海をかき回しているのは小っちゃなエビたち+ハマ、みなとみらい風景

海をかき回しているのは小っちゃなエビたち
+ハマ、みなとみらい風景

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風と波に加え小っちゃなエビも海をかき回している
(風と波に加え小っちゃなエビも海をかき回している)
(表層からは熱や酸素を深海へ、深海からは栄養物を表層に運ぶ)

海面と深海を行き来する海水が生き物を育む
海水は海流のように水平に流れるだけでなく、海面と深海との間の垂直方向の流れもあり、深海には海面から熱(温かい水)と酸素を、深海からは海面に栄養物を届けます。海面から深海まで海の生き物を育む大切な働きです。




アルテミアdownsize
(アルテミアは小っちゃなプランクトン)
海面から深海まで数100mをプランクトンは毎日通勤
小さな動物プランクトンは毎日深海と表層を数100mも往復します(日周鉛直移動、昼は深海に居て夜は海面へ)。

陽光を浴びる日本丸downsize
(陽光を浴びる日本丸;横浜みなとみらい)
海辺のメガロポリス、ハマみなとみらい
海つながりと言うことで地元ハマ(横浜)みなとみらい散策のフォトを添えます。
みなとみらいの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ハイカラな不死鳥ハマの港の歴史に触れる博物館+ハマの寸景
ヨコハマたそがれ青い回廊といずもと飛鳥
ハマの新開地朝の散歩で見つけたもの司馬さんを辿って


夕暮れの大観覧車とジェットコースターdownsize
(夕暮れの大観覧車とジェットコースター;横浜みなとみらい)
「チリも積もれば・・」プランクトンもビルサイズに
小さなセンチメートルサイズの動物プランクトンが毎日海面と深海を「通勤移動」(日周鉛直移動)するとき、おびただしい数が密集し、ビルほどの数10mもの大きな塊りとなって泳ぎます。

小っちゃなエビでも集まれば海を動かすパワーに
エビなど動物プランクトンの集団が一斉に上昇すると(反作用で)ジェット噴射のように大量の周りの海水が下向きに流れます。これは塩分濃度勾配が海の水をかき回すよりも大きなパワーで風と波の作用に匹敵するようです。出典著者のIsabel A. Houghton氏らの研究で明らかになりました。
プランクトンなどの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海ではみんな光ってます、宵闇のパリのよう、ロボットが見た妖しい世界
精巧なミクロのカメラ眼を持つ単細胞プランクトン 光溢れるサイパン石垣の海
帆船でお宝プランクトンを求め探検航海港の寸景フランス、ハマ、ハワイ、カプリ


注目されなかったプランクトンが水をかき回す働き
これまでは動物プランクトンは小さすぎて海水をかき回す量はわずかで海の循環にはほとんど寄与していないと考えられていました。

凛々しい水先案内人downsize
(凛々しい水先案内人;横浜みなとみらい)
小っちゃなエビでも集団ならジェット噴射を生み出す
そこで出典著者のHoughton氏らは深さ2mの実験水槽の底に動物プランクトンの小っちゃなエビ(甲殻類)のアルテミア(Artemia salina、ブラインシュリンプ、brine shrimp)135,000匹をに入れました。

ブルーライトに誘われて・・
青いLEDライトを当てるとアルテミアは一斉に水面に向かって泳ぎ、その時非常に大きな渦が起こり、水槽の水は下向きのジェットのように強く押し出されることが分かりました。

プラスティック・ビーズを入れて渦を確認
予め実験水槽にプラスティック・ビーズを入れておくと、無数のアルテミアが底から水面に向かって泳ぐと実際に渦が出来ていることをビデオに撮って確認することが出来ました。渦が出来るということはそれだけ水がかき回されていることを意味します。

早朝の汽車道REVdownsize
(早朝の汽車道;横浜みなとみらい)
実際の海では巨大なスケールの移動
実際の海では実験に用いた2m水槽のアルテミア集団よりもはるかに大きな数10mサイズの動物プランクトン集団が上下移動します(単純計算してみたら10億匹になりますけど!?)。また、動物プランクトンにはアルテミアより大きなオキアミなども含まれます。

動物プランクトンの働きは風や波にも劣らない
今回ご紹介の研究成果は実験室の結果から海洋でのプランクトンの働きを推定した「学説」ですが、このように動物プランクトンが海水を動かす作用は非常に大きなものと考えられ、海の循環を起こす働きが風や波の作用と同じくらい重要だと考えられます。

タグボートがUターンREVdownsize
(タグボートがUターン;横浜みなとみらい)
2千年で1周の海水の旅;海洋大循環
表層と深海との間の熱塩循環と海面上の風が起こす風成循環が合わさったものが地球の海を2000年で巡る海洋大循環です。
海洋の循環についての過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
日本近くの深海は汚染ゴミためって知ってました+サイパンの海
豊かな日本の自然を育む日本海は気候変動のカナリアです(+サイパン、ハワイの海辺)


平均深度4千m近い海洋をかき回すには?
地球の表面積の70.8%を占める海は、一方で深さの平均が3729mもあり、水平方向(海流など)だけでなく海面から深海まで垂直方向の海水の動きも気候や生態系に大変大きな影響を持っています。

楽しいタイルdownsize
(楽しいタイル;横浜みなとみらい)
海をかき回して豊かにする小っちゃなエビたち
今回、Houghton氏らが明らかにしたように、風や波だかでなく、アルテミアなど小っちゃなエビたちが海水をかき混ぜ、栄養物を深海から表層に運ぶのに大いに役立っているようなのです。

夜のクィーンズスクエアdownsize
(夜のクィーンズスクエア;横浜みなとみらい)
たくましい「生きた化石」アルテミア
ちなみにアルテミアは全長1cm足らずの塩水に棲む小さな甲殻類で1億年前から変化していない「生きた化石」です。その卵は休眠卵となり乾燥に強く餌として重宝されています。


小っちゃな生き物でさえ地球環境を作っている
生き物たちは地球の環境に支えられて暮らしていますが、一方、生き物たちも、小っちゃなエビたちが海水をかき混ぜているように、地球環境のダイナミズムを支えています。

出典:”Vertically migrating swimmers generate aggregation-scale eddies in a stratified column” Isabel A. Houghton et al. Nature (2018) doi:10.1038/s41586-018-0044-z
出典:”Tiny shrimp may be mixing ocean water as much as the wind and waves” Elizabeth Pennisi Science 13 April 2018 Vol 360, Issue 6385 doi:10.1126/science.aat9246
出典:ウィキペディア記事「アルテミア」


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過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
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甲イカの食感とベーコンの風味をコクのあるソースで味わうパスタ

甲イカの食感とベーコンの風味をコクのあるソースで味わうパスタ
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甲イカとベーコンのオリーブソースのパスタdownsize
(甲イカとベーコンのオリーブソースのパスタの完成、もう少し細ネギがあった方がいいかも)
イカとベーコンの初夏向けシンプルなパスタ
・・・を作ってみたいと思い、「イカとベーコンの組み合わせ」のオリジナル・レシピを考えてみました。甲イカの食感とベーコンの風味を楽しむ初夏らしいパスタになりました。
オリジナル・レシピのパスタ過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
春を呼ぶ菜の花とアサリのシーフードパスタ
上沼さん桜えびでもおいしいよ香ばしい桜えび高菜やきそば
アンチョビとキャベツのパスタひとひねりに何を加える
定番を一ひねりで一味違う美味しさの『炒めナスのトマトソースパスタ』
“お・も・い・つ・き” リサイクル・パスタ、タコと生ハムのペペロンティーノ
イカげそのうま味で味わうシーフードトマトパスタ





