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ランカスター家の不出来な長男リンカーンと働き者次男シャクルトン

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シャクルトンIWM横顔downsize
(シャクルトンの横顔:英ケンブリッジ郊外IWM博物館)
ランカスター家を継ぐ者
ばら戦争のランカスター家とヨークシャー家は英航空機メーカー、アブロ社の四発重爆ランカスターと派生型輸送機ヨークが名にちなむことで「和解」していますが、ランカスターの正統な後継機は誰でしょう?リンカーンって言うんですけど。
ヨークの過去記事はこれです↓
ヨーク白薔薇は赤薔薇ランカスターの栄光の影で地味に働く




ランカスター家の系譜
(「ランカスター家」の系譜:傑作デザインの使い回しか?)
この期に及んでこのデザインですか?
で、そのリンカーン、当初はランカスターMk IV、Mk V(後にリンカーンMk I、Mk II)と呼ばれたくらいランカスターのパワーアップ、拡大型でした。それにしてももはや戦後なのに、尾輪式それも固定脚、出窓のような枠の多い爆撃手席、遠隔操作じゃない砲塔(機首は遠隔砲塔でシャクルトンに引き継がれましたが)など、このアナクロなデザインはどうでしょう?
これもデザイン使い回し、ブレニム一家の過去記事です↓
「イギリスが一番」は遠い日の夢ブレニム一家の「風立ちぬ」

初飛行と就役マンチェスターを含む
(初飛行と就役時期の比較)
B17の後継者はB29、じゃランカスターの後継者は?
革新的重爆だったB-17の後継機はこれまた更に革新的な超重爆B-29だったのに比べて、RAF(英国空軍)三大傑作機、スピットファイア、モスキート、ランカスターの後継機はスパイトフル、ホーネット、リンカーンで、唯一、ホーネットだけが傑作機の栄光を継いだ者ですね。

最大速度
(最大速度比較:B-29の高速は群を抜く)
満を持してのB-29と傑作デザイン使いまわしのリンカーン
革新の重爆B-17を早くも1935年に実用化した米軍とボーイング社でしたが、後継機の登場に7年を要しました、1942年のB-29登場まで。そして与圧室、遠隔砲塔、2000馬力エンジン、高速、高高度、長大な航続力などB-29はすべてが桁外れ、4発重爆の革命でした。
一方、リンカーンは名機ランカスターの大型化&バージョンアップ、そのランカスターもマンチェスターの4発化、つまり、リンカーンは「マンチェスター改×改」の設計使い回し。そりゃ、差がつくわけです。

性能が違いすぎ
B-29とリンカーンの諸元は比べるのが心苦しいほどに違います(文末に諸元を載せています)。エンジン出力も、電子装備も大差はないのですが・・・。

エンジン馬力
(エンジン馬力比較:確かにパワーアップしている)
当初は対日戦タイガーフォース向けロング・レンジ版
・・のランカスターのアップデート・バージョンとして長大な航続力と高い作戦高度を実現するため高アスペクト比の主翼にパワーアップしたマーリン85系エンジンを組み合わせるコンセプトでした。

シャクルトンIWM正面downsize
(シャクルトンのユニークな正面:IWM博物館)
弱いものいじめ、マウマウ団爆撃
そんなリンカーンも活躍の場はありました、旧植民地の武装ゲリラ=独立闘争革命家への弱い者いじめ爆撃です。ケニアのマウマウの反乱とか、マレー半島の独立運動とかへの弾圧です。何かヤな印象です。私、Levalloisbeeがガキの頃、父が買ってくれた「少年ケニア」の話にマウマウ団爆撃のエピソードがあったことを思い出します。

武装
(武装比較:B-29は革命的だった)
RAFはワシントン(B-29)を借用
たまりかねたのか?RAFは戦後の戦略爆撃機としてB-29をワシントンとして借用します。ジェット時代に入り、傑作機キャンベラはモスキートの後継ですが、ランカスターの後継は結局1951年からの3Vボマー、バリアント、ビクター、バルカン配備まで待つことになりました。

