ちゃんも5つの色に色分け
+カラフルなアルザスの家並み

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赤ちゃんは色を分類区別する
(赤ちゃんは色を分類区別する)
言葉を知らなくても赤ちゃんは色を分類、区別
まだ言葉を知らない=赤、青など「色の名前」も知らない、4-6か月齢の赤ちゃんでもたくさんの色を「赤」、「黄」、「緑」、「青」、「紫」に分類し区別しているようです。








青い家に赤い花が鮮やかdownsize
(青い家に赤い花が鮮やか;仏アルザスColmar)
アルザスColmarのカラフルな木組み
フランスのアルザス地方の家はコロンバージュ(Colombages)と言う独特の木組みですが、色もカラフル。「色」つながりでコルマール(Colmar)の家並みのフォトを添えます。
コルマールの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)(以前コルマーと表記しましたが今回コルマールに改めています)
アルザスの小さな宝石箱コルマー訪問番外編
「おとぎの国」コルマー紀行


ヒトの色覚は3原色
(ヒトの色覚は3原色)
連続的な光の波長を色に区分けして感じる
私たちが見る様々な色とは太陽光など光の一部が反射したり、透過したりした可視光(目に見える光;最大で波長360~830 nmの幅)の特定の波長(の組合せ)です。可視光の波長は連続的なものなのに、なぜ「赤」「青」「緑」など“色の種類”として分かるのでしょうか?そのヒミツは脳にあります。

黄色い色の認識
(黄色い色の認識を例にとると・・)
目新しいとじっと見つめる→「ちがうよ」のサイン
まだ話せない赤ちゃんが「分類している」ことをどうやって調べたか?赤ちゃんは見慣れないもの、新しいものに出会うと(不思議そうに)じっと見つめます。さまざまな色の色見本を次々と赤ちゃんに見せて、もし「じっと見つめる」時間が長ければ=「今の色は前の色と違う」赤ちゃんが区別していると分かる訳です。

色を競うおとぎの国の家並みdownsize
(色を競うおとぎの国の家並み;アルザスColmar)
赤ちゃんは5色【赤、黄、緑、青、紫】に区分け
このような「見つめる時間を測る」方法で出典著者、英国サセックス大学のAnna Franklin 氏らが人の4-6か月齢児に14種類の色見本を使って調べたところ、赤ちゃんたち色を「赤、黄、緑、青、紫」の5種類に区別して見分けたそうです。

赤壁に木組みが印象的downsize
(赤壁に木組みが印象的;アルザスColmar)
3原色の組合せで1千万種の色を感じる
色を感じる「色覚」はヒトでは赤緑青の3原色(厳密には2.5原色)で、網膜にはそれぞれ赤緑青を一番強く感知する3種類の視細胞(錐体細胞)があります。3種類の視細胞は光の色(波長)による感知し易さが違うだけで可視光を幅広く感知します。例えば、赤に一番敏感な細胞は緑もかなり、そして青も少し感知します。「赤」の視細胞と「緑」の視細胞は同じくらい感知するなら「黄色」です。おかげで3種の視細胞の感知する強さの組合せによってヒトは1千万色を見分けられるそうです。
ヒトの2.5原色の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
エンジェルフィッシュのスターウォーズと不出来な2.5原色-色のフシギその2

ピンクの家が広場に色合いをdownsize
(ピンクの家が広場に色合いを与えている;アルザスColmar)
色は眼ではなく脳で見る
ヒトは眼ではなく脳で色を“見て”います。眼の視細胞が感知した情報は脳の後頭葉にある視覚野に送られ、TV画面のように視野を赤緑青の画素に分け、コントラストで物の輪郭を見分けてフルカラーで視野(見ている世界)を認識します。

青空に映える川沿いの黄色い家downsize
(青空に映える川沿いの黄色い家;アルザスColmar)
異論もあります
出典著者らは赤ちゃんの「色」の認識は文化的と言うより生物的な=生まれ持ったものだろうと推論していますが、一方、反論もありまして、出典著者Franklin 氏らが調べたのは英国の赤ちゃん=両親はすべて英語を話す人たち、なので、他の言語圏の赤ちゃんも調べないと『赤ちゃんがみんなこれら5色に色を分類する』とは言えない、と言うものです。