材料ですdownsize
(材料です)
ポイントあるいはミソ
大したコツも無いのですが、いくつかポイントを挙げますと・・
【隠し包丁】甲イカの下ごしらえとして裏表両面に格子の隠し包丁を入れておくとソースが絡みやすく食べやすくなります
【太めの短冊】ブロックベーコンをやや太めの短冊切りにしパスタの具の1つにして食感も楽しめます
【分けて炒める】ベーコンは弱火でじっくり炒め風味を出しますが、次に甲イカを炒める強火でサッと炒めると硬くならず良い食感になります
【ネギの薬味】細ネギを散らして「薬味」にする(今回使ったのは1本でしたが、2,3本に増やした方が良いかも知れません。また、盛りつけた後に散らすのでも良いと思います)
【白ワイン】白ワインを加えるとオリーブ油と混ざって白濁し、素材の風味が溶け込んだソースとなります
【パスタにソースを吸わせる】ソースを吸うまでしばらくパスタと混ぜ合わせてから皿に盛るとパスタにもソースの味が浸みこみます


材料の下ごしらえdownsize
(材料の下ごしらえ)
薬味の細ネギdownsize
(薬味の細ネギ)
材料と下ごしらえです
・パスタ 1.4mm 125g(2人分)
・甲イカ: 100g (2枚): 両面に格子型に隠し包丁を入れ、2cm×3cmの短冊に切っておく
・ブロックベーコン 50g: 5mm×2cmくらいのやや太めの短冊切りにしておく
・細ネギ 1-2本: 小口切りにしておく
・にんにく 1かけ: 粗みじん切りにしておく
・鷹の爪 1個: 丸ごと用いる(香りづけですが、辛味がお好みなら刻む)
・ベイリーフ 1枚: 指で切れ目を入れておく(香りが出やすい)
・白ワイン 100ml
・オリーブ油 大さじ 2~3杯
・海塩 少々: 2回に分けて入れ塩加減を調節する(ここではフランス産海塩の“Fruits de Mer de Guerande”を使っています)


ベーコンを炒めたら甲イカを入れ塩ふるdownsize
(ベーコンを炒めたら甲イカを入れ塩ふる)
それでは作り方、15分くらいでオッケー
1. フライパンにオリーブ油を敷いて、ベーコンとベイリーフを入れ弱火で炒める
2. ベーコンがプツプツと泡立ってきたら、にんにくと鷹の爪を入れて弱火のまま炒める
3. にんにくからも泡が出てきたら、強火にして甲イカを入れて塩をふる(2回ふるので最初は控え目)
4. 甲イカの隠し包丁の切れ目が開き透明な身が少し白っぽくなってきたら白ワインを入れて強火のままアルコールを飛ばす
5. 一旦、火を止め、ソースの味見をしてもう一度塩をふって塩加減を合せる
6. パスタを所定の時間茹でる
7. パスタが茹で上がる1分前にフライパンに火をつけ細ネギを散らし、ソースが沸き始めたら火を止める
8. 茹で上がったパスタを軽く湯切りしソースの入ったフライパンに入れかき混ぜる
9. フライパン内出てゆっくりかき混ぜパスタにソースを浸み込ませる(1,2分かかる)。汁気がわずかに残るほどになったら完成、皿に取り分けます


パスタ茹で上がりの直前に細ネギdownsize
(パスタ茹で上がりの直前に細ネギを入れる)
しばらく混ぜてパスタにソースを吸わせるdownsize
(しばらく混ぜてパスタにソースを吸わせる)
コクのあるソースと甲イカの食感に白ワインを添えて
オリーブ油とベーコンと白ワインのコクのあるソースが14.mmの細目のパスタによく絡み、なによりも甲イカ食感とベーコンの風味がよく合います。白ワインを添えてランチにしました。

イカの食感とベーコンの風味を味わうランチdownsize
(イカの食感とベーコンの風味を味わうランチになりました)
「おもいつき」につき特に出典はありません。簡単なのでぜひお試しあれ。

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昔トウガラシは辛くなかった、湿地のカビ対策でスパイスに+北フランスで出会ったシーフード

昔トウガラシは辛くなかった、湿地のカビ対策でスパイスに
+北フランスで出会ったシーフード

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トウガラシの実の断面
(トウガラシの実の断面、種を支える胎座にカプサイシンが多く辛い)
世界の料理に欠かせないスパイス、唐辛子
今やスパイスはどんな料理にも欠かせませんね。その中でも、コショウと並んでメキシコ(またはアンデス)原産のトウガラシは、中華、イタリアン、韓国料理、日本の「七味唐辛子」など、様々な料理に広く使われています。




Rouenノルマンディーのオマールは絶品REVdownsize
(Rouen;ノルマンディーのオマールは絶品でした)
北フランスのシーフード
グルメつながりでブルターニュ、ノルマンディーで出会ったシーフードのフォトを添えています。
北フランス旅行の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
かくれんぼの路地と隠れ家ホテル;オンフルール再訪[後編]
深まりゆく藍色の街に灯が暖かい;オンフルール再訪[中編]
得も言われぬ狐の嫁入り;オンフルール再訪[前編]
古き佳きルーアン モネとジャンヌダルクを訪ね北仏ルーアン再び 後編
雨上がりのモネの大聖堂 モネとジャンヌダルクを訪ね北仏ルーアン再び 中編
モネとジャンヌダルクを訪ねて北仏ルーアン再び 前編
海賊砦サンマロ、パイレーツ・オブ・ブルターニュの”兵どもが夢の跡”
南ブルターニュ紀行コンカルノー
漁船も干上がる干満差、北ブルターニュの小さな港ロスコフ
ママチャリで行くキブロン半島とフランス温泉旅館


Quiberon浜辺のテラスでムール貝downsize
(Quiberon半島巡り;浜辺のテラスでムール貝のランチ)
もともとトウガラシは辛くなかった
実はトウガラシも昔は辛くなかったようなのです。本来、トウガラシの先祖はカビの心配がない乾燥したところに生えていて、辛くも何ともありませんでした、親戚のピーマンやパプリカのように。

カプサイシン
(カプサイシンは植物アルカロイドの1種です)
トウガラシの辛味は「抗カビ剤」カプサイシン
実は、トウガラシが辛いのは種を守るために、種にも果実(赤い部分)にも「抗カビ剤」カプサイシン(capsaicin)を仕込んだ結果なのです。以前ご紹介した防虫剤カフェインを使うコーヒーノキと同じですね。種を支える胎座の防御が特に堅くトウガラシで一番辛いと言うのもナットクですね。
カフェインを仕込んだコーヒーノキの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
コーヒーノキはカフェインで種を守りハチを操るスーパーバリスタ+パリのカフェ

