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赤いペリカンが空に舞う、「ジェット化」練習機ジェットプロヴォスト

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大幅大胆ジェット化練習機ジェットプロヴォスト
(大幅大胆「ジェット化」練習機ジェットプロヴォスト)
赤い矢のライバルだった赤いペリカン
英国のエアロバティック・チーム(Aerobatic Team)の老舗レッドアローズ(Red Arrows)は有名ですね。そのライバルが「赤いペリカン」ことレッドペリカンズ(Red Pelicans)と言うアクロチームでした。1973年オイルショックのため解散しましたが。いずれもRAF Central Flying Schoolの所属です。




レッドペリカンズ編隊飛行
(レッドペリカンズの編隊飛行)
ペリカンはやがて真っ赤な衣装に
レッドペリカンズご愛用のヒコーキは「真っ赤なペリカン」、ジェットプロヴォスト(BAC Jet Provost)です。1958年The Sparrowsとして発足、やがて塗装も真っ赤になってレッドペリカンズと改名、RAF(英国空軍)の正式エアロバティック・チームになりました。そのレッドペリカンズの乗機が今回の主役、ハンティング・パーシバル社(Hunting Percival 以下、ハンティング社)のジェットプロヴォストです。

空飛ぶ赤いペリカンの動画ありました
こんな楽しいユーチューブもあります。真っ赤な衣装に着替えてからのレッドペリカンズのジェットプロヴォストの編隊飛行です。ユーチューブURL:https://www.youtube.com/watch?v=idtQj1407xM
(リンク貼っていませんのでコピペでご訪問ください)


エアロバティックにもぴったり!と、赤いペリカンに
ジェットプロヴォストは信頼性、安定性、安価な運用コストなど練習機としての美点を十分備えています。加えて高い機動性と適切な速度は曲技飛行、エアロバティック飛行チームの乗機にもぴったり。レッドペリカンズの使用機として長く愛されました。

ジェットプロヴォスト RAF博物館downsize
(ジェットプロヴォスト; ロンドンColindaleのRAF博物館に居ました)
「ジェット化」初等練習機
ジェットプロヴォストはジェット練習機と言うより「ジェット化」練習機なんです。その前身は戦後のレシプロ固定脚のプロヴォスト(Percival Provost)です。
同じく初等練習機、かわいいシマリス、チップマンクの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
妙にかわいい♡、デ・ハビランドのシマリス、chipmunk

一気にアップデート、近代化
プロヴォストからジェットプロヴォストへのアップグレードは、1)エンジンのジェット化、だけでなく、2)固定脚→引込脚、3)尾輪式→首輪式、4)射出座席導入、など近代化が図られました。主翼さえ改設計、リニューアルされています。

速度倍増でも大戦レシプロ機並みに遅いジェット機
最大速度はプロヴォストの時速320 kmからジェットプロヴォストでは2倍以上の時速708 kmに向上なんですが、いくら練習機とは言えジェット機なのに大戦中のレシプロ戦闘機並みの速度です。いったいどうゆうことでしょうか?

チップマンクとジェットプロヴォストdownsize
(チップマンクとジェットプロヴォスト; RAF博物館にて)
「これがジェット機だよ」
はい、それも織り込み済み。どうせ最後はジェット戦闘機に乗るんだから、それにこれは最初に乗る初等練習機なんだから、高性能より「初めからジェットに慣れる」ことが優先だったんです。

安易にジェット化は出来ません
ジェットプロヴォストは一見「ジェットエンジンも使えそうだし、この際、換装してみっか」みたいなノリで「ジェット化」したように見えますが、実は前身のパーシバル社はプロヴォスト開発当初から将来のジェット化を見込んだ設計だったんだそうです。戦後、各国でレシプロ機のジェット化や混合動力機が試されましたが、ちゃんとモノになったものは皆無だったことを考えると卓見です。

ジェットプロヴォストの機首downsize
(ジェットプロヴォストの機首)
大好評、となりに座る教官
共に1954年初飛行と同期の米空軍ジェット練習機セスナT-37もそうですが、プロヴォストの、そしてジェットプロヴォストの美点の1つが並列複座、サイド・バイ・サイドの座席配置で好評を得ました。操縦装置も左右2セット用意され、これなら「手取り足取り」で教官と練習生のコミュニケーションがスムースですね。

並列複座の伝統プロクター
練習生と教官が並んで乗る並列複座の源流は、1939年に初飛行し戦中に使われたパーシバル社の3人乗り連絡機プロクター(Percival Proctor)で、1143機も製造されました。プロクターは練習機としても使われましたからパーシバル社(後のハンティング社)は並列複座練習機のノウハウを持っていたんでしょうね。

黒衣のツカノDuxford IWM dwonsize
(飛行チームの黒衣のツカノDuxford IWM博物館にて)
ジェット化簡易版なのに大ヒット
ジェットプロヴォストはジェット化簡易版なのに半世紀近く広く使われた大ヒット練習機でした。1954年6月に初飛行したジェットプロヴォストは1955年に運用が開始され、退役したのは初飛行から半世紀後の1993年でした。その間741機が製造され、11か国で使われました。

影の力?飛行訓練司令部が肩入れ
ジェットプロヴォストの開発には英国空軍飛行訓練司令部(RAF Flying Training Command)の全面的支援があり、いくらプロヴォストのジェット化とは言えジェットプロヴォストを短期間に傑作練習機として完成させた影の力なんでしょうね。

攻撃機型って言っても7.7mm機銃なの
セスナT-37、ナット、ホークの例のように、ちょっと性能のいい練習機だとどのメーカーもすぐに攻撃機型を考えちゃうようです。ジェットプロヴォストからも、ご多聞にもれず、BACストライクマスター(BAC 167 Strikemaster、この頃には英国ではM&Aが進んでメーカー名がBAC社になってます)が開発されました。でも武装は第1次大戦並みの7.7mm機銃、役に立つのかいな?

パーシバルがM&Aの嵐の中で結局BACに
ハンティング・パーシバル社と言うヒコーキ・メーカー、もともとは1930年代創立のパーシバル社で練習機プロクターの、戦後は軽輸送機ペンブロークのメーカーです。その後英国航空業界のM&Aの嵐の中でBAC社の一部になり、今回の主役も最後はBACジェットプロヴォストとなりました。

ブラジル出身の後進に座を譲る
プロヴォストから初等練習機の座を引き継いだジェットプロヴォストはやがて1990年代からショート社のターボプロップ機ツカノ(ブラジルのエンブラエル社EMB-312のライセンス版)に初等練習機の座を譲ってゆきました。

ジェットプロヴォストとプロヴォストの諸元
BAC ジェットプロヴォスト T Mk. 5
乗員:2名、全長:10.36 m、全幅:10.77 m 、全高:3.10 m 、翼面積:19.80 平方m
翼面荷重:160 kg/平方m、空虚重量:2,222 kg 、全備重量:3,170 kg、最大離陸重量:4,173 kg
エンジン:アームストロング・シドレー ヴァイパー(Armstrong Siddeley Viper) Mk-202 ターボジェットエンジン、2,500 lbf (11.1 kN)
最大速度:時速708 km、航続距離:1,450 km、巡航高度:11,200 m
武装:7.7 mm) 機関銃2丁、60ポン・ドロケット弾6発、爆弾245 kg