キトラ古墳は4色;朱雀、玄武、白虎、青竜
例えば、昔の日本では色は「赤」「黒」「白」「青」の4色で黄色や緑色は言葉=色の概念、になかったそうです、奈良明日香村のキトラ古墳の壁画が朱雀(赤)、玄武(黒)、白虎(白)、青竜(青)であるように。
確かに話せなくても赤ちゃんは親の英語を聴いて、親の行動も見ていますし、部屋や家具の色使いも英国人好みでしょうし。


もっと調べると面白いかも
今回の研究結果は、言葉を知らない赤ちゃんでも色をグループ分けして認識する能力が既にあって、それは生まれながらの視覚認識の仕組みと合っている、でも、(両親などからの)文化的な影響についてはまだ分からない、と言うことでしょうね。

出典:”Biological origins of color categorization” Alice E. Skelton et al. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America Vol.114 No.21 p.5545–5550, doi: 10.1073/pnas.1612881114
出典:”Babies gazes suggest we are born understanding color” Michael Price Science Vol 356, Issue 6338 12 May 2017
出典:ウキペディア「視覚野」「可視光線」
出典:ウキペディア(英) “color vision”


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海ではみんな光ってます、宵闇のパリのよう、ロボットが見た妖しい世界

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青く美しく光るゴカイ 原典より
(美しくも青く光るゴカイ、ちょっと出典からお借りしているフォトです)
美しくも妖しく光る海の生き物たち
海で光る生き物と言えば?ホタルイカ、夜光虫、海で光を利用する生き物と言えば?チョウチンアンコウ、マツカサウオ・・・なんて思い浮かびますが・・・。ゴカイだって光るんです!出典の青く光るゴカイです。




え、海では光るのが当たり前!・・なの?
これまで「光る海の生物って珍しい、マイナーな存在」・・と言うのがこれまでの認識(少なくとも一般の)でした。でも違うんです、逆に「光る」のが海では当たり前なんですって!

陽は凱旋門の中へ沈んで行きますdownsize
(パリの陽が凱旋門の中へと沈んで行きます)
妖しくも儚い夢、パリの宵待ち
夏至の頃、21時も過ぎやっとの陽落ち、宵待ちのカフェって少し物狂おしく、好き♡!でした。
光ほのかなトワイライトゾーンの海の中層で光る生き物たちにも似た、妖しくも蠱惑的な夕暮れから宵闇のパリ寸景を添えます。

パリ宵闇の過去記事はこれ↓、クリックで飛びます
毒も平気、脇目もふらず線虫Cエレガンスを恋に走らせるニューロン+パリの光と影
一夜漬けはいけません 夢トレが大事 暮れなずむパリ


17年間の35万回の観察を解析って、超人的
出典著者のSéverine Martini氏とSteven H. D. Haddock氏はカルフォルニア沖で海中を自在に自力で探す無人ロボットを使い、なんと17年間もかけて集めた35万回もの観察の膨大なビデオ・データを緻密に解析したそうです。よくまぁ研究予算を出しますよね、さすがアメリカ。

向かいのホテルに灯が入り始めた黄昏downsize
(向かいのホテルに灯が入りパリが黄昏れてゆきます)
外洋のあらゆる水深で4つに3つ(75%)の種は光る
海岸近くの浅い海では光る生物は多くないそうですが、一旦外洋に出ると水深に関係なくあらゆる種類の生物が光るそうです。海面から水深4千mまでに棲む、魚、クラゲ、多毛類(ゴカイの仲間)などあらゆる動物種の75%、なんと4種に3種が光るんです!