Saint Maloホタテの一皿REVdownsize
(Saint Maloのレストランで出会ったホタテの一皿)
湿地での感染症対策は「坑カビ剤」カプサイシン
トウガラシが版図を広げ、乾いた土地から湿った土地にも進出するとカビに感染するようになりました。そこでトウガラシは感染症対策として坑カビ作用のあるカプサイシンを実と種に仕込むように進化したようです。

雨の多いとトウガラシは辛く、少ないと辛くない
このようなトウガラシの適応は現在でも見ることが出来、例えば、ボリビアのグランチャコ(Gran Chaco)地方で乾燥した地域から湿潤な地域に移行する300kmに亘って野生のトウガラシを調べてみると「雨の多い地域のトウガラシは辛く、雨が少なくなるにつれトウガラシは辛くなくなっていた」そうです。

Honfleurプリプリでおいしいあんこう(lotte)のポワレREVdownsize
(Honfleur;プリプリでおいしいあんこう(lotte)のポワレでした)
スパイスは本来、植物の防御物質、つまりは「毒」
植物はヒトがおいしく食べるためにスパイスを作っているのでしょうか?いえ、そんなはずはありません。植物が作り出すスパイスは本来、虫の食害や、カビなどによる感染症を防ぐための「防御物質」です。
植物の毒を賞味し利用する動物種ヒトの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
植物の毒を喰らい、知恵で使いこなす唯一の種、ヒト
美しくも楽しい種子の本から学ぶ植物の毒戦略
高山のお花畑は毒の饗宴それでもヒトはサラダで喰らう フランスのサラダグルメ


Concarneau海の幸と手長エビの一皿downsize
(Concarneau;海の幸と手長エビの一皿、素朴だけどおいしいです)
「フェイク痛み」が去った後の「かいかーん!」がクセになる
トウガラシの辛み、カプサイシンは舌や口内の痛感覚への「フェイク刺激」、つまりは傷ついてもいないのに「痛み」として感じさせるものです。
こんな「フェイク痛み」をスパイスとしてヒトが好み、求めるわけとは??
(1)トウガラシのカプサイシンに舌が触れて「痛い!」と感じた、
(2) 「でも待てよ、怪我なんかしてないしぃ」・・
(3)「なぁん~だ、大丈夫じゃん。あぁ、ほっとした」
・・ときに「脳内麻薬」エンドルフィン(endorphin)が分泌され「快感に変わる!」からです(マラソン・ハイと同じ)。だから「クセになる辛さ」なんです。


Honfleurノルマンディー名物漁師風スープREVdownsize
(Honfleur;ノルマンディー名物「漁師風スープ」)
辛みを気にしないトリさんたちの協力
じゃ、他の動物はどうか?ヒトのようなことは起こらないようで、事実、昆虫や動物たちはトウガラシの実を食べません。トウガラシの実を食べるのはくちばしに“味覚が無く”餌を飲み込むトリさんたちです。これは種を守りつつ種を遠く広く運びたい植物にとって大変有効な戦略です。

トウガラシは伊達に赤いんじゃありません
カプサイシンと言う防衛システムを確立したトウガラシは、一方でその辛さを気にしないトリさんたちに種を運んでもらう必要があり、トリさんたちの気を引く赤い色の実を実らせるようになったのでしょうね。

Roscoff レストランLe Surcoufのオマールdownsize
(Roscoff ;レストランLe Surcoufのオマール)
コロンブスの世界のシェフへのお土産はトウガラシ
そもそもトウガラシは1万年前頃に南米の人々が栽培化したものを16世紀にコロンブスが欧州に持ち帰り、紆余と曲折を経て中華、イタリアン、韓国料理、和食など全世界のシェフに広がったようです。

毒を以て次世代に繋ぐ知恵の恩恵
植物は動けません。種が落ちたその地で生きてゆかなければならず、多種多様な化学物質、つまりは毒で自身を、次世代を担う種を守ってきました。ヒトはそのおこぼれで食を豊かにしてきました。未だにヒトは植物たちの知恵と工夫の恩恵に預かっているのでようね。

出典種子downsize
(出典著書「種子」)
著者は「羽」を書いた科学ジャーナリストHanson氏
今回の出典の著者は生物学者であるとともに科学ジャーナリストでもあるThor Hanson氏です。自らの研究体験と「種子」をテーマに各国の専門研究者へのインタビューで構成されています。多岐に亘る各研究者の原著論文を個々に確認することは難しいので今回記事ではHanson氏の記述の引用に止めています。
ちなみにThor Hanson氏の有名な著書「羽」を過去にもご紹介したことがあります。

Hanson氏の羽の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
羽根はハイテク万能スーツ トリさんの羽のフシギ[後編] +北仏カンペール番外編
トリさんが空を飛んだイキサツとは? トリさんの羽のフシギ[前編] +冬のカンヌ続編


出典:「種子」 “The Triumph of Seeds” 2015年 Thor Hanson氏著、黒沢令子氏訳 (2017年、白揚社)
出典:ウィキペディア記事「トウガラシ」


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英雄の健気なドサまわりシーハリケーン+英国IWMの元気なレジェンド・ヒコーキたち

英雄の健気なドサまわりシーハリケーン
+英国IWMの元気なレジェンド・ヒコーキたち

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シーハリケーンMkIB downsize
(地中海の関ヶ原、マルタ島攻防のペデスタル作戦で活躍したシーハリケーン)
ドサクサ艦載機シーハリケーン、野ざらしでも頑張る
「瓢箪から駒の出来事」がきっかけで、取り敢えず空母に配備されたハリケーンの「亜種」がシーハリケーン(Hawker Sea Hurricane)です。でもドサクサの「適応放散」=「転職」だったもので、艦載機のくせに羽根もたためず、荒れ狂う北大西洋でも飛行甲板に野ざらし駐機のトホホな運用になりました。




雨上がりのシーハリケーンdownsize
(今も飛行可能なレジェンド、雨上がりのDuxford IWMのシーハリケーン)
今も元気に飛ぶレジェンドたち
英国ケンブリッジ郊外ダックスフォード(Duxford)のIWM博物館でデモフライトを見せてくれた元気なレジェンド・ヒコーキのフォトを添えています。
Duxfordのレジェンドの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
いまだ現役レジェンドが空を舞う飛行場付き博物館IWMは楽しい

シーハリケーンMkIACAMシップdownsize
(あまりにもミッションインポッシブル!極北の海の使い捨てシーハリケーン)
ひたすら地味だけど役立ったハリケーン・ファミリー
それでもレンドリース船団を守り、地中海の天王山、マルタ島を救った「縁の下の力持ち」(の一人)がシーハリケーン。陸でも海でもライバルの「イケメンヒーロー」、スピットファイア、シーファイアの影に隠れていますが、実はけなげに頑張ったんです。

相手が爆撃機ならめっぽう強いハリケーン
シーハリケーンのキルレシオ=「損失に対する戦果の比率」は、例えば、地中海の船団護衛では28対8で結構高かったのです。最後はやっぱり商戦改造ジープ空母に載ってドサまわりだったんですけどね。