パーシヴァル プロヴォスト T.1
乗員:2名、全長:8.73 m、全幅:10.7 m、全高:3.70 m、翼面積:19.9 平方m
翼面荷重:100 kg/平方m、空虚重量:1,523 kg、全備重量:1,995 kg
エンジン:アルヴィス レオニデス(Alvis Leonides) 9気筒 星型エンジン 550馬力×1基
最大速度:時速320 km、航続距離:1,020 km、巡航高度:7,620 m


出典:Central Flying School History
(URL: http://www.centralflyingschool.org.uk/History/History8.htm)
出典:ウィキペディア記事(和英)「BAC ジェットプロヴォスト」、「パーシヴァル プロヴォスト」、「BAC 167 ストライクマスター」、”Red Pelicans”


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

森を支える土中のパートナーの熱帯化で温暖化加速かも?+シャンゼリゼとモレシュルロワン

森を支える土中のパートナーの熱帯化で温暖化加速かも?
+シャンゼリゼとモレシュルロワン

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並木から垣間見る凱旋門downsize
(並木から垣間見る凱旋門)
地球の樹木3兆本の地下のパートナー
地球には3兆本もの樹木があり、人間1人あたり500本近い樹が生えています。その森の地下には樹と共生する菌の巨大ネットワークがあります。温暖化でこの土壌の共生菌が熱帯型に替わり二酸化炭素放出が盛んになり温暖化をさらに加速すると危惧されています。




ちょっとレトロなメトロ入口downsize
(ちょっとレトロなメトロ入口;メトロ1番線フランクランデローズヴェルト駅(Franklin D. Roosevelt))
街の顔、シャンゼリゼの並木とシスレーが愛した村
樹木→並木つながりでパリ、シャンゼリゼ大通り(Av. des Champs-Elysees)の並木とパリ郊外の村モレシュルロワン(Moret-sur-Loing)の森のフォトを添えています。
パリ、シャンゼリゼ大通りの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
シャンゼリゼを呼吸するパリのホテル;晩秋パリ散歩その4
朝な夕なのパリの表情、シャンゼリゼ界隈
メインストリートはカレーライスか、オー、シャンゼリゼ

パリ郊外の村モレシュルロワンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
シスレーが愛したモレシュルロワン、バラと岸辺のレストラン

初めての世界の森の網羅的調査研究
出典著者のThomas Crowther氏らは2012年から2015年まで3年間に亘り全世界の樹木のデータを集めて地球上の樹木の分布図を作りました。結果、地球上には3兆本の樹木があることが初めて確認されました。

モレシュルロワンの堰downsize
(モレシュルロワンの堰: パリ郊外とは思えない風情)
共生はマメ科根粒菌だけじゃない
ダイズなどマメ科植物と窒素固定を行う根粒菌との共生は有名ですが、実は森の樹のほとんどが菌と共生しています。これらの共生菌は大半は窒素固定は行いませんが、植物が必要な養分(窒素やリンなど)を提供し、植物からは光合成で生産した糖分などを得ています。

森の樹と土壌微生物の持ちつ持たれつ
森の樹木は大気や土壌にある窒素やリンなどをそのままでは利用できません。数100万種のカビと細菌が土壌と植物の根の間で栄養物のやり取りをしています。

私たちの腸内細菌のようなもの
土壌中の微生物が窒素やリンなどを植物が利用可能な「養分」に変えて提供し、植物からは糖分などの栄養物を得ています。お互い「持ちつ持たれつ」の共生関係です。私たちヒトと腸内細菌のようなものです。
腸内細菌の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
「お腹の中のアリエッティ」が棲む熱帯雨林を大切に・・・

A-2 晩秋のシャンゼリゼdownsize
(晩秋のシャンゼリゼ)
植物と共生する土壌微生物の地球規模の調査
出典著者のKabir Peay氏はCrowther氏らと共にCrowther氏の全世界の樹種データベースを使って70か国、110万観測点、2万8千種の樹木と共生する土壌微生物を調べました。

緯度、気候、地勢で地中のパートナーも変わる
出典著者のPeay氏、Crowther氏らはCrowther氏の地球の樹木のデータベースをもとに、地域の気温、堆積物、土壌の化学的性質、地形のデータと併せて、世界中の外菌根(ectomycorrhiza、EM)、アーバスキュラー菌根(arbuscular mycorrhizae、AM)、根粒菌の分布のデータベースを構築しました。

樹種によって共生パートナーが違う
カシやマツは根の外に菌糸を張り巡らす外菌根(EM)を形成する菌と共生しています。これらの菌は主に担子菌、つまりはキノコです。赤松の下のマツタケですね。

森全体を覆う地中の隠れたネットワーク
これら土壌中で外菌根(EM)を作る菌は森全体を覆うような地下のネットワークを作り上げています。

世界の6割の樹に外菌根(EM)のネットワーク
出典著者のPeay氏、Crowther氏らの研究によれば、植物種全体のたった2%の外菌根(EM)と共生する樹種が世界の森の6割を占めています。つまり世界の森の6割には外菌根(EM)の地下ネットワークが張り巡らされていることになります。

Loing川の堰 その3downsize
(ロワン(Loing)川の堰と森)
侵入型の共生パートナー菌AM
カエデやスギでは菌糸は樹木の根の外ではなく根の細胞に入り込むタイプのアーバスキュラー菌根(AM)を形成する菌と共生しています。

寒帯と熱帯ではパートナーの菌が違う
中高緯度に分布する樹種では外菌根(EM)の菌との共生が主ですが、一方、低緯度、熱帯に分布する樹木では共生する菌は根の細胞に、すなわち植物体の内部に侵入して棲むタイプのアーバスキュラー菌根(AM)を形成する菌です。


根粒菌は暑く乾燥した地に独自の分布
マメ科植物などと共生し窒素固定を行う根粒菌は緯度に関係なく、半砂漠のような暑くて乾燥したアルカリ性土壌の土地に分布します。

A-4 晩秋の霧雨に人影もまばらなシャンゼリゼIdownsize
(晩秋の霧雨に人影もまばらなシャンゼリゼ)
亜寒帯では8割が分解ゆっくりの外菌根(EM)
冷涼で乾燥した高緯度亜寒帯では樹木の8割の共生相手は外菌根(EM)の菌で土壌中の有機物はゆっくり分解されます。

熱帯では速やかにCO2になるアーバスキュラー菌根(AM)
一方、温暖で湿潤な熱帯地方では9割の樹木の共生相手がアーバスキュラー菌根(AM)で、また、土壌中のネットワークは小さく、有機物は急速に分解され二酸化炭素として放出します。