アレクサンドルⅢ世橋downsize
(日暮れ前のアレクサンドルⅢ世橋(Le pont Alexandre III))
なぜ光るの?→ハイ、生き残るためで~す!
3次元的にも広大な海にあって「光る」ことは、種も越えて有効な生き物の間のコミュニケーションだからだそうです。


ファイアーフライFR5 後ろ姿その2REVdownsize
(自作プラモFireflyはカウンターシェイド、FAAのExtra Dark Sea Grey/ Sky Type Sの塗装)
海中の「空中戦」もカウンターシェイド
照らして餌を探す、餌をおびき寄せる、影を消して捕食者から身を隠す(カウンターシェイドだ!)、異性にアピールする、などなど・・光ることにはメリットがあるんです。出典著者に依れば、生き物たちが光ってコミュニケーションすることで実は「海の生態系」を作ってるじゃないの・・と。
ヒコーキのカウンターシェイドの例、FAA塗装のFirefly過去記事はこれ↓クリックで飛びます
フィヨルドに舞う蛍火Fireflyは艦攻以前で艦戦未満

なぜ「みんな光る」とこれまで気付かなかったの?
ちょっと待って!じゃ、なぜこれまで分からなかったの?
☆①そもそも観察する良い手段がない
☆②「光るものもいたヨ」・・などとデータが定量的でない
☆③特定の興味ある生き物しか調べてない・・・などが理由だったそうです。
「へぇ~」、なんですけど・・・。


夕暮れセーヌ20031226downsize
(夕暮れのセーヌ、グラン・パレ(Grand Palais))
人の近くでは光る者はあまりいない、ナイトダイブでも
もう一つ、たくさんの生き物が光るのはあくまで外洋であって、沿岸付近の海ではあまり見られないそうで、だから人々が気付きにくいこともあったのでしょう。
例えば、ナイトダイブをする海では光る生き物があまりいないことになります。うん、それなら納得かも?


パリの夕暮れレストランに灯が入るdownsize
(パリの夕暮れ、レストランに灯が入る)
私たちが良く知る海はほんの端っこと上澄みだけ
地球の海は面積約3億6106万km2で陸地の2.42倍、平均の深度は3729mもあって、海水の総量は約13億4993万立方キロメートル。私たちが良く知る身近な海は沿岸や沖合では表層だけなので、まだまだ海全体は未知の世界、だからこのような発見があるのでしょう。

宵の装いに変わりゆくヴィトンのショップREVdownsize
(宵の装いに変わりゆくヴィトンのショップ)
「言われんでもワシ自分で探しますワ」とコツコツ調査
ロボット技術の進歩は目を見張るものがあります。そこで、「自立遊泳」=「いちいち言われんでも、ワシの判断で動いてデータ取ったるワ」と頼もしい海中ロボットが開発されました。この研究はロボットのコツコツ調査のおかげです。

ロボットだからこそ先入観も無く黙々と・・
海面から深海まで、昼夜も問わず、ひたすらコツコツと何百日も海の中を光る生き物を求めロボットが探索しました。そのおかげで今回出典著者Martini氏とHaddock氏が「実はみんな光ってる」ことを明らかにしました。
今、ロボットのワザって本当にスゴイんですね。


(リンク貼っていませんおで、コピペで訪問ください)
出典:”Quantification of bioluminescence from the surface to the deep sea demonstrates its predominance as an ecological trait” Severine Martini & Steven H. D. Haddock Scientific Reports vol.7, Article number: 45750 (2017), doi:10.1038/srep45750
https://www.nature.com/articles/srep45750
出典:”More than 75% of surveyed sea animals glow in the dark” Virginia Morell Science 14 April 2017 Vol 356, Issue 6334, DOI: 10.1126/science.aal1029
http://www.sciencemag.org/news/2017/04/more-75-surveyed-sea-animals-glow-dark?utm_campaign=news_weekly_2017-04-14&et_rid=208065204&et_cid=1274349


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妙にかわいい♡、デ・ハビランドのシマリス、chipmunk

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チップマンクと言えば今回はヒコーキです
(チップマンクと言えば?→今回はヒコーキです)
チップマンクと言えば?
ディズニーのチップとデール(Chip 'n' Dale)!・・かな?これシマリス君がモデルです。だから本家本元は北米に棲むかわいいシマリス君(シマリス属、Tamias)です。でも今回は「チップマンク」の愛称もかわいい♡練習機のお話しです。




DHCー1チップマンクは処女作にしてベストセラー
(DHCー1チップマンクはデ・ハビランド社の処女作にしてベストセラー)
チップマンクの手乗りプラモ
若いときに初めて作った練習機の模型がデ・ハビランド・カナダ DHC-1 チップマンク(de Havilland Canada DHC-1 Chipmunk)でした。フラットシルバーにトレーナーイエローの帯が良く似合うとってもカワイイ♡!Airfix製1/72の「手乗りプラモ」でした(今や残骸すらありませんが)。
練習機の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
1年生が乗ります練習機は安心安定のデザインでなきゃT-6テキサン
ほのぼの双発練習機オックスフォードの出自は栄えある王室専用機エンボイ