給油中のP40N戦闘機REVdownsize
(給油中のP40N戦闘機)
由緒正しい家柄なんですよ、ホントは
そもそも、ホーカー・-ハリケーン(Hawker Hurricane)はシドニー・カム卿(Sir. Sydney Camm)設計で「メッサーよりちょっと後、スピットよりちょっと前」の1935年初飛行、当時RAF(英国空軍)ではステキな最新鋭機!でもよく見ると「傑作複葉戦闘機フューリーの羽根を1つもぎっただけ」みたいな・・
上翼をもぎったフューリーが出てくる過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
狼を追うイワツバメ大西洋のマートレット

生物進化みたい、行きあたりバッタリの取り敢えず間に合わせ
ハリケーンがシーハリケーンとして艦載機に「適応放散し、進化した」いきさつは、本物の生き物の進化と同じく「行きあたりバッタリ、取り敢えずありあわせを流用した」結果です。

タキシングするドラゴンラピードREVdownsize
(タキシングするドラゴンラピード;遊覧飛行に乗りました)
使い捨て戦闘機なの?シーハリケーンは・・
最初のシーハリケーンは空母に載ってません!え?「使い捨て戦闘機」だから・・・。
シーハリケーン Mk. IA (Sea Hurricane)、愛称ハリキャット(Hurricat)は中古ハリケーン Mk. Iから約250機が改造され、1941年からカタパルト付き商船、CAMシップ(Catapult Aircraft Merchantman Ship)に搭載されました。なんと「使い捨て戦闘機」として・・・。


氷の海にパラシュート降下、なんとミッションインポッシブルな
カタパルトで発射され商船隊を襲う敵機と戦った後、なんとパイロットは機を捨ててパラシュートで降下し極寒の海から味方護衛艦が拾い上げる、何とも勇気あふれる、と言うか荒っぽい運用でした。実はなかなか有効で北大西洋の船団護衛で8回射出、6機撃墜、人的損害1名で済みました。もちろんシーハリケーンの機体は使い捨て! 「スピットファイアはもったいないけど、ハリケーンなら、ま、いいか」だったみたい。

トラクターが牽いて行くFAAのコルセアREVdownsize
(トラクターが牽いて行くFAAのコルセア)
やっと空母甲板に載ったゾ、商船改造なんだけど
それじゃあんまりキケンだしヒコーキがもったいない、と中古ハリケーンMk. IIA改造のシーハリケーン Mk. IBでは着艦フックを取り付けて、340機がコンバート、商船改造だけど一応飛行甲板を付けた少しはまともな護衛空母MACシップ(merchant aircraft carrier)に搭載、護衛船団に配備されました。

立ち遅れて「変な艦戦」まで登場の英海軍
空母先進国だったはずの英国は第二次大戦当初ろくな艦載機がなくレンドリースの米国製ワイルドキャット、アベンジャー、コルセアなどに頼る羽目になりました。
変な艦戦フルマーのお話はこれです↓(クリックで飛びます)。
「かもめ飛びなさい」;変な艦戦フルマーの物語

タイガーモスが軽やかに離陸してゆくREV
(タイガーモスが軽やかに離陸してゆく)
極北での知られざるハリケーン善戦
大戦初期1940年5月ノルウェーの戦いにハリケーンは派遣され、常に劣勢ながら独空軍を退けましたが、結局英仏軍の負け戦。しんがりとして撤退する軍を最後まで守ったハリケーン部隊には「機体は燃やして搭乗員は船で撤退」との命令が・・・。

勇気と知恵でフックなし陸上機が着艦成功
しかし、派遣ハリケーン第46スコードロン隊長クロス少佐は「貴重な戦闘機を燃やすのは忍びないし、幸い沖合には空母グローリアスがいる。誰も試したことがないけど、一か八か陸上機ハリケーンで空母に着艦してみよう」と砂袋の重しを付けて実行。なんと10機全機が無事着艦に成功!!

現役チヌークの上をスピットが飛んで行くdownsize
(現役チヌークの上をレジェンドのスピットが飛んで行く)
ノルウェー戦の遺産、シーハリケーン
その後空母グローリアスは独戦艦に沈められますが、ノルウェー戦の遺産として「なんだハリケーンは空母でも使えるじゃん」ってことでちゃんとしたフック付きのシーハリケーンが誕生します。

レンドリース商船隊を全滅させた独空軍ライオン雷撃隊
1942年6月イタリアで雷撃の特訓を受けたルフトバッフェの虎の子、ライオン飛行隊(He111とJu88)は、米国からソ連へレンドリース物資を運ぶ商船隊PQ17をほぼ全滅に仕留めました。

一握りのシーハリケーンが独エリート部隊を壊滅
ところが、次の1942年9月のPQ18商船隊には護衛空母アベンジャーが初めて護衛につき、その甲板には一握りのシーハリケーンが。空母とCAMシップのシーハリケーンはライオン飛行隊の攻撃を阻止、ほぼ壊滅させ、商船隊は無事にムルマンスクに到着しました。(直接墜とした敵機に加え、追われて対空砲火で墜とされたり、基地に辿り着いても二度と使えない機体も多く戦力はほぼ無力化された)その結果、これ以降商船隊が独空軍に脅かされることはなくなりました。

地味に貢献したシーハリケーンのヒミツ
たしかに「瓢箪から駒の思い付き」の空軍払下げ中古品艦上戦闘機シーハリケーンは翼も折り畳めず甲板に野ざらし、「その場しのぎのあり合わせ」でしたが・・・
1)主脚幅が広く離着艦が楽、
2)頑丈で信頼性が高い、
3)強力な武装、
4)そこそこの速度と航続距離、
5)そして何よりも「ちゃんとした艦上戦闘機が欲しい絶妙なタイミング」で登場した

「隠れた地味ヒーロー」だったようです。

地味機のマニアックな記事なのに無駄に長いですが、ご興味あれば「続きを読む」をクリックください。

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氷の底で繁茂する藻が極地の海を豊かに、でも温暖化で危機かも?+仏ブルターニュの港町ロスコフ

氷の底で繁茂する藻が極地の海を豊かに、でも温暖化で危機かも?+仏ブルターニュの港町ロスコフ
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海氷に生えるアイスアルゲが生態系を支えている
(海氷に生えるアイスアルゲが生態系を支えている)
温暖化で氷が消えると極地の生態系が崩れる
極地の氷の底では植物プランクトンが繁茂し動物プランクトンの餌となって生態系を支えています。しかい、氷が無いと植物プランクトンは育ちません。温暖化の進行は極地の生態系にとって脅威です。
植物プランクトンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
小さな藻が大気を守る、でも古代の海に逆戻りの危機かも?
海鳥さん食べちゃダメそれ餌じゃないDMS風味のプラゴミ + Xmasのボルドー(再)





干満差の激しいRoscoff漁港REVdownsize
(干満差の激しいRoscoff漁港、引き潮が始まっている)
干満差が有名、ブルターニュの港町ロスコフ
海つながりでフランスのブルターニュ地方の港町ロスコフ(Roscoff)のフォトを添えています。1872年創設のロスコフ生物学研究所や10mを超す干満差が有名です。
ロスコフの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
漁船も干上がる干満差、北ブルターニュの小さな港ロスコフ

RoscoffのビストロLe Surcouf のオマールdownsize
(RoscoffのビストロLe Surcouf のオマール)
氷の底で繁茂する藻類アイスアルゲ(ice algae)
極地の海で出来る海氷(sea ice)の底では”ice algae”(アイスアルゲ、「氷の藻」の意)と呼ばれる珪藻などの植物プランクトンが大量に繁茂します。海氷の底が緑色に染まるほどです。