地球の表層土壌は巨大な炭素貯蔵庫
出典著者のRichard D. Bardgett氏、David A. Wardle氏によれば、土壌は陸上の炭素の役80%を貯蔵する巨大な炭素貯蔵庫だそうです。

土も呼吸します
森の地上部、樹木は光合成を行いますが、地上部と物質、エネルギー交換をしている森の地中にも共生する菌や細菌、ダニ、線虫、昆虫などが腐食食物網の巨大なネットワークを作っています。これらは呼吸し土壌からは大気中に二酸化炭素が放出されます。

腐食食物網の地下巨大ネットワーク
出典著者のBardgett氏、Wardle氏によれば、新たに光合成で「固定」された炭素の約半分がほどなく土壌呼吸で大気に戻るそうです。
枯れ木分解事始めのキノコの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
1つのキノコが地球の歴史を変えた+北仏ノルマンディー再び

温暖化で土から放出される二酸化炭素が増える
温暖化で有機物分解が加速されると土壌からの二酸化炭素放出が増え、更に温暖化が加速する悪循環(正のフィードバック)が起こります。
ビーバーが温暖化を加速する過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
温暖化で北上のビーバーが凍土を融かして温暖化を加速+カナダ首都オタワ

地球温暖化で土壌のCO2 放出が加速する
出典著者Crowther氏は、今後、地球温暖化で外菌根(EM)型の10%がアーバスキュラー菌根(AM)型に置き換わるだろう、すると有機物分解は加速されより多くの二酸化炭素が土壌から放出され、温暖化を一層加速させるだろう、と危惧を述べています。
温暖化による生物種の移動の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
温暖化が招く早い春の訪れが鳥や昆虫を脅かしている+パリ5月バラ通り

2050年までに550億トンの炭素が土から大気に
今回の出典著者の1人、Crowther氏は別の研究論文で、2050年までに550億トンの炭素が土壌から二酸化炭素として大気中に放出されるだろうと見積もっています。これは2050年までに人為的に大気中に放出されるとよそうされる炭素量の12-17%に相当するそうです。

未知の世界、土壌生態系
ここでご紹介したこれら最近の研究成果は地下の世界、土壌生態系の新たな理解につながるものですが、出典著者のBardgett氏、Wardle氏によれば土壌生態系は従来あまり注目されておらず、まだまだ分からないことがたくさんある未知の世界なのだそうです。

出典:”Climatic controls of decomposition drive the global biogeography of forest-tree symbioses”
B. S. Steidinger, T. W. Crowther, J. Liang, M. E. Van Nuland, G. D. A. Werner, P. B. Reich, G. Nabuurs, S. de-Miguel, M. Zhou, N. Picard, B. Herault, X. Zhao, C. Zhang, D. Routh, K. G. Peay & GFBI consortium Nature 15 May 2019 vol.569, p404–408
出典:”‘Wood wide web’—the underground network of microbes that connects trees—mapped for first time” Gabriel Popkin Science 10 May 2019 Vol 364, Issue 6440 doi:10.1126/science.aay0516
出典:”Mapping tree density at a global scale” T. W. Crowther et al. Nature vol.525, p.201–205 (10 September 2015) doi:10.1038/nature14967
出典:”Quantifying global soil carbon losses in response to warming” T. W. Crowther et al. Nature vol.540 P.104-108 (01 Dec 2016)
出典:「地上と地下のつながりの生態学」 “Aboveground-Belowground Linkages; Biotic Interactions, Ecosystem Processes, and Global Change”2010年 Richard D. Bardgett氏、David A. Wardle氏共著、深澤遊氏、吉原佑氏、松木悠氏共訳 (2016年 東海大学出版部)


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サンゴ礁の船の騒音とリゾートの夜の灯に脅かされるクマノミたちの卵

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☆カクレクマノミ@石垣島3downsize
(カクレクマノミ(石垣島)、「ニモ」ですね)
イソギンチャクで子育てするクマノミ
サンゴ礁のクマノミはママと若いオスたちでイソギンチャクの中に棲み卵を産み稚魚を育てます。イソギンチャクの毒の刺胞に守られ、ママが死ぬと一番大きなオスが性転換して次のママになります。




サンゴ礁の宝石、スズメダイ科が観光化でピンチに
クマノミを含むスズメダイ科(Pomacentridae)にはロクセンスズメダイやデバスズメダイなどサンゴ礁を飾る美しいサカナたちがたくさんいます。でも観光地化が彼らの繁殖を脅かしているようなのです。


☆01ロクセンスズメダイ
(ロクセンスズメダイ(石垣島))
サンゴ礁で出会ったクマノミ、スズメダイ
今回のサイエンス小ネタの主役、サンゴ礁で出会ったかわいいクマノミやスズメダイのフォトを添えます(使いまわしですが)。サンゴ礁過去記事へのリンクを記事の最後に貼っています。

観光地化するサンゴ礁に暮らすクマノミ
南の島のサンゴ礁の青い美しい海には多くのリゾートがあり多くの観光客が訪れます。クマノミたちも人工的な環境に囲まれてきています。人の生活ならカジノの隣に住むようなもんです。

☆11ハマクマノミ6
(ハマクマノミ(石垣島))
騒音と夜に灯に晒されるサンゴ礁
するとモーターボートなど船の騒音が、リゾート施設からは夜の灯の光がサンゴ礁にも届きます。クマノミたちも騒音と夜の光に晒されることになります。

☆ハマクマノミ切り出しdownsize
(ハマクマノミ、縄張りを守ろうと向かってきます(石垣島))
クマノミたちダイジョブなのか?
そこで「音や光に晒されてニモたち(クマノミ)ダイジョブなのか?」と調べた2つの研究があります。
モーターボートの音を聞かせてみた
出典著者のE.P.Fakan氏とM.I.McCormick氏はモーターボートのスクリュー音をスズメダイの仲間Amphiprion melanopusとクマノミの仲間Acanthochromis polyacanthusに聞かせて卵の中の胚の様子を調べました。


卵の中で早く育ち過ぎてしまう
騒音を聞かせた胚は体も眼も早く大きくなり発生が早く進むことが分かりました。一見良さそうな結果ですが、胚が孵化するときには卵黄が小さくなっていました。

★デバスズメダイREVdownsize
(デバスズメダイ(石垣島)、サンゴ礁の青い宝石です)
稚魚のお弁当箱が小さくなっちゃった
孵化時に稚魚がぶら下げている卵黄は自分で餌を摂れるまでの「稚魚のお弁当箱」で、これが小さくては生き残れないリスクがあるそうです。

リゾートの不夜城の光を浴びたクマノミは
別の出典著者Emily K. Fobert氏らは夜の灯の人工光を模してLED光を用いて、クマノミの1種、カクレクマノミ(Amphiprion ocellaris)に1)自然と同じく昼間だけLED光に晒した場合と2)昼夜問わずずっとLED光に晒した場合を比べました。

☆イソギンチャクの茂みのクマノミdownsize
(クマノミの群れ(石垣島))
夜も光があると卵がかえらない
すると1)の自然の明暗条件では卵はフツウに孵化しましたが、2)の昼も夜も光に晒したカクレクマノミの卵は1つも孵化しなかったそうで、研究者も驚愕の結果になりました。