シャクルトンIWM二重反転プロペラdownsize
(シャクルトンのチャームポイント、二重反転プロペラ:IWM博物館)
御仏蘭西も採用、ランカスターのマリタイム機
ところで引退重爆の主な再就職先にマリタイム機があります、ウェリントンGRとか。で、戦後RAFも再興中のお仏蘭西空軍もランカスターをマリタイム機として運用しました。搭載量が多く、航続距離が長く、信頼性も実績も高かったからでしょうね。
ウィンピーことウェリントンの過去記事です↓
余り物には珍発明を、「間抜けな漁師のウィンピー」大活躍、WellingtonGRMkVIII

搭載量
(搭載量の比較:いずれもグランドスラム10トン爆弾が積める、日独伊とはケタが違う)
じゃ、コンセプトを変えてみよう・・と、シャクルトン
そこで「不出来な」ランカスター家跡継ぎのリンカーンもマリタイム用途なら使えるかも?と開発された派生型がシャクルトンです。

航続距離
(航続距離比較:さすがリンカーンはコンセプト通り群を抜く)
長~く愛して、そっと愛して、日陰のコースタールコマンドで
コースタールコマンド(沿岸警備隊)の仕事はとても地味でず。しかし、マリタイム機の要件は派手ではないけど長時間飛行が可能な経済性、安定した飛行特性と高い信頼性、大きな搭載力と余裕があるスペースなど厳しいものです。
マリタイム機の過去記事です↓
海鳥、翼竜、マリタイム機に共通するものとは?
空飛ぶ船サンダーランド飛行艇の洞内巡り
空飛ぶネコか?いえカタリナは両生類


上昇限度
(上昇限度比較:これは運用要件の差でしょう)
30年現役、地味で長持ちも傑作機だよ、シャクルトン
結果、1951年の就役以来、シャクルトンはニムロッドに完全に替わる1972年まで、約20年間もマリタイム任務を務め、地味だけど傑作機になりました。更に、南アフリカ空軍では1953年から1984年まで30年間も現役マリタイム機でした。

近代化に追いつけ、シャクルトンの進化
その地味な成功の秘訣は、リンカーンをマリタイム機にするために、そのまま流用ではなくデザインし直したことのようです。戦略重爆からマリタイム機へ装備替え、また、アナクロなリンカーンをチューンアップ、アップデートしなきゃいけない。

切った貼ったの大改造でほぼ別機のシャクルトン
そもそもリンカーンの胴体取り換え版のシャクルトンですが、1)エンジンはグリフォン、2)尾輪式から首輪式へ、3)2重反転プロペラを採用、4)レドームをお腹に移す、5)砲塔は撤去、6)その代わり機首に長身の機関砲(浮上潜水制圧用か?)は残し取ってつけた銃主席を設ける、などなど・・。これらの新しいチャームポイントでシャクルトンはすっかりイメチェン。バカでかい電柱の碍子まで付いていてなかなか「蛇の目にキュート」な姿になりました。

3Vボマー、RAFは突然変異で未来を目指す
ところでRAFボマーコマンドでは、ジェット軽爆はベストセラー傑作機キャンベラがありましたが、戦略重爆撃機はアナクロなリンカーンからひとっ飛びに画期的デザインの3Vボマー(デルタ翼のバルカン、三日月翼のビクター、フツウの後退翼のバリアント)に更新されちゃいました。
3Vボマーもさすが、唐突にモスキートやハリアーが突然変異で生まれる英国らしくユニークすぎます。

ハサミと凡作機は使いよう・・・
ま、RAFでは複葉雷撃機ソードフィッシュとジェット戦闘機ミーティアが同時に現役だったくらいですから、使えりゃ何でもアリかも?ランカスター→リンカーン→シャクルトンの流れは、いかにもRAFらしいのかも知れませんね。結構悪口を書きましたが、はい、シャクルトンは結構好き♡です。