海氷がプカプカ浮かぶ氷縁域MIZで繁茂
極地の棚氷の外側には氷縁域(marginal ice zone (MIZ))と言う海面にプカプカと海氷が浮かんでいる海域があり、ここで珪藻などアイスアルゲ(ice algae)」が繁茂します。

極地の豊かな海を支えるアイスアルゲ(ice algae)
極地の海で大繁殖するオキアミなどは魚、ペンギン、クジラ、イルカのどの主な餌として生態系の要、キーストン種(Keystone species)です。アイスアルゲ(ice algae)はオキアミなどの動物プランクトンの主な餌となり、極地の豊かな海の生態系を根幹で支えています。

海氷は海水が凍ったもの、氷山とは違います
ところで、海氷とは極地の冬に海の水が凍って出来るもので、夏には融けてしまいます。海氷に限らず冬に凍った海面、湖面、河の氷が流れ出したものが流氷です。

Roscoff海辺のカフェREVdownsize
(Roscoff海辺のカフェ)
光を通す足場、海氷が無いとアイスアルゲ(ice algae)は育たない
この海氷がなければアイスアルゲ(ice algae)は育たないのです。海氷はアイスアルゲ(ice algae)に安定した「光合成の場」=繁殖場所を提供しています。
1)透明な氷が十分な日光を通し、
2)海氷の底が安定した増殖の足場になるからです。

だから海氷が無いとアイスアルゲ(ice algae)は風や潮流に攪拌されてバラバラになってしまい育ちません。

海氷が融けてもアイスアルゲ(ice algae)は繁茂、なぜ?
ところが、極地の夏には海氷が一旦融け去ってしまいますが、融けた氷は真水となり軽いため海水とは殆ど混じらず、融氷後16週間もアイスアルゲ(ice algae)は表層で光合成が出来、安定して繁茂できるのだそうです。

海辺からRoscoffを遠望downsize
(海辺からRoscoffの街を遠望)
極寒の海での13年間の地道な研究
南極に接するスコシア海(Scotia Sea)で出典著者Katrin Schmidt氏らは植物プランクトンの季節変動を2002年から2016年まで13年間に亘って調べました。フィールド研究をする生物学者は大変です。

人工衛星による植物プランクトン観測の落とし穴
これまで海の植物プランクトンを調べる方法は人工衛星から海面の葉緑素(Chlorophyll a)の色(※)を測定するリモートセンシングが一般的でした(※:光合成を行う色素)。しかし、出典著者のSchmidt氏によれば、この方法では海氷の底(海面ではなく海中)に生えるアイスアルゲ(ice algae)を検出することは難しく「海氷の海の植物プランクトンは少ない」との誤った結論になるそうです。

珪藻が作るイソプレノイド化合物に注目
そこで出典著者Schmidt氏らは、珪藻が作る2種のイソプレノイド化合物HBI(Highly branched isoprenoid)、IPSO25とHBI IIIをアイスアルゲ(ice algae)の目印(特異的バイオマーカー)として選びました。ちなみにイソプレノイドとはテレピン油の仲間の化合物の総称で多くは生き物が作り出します。

Roscoffカフェで一休みdownsize
(Roscoffの海辺のカフェで一休み)
氷プカプカの氷縁域(MIZ)のオキアミを調べると・・
出典著者Schmidt氏らはスコシア海の氷縁域(MIZ)で繁殖しているオキアミの体内のイソプレノイド,IPSO25とHBI IIIを測定し、オキアミがどのくらいアイスアルゲ(ice algae)の珪藻を食べたか
→つまりは氷縁域(MIZ)にはどのくらいアイスアルゲ(ice algae)が繁茂しているか、を調べました。


オキアミの主食はアイスアルゲ(ice algae)だった
すると海氷の海、スコシア海のMIZで大繁殖しているオキアミの胃などの消化管にはイソプレノイドのIPSO25とHBI IIIが多く含まれていました。
この観察から・・・

1)オキアミの主食がアイスアルゲ(ice algae)であること、
2)その餌のアイスアルゲ(ice algae)も海氷の海MIZで大繁茂していることが分かりました。


RoscoffのCroaz Batz 聖母教会downsize
(RoscoffのCroaz Batz 聖母教会)
海氷が消長する四季が極地の生態系を支える
南極、北極の周辺で冬に海氷が出来、夏に融けるという四季の変化が無くなれば、アイスアルゲ(ice algae)は育たず極地の海の生態系は成り立たちません。

功罪合わせても海氷は生態系に貢献
海氷は極地の海の生態系に主に3つの影響をもたらしているそうです。
1つは氷が太陽光を遮り、深海からの栄養物の供給を抑える、
2つには海氷の底がアイスアルゲ(ice algae)を育てるゆりかごになり、
3つには融けて後も混じらない淡水の層を海面に作ることでアイスアルゲ(ice algae)に安定した増殖の条件を整えています。

結果、功罪合わせても海氷は生態系に多大に貢献しているようです。

氷の無い海より海氷の海の方が豊か
また、海氷があるスコシア海の北、氷の無いサウスジョージア島近海(太陽光が遮られないけど波風が強い)と動物プランクトンの量を比べても海氷の海、スコシア海の方が多かったそうです。つまりその餌の植物プランクトンもより多いと言うことです。

温暖化はまず極地で顕著になる
地球温暖化はまず高緯度、特に極地で顕著となると言われています(これまでの毎年の観測と気候シミュレーションからの予測)。

海氷が消えれば海の生態系が崩れていく
温暖化が進んで海氷が少なくなれば、アイスアルゲ(ice algae)が、次いでオキアミなど動物プランクトンが影響を受け、やがて極地の海の生態系は崩れていく、と危惧されます。

卵に必要なオメガ3-脂肪酸もアイスアルゲ(ice algae)から
ちなみに、アイスアルゲ(ice algae)は餌であるだけでなく、卵を作るのに必須の脂肪酸、 オメガ3脂肪酸(ω3-fatty acid)も含まれ、また、鉄イオンの貯蔵庫でもあり(鉄は動植物の重要な栄養素)、極地の海の生き物にとってとても大切な植物プランクトンです。

氷だって生態系を支えている
夏には融けてしまう“はかない氷”が育むアイスアルゲ(ice algae)が極地の海の生態系全体を豊かにしている・・・なんて、この研究論文を読むまでLevalloisbeeは知りませんでした。
ちきゅうと生き物にはまだまだビックリ、フシギがいっぱいなのでしょうね。


出典:” Do pelagic grazers benefit from sea ice? Insights from the Antarctic sea ice proxy IPSO25” Katrin Schmidt Biogeosciences, 15, 1987-2006, 2018 Volume 15, issue 7
https://doi.org/10.5194/bg-15-1987-2018
出典:”Polar sea ice leads to more productive oceans” Randall Hyman Science 6 April 2018 Vol 360, Issue 6384 doi:10.1126/science.aat8140


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自らをペット化する野生マウス、安全な食べ放題天国なら+グルメなフランスの街ディジョン