光害は様々な生き物にも
人工光の光公害は、都会鳥の感染症を増やし、渡り鳥のナビを狂わし、植物の開花が早まり、ウミガメの産卵に影響を与えるとことが分かってきたそうですが、今回海の中でも光害が確認されたことになります。

☆モンツキスズメダイ切り出しdownsize
(モンツキスズメダイ(石垣島))
LED光の皮肉、海の「ブルーライト問題」
更に都合の悪いことに、今や省エネの切り札の1つとなり急速に普及したLEDですが、光の波長が短波長寄りなので(つまりは青や紫外線が多い)より海の中で深くまで届きやすく、従来の照明より光公害の影響は大きくなっているそうです。海の「ブルーライト問題」ですね。

観光により観光資源を失うリスク
自然界にはない人工の光や音はクマノミなどサンゴ礁のサカナの繁殖に与えるようです。これは生物多様性保全への悪影響だけでなく、サンゴ礁の海が観光で賑わうことが観光資源を失うリスクにも繋がるかも知れませんね。

余計なことですが、クマノミの身になりましょう
ところで、ダイビングではクマノミは写真が撮りやすいサカナの1つです。クマノミは縄張りを守ろうとダイバーに向かって来るからで「撮って欲しい」からじゃありません。近づきすぎたり、イソギンチャクの周りに長居するのは、今回紹介の音や光の影響と同じく、クマノミたちのストレスになります。

サンゴ礁の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち+石垣の海のかわいい魚たち
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暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記


出典:”Boat noise affects the early life history of two damselfishes” E.P.Fakan and M.I.McCormick Marine Pollution Bulletin Volume 141, April 2019, Pages 493-500 https://doi.org/10.1016/j.marpolbul.2019.02.054
出典:”Artificial light at night causes reproductive failure in clownfish”
Emily K. Fobert et al. Biology Letters 3 July 2019 Volume 15 Issue 7 DOI:https://doi.org/10.1098/rsbl.2019.0272
出典:”Human noise may be scrambling the eggs of baby fish” Jake Buehler Science 29 March 2019 Vol 363, Issue 6434, doi:10.1126/science.aax5174
出典:”When exposed to artificial light at night, charismatic clownfish try to breed—but no eggs hatch” Jenny Howard National Geographic JULY 9, 2019


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虫レーダーが捉えたハナアブ数10億匹の渡り、追い風に乗り英仏海峡を行く

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ピンクのぼたんdownsize
(夏の我が庭の花、ボタン)
虫も渡りをします
オオカバマダラの渡りが有名ですが、他にも多くの昆虫が渡りをします。今回の主役、ハナアブの仲間のヒラタアブも春は北へ、秋には南へと渡ります。
オオカバマダラの飛翔の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
オオカバマダラ蝶は鱗粉が作る渦で4千kmを渡る+パリ郊外原っぱのヒコーキたち




ウツギdownsize
(庭の花、ウツギ)
初夏の庭
ハナアブにちなんで我が家の初夏の庭の花々のフォトを添えています。

虫レーダーで空を飛ぶ昆虫を捉える
昆虫は小さいため、その渡りは渡り鳥のように目視では観察出来ずその実態や実数を把握するのは困難でした。そこで出典著者のKarl R. Wotton氏らは最新技術、虫でも捕捉できる波長の「虫レーダー」でハナアブのヒラタアブの渡りを捉えることに成功しました。

ハナアブは実はハエの仲間、でも時に益虫
ハナアブは黒いち体に黄色やオレンジ色一の縞があり、一見ハチに見えますが、ハエの仲間で、名前がアブとややこしい。

ハナアブ出典より
(ハナアブ:出典より)
受粉媒介者にして害虫の天敵
ハナアブはハエのような衛生害虫ではなく、名の通り花を訪れる受粉媒介者です。その内、例えば、ヒラタアブ亜科のハナアブの幼虫は害虫のアブラムシ(アリマキ)を食べるので農家の味方でもあります。

昆虫編隊を捉える虫レーダー、VLR
垂直方向に照射するVLR(Vertical-looking entomological radar)と言う「虫レーダー」は対象物、この場合はハナアブ、の大きさに合わせた波長で、空を渡ってゆく昆虫の大群を捉え、レーダー画像の色合い?で昆虫の種類を区別するそうです。防空システムみたいですね。

赤いカルミラdownsize
(庭の花、赤いカルミラ)
ハナアブ数10億匹、英仏海峡を渡
出典著者Wotton氏らはこのVLRによる10年間の観測データを解析したところ、毎年40億匹、80トンのハナアブ(主にホソヒラタアブ(Episyrphus balteatus)なdのヒラタアブ)が英仏海峡を行き来して渡りをしていることが分かりました。

追い風を捉える渡り戦
ハナアブは、まず良い風が吹いている高度まで上昇した後、追い風に乗って一日数100キロも渡るそうです。また渡りの飛行高度はほとんどが地上150m付近だそうです。時速58キロに達します。
このような特徴的な飛行パターン(経路)により、多種、多様な昆虫のVLR虫レーダー画像からハナアブと見分け確認できるそうです。


黄色い花REVdownsize
(庭の黄色い花、名前を忘れてしまいました)
海を越えてやってくる農家の助っ人
英国ではハナアブはミツバチに匹敵する量の花粉を媒介するそうです。その夏に生まれたハナアブの幼虫はアブラムシの20%、6兆匹を捕食するそうです。羽化した成虫は秋には大陸に渡ります。
農家が享受するハナアブの恩恵は絶大なものだそうです。出典著者の1人Jason Chapman氏は「ハナアブがいる季節は殺虫剤を撒くな」と述べています。


数兆匹数千トンの昆虫が渡っている
出典著者のElizabeth Pennisi氏によれば、Chapmen氏らの10年間に亘る昆虫の渡り飛行のレーダー観測、研究から、ハナアブなど英国南部に飛来する渡り昆虫は毎年2~5兆匹、数千トンのバイオマスに達することが分かりました。

赤いバラdownsize
(庭の淡赤のバラ、毎年咲いてくれます)
昆虫の渡りの生態系へのインパクト
花粉媒介者が害虫が益虫が、病原体も連れて渡り、また、膨大な量の炭素源、窒素やリンなど栄養素、エネルギーも渡りにより生態系間を行き来する訳で、昆虫の渡りは食物網や生態系になくてはならないもののようです。

日本でも昆虫が渡ります
このサイエンス小ネタの舞台は英国ですが、同じような島国の日本でも昆虫の渡りがあります。タテハチョウの仲間、アサギマダラは沖縄と四国の間など日本を南北に渡ります。沖縄で冬を越し、夏はより涼しい本州で過ごします。1980年代に渡り行動が解明されたそうです。