3機種の仕様
Avro Lincoln I 仕様

乗員:7、または8名、全長:23.9 m、全幅:37 m、全高:5.3 m、翼面積:132.0 平方m
最大離陸重量(Max takeoff weight):37,195 kg
エンジン: Rolls-Royce Merlin 85 (またはPackard-Merlin 68 V-12)液冷1,750 馬力×4発
最大速度: 時速500 km (高度5,600 m)
航続距離:7,160 km (高度4,600 m、爆弾1,400 kg、時速320 km)(4,500 km (爆弾6,400 kg))
上昇限度:高度9,300 m
翼面荷重:257.6 kg/平方m
馬力荷重:7.4 kg/kW
武装:12.70 mm機銃×4丁(機首、尾部砲塔)、20 mm機関砲×2門(背部砲塔)、爆弾6,400 kg またはGrand Slam10,000 kg爆弾1発

Avro Shackleton 仕様
乗員:10名、全長:26.6 m、全幅:37 m、全高:5.3 m、翼面積:132.0 平方m
最大離陸重(Max takeoff weight):39,009 kg
エンジン:Rolls-Royce Griffon 57 V-12 液冷1,960 馬力×4発(二重反転6枚プロペラ)
最大速度:時速480 km
航続距離:3,610 km、航続時間:14時間 36 分
上昇限度:高度6,200 m
翼面荷重:300 kg/平方m
馬力荷重(逆数):0.150 kW/kg
武装:20 mm 機関砲×2門(機首)、搭載量4,536 kg (爆弾、魚雷、機雷、爆雷)

B-29仕様
乗員:11名、全長:30.2 m、全幅:43.1 m、全高:8.5 m、翼面積:161.3平方 m、アスペクト比:11.5
最大離陸重量(Max takeoff weight):60,555 kg
エンジン:Wright R-3350-23 Duplex-Cyclone 2,200 馬力 (ターボスーパーチャージャー付)×4発
最大速度:時速575 km
航続距離:5,230 km
上昇限度:高度9,710 m
翼面荷重:337.5 kg/平方m
馬力荷重(逆数): 0.120 kW/kg
武装:12.7 mm機銃×8~10丁(遠隔動力砲塔) 、12.7 mm機銃×2丁、または20 mm機関砲×1門(尾部)、爆弾(最大)9,100 kg、またはGrand Slam10,000 kg爆弾1発

出典:ウィキペディア記事「アブロ・リンカーン」「アブロ・シャクルトン」「アブロ・ランカスター」「アブロ・マンチェスター」「ボーイングB-29」「ボーイングB-17」など、また、他に色々とウェブサーチしました。

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ダブルソース和えでおいしくなるツナトマトパスタ

ダブルソース和えでおいしくなるツナトマトパスタ
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ツナトマトパスタdownsize
(ダブルソースのツナトマトパスタです)
定番パスタをダブルソースにしてみたら・・
ツナパスタは定番、トマトソースバージョンもポピュラーですね。これを「ツナオリーブ油ソース」と「トマトソース」のダブル和えにしてみたら、アララ!おいしいのですよ。




ツナトマトパスタの材料ですdownsize
(ツナトマトパスタの材料です)
ありきたりの材料です
材料はコンビニ、スーパーで買える高価でもないフツウの食材です。ぜひ試してみてください。

まずトマトソースを作るdownsize
(まずトマトソースを作る)
ダブルソース二段和えがみそかも?ツナとトマトの風味が立つ
なぜおいしくなったんだろう?→ダブルソースの二段和えじゃないのか?以下邪推ですが、・・・
まず1)ツナオリーブ油ソース+パスタで最初のエマルジョンでパスタがコーティングされ、次いで2)トマトソースと和えるとトマト風味とツナ風味を包み込んだまろやかで舌ざわりがいい木目細かなエマルジョンになっているんじゃないのかな?どうでしょう?