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野生のマウスは弱いので臆病
(野生のマウスは天敵が多く弱い存在なので臆病で逃げ足速い)
弱いネズミは警戒心強く逃げ足速い
ネズミ君はネコ科、イヌ科など多くの肉食動物に餌として狙われる「弱い立場」の動物です。かと言って人に好かれ、愛されるわけでもなく(ミッキーマウスは例外ですけど)。だからネズミ君は警戒心が強く逃げ足も早いのです、特に野生なら。




セキュリティ万全食べ放題ネズミホテル
(セキュリティ万全で食べ放題なら「人懐こいマウス」になる)
天敵と餌の心配がなければ見かけも変わる
ところが、出典著者のチューリッヒ大学Anna Lindholm氏の研究グループが12匹の野生のマウスを「天敵と餌の心配がない」環境で「人が介入せず自由に」何代か繫殖させると、なんと野生マウスたちは「人懐こくペットのような風貌」になってしまいました。

人にじゃれつくマウスになっちゃった
更に、人への警戒心がなく研究者の靴にじゃれついてきたそうです。なお、人が繁殖や営巣に介入しないとは言え、仔マウスの頃からの定期的に「身体検査」のために人(研究者)が触れています。

フランス中部ディジョンの名物エスカルゴdownsize
(フランス中部ディジョンの名物エスカルゴ)
グルメなフランス中部の街ディジョン
食べ放題のマウス君のお話につきフランス中部グルメの街ディジョン(Dijon)のフォトを添えてます。
ディジョン訪問の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ブルゴーニュのグルメに会いにゆくディジョン再訪紀後編
フクロウ君の案内でディジョン再訪前編
雨に煙るディジョン、花の凱旋門:ブルゴーニュ紀行続編


ブーフブルゴニュオンdownsize
(至福の味ブーフブルゴニュオン、Hotel du Nordのレストラン”Porte Guillaume”)
マウス御一行様、セキュリティ万全、食べ放題ですよ
どれほど自由かと言うと、野生マウスは実験のために設けられたスペースに自由に出入りができます。入口は狭く、ネコ、フクロウ、タカなどの捕食者はシャットアウト。中では餌はまったく自由に「食べ放題」です。野生マウスにとってはまさに天国です。

10年ちょっとで”チュウー口”は20~40倍に
その結果、2002年当初の12匹の野生マウスは2018年現在250~430匹まで殖えたそうです(出入りがあるので数が一定しない?)。

「ヒトが動物を飼いならした」と考えられてたのですが・・
これは何を意味するのか?その昔、1万年前頃、ヒトが定住生活を始めた頃から多くの野生動物が家畜化されました(イヌだけは例外で、もっと古く3万年前頃)。これまでこのような野生動物の家畜化はヒトが「選択交配」、都合の良い形質の系統を選別し、人為的に品種改良した結果と考えられてきました。

かわいいマスタード入れのカルテットREVdownsize
(マスタードの老舗マイヨ(Maille)本店で買ったかわいいマスタード入れ)
「安全保障と食糧供給」さえあれば自らペット化する
そうではなく野生マウスは人間の庇護=「安全保障」と「食糧供給」、さえあれば「人懐こくかわいい動物」に変身してしまうようです。

野生マウスは見た目がペット化した
出典著者のLindholm氏らが“自由繁殖”した野生マウスを身体検査してみると・・・
1.顔が短くなった(3.5%減)
2.白い斑点(ブチですね)が増えた(2倍に)
これらはオオカミからイヌへの変化と同じです


さすがの四つ星ラム肉の一皿REVdownsize
(ラム肉の一皿、ミシュラン4つ星ホテル”Hostellerie du Chapeau Rouge”)
10世代でワンちゃんみたいになった野生の銀キツネ
ロシア(当時ソ連)のドミトリ・ベリャーエフ氏らが1950年代から野生の銀キツネを「人を恐れず噛み付かない個体を選択交配」した有名な実験では「人懐こくかわいいキツネ」が10世代ほどの短期間で出来上がりました、但し、人が繁殖に介入してですが。その外見も毛皮の色が変わり、耳が垂れ、しっぽが巻きあがるなど変わり、更にストレス・ホルモンのアドレナリンも低下しました。

人が介入しなくてもペットっぽくなっちゃう
ベリャーエフ氏の銀キツネの変化はdomestication syndrome (家畜化症候群のような意味)と呼ばれますが、まさに同じことが「ヒトが繁殖に介入しない」野生マウスでも起こったということです。

ある脳神経細胞が発生時にペット化を進めるのか?
ウィーン大学のW. Tecumseh Fitch氏は”neural crest”と言う神経細胞が発生の早い時期に働き、このようなdomestication syndrome、つまりは、①体色の変化、②顔の骨格変化、③ストレスホルモンのアドレナリンや攻撃性を生むテストステロンを産生する副腎の変化などに関係しているのでは、と提唱しています。

ディジョンのマスタードREVdownsize
(マイヨのマスタードがさりげなくテーブルに置かれていた)
3万年前、自らイヌになっていったオオカミ
農耕や定住がはじまるはるか前、3万年前頃の狩猟採集時代にまで遡るオオカミからイヌへの家畜化の場合はオオカミの方から自然に「ヒトが受け入れる形質」に変わっていった要素も多分にあると考える説もあります。
ワンちゃんがヒトと友達になった過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
apprivoiserは特別な絆最初のヒトの友はワンちゃん(+パリ1区8区歩き)
ワンちゃんにはご飯をあげよう+パリ郊外モレシュルロワン番外編


勝手にヒトに寄り添う「都会鳥」
都会鳥やもっと古くはツバメ、スズメなど彼らの方が「勝手に」ヒトとその暮らし(家屋や田畑など)を利用し始めた(※)と考えられています(※:シナントロープと呼ばれます)。
う~ん、野生動物の「一所懸命」は人の浅知恵より一枚上手なのかな?

都会鳥の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
人が好きなんです けなげな都会鳥 RAFの飛行機 心が優しくなる三冊の本(2)

出典:”A longitudinal study of phenotypic changes in early domestication of house mice” Madeleine Geiger, Marcelo R. Sánchez-Villagra1 and Anna K. Lindholm Royal Society Open Science March 10, 2018
出典:” ‘Self-domesticating’ mice suggest some animals tamed themselves without human intervention” Roni Dengler Science 9 March 2018 Vol 359, Issue 6380 doi:10.1126/science.aat5144

Dijon Beaune 地図
(ディジョン(Dijon)とボーヌ(Beaune)はフランス中部)

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コーヒーノキはカフェインで種を守りハチを操るスーパーバリスタ+パリのカフェ

コーヒーノキはカフェインで種を守りハチを操るスーパーバリスタ
+パリのカフェ
~自宅のコーヒーの木にも花が咲き、実がなりました~

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カフェインをリサイクルして芽や実を守るコーヒーノキ
(カフェインをリサイクルして芽や実を守るコーヒーノキ)
リサイクルで種を守りハチもヒトも操るコーヒーノキはしたたか
コーヒー豆を産するコーヒーノキは・・
(1)猛毒カフェイン(caffeine)で新芽や種子を守り、
(2)その高価なカフェインをリサイクルし
(3)更にカフェインを薄めてハチやヒトを操る媚薬に変え、
(4)最後には土にカフェインを撒いて競争相手を抑えます。
動けない分だけ植物は「したたか」
・・・と言うサイエンス小ネタです。