虫レーダーが拓く昆虫渡り研究
渡り鳥なら渡り飛行を目視で観察出来ます。しかし、昆虫の場合は地上からの目視確認難しく、10年の地道な虫レーダーによる観測と研究で、ようやく小さな生き物、昆虫の渡りの数量や規模が包括的に捉えられました。これまでは出発地の地上で捕獲した個体に印をつけて、渡り先の地上で捕獲した個体の中から印のあるものを探すような研究手法だったそうです。
今後、昆虫の渡りがもっと解明され、生態系への影響もさらに明らかになるといいですね。


出典:”Mass Seasonal Migrations of Hoverflies Provide Extensive Pollination and Crop Protection Services” Karl R. Wotton et al. Current Biology 29, 1–7, July 8, 2019, DOI:https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.05.036
出典:”Half a billion hoverflies migrate to the United Kingdom each year The benefits to farmers are huge” Erik Stokstad Science Jun 13 2019
出典:”Radar spots trillions of unseen insects migrating above us” Elizabeth Pennisi, Science Dec. 22, 2016, doi:10.1126/science.aal0550
出典:ウィキペディア記事「ハナアブ」、「アサギマダラ」


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生き物の落とし物を食べる海綿に環境DNAを集めてもらう

生き物の落とし物を食べる海綿に環境DNAを集めてもらう
~ 選り好みせず海の動植物DNAを漉し取る海綿 ~

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環境DNAを集める海綿REV
(海面は生き物の落とし物を漉し取り、環境DNAを集めてくれる)
環境中の生き物の目録、環境DNA
生き物、特に動物たちの「落し物」、糞、ウロコ、皮膚、粘液、精子、卵、時に遺骸などに含まれるその生き物のDNA(「環境DNA(eDNA)」と言います)を分析すれば、その環境に「どんな生き物がどのくらい棲んでいるのか?」を調べることが出来ます。これが「環境DNA技術」です。バケツに水を汲むだけでその水系(川、湖など)に棲むすべての生き物の種類と数が分かります。




環境DNAの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
水を汲むだけ環境DNAによるサカナの国勢調査 サンゴ礁の魚たち
河川の場合の環境DNAのイメージ図(過去記事より)
落とし物DNAで鑑識

海の環境DNAを集めるには高価なハイテクが必要
しかし、広大な海洋から環境DNAを集めて分析するには長期自動で稼働する海中ロボットや搭載する自動DNA解析装置などの高価なハイテクが必要です。それでも調べられるDNA=生物種は限られたものになります。

石垣の海の色鮮やかな海綿downsize
(石垣の海の色鮮やかな海綿、フラッシュを焚いて撮りました)
生きた環境DNA収集装置、海綿
そこで出典著者の英国Salford大学のStefano Mariani氏らは大昔からいる海の生物、海綿に環境DNAサンプル採取をお願いすることにしました。海綿を「生きた環境DNA収集装置」として用いる方法で、安くて、簡単で、確実で、いつでも、どこでも環境DNAを収集できます。


海のリサイクル屋さん、海綿
海綿は口から海水を吸い込み微粒子の「生き物の落とし物」(糞、ウロコ、皮膚、粘液など)や微生物を選り好みすることなく濾し取って餌にする濾過食者で、海のリサイクル屋さんです。
海綿のリサイクルの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち 石垣の海のかわいい魚たち

選り好みせず漉し取りま
海水中に漂う微粒子を漉し取る海綿なら、選り好みせず、頼まれなくても勝手に、もれなく「生き物の落し物」=環境DNAを集めてくれます。研究者は海綿丸ごとDNAを分析すれば、労せずしてそこの環境の生態系にどんな生き物がどのくらい棲んでいるか、網羅的な「国勢調査」が可能です。

アザラシ、ペンギンにサカナ、何でも集めますよ
海水中を漂う「生き物の落し物」をひたすら漉し取る海綿はその海で泳ぐ魚たちだけでなくアザラシやペンギンの環境DNAも集めています。

生きた環境DNA自動収集濃縮装置、海綿
しかも海綿は1日に1万リットルの海水を漉し取り、既存の装置よりも1000倍も強力で効率が良いそうです。さらに海綿は大量の海水から漉し取った大量の「生き物の落し物」、環境DNAを濃縮してくれるんです

海綿が集めたサカナの種類をDNAバーコードで鑑別
出典著者のMariani氏らは地中海4カ所と南極海5カ所の海綿から63サンプルの全DNAを採取し、数万種のサカナのDNAをバーコード化したものと比べました(種に特徴的な12S mt(ミトコンドリア)DNAで種を特定する方法)。

南極の海からはペンギンとアザラシのDNAも
例えば、南極海のある海綿サンプルからは数100のヒゲペンギン(chinstrap penguin、Pygoscelis antarcticus)とウェッデルアザラシ(Weddell seal、Leptonychotes weddellii)のDNAが得られました。
31の生物種のDNAサンプルが得られ、内、22は動物の科、またはそれ以下(属、種)の分類まで特定できたそうです。


海が違えば海綿が漉し取るDNAも違う
南極海の海綿からは、寒冷な海に棲むライギョダマシやblack rockcodなどスズキの仲間(ノトテニア亜目,Notothenioidei)などの、地中海の海綿からは、地中海に特徴的なアジ科、ハタ科、ニシン科、タイ科のサカナのDNAが得られたそうです。この方法で得られた環境DNAはその海の生態系を反映していると出典著者のMariani氏ら述べています。

商品バーコードのように生き物を見分けるDNAバーコード
ここではまた、環境DNAメタバーコーディングと言う研究技術が使われています。DNAバーコード(DNA barcoding)とは、様々な生物種のDNAが混じったサンプルとある生物種に特徴的な短いDNA配列とを照合し特定の生物種(のDNA)を鑑別する方法です。
ザックリ言うと、スーパーのレジで商品バーコードで<野菜><キャベツ><100円>と確認するように、海綿が集めたDNAから<サカナ共通DNA><ライギョダマシ独特のDNA><サカナ共通DNA>と生物種を同定する方法です。


海綿の個体差が課題
出典著者Mariani氏らは海による海綿の種類の違い、海綿の個体差により、例えば海水の吸引量が違うことなどがこの方法における標準化の課題だとしています。

海底でしか集められないじゃないの?
また、カナダGuelph大学のPaul Hebert氏は、この海綿によるDNA収集では海底の生き物のDNAしか集まらないのが難点と指摘しています。でも優れた方法なので、今後、海綿を模倣した装置を開発すれば広く使えるだろうとのことです、バイオミメティクス(Biomimetics)ですね。

安くて簡単、市民も使える生物多様性モニタリング
出典著者Mariani氏らはこの海綿が集めてくれる環境DNAを‘natural sampler DNA’ (nsDNA)(自然採取DNAの意?)と名付け、水系の生物多様性をモニタリングする強力で普遍的で安価で手頃な、例えば、市民も研究に参加できるような、研究手段になるだろうと述べています。

出典:“SPONGES AS NATURAL ENVIRONMENTAL DNA SAMPLERS” STEFANO MARIANI et al. Current Biology VOLUME 29, ISSUE 11, PR401-R402, JUNE 03, 2019
出典:“Networks of sponges could capture DNA to track ocean health” Elizabeth Pennisi
Science 5 July 2019 Vol 365, Issue 6448 doi:10.1126/science.aay2394