赤白のチップマンク 後ろのジェットプロボストとお揃いREVdownsize
(赤白のチップマンクは後ろのジェットプロボストとお揃い: ロンドンRAF博物館)
ロンドンRAF博物館でホンモノに出会う
その後、何度もロンドンを訪れ、仕事のすき間で何回かRAF博物館に通いチップマック(ヒコーキ)のホンモノにも会いました。やっぱりステキ、さすがタイガーモスを作ったデ・ハビランドの分家DHC(デ・ハビラド・カナダ)のデザインです。

チップマンクの葉っぱ尾翼がとってもキュートREVdownsize
(チップマンクの葉っぱ尾翼はとってもキュート)
赤白ツートンカラーに葉っぱ尾翼がキュート
期待に違わず、展示機はスリムな赤い機体にシマリスみたいに白のストライプの洒落たツートンカラーでデハビランドお約束の葉っぱ型の垂直尾翼(モスキートやタイガーモスと同じ)がとてもキュートです。

RCAFのDHCー1チップマンク
(カナダ空軍(RCAF)のチップマンクはトレーナー・イエロー)
処女作は地元カナダのシマリスと命名
ところでDHC-1ってことは、DHCの処女作でしょうか?そうなんです。DHCが自らデザインした初めてのヒコーキが「シマリス君」ことチップマンクなんです、北米のリスですもんネ。

傑作機を継いだ傑作機DHC-1チップマンク
傑作機DH.82タイガーモスの後継機として設計され戦後の1946年5月初飛行のDHCの“シマリス”、DHC-1チップマンクは、初等練習機としてカナダ、英国、ポルトガルで1283機も生産されました。

今でも元気に飛んでます、傑作練習機チップマンク
DHC-1チップマンクは25か国の空軍で広く使われ、1990年代まで現役だったそうです。
更にリタイア後の今でも元気に500機ほどのDHC-1チップマンクが世界各地の飛行クラブなどで飛んでいるそうです。


白黒ストライプがスリムなチップマンクの胴体を締めるdownsize
(白黒ストライプがスリムなチップマンクによく似合う)
親会社でも大当たりの大量産
DHC-1チップマンクは初飛行後まもなく英国ボスコムダウンのA&AEE (Aeroplane and Armament Experimental Establishment)でテストされ1952年RAFの初等練習機として晴れて採用されました。おかげでカナダより多くの約1014機が英国の親会社デ・ハビランドで作られました。子会社の開発品を親会社も量産したわけでやっぱり傑作機、チップマンク。

無事これ名馬、長~く愛されたシマリス君
DHC社最初の作品で戦後の就役にも関わらず1200機以上も生産されて1990年代まで現役練習機を務めたDHC-1チップマンクは大成功した傑作機です。DC-3もそうですが、現役寿命が長いのも傑作機の条件(の1つ)ですね。

RAFの初期塗装銀色DHCー1チップマンク
(英国空軍(RAF)の戦後初期塗装、銀色のチップマンク)
リスのように軽快にアクロバットもこなすDHC-1
樹から樹へ幹を、枝をすばしこく軽やかに駆け回るシマリス君と同じように、DHCチップマンクはアクロバット飛行も出来る抜群の操縦性を持つ固定脚の分かりやすい=扱いやすい機体です。
モスキートも片発停止でも旋回できる抜群の運動性でしたから、さすがデ・ハビランドの伝統です。
そのおかげで“退役後”もDHC-1チップマンクは各国の飛行クラブで今も人気の現役です。


ワシントンで出会ったシマリス君を年賀状に
動物のチップマンク、シマリス君は北米の森に棲息しているかわいいリスです。今では都会の公園にもたくさんいます。晩秋に初めて米国ワシントンを訪れ、朝の公園散歩でバッタリ出会ったのが、シマリス君、目と目が合っても逃げないんです、あんまりカワイイので翌年の年賀状の版画にしました。
本家本元のリスも、ヒコーキのDHC-1も、どちらのチップマンク(シマリス)君も大好きです。