我が家のコーヒーノキの花REVdownsize
(忘れたころに花を咲かせる我が家のコーヒーノキ)
再びコーヒーの花が咲きました
拙宅の狭い居間に30年以上居座っているコーヒーノキがあり、忘れたころに花を咲かせ実を結びます。今春また花が咲きました。フォトを添えます。

メトロCourcelles駅昼下がりdownsize
(パリのメトロ駅クールセル(Courcelles)のカフェ、昼下がり)
コーヒーが香るパリのカフェ
コーヒーつながりでパリのカフェのフォトも添えます。
パリのカフェの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
カフェは街角の薫りと空気を醸す空間-カフェ話再びその3
日々の暮らしとカフェ、旅で出会うカフェ、パリのカフェ話しを再び・・・
心が背伸びするいつものカフェ - カフェ話再びその2
パリのカフェではワンちゃんもお客さま


クセになるカフェイン
(ハチもヒトもクセになるカフェイン.)
コーヒーなどカフェイン入り飲料は世界で愛飲
カフェインは植物が作り出すアルカロイドの1種でコーヒーの実、お茶の葉、カカオの実、コラノキの実などに含まれていて→それぞれコーヒー、お茶や紅茶、ココア、コーラに加工されて世界中で愛飲されています。
コーヒーの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
芳醇な一杯が飲めなくなるかも?コーヒーの危機+パリのカフェふたたび

青い実が生りやがて赤く色づくdownsize
(青い実が生り、やがて赤く色づく我が家のコーヒーノキ)
え!カフェインって殺虫剤なの?
ところが、カフェインは「天然の殺虫剤」と呼ばれるほど多くの昆虫やナメクジなどにとって恐ろしい毒です。コーヒーノキはその実や葉などを守るためカフェインを生合成(体内で作り出す)しているようです。

植物はアルカロイドで昆虫などの食害を防ぐ
植物にとって大切な芽、葉、花、実が昆虫などに食べられてしまったら、子孫を残せなかったり、自らが枯れてしまいます。そこで植物は葉や実などに主にアルカロイドと言う種類の毒を仕込んで食害を防ぎます。
植物の毒の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
植物の毒を喰らい、知恵で使いこなす唯一の種、ヒト
美しくも楽しい種子の本から学ぶ植物の毒戦略
高山のお花畑は毒の饗宴それでもヒトはサラダで喰らう フランスのサラダグルメ


噴水が借景のサンジェルマンSt Germainのカフェその2 DSC02671downsize
(噴水が借景、サンジェルマン(St Germain)大通りのカフェ)
芽が出たら除草剤カフェインで領土拡大
コーヒーノキの場合はカフェインと言うアルカロイドの1種を新芽や種子の内胚乳に仕込み昆虫などの食害から守ります。更に芽が出たら「お役御免」となった種の内胚乳のカフェインを土壌中に放出、今度は除草剤として競合する他の植物の生育を抑えます。カフェインを使い切る究極のリサイクル。

カフェイン
(カフェイン(caffeine)分子; 窒素が多いので植物にとってコストが高い)
貴重な窒素が要るカフェイン作りは多大な投資
しかし、カフェインを生合成することはコーヒーノキなどにとって多大な投資となります。カフェイン分子(C8H10N4O2)は多く窒素を含むため、特に植物の生育に不可欠な窒素(※)をカフェインに割りさかなければならないからです。
(※:どのくらい窒素が大事か?20世紀初頭にフリッツ・ハーバーとカール・ボッシュがアンモニア(NH4、有機窒素肥料の原料)の化学合成(ハーバー法)に成功したら世界の農業に革新が起きたくらい)


コーヒーノキは貴重なカフェインをリサイクルする
そこでコーヒーノキが取った戦略は「カフェインのリサイクル」でした。新芽を守ったカフェインはコーヒーノキが育つと今度は花や種に移され昆虫などの食害から守ります。

アナトールフランスのカフェAnatole France P1010020downsize
(メトロ3番線アナトールフランス(Anatole France)のカフェ)
花粉運び屋さんを殺す気?花蜜に猛毒カフェイン
ところが、コーヒーノキはなんと花の蜜にまでカフェインが含まれています。コーヒーノキの花は虫媒花でハチなどのポリネーター(花粉媒介者)に花粉を運んでもらう必要があり、花蜜はそのごほうび。
大事な花粉運び屋さんを殺してどうするの!


「毒か、薬か」はさじ加減次第
いえ、ハチは元気です、それどころか何度もコーヒーノキの花を訪れ、仲間まで呼び寄せます。
実は花蜜のカフェインはごく少量でハチにとって毒ではなく、むしろ「もう一度飲みたい」とくせになるようです。つまりはハチはカフェイン入り花蜜の「依存症」になるようです。


カフェインが疲れをだまして「目がシャキ!」
コーヒーのカフェインは脳内で脳内精神安定剤アデノシン(※)の作用を抑えて疲労感を打ち消し(ホントは疲れていても)「目がシャキ!」状態になりますので、朝の1杯のコーヒーは寝ぼけ気分を吹き飛ばし速やかに「お仕事モード」にしてくれます。
(※:アデニシンは眠気を誘い健やかな睡眠に導くなど脳内の精神安定剤として働きます)


観光客が行き交うシテ島のカフェIMG_1508downsize
(観光客が行き交うセーヌの中之島、シテ(Cite)島のカフェ)
「また飲みたい」・・とカフェインが招く依存性
もう1つのカフェインの働きは脳の「報酬系」に作用することで、「朝の1杯のコーヒーが生活習慣になる」程度の軽い依存性を生むことです。
「朝の至福」1杯のコーヒー!確かにヒトもクセになりやめられませんもの。やっぱりコーヒーノキは大した戦略家です。


30年以上も元気に居座る
30年以上経っても元気なコーヒーノキdownsize
30年以上居間に鎮座する我が家のコーヒーノキも元気です。

出典①:「種子」”The Triumph of SEEDS” 2015年Thor Hanson氏著、黒沢令子氏訳(2017年、白揚社)
出典②:「コーヒーの科学」 2016年 旦部幸博氏著、講談社
出典③:「種子たちの知恵」 2008年 多田多恵子氏著、NHK出版
出典④:出典①「種子」の引用文献/”Caffeine in floral nectar enhances pollinator’s memory of reward” Wright, G.A. et al. Science Vol. 339, Issue 6124, p. 1202 (2013) DOI: 10.1126/science.1228806


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ご主人の笑顔でワンちゃんも幸せに、共に「絆ホルモン」オキシトシンも増えます+パリ、サンマルタン運河

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見つめることで互いのオキシトシンが増えハッピーに
(飼い主さんの笑顔を見つめてワンちゃんのオキシトシンが増え飼い主さんでも増える)
ご主人の表情で気持ちを感じ取るワンちゃん
ワンちゃんはご主人の指図や意志を理解するだけではなく、その感情や気分まで敏感に感じ取ります。そしてこのようなワンちゃんとヒトとのコミュニケーションには表情がとても重要らしいそうです。
ワンちゃんとヒトとの絆の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ワンちゃんはかまってくれる人にはかわいい仔犬顔+パリの地元ルヴァロワ界隈
赤ちゃん言葉の声に仔犬は耳を傾け成犬は知らんぷりなぜ+ブルターニュの美しき島ベルイル
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白目でヒトとワンちゃんは目くばせする 行き付けBarとカフェ
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君の瞳の中にボクが居る ワンちゃんは特別な友達+南仏コートダジュール番外編
ワンは平和なコミュニケーション+パリを彩る花たち
犬は石器時代からのともだち、そしてパリ16区大人の街パッシー
パリのワンちゃんのお行儀