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ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち+石垣の海のかわいい魚たち

ダーウィンの矛盾を解いたサンゴ礁の小っちゃなサカナたち+石垣の海のかわいい魚たち
~ダーウィン先生、「サンゴ礁の矛盾」を解いてみました~

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サンゴ礁から湧いてくるデバスズメダイREVdownsize
(サンゴ礁から湧いてくるデバスズメダイ)
澄んだ海にサカナが群れるって変!なの?
サイパンや石垣のサンゴ礁の海に潜るとたくさんの色鮮やかなサカナたちに出会います。そしてそのサンゴ礁の海は澄んでいて遠くまで見通せます、時に視程が20mを超えるほど。これって、「オカしい」ことなんです。




石垣島サンゴ礁ダイブ
サンゴ礁のお話しにつき、石垣島でのサンゴ礁ダイビングのフォトを添えています。
石垣ダイブの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記


魚影ゆたかなサンゴ礁REVdownsize
(魚影ゆたかなサンゴ礁)
「ダーウィンが困った」
これがダーウィン(Charles Darwin)が最初に見出した矛盾(paradox)です。サンゴ礁の海が澄んでいるということは、水の中の浮遊物、つまりはプランクトンが少ないことを意味します。それならサカナなどの動物は少ないはずです。しかし、実際はサンゴ礁には多種多様なサカナや動物がたくさんいます。これは矛盾することであり、いまだに解けていないナゾなのです。

何百年に亘る「ダーウィンの矛盾」を解く
この「ダーウィンの矛盾」の新しい答えとしてサンゴ礁に根付く小さなサカナの役割についての研究があります(出典1)。
サンゴ礁の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている+石垣サンゴ礁散歩
暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち


サンゴに群れる稚魚たちREVdownsize
(サンゴに群れる稚魚たち)
サンゴ礁のミリ単位の小っちゃなサカナは3000種
サンゴ礁には3000種以上の多種多様なを体長1cmにも満たない、体重も0.1gくらいの、とっても小さくてカラフルなサカナたちがたくさん棲んでいます。ハゼ、ギンボ、テンジクダイなどの仲間で、海の中の最小の脊椎動物たちです。正式には”cryptobenthic reef fishes”と呼ぶそうです(出典1)、直訳すると「隠れた、底生の、礁のサカナ」って意味?

どんどん殖えてどんどん食べられる
生息数を数えてみると1平方メートルあたり100匹に達するほどです。
幼生期間が長く、どんどん殖えて、どんどん食べられます。常に大量の幼魚がサンゴ礁のより大きなサカナたちのエサとして供給されています。


ボラ系の稚魚かREVdownsize
(ボラ系の稚魚か)
サンゴ礁のファーストフォード?
数は多いけどほとんどがより大きなサカナや他の動物に食べられてしまうので寿命はとても短く、サンゴ礁で捕食されるサカナのバイオマス(生き物の量)の60%を占めます。


寿命は短くともたくましく殖える
その代わり1年間に7世代と短い時間でどんどん繁殖して代を重ねます。この小っちゃなサカナたちは一生外洋に出ることもなくサンゴ礁で暮らします。

小っちゃなサカナたちがサンゴ礁の食物網、生態系を支えます
小さなサカナたちはサンゴ礁の食物網(食べる/食べられるの生き物の繋がり)の底辺を支えています。まるで南氷洋のオキアミのような存在です。この小さなサカナたちのエサは小さな生物遺骸などです。

6月珊瑚礁はベビーがいっぱいREVdownsize
(6月珊瑚礁はベビーがいっぱい)
その3つの答えとは
この研究(出典1、出典5)を紹介している科学記事(出典2)では、併せて他の2つの答えの研究(出典3、出典4)も紹介しています。

ん、まぁ、それぞれに一理ありかな?
そこでこの3つの答えの研究を見てみました。
1) ↑上記の、サンゴ礁の小さなサカナたち”cryptobenthic reef fishes”の働き(出典1)
2) Island Mass Effect(IME):大洋の孤島が海の中でそびえている効果(出典3)
3) 海綿の働き(出典4)
です。


蛍光色の幼魚とサンゴ
(蛍光色の幼魚とサンゴ)
海の巨大火山、海洋島の働き
ところで、海の生態系を支え豊かにしている大元は深海から栄養分を運んでくる湧昇流です。水深が深い大洋の真ん中では通常は湧き上がってこないのですが、大洋の中の孤島、海洋島は海の中にそびえる数千m級の火山(あるいは、元火山)なので、その山腹に沿って深海から栄養分に富んだ湧昇流が海面まで登ってきます。

深海から栄養分を運ぶ湧昇流
その湧昇流がもたらす栄養分とさんさんと降り注ぐ太陽光で植物プランクトンが繁茂します。これが1次生産者となり孤島のサンゴ礁のエネルギー源、栄養源となってサンゴ礁の生態系を支えています。これがIsland Mass Effect(IME)です。

海綿はリサイクル屋さん
もう1つの主役、海綿は濾過食(ひげクジラのように海水を飲み込みエサを濾し取る)の腔腸動物です。サンゴ礁のあらゆる生物遺骸や排泄物漉し取ってサンゴ礁の栄養分のリサイクルに貢献しています。

みんな正解なのかも?
結局、生態系を支えるのは、①サンゴ虫と共生する褐虫藻類や植物プランクトンなどの一次生産者、②これを捕食しより上位の捕食者のエサになることで食物網を支える小さなサカナたち、③これらの生物遺骸や排泄物をリサイクルする海綿、小さなサカナなどのリター食者、などが相まってサンゴ礁の豊かな生態系を作っているのでしょう。

ダーウィン先生、研究は続きます
だから、ここでご紹介した「ダーウィンの矛盾を解き明かす」3つの答えはいずれも正解であり、同時に真の答えの一部だと思います。そして明日の研究でまた新しい答えが見つかるかもしれませんね。やっぱり、サンゴ礁など、自然はまだまだナゾに満ちているってことでしょうか。

出典1:“Demographic dynamics of the smallest marine vertebrates fuel coral-reef ecosystem functioning” Simon J. Brandl et al. Science 23 May 2019:eaav3384 DOI: 10.1126/science.aav3384
出典2:” Coral reefs depend on lots of fish the size of jellybeans; Most fish that populate a reef are tiny snacks smaller than two inches. They live fast and get eaten young—and keep the ecosystem humming” KENNEDY WARNE National Geographic MAY 23, 2019
出典3:“Near-island biological hotspots in barren ocean basins” Jamison M. Gove et al. Nature Communications volume7, Article number: 10581 (2016)
出典4:“Sponges help coral reefs thrive in ocean deserts” James Morgan BBC Science & Environment 7 October 2013
出典5:“These tiny, mysterious fish may be key to solving coral reef ‘paradox” Elizabeth Pennisi Science 24 May 2019 Vol 364, Issue 6442 doi:10.1126/science.aay1453