DHCー1チップマンク三面図REVdownsize
(DHCー1チップマンクの三面図、なかなかスリム)
DHC-1 Chipmunk(チップマンク) 諸元
乗員:2名(教官と練習生)
全長:7.75 m、全幅:10.47 m、全高:2.1 m
翼面積:16.0 平方m、翼面過重:57.82 kg/平方m
自重:646 kg、最大離陸重量:998 kg
エンジン: de Havilland Gipsy Major 1C 145馬力1基
最高速度:時速222 km
航続距離:445 km
実用上昇限界高度:5,200m


採用国25か国
アイルランド、イギリス、イスラエル、イラク、ウルグアイ、エジプト、ガーナ、カナダ、ケニア、コロンビア、サウジアラビア、ザンビア、シリア、スペイン、セイロン、タイ、チリ、デンマーク、ビルマ、ベルギー、ポルトガル、マレーシア、南ローデシア、ヨルダン、レバノン(当時の国名で表記)

出典:ウィペディア(日英)
「デ・ハビランド・カナダ DHC-1/de Havilland Canada DHC-1 Chipmunk」
「シマリス/Chipmunk」


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小さな日時計ジオロケーターが明かす小鳥の渡り生活+みなとヨコハマ

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【お知らせ】
「友達・先生の声が聞こえない難聴児の教育に新しい選択肢を!」
聴覚障害児、難聴児が仲間と夢に向かって努力できる場所、聞こえないからこその強みを活かした仕組みを作ろうと言う活動のクラウドファンディングです。目標まであと一歩、残り8日(6/21現在)だそうです。ご関心あれば上記にリンクを貼っていますのでご活用ください。(Levalloisbee)

ジオロケーターでカートランドムシクイの渡りを追う
(ジオロケーターでカートランドムシクイの渡りを追うと・・)
五大湖とカリブ海を行き来し渡る小鳥ムシクイ
スズメに似たカートランドアメリカムシクイ(Kirtland's warbler、Dendroica kirtlandii)はスズメ目アメリカムシクイ科の小さな渡り鳥です。五大湖周辺で春夏を過ごして繁殖し、秋に温かいカリブの島に渡り越冬します。小さな日時計ジオロケーターで渡りの実態を探ると言うサイエンス小ネタです。




横浜のジャックの塔開港記念会館downsize
(横浜の「ジャックの塔」開港記念会館)
波濤を越えてきた文明開化の窓口、ヨコハマ
「勇気ある小さな渡航者」カートランドアメリカムシクイに敬意を表して、ペリー、開国、維新、文明開化(その後、結果、不幸を招いた富国強兵もありますが)・・と、神戸と並んで近代ニッポンの発信所であった我が街、みなとヨコハマの歴史の生き証人「赤レンガ倉庫」界隈の寸景を添えます。
ハマ歩きの過去記事の一部です↓(クリックで飛びます)
ハイカラな不死鳥ハマの港の歴史に触れる博物館+ハマの寸景
ヨコハマたそがれ青い回廊といずもと飛鳥
プレート“おしくらまんじゅう”で出来た「かながわの地」+横浜散歩番外編
ハマの新開地朝の散歩で見つけたもの司馬さんを辿って


保護するには渡りを詳しく知らねば・・
さて、本題。保護活動を充実させるにはこの渡り鳥、カートランドアメリカムシクイがいつどこを経由しどこで留まるか、など渡りのようすを詳しく理解する必要があります。

ジオロケーターの原理
(ジオロケーターの原理; 日々の緯度経度が記録できる)
生き物に計器を託すバイオロギングの出番
今なら渡り鳥のルートを詳細に追うのに格好の研究手段があります、バイオロギングです。バイオロギングとは生き物に計器を直接取り付けて生き物の行動を追う研究手法です。

小っちゃなムシクイには超小型計器を・・
カートランドアメリカムシクイにジオロケーター(geolocator)と言う計器を背負わせて1年の渡りのサイクル後にデータを回収(27羽分)したところ、彼らは目的地に直行するのではなく中継地があること、また、春と秋ではルートも違うことが分かりました。出典著者Nathan W. Cooper氏らの研究です。
(例(リンク):Biotrack Ltd. 社(英)製 M-Series Geolocators)