パリの生活のそばにあるサンマルタン運河第2閘門downsize
(パリの生活のそばにあるサンマルタン運河、第2閘門にて)
パリ、サンマルタン運河の四季
何の脈略も無いのですが、パリを流れるサンマルタン運河のフォトを添えます。
パリ、サンマルタン運河の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
4つの性の小鳥は自分と違う者に惹かれる+パリのサンマルタン運河
日本で発見!新しい石+パリ、サンマルタン運河の四季


新緑の木陰の下の閘門の太鼓橋downsize
(新緑の木陰の下の閘門の太鼓橋)
幸せな顔らワンちゃんは長~く見つめ共にハッピーになる
ご主人が幸せなら(幸せな表情を見せたら)、ワンちゃんはご主人をじっと長く見つめます。
互いに見つめあうことでワンちゃんの脳内にも、ご主人の脳でも「オキシトシン」(※1:詳しくは文末を見てください)と言う幸せを感じる「絆ホルモン」(※2)が出るようです。ワンちゃんも飼い主も共にハッピーになるのです。
(※2:ここでは勝手にこう呼びますが、「愛情ホルモン」、「幸せホルモン」などと呼ばれるようです)

オキシトシンやお母さんと赤ちゃんの絆に関する過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
人と人をつなぐ微笑みと「信頼ホルモン」オキシトシン
南仏エズ番外編 + 「からだを包む泡」ペリパーソナルスペース


見知らぬ人の笑顔でも興味を示す
もう一つ興味深いことにご主人ではない見知らぬ人でも笑顔ならワンちゃんは興味を示します。ただしその見知らぬ人がご主人と同性の場合に限られたそうです。

初夏の陽射しと太鼓橋downsize
(初夏の陽射しと太鼓橋)
TV番組、イヌとヒトとの3万年の絆ものがたり
最近NHKのTV番組で「イヌと人 3万年の物語~絆が生んだ最強の友~」(2018年3月31日(土) 午後9時放映)と言うドキュメンタリーがありました。そこで日本人研究者の研究が紹介されていました。麻布大学の永澤美保(Miho Nagasawa)氏、菊水健史(Takefumi Kikusui)氏ら(獣医学部 動物応用科学科伴侶動物学研究室)の研究です。

超一流科学誌でも紹介の麻布大学のワンちゃん研究
また、Science誌(超一流科学誌です)にも麻布大学のイヌとヒトとの顔の表情によるコミュニケーションの研究が紹介されていました。また、この一連の研究は麻布大学のホームページでも紹介されています。

晩秋第2の閘門橋から運河を望むdownsize
(第2の閘門橋から晩秋の運河を望む)
ヒトの表情を見てるワンちゃんの脳の中をのぞくと・・
どのような脳の働きでワンちゃんはヒトの表情、それが表す感情を理解するのでしょうか?f-MRIは脳のどこが今働いているのか、をリアルタイムで調べることができます。このf-MRIの装置に、この研究に協力してくれるワンちゃんに入ってもらい色々な表情(=感情)ヒトの顔の写真を見せて脳のどこが活発に働いているのか調べました。

嗅覚に影響されないスマートな実験デザイン
ちなみに生身の人間ではなく写真というのもミソでしょうか?嗅覚に優れたワンちゃんが微妙な臭いの変化をヒントにする可能性を排除できるからです。

ワンちゃんの脳のコミュニケーションの部位が働いている
すると、ワンちゃんが幸せな表情(笑顔)(の写真)を見たときにだけ、1)言語、記憶、聴覚に関わる脳に場所、側頭皮質(temporal cortex)と2)学習と記憶に関わる脳の場所、尾状核(caudate)が活発になりました。コミュニケーションに働く(だろう)ワンちゃんの脳の場所(部位)が働いていたのです。

運河歩き5第3の水門観光船水位が増すdownsize
(サンマルタン運河の閘門に観光船が入ると水位が増してゆく)
お母さんと赤ちゃんは絆ホルモンで強く結ばれる
今回、出典著者の永澤氏、菊水氏らの研究で、イヌとヒトとの絆、関係性が、お母さんと子ども(母子間)の双方に共通する脳の「絆ホルモン」オキシトシンの働きと互いを見つめあうアイコンタクト、つまり「視線」が良循環で共に盛り上がってゆく(「ポジティブ・ループ」と言うそうです)ことが解ったそうです。

見つめない野生動物オオカミでは起こりません
ちなみにこの「ポジティブ・ループ」はイヌの先祖オオカミとヒトとでは見られなかったそうで、どうやらこれは進化の過程でイヌが(ヒトに寄り添うことで)特異的に獲得したと明らかになったそうです。

閘門と太鼓橋のそばには小公園downsize
(閘門と太鼓橋のそばにある小公園)
ワンちゃんと飼い主さん、30組のボランティアが実験協力
出典著者の永澤氏、菊水氏らは、一般家庭のワンちゃんとその飼い主さん30組に協力してもらいました。それぞれの組につき実験室内で飼い主さんは椅子に座り、ワンちゃんと30分間自由に過ごして交流してもらいました。

ご主人をよく見つめるワンちゃんの組はヒトもイヌも「絆ホルモン」オキシトシンが増えた
すると、行動の解析(ビデオ録画)から1)飼い主のヒトをよく見つめるイヌと、2)あまり見つめないイヌの2つのグループに分かれたそうです。
そして交流後に各組のイヌとヒトの尿中のオキシトシン量を測定しました。「よく見つめる」組はイヌもヒトも尿中のオキシトシンが増えていましたが、一方、「あまり見つめない」組ではイヌもヒトもオキシトシン量に変化はなかったそうです。


オオカミは見つめないし絆ホルモンも増えない
ところが、イヌの祖先、オオカミ(人に飼われている)で同じ実験を行ってみると、オオカミはそもそも飼い主をまったく見つめずオキシトシンも増えなかったそうです。

運河第2の閘門とRecollet小公園downsize
(運河第2の閘門とRecollet小公園)
ヒトとイヌは3万年来の最良の友
イヌはヒトの最良の友とも言われ、その共同生活は1万5千年から3万年前の昔に始まると言われます。

ヒトの心に近いのはワンちゃんの方、チンパン君よりも
最近の研究ではワンちゃんの方が、遺伝的にはヒトにより近いチンパン君よりも「心のあり方」ではむしろよりヒトに近いと分ってきつつあるそうで、麻布大学のこれらの研究もそのことを示しています。

新緑が眩しいサンマルタン運河downsize
(新緑が眩しいサンマルタン運河)
ストレスを乗り越え互いに寛容になったヒトとイヌとの共進化
ヒトとイヌの進化のそれぞれで「ストレス応答システムの突然変異」が起こり、結果、互いに相手に寛容な気質を醸成するようになったらしいのです。

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