料理のエマルジョン効果の過去記事です↓
ソースのミソは水と油が仲良しのエマルジョンかも

パスタのオリジナルレシピの過去記事です↓
タコとトマトのパスタはタコの出汁が美味い
甲イカの食感とベーコンの風味をコクのあるソースで味わうパスタ
春を呼ぶ菜の花とアサリのシーフードパスタ
アンチョビとキャベツのパスタひとひねりに何を加える
かしこ過ぎるタコのヒミツは遺伝子DNAにあり おいしいタコのパスタ
定番を一ひねりで一味違う美味しさの『炒めナスのトマトソースパスタ』
“お・も・い・つ・き” リサイクル・パスタ、タコと生ハムのペペロンティーノ
イカげそのうま味で味わうシーフードトマトパスタ


材料です
じゃ、レシピ、まずは材料ですが、2種のソースに分けています。

トマトソース
ごくフツウのレシピですが、ワインやベイリーフなどは加えずシンプルにしています。

トマトソースの材料
(約3人前:約2/3量を使う)
トマト缶(ホール)1個
ブロックベーコン 約2㎝角 拍子切り
にんにく 1/2欠け みじん切り
玉ねぎ(中)1/3個 みじん切り
固形コンソメ 1個 細かく刻んでおく
オリーブ油 大さじ1.5
海塩 適量

トマトソースの作り方
1. 鍋にオリーブ油にんにくベーコンを入れ香り立つまで弱火で炒めます。
2. 玉ねぎを加え中火でやや透明になるまで炒めます。
3. トマト缶、固形コンソメを入れ中火で少し煮ます。
4. 塩で味を調えます。

ツナと具材を炒めるdownsize
(ツナと具材を炒める)
ツナオリーブ油ソースとパスタ
(1回分、2人前)
ツナオリーブ油ソースの材料
ツナ缶 1個、漬け油も使います。
ロースハム(スライス)4枚 細かい短冊切りにしておきます。
オリーブの実(漬けたもの)数個 半分にカットしておきます。
オリーブ油 大さじ1.5
パスタ1.6㎜ 210g

ツナオリーブソースとパスタを和えるdownsize
(ツナオリーブソースとパスタを和える)
ツナオリーブ油パスタの作り方
1. オリーブ油を敷いたフライパンに具材の材料をすべて入れ、中火で泡立つまでさっと混ぜ合わせておきます。
2. パスタを規定通りにゆがきます。
3. パスタ全量をフライパンに入れてよく混ぜ和えます。少しなじませます。

トマトソースを重ねて和えるdownsize
(トマトソースを重ねて和える)
2つのソースを合わせる
ツナオリーブ油ソースのパスタにトマトソースを適量(約2/3量)加えて和えます。再度少しなじませてから器に盛り、いただきます。

ツナトマトパスタの完成ですdownsize
(ツナトマトパスタの完成です)
冷めてもおいしい
そしてこのパスタ冷めても、と言うか、少し時間をおいた方が更においしいですよ。

トマトソースの保存
このレシピ(材料比率)ではトマトソースが余りますが、残ったトマトソースははフリーザー保存すれば再度使えます。

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酵母の毒に病みつきになった生きもの、ヒト+パリのカフェ

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~ 酵素のおかげ、♪酒が飲める、酒が飲める、酒が飲めるゾ♪ ~

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酵母の化学兵器はヒトの至福になった
(酵母の化学兵器はヒトの至福になった)
最近出会った素敵な数冊の本の1つ
ここしばらく面白い単行本いくつかに出会いました。その1つからのサイエンス小ネタです。洒落た原題 ”Dinner with Darwin” です。




赤が粋なアクセントのカフェ(サントノレ)REVdownsize
(赤が粋なアクセントのカフェ(サントノレ))
至福の時、パリのカフェ
酒酵母のサイエンス小ネタにつき、パリのカフェのフォトを添えます(使いまわしですが)。
パリのカフェの過去記事です↓
日々の暮らしとカフェ、旅で出会うカフェ、パリのカフェ話しを再び・・・
心が背伸びするいつものカフェ - カフェ話再びその2
カフェは街角の薫りと空気を醸す空間-カフェ話再びその3
芳醇な一杯が飲めなくなるかも?コーヒーの危機+パリのカフェふたたび


噴水が借景のサンジェルマンSt Germainのカフェdownsize
(噴水が借景のサンジェルマン(St Germain)のカフェ)
そもそもは酵母による飲み水のアルコール消毒
ヒトが愛するアルコール飲料のそもそもの用途は「飲んで安全な水」であったようです。アルコール飲料は“化学的”にはエチルアルコール(エタノール)水溶液なわけですが、これは当初は「消毒済みの水」であったようです。