ジオロケーターの過去記事です↓(クリックで飛びます)
空飛ぶ者たちを追う愉快なローテク; バイオロギングその3

白たえの女王日本丸REVdownsize
(白たえの女王日本丸(再掲))
0.5g超軽量ジオロケーターなら小っちゃなムシクイもかつげる
カートランドアメリカムシクイは成鳥でも体長14–15cm、体重12–16gしかありませんので大きく複雑な計器は装着できません(飛べなくなる)。そこで0.5g以下の超軽量化に成功したジオロケーターの登場です。

赤レンガ倉庫の緑化よこはまフェアdownsize
(赤レンガ倉庫では「緑化よこはまフェア」が開催)
渡り鳥用の日時計、ジオロケーター
ジオロケーターは日の出・日の入りを記録するだけのシンプルな「日時計」で主に渡り鳥用に開発されました。ジオロケーターは時計と明るさ(照度)の変化から日の出と日の入り時刻を読み取りこれを毎日記録するだけのシンプルな装置です。


ヨコハマ大桟橋の青い回廊downsize
(ヨコハマ大桟橋の青い回廊(再掲)
現在地の緯度と経度を測定・記録する
“1年のある日”の日の出か、日の入り時刻が判れば緯度(北緯か南緯)が分ります(同じ季節なら緯度が高くなるほど昼夜の時間差が大きくなるから)。
その真ん中の時刻が太陽の南中で、この南中時刻の出発地との「時差」から経度が分ります。こうして地球上の現在地(の緯度・経度)が決まります。


間近の海上保安庁巡視船Iは結構大きいdownsize
(間近で見る海上保安庁巡視船は結構大きい)
日々の記録からわたりルートがわかる
ジオロケーターは鳥たちの現在地の緯度・経度を日々記録するのでこれを地図上にプロットすれば渡りのコースと旅程(いつどこに居た)が分かります、それも小鳥の個体ごとに。こうして渡りルートが完成します。

象の鼻と赤レンガを結ぶ鉄橋downsize
(象の鼻と赤レンガを結ぶ鉄橋、花に囲まれて)
優れたローテク、軽量化で小鳥も使えるように
ジオロケーターは十分に軽量化すれば小鳥にも装着出来てデータもシンプルなので年単位の記録も可能なローテクだけど優れたバイオロギング装置です。原理は大航海時代の船乗りたちの「天測航法(astronavigation)」と同じです。

山火事後に生える低木でムシクイは巣作り
カートランドアメリカムシクイは草の実、樹液、昆虫などが餌です。山火事の後に出来るバンクスマツの低木林が巣作りの場であり、餌場でもあります。(バンクスマツ;Jack pine、Pinus banksiana、北米に分布する松の1種)

山火事を管理したらムシクイが絶滅危惧種に・・
ところが森林の管理が行き届いて山火事が減るとそれに伴い、餌場と巣作りの場である低木林を失ったカートランドアメリカムシクイは数を減らし絶滅危惧種に挙げられるようになりました。その後バンクスマツの植林など保護活動のおかげでようやくカートランドアメリカムシクイは数を回復しつつあるようですが・・。

イメージキャラにも・・
ちなみにカートランドアメリカムシクイは米国の保護団体や愛鳥団体のイメキャラも務めているそうですよ。

(リンク貼っていません。コピペで訪問ください)
出典:”Watch tiny geolocator map rare bird’s round-trip migration” Elizabeth Pennisi Science Vol 355, Issue 6332, Mar. 3, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/watch-tiny-gps-map-rare-bird-s-complete-life-cycle?utm_campaign=news_weekly_2017-03-03&et_rid=208065204&et_cid=1196831
出典:“Light-level geolocation reveals wintering distribution, migration routes, and primary stopover locations of an endangered long-distance migratory songbird” Nathan W. Cooper et al.Journal of Avian Biology vol. 48 p. 20 (2017)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jav.01096/epdf
出典:ウキペディア記事「カートランドアメリカムシクイ」 “Kirtland's warbler”
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%82%A4
https://en.wikipedia.org/wiki/Kirtland%27s_warbler


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