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美しき究極のレーサーM.C.72; すてきにダンディーなイタリアっ子≪後編≫

美しき究極のレーサーM.C.72
; すてきにダンディーなイタリアっ子≪後編≫

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MC72側面図カラーdownsize
(いまだ記録が破られていない美しき究極のレーサー、マッキM.C.72))
M.C.202フォルゴーレの生みの親カストロディ
マッキM.C.202フォルゴーレの設計者、マリオ・カストロディ(Mario Castoldi)は戦前のイタリアを代表する航空機デザイナーの一人です。
《前編》はこれです↓クリックで飛びます
すてきにダンディーなイタリアっ子M.C.202フォルゴーレ前編DBエンジンで覚醒




「紅の豚」を地で行った名デザイナー、カストロディ
ヒコーキがまだロマンだった「紅の豚」の頃、1920〜1930年代に英国スーパーマリン社の名デザイナー、レジナルド・ミッチェル設計のS5、S6シリーズと航空機レース、シュナイダートロフィー(Schneider Trophy)レースを競ったアエロマッキ社の一連の高速水上機を生み出しました。

S6B側面図カラー
(トロフィーを永久に英国にものにしたS6B)
スピットファイアを産んだシュナイダートロフィー
ちなみに、ミッチェルのS6Bが後のスピットファイアに、また、S5、S6シリーズ搭載のロールスロイス社エンジンが後のマーリン、グリフォンに発展しスピットファイアのみならず、レシプロエンジン最高傑作機、P-51ムスタングを生んだのは皆さまご存知の通りです。

篤志家が興した国際エアレース
シュナイダートロフィーはフランスの大富豪で篤志家のジャック・シュナイダー(Jacques Schneider)が主催するエアレースでしたが、だんだんと国の威信を賭けた国際レースになってゆきました。

「3回連続優勝した国が永久にトロフィーを得る」・・
・・ルールだったシュナイダートロフィーに、第1次大戦後イタリアは3回連続優勝しますが、「他の国がレースを戦う準備がまだ不十分」との理由で永久保持の権利を放棄しました。

R3C2側面図カラーdownsize
(画期的デザインのカーチスR3C-2)
「紅の豚」の頃のフェアプレー精神
1923年米国が参加し革新的デザインのカーチスR3Cがぶっちぎりで優勝しました。ところが翌1924年は英仏伊が「対抗する機体をまだ準備できていない」ため米国はレースを延期します。
「紅の豚」の頃(両大戦間)はまだフェアプレー精神があったんですね。
ちなみにR3Cは「紅の豚」でライバル、カーチス氏が操縦するヒコーキのモデルだそうです。


M39側面図カラーdownsize
(遂にカーチスを破ったマッキM.39)
カーチスに追い付け追い越せ!単葉機M.39の開発
アエロマッキ社とカストロディはカーチスの革新的デザインに触発され(って言うかマネて)、但し、複葉のカーチスR3Cに対して単葉機として開発したのが真っ赤なM.39で性能はカーチスをしのぎました。

ミッチェルとは抜きつ抜かれつ
1926年ひとたびは速度世界記録を出したM.39で優勝したものの、その後、2回続けてミッチェルのS5、S6に苦杯を舐めたカストロディは究極の水上機M.C.72を設計しました。

究極のレーサー、M.C.72
しかしながら、あまりにも先端的なデザインのM.C.72はエンジンの熟成などに手間取り、シュナイダー・レースに間に合いませんでした。1931年のレースはスーパーマリンS6Bの一人勝ち、シュナイダートロフィーは永遠に3連勝した英国のものとなりました(そういうルールでしたから)。

今日まで破られていない速度記録
それでもカストロディとアエロマッキ社はM.C.72の開発を続け、ついに1934年、フランチェスコ・アジェッロ大尉の操縦で最高時速709kmというとんでもない世界記録を打立てました。まだ、零戦どころか、スピットファイアの影もない頃に、しかも下駄ばき(フロート付き)の水上機なのに。この記録は21世紀の現在でも破られていません!!

あまりにも美しく、はかなく
この、まるで「紅の豚」のように、イタリアンカラーの真っ赤な衣装をまとったM.C.72はものすごく美しいヒコーキです。

全身これ高速機、空気抵抗を極小にするには?
M.C.72は単葉水上機で機体全体の表面にラジエーターを埋め込んで空力抵抗を極限まで減らしました。

M.C.72の心臓は3千馬力双子エンジン
2台のフィアットエンジンを縦に接続して3千馬力にまで高めた液冷エンジンFiat AS-6のパワーを2重反転プロペラでブン回してかっ飛ぶと言う、前代未聞、当時最先端技術のカタマリのようなモンスターマシーンでした。

戦後早々引退のカストロディ
マリオ・カストロディは戦後早々と航空機設計から引退しちゃったそうです。敗戦後のイタリアの航空機産業はカストロディが腕をふるえるような状態じゃなかったのか?もういやになったのか?分りませんが、残念ですね。

ひたすら芸術のイタリア機、凡作を使い切る英国
余談ですが、道楽でこういう芸術的なヒコーキを職人芸で生み出すのはいい意味で「ラテンだなぁ」と思います。ハリケーンやウェリントンをしぶとく使い切る英国のしたたかさもいいですけど。

M.C.72の諸元
乗員: 1名、全長: 8.23 m、翼幅: 9.48 m、翼面積: 15 平方m
空虚重量: 2,505 kg、運用時重量: 2,907 kg、最大離陸重量: 3,031 kg
動力: 『Fiat AS-6』 液冷V24気筒レシプロエンジン2,850 馬力× 1基
最大速度: 時速709.209 km


出典:ウィキペディア(和英)「マッキM.C.72」「Mario Castoldi」「シュナイダー・トロフィー・レース」「マッキM.39」「カーチスR3C-2」「スーパーマリン S.5」「Supermarine S.6」「Supermarine S.6B」など

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すてきにダンディーなイタリアっ子Mc202フォルゴーレ≪前編≫DBエンジンで覚醒

すてきにダンディーなイタリアっ子MC202フォルゴーレ≪前編≫DBエンジンで覚醒
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MC202フォルゴーレ三面図REVdownsize
(MC202フォルゴーレ三面図;原図はウェブからお借りしました)
マッキ・レーサーの血筋が騒ぐ、イタリアの雷電
マッキ・レーサーの血筋が、ダイムラーベンツのエンジンを得て、本家Bf109を凌ぐ洗練されたデザインと性能を発揮したマッキMC202フォルゴーレ(稲妻、イタリア版雷電か、ライトニングか?)と言うヒコーキがありました。




第369中隊MC202serieVIIイタリア本土1943年6月downsize
(MC202フォルゴーレ1943年イタリア本土;スピナの赤帯が粋)
さすがはイタリア製、洒落たシルエット
英米独のメジャーなヒコーキに押されて、必ずしも注目を集める訳ではありませんが、MC202フォルゴーレはさすがイタリアのデザイン、ちょっと華奢だけどコンパクトで曲線で構成された洒落たシルエットです。