ワインやビールは安全な飲料水だった
私たちヒトの最初のアルコール飲料はビールだった、とか、ワインの醸造の歴史はとても古いとか、聞きますし、世界各地に古くからそれぞれの「地酒」があります。当初それらは「酔っぱらう」ためではなく、病原菌うじゃうじゃの水を殺菌された「安全な飲み水」にするためだったようです。
ワインの話題の過去記事です↓
ワインの涙とミズスマシのおいしい研究 フランスの水辺再び

静かに時が過ぎる午後のカフェ(サンジェルマン大通り)REVdownsize
(静かに時が過ぎる午後のカフェ(サンジェルマン大通り))
エタノールは毒です!たいていの生きものにとって
なぜか?酒酵母サッカロミセスが環境に放出する廃棄物、エタノール(エチルアルコール)はたいていの生きもの、特に微生物にとっては“毒”です。

最後に酵母が勝つ発酵戦争
酒酵母サッカロミセスは、普通の微生物がエサの糖を燃やして(酸化して)二酸化炭素にしてしまうところを、途中、エチルアルコールで止めてしまいます(当然得られるエネルギーは少ない)。エチルアルコール(エタノール)はたいていの微生物にとって「毒」なので、酵母サッカロミセスはエタノールを放出してライバルの微生物を「殺菌」し一掃します。エタノールは言わば「化学兵器」です。

ゆきつけのご近所カフェLe Narvalナルヴァルの名前は海獣イッカクのことdownsize
(ゆきつけのご近所カフェLe Narvalナルヴァルの名前は海獣イッカクのこと)
化学兵器だけど食べられるかも?
酵母は原料の糖から(いくつか工程を経た後)アルコール脱水素酵素(ADH1)でエタノールを作り出します。でも食糧(糖)を化学兵器エタノールに使うのはもったいない。実はエタノールは高カロリーで食べ物にもなります。酵母はもう一つのアルコール脱水素酵素ADH2により(用済みの、余剰の)エタノールを燃やして(酸化して)エネルギー(プロトン)を得ます。(ADH: Alcohol dehydrogenase)
生きてる証しプロトンポンプの過去記事です↓
生きているってなぁんーだ、はい、プロトンポンプです+晩秋のサザンカ

酵素ADHは正逆両方の化学反応を起こす
え?そう。エタノールをADHで燃やすのは逆方向の生化学反応で酵素反応の平衡点がずれているだけです。酵素は生化学反応の触媒で基質(原料)と生成物(製品)を特定の平衡状態(特定の濃度比率)に収斂するよう働くからです(同じ酵素でも種類によりこの平衡点が異なります)。

Montaigne大通りのカフェ粋なイラストdownsize
(Montaigne大通りのカフェ粋なイラスト)
果実が熟れるとフルーツカクテルになる
まだ青い実は、トリが食べないようにしばしば毒が仕込まれていますが、やがて種子の準備ができると実は赤や黄色になり色と香りでトリやサルを誘って食べてもらい、種子は糞の肥料パッケージ付きで遠くで発芽します。でも食べ残された実は熟れて落ち、微生物が分解し(腐る)、種子はその場で発芽します。この途中で酵母が働くため落ちて熟れた実はエタノール入りのフルーツカクテルになります。

蝶も飛べなくなり、サルも木から落ちたかも?
地面に落ちて熟れている果物の果汁をチョウが吸うと酔っぱらって飛べなくなる動画を見たことがあります。私たち、ヒトのご先祖様の霊長類、おサルさんも熟れたエタノール入り果実を食べて“木から落ちた”かも?
ハエもワイン好きの過去記事です↓
パリでは虫もワイン好き、蝿取りカクテルレシピ

サンジェルマンSt Germainのカフェdownsize
(サンジェルマンSt Germainのカフェ)
果物フリークだった遠いご先祖様
もともと森で暮らしていた霊長類の遠いご先祖様にとって果物は大好きな、そして大事な食糧でした。果物の熟れごろを見定めるために2原色から3原色(不出来だけど)に戻したくらいですから。カフェでフルーツパフェが人気なのも遠い遺伝かも?