粋な左右非対称の翼
フォルゴーレの主翼は実は左右非対称で左が20cmほど長いのです。エンジントルクを打ち消すためでコルセアの垂直尾翼のオフセットと同じですね。なかなか粋なやり方です。

空液換装に向く設計MC202P40C
(空液換装に向く設計?MC202とP40C)
当時のイタリア空軍は?
アエロマッキ社のデザイナー、マリオ・カストロディはシュナイダートロフィーレース機をベースにイタリア空軍近代化を担うためM.C.200サエッタをデザインしますが、エンジンは870馬力で非力だは、複葉機時代の古参パイロットは視界の良さを要求するのでデザインは不本意だしスピードは出ないはで、1940年代にはすっかり時代遅れ、北アフリカ戦線ではハリケーンやトマホークにも餌食になるばかり。なんせ、MC202の兄貴MC200は吹きっさらしの操縦席なんだもん。
P-40キティホークの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
凡作だけど地味に頑張ったキティホーク、誰にでも取り柄はあるもの

空液換装の霊験はあらたか
(空液換装の霊験はあらたか)
やっとふさわしい心臓を手に入れた
ところが、事態は一変、ドイツがダイムラーDB601Aエンジン(1,175馬力)を提供し、その後イタリアでフィアット社のライセンス生産も立ち上がり、イタリア戦闘機は一斉に空冷エンジンから液冷DBに換装、カストロディもMC.200 にDBを載せ、胴体を(パイロットの我儘を無視して)本来の美しいレーサー仕様にしたのが、マッキMc202フォルゴーレなのです。

第361中隊MC202serieVIIIロシア戦線1942年秋downsize
(MC202 1942年秋Iロシア戦線;枢軸側機識別の黄色帯が妙に似合う)
ダイムラーエンジンを得て覚醒、Bf109を凌ぐ
マッキの機体はダイムラーDB601エンジンを得て覚醒、ショボいMC.200サエッタは本家Bf109をも凌ぐ性能の駿馬MC.202フォルゴーレに生まれ変わりました。同じエンジンのBf109Eを運動性はもちろん、速度でもしのぎ、パワーアップしたF型にも並ぶ速度を出して、しかも運動性は抜群でした(翼面積を比較すれば分かります)。

主翼面積比較
(主翼面積比較)
地中海を駆け抜けたイナズマMC202
フォルゴーレの配備は1941年イタリア本土ですが、本格的な実戦参加は1941年9月のシチリア島進出です。以後、北アフリカ戦線、マルタ島攻防、シチリアそして本土防衛と地中海を舞台に戦いました。


第80中隊MC202イタリア本土1941年後半downsize
(MC202フォルゴーレ初期型イタリア本土1941年;シンプルなダークグリーンも似合う)
イタリアNo1エースが駆ったフォルゴーレ
第二次大戦のイタリア空軍若きNo1エース、26機撃墜のルッキーニ大尉(Franco Lucchini)は1942年5月MC202に乗り換え、1943年7月に戦死するまでのわずか1年ほどでスピット(Spitfire)多数を含む22機を墜としています。ちなみにルッキーニ大尉はめちゃくちゃイケメンです!

究極のマッキ、MC.205ヴェルトロ
MC202の更なる性能向上を図るにはエンジン強化が必要。でもDB系エンジンをドイツに頼っていたのでは供給不足は眼に見えている。そこでフィアット社はライセンス生産のDB601Aのパワーアップ型、R.A.1050 RC.58「ティフォーネ」を開発。これを装備したMC202の発展型がMC205「ヴェルトロ」です。1200馬力級エンジンで毎時640kmの高速を発揮した究極のマッキ戦闘機でした。

マッキの機体はコンパクト
(コンパクトなマッキのヒコーキ)
あまりにも少なく、あまりにも非力で・・・
いくらフォルゴーレやヴェルトロの血筋やデザインが優れていても。DBエンジンを駆っても、生産数1150機、263機では連合軍に対して「多勢に無勢」(飛燕もそうだけど)。MC202もMC205もシシリー島攻防戦以降は押されっぱなし、ほとんどが地上で爆撃に遭って失われたようです。

イタリア共同交戦空軍第360中隊MC205V1944年夏downsize
(連合軍側のMC205Vヴェルトロ、南イタリア1944年夏;蛇の目の方が似合うなぁ)
2つのイタリア政権の下で戦ったMC205
イタリア降伏後、イタリアはバドリオ政権(連合側)とサロ政権(枢軸側)に分裂。MC205ヴェルトロはバドリオ政権のイタリア共同交戦空軍(Aeronautica Cobelligerante Italiana)とサロ政権のファシスト空軍の両陣営で戦闘機として最後まで戦いました。フランス機もそうですが、数奇な運命ですね。

以下、まったくの余談ですが・・・

エンジンがV型か、逆V=Λ型か、で印象が変わる
ところでMC202フォルゴーレもスピットもともに美しい機体ですが、印象が違いますね。搭載エンジンのデザインの違いかな?と思うのですが・・・どうでしょう?
液冷V型エンジンのマーリン一族:スピット、ハリケーン、ムスタング
液冷倒立V型(Λ型)エンジンのダイムラーベンツ一族:Bf109、飛燕、フォルゴーレ
V型「駆け上がる美しさ」 対 Λ型「舞い降りる美しさ」でしょうか?個人的な印象ですけど。


液冷から空冷へ換装
・・・はいくつか例があります。タイフーン→テンペストII、シーフューリー、三式戦→五式戦、彗星一一型→三三型、マスターMk I→Mk III、ラグ3→ラグ5N

空冷から液冷へも
・・・いくつか例があります。
P36モホーク→P40トマホーク、ウォーホーク、MC.200サエッタ→MC.202フォルゴーレ、FW190A→FW190Dドーラ、ホイットレイMk I→Mk V、Do17→Do217、ハムデン→ヘイフォード
P36とMC.200は当初から液冷向きの設計だったんじゃないの?って思います。


空冷、液冷併用・・・RAF名物
おまけですが、液空併用は・・・、ウェリントン、ハリファックス、ランカスター、ボ-ファイターなどなど、RAF(英国空軍)名物かも?

かわいい1/72プラモ
MC202の1/72のプラキットを掌に乗せるとコンパクトでスマート、やっぱりイタリアの伊達男です。仮り組みで止まってますけど・・

出典①:”AIRCRAFT NO.41 Macci C.202 in action” Roberto Gentilli & Luigi Gorena 著squadron/signal publications 出版
出典②:「第二次大戦 世界の戦闘機隊」秦 郁彦氏(執筆代表者)、1987年、酣燈社
出典③:ウィキペディア(日英)記事「MC.202」、「MC.205」、「MC.200」、「三式戦闘機」、「メッサーシュミット Bf109」、「P-36 Hawk/Hawk 75/ Mohawk」、「P-40 トマホーク/キティホーク/ウォーホーク」


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報