森を追われ腐った果物を拾い食いしたご先祖
しかし、数100万年前頃、気候変動で祖先の地アフリカは乾燥化しジャングルからサバンナに姿を変えました。私たちのご先祖様(ヒト亜属)はチンパン、ゴリちゃんたちと袂を分かち草原に出ました、肉食獣に怯えながら慣れない二足歩行で。草原に落ちている果物はたいてい熟れすぎて(=アルコール発酵が進んでいて)、「食べると酔っ払う」シロモノだったようです。

エタノールの解毒は死活問題
エタノールは、酵母以外の生きものにとって毒です。これは死活問題!そこでご先祖様は新しいアルコール脱水素酵素ADH4 を獲得しました(進化した)。

木漏れ日の影がゆれるアナトールフランスのカフェdownsize
(木漏れ日の影がゆれるアナトールフランスのカフェ)
酒を友にしたヒトの進化
こうしてヒトはADH4を使って酵母の化学兵器、エタノールを解毒する(無毒化する)ことが出来るようになりました。しかし、ADH4は肝臓のアルコール濃度が高くならないと働きません。で、どうなったか?ヒトは毒物の殺菌剤、エタノールが脳に働くことでハイになる楽しみを得たようです。

ピラミッドを造った酒
四大文明発祥の地、エジプト古代文明ではピラミッド建設が大切な公共事業だったようです。多くの労働者への報酬には、パンなどに加えビールがあったそうです。「酒の力を借りた」のですね。

出アフリカ後、ローカル色が現れた
数万年前(5~7万年前)、生まれ故郷アフリカを出て世界に広がっていった(出アフリカ)私たち、ヒトはやがてそれぞれの地に適応して少しずつローカルな特徴(遺伝的な変異)を持つようになりました、薄い肌色、一重まぶた、乳糖耐性など。

その後アジアの人々は酒に弱くなった?
一般に私たち日本人は欧米人に比べ酒に強くないと言われます。アルコール(エタノール)を代謝する酵素ADHもアジアの人々にはADH1Bというタイプが多くなりました。ADH1Bは低いエタノール濃度でも働くので、少し酒を飲んだだけで悪酔いの素、アセトアルデヒドが出来て(それ以上飲めない)、酒に弱いらしいのです。

酒が飲める稀有な動物、ヒト
ほとんどの動物や微生物にとって「毒」であるエタノールですが、ヒト(と一部霊長類)はエタノールを飲み物に出来る珍しい生きもののようです。だからワンちゃんやニャンちゃんにはお酒を勧めてはいけません。

アルコール消毒はたいていの病原体に有効です
ちなみに、新型コロナウイルス肺炎が大変なことになっていますが、有効な予防法の1つにアルコール消毒があります。

が、お酒を飲んでも予防にはなりません
アルコール消毒はRNAウイルスの“上着”、エンベロープ(envelope)タンパク質を変性させる作用で、酵母のエタノール毒攻撃とは有効濃度も違い、その働きが違います、多分。なのでお酒を飲んでも予防にはなりません。でも飲むけどネ。
出典の本 美味しい進化downsize
(出典の本:「美味しい進化」)

出典:「美味しい進化; 食べ物と人類はどう進化してきたか」 “Dinner with Darwin; Food, Drink, and Evolution” 2017年、Jonathan Silvertown氏著、熊井ひろ美氏訳 (2019年、㈱インターシフト)

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コウモリが葉に隠れた餌を見つける超音波の秘術+プロペラ夜戦たち

コウモリが葉に隠れた餌を見つける超音波の秘術
+プロペラ夜戦たち
~ まるでコウモリ版SLAR(サイドルッキングレーダー) ~

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コウモリのSLAR
(コウモリのSLAR)
葉っぱを鏡にして餌を見つけるコウモリSLAR
コウモリ(一部の)は葉っぱや水面を鏡代わりにして止まっている餌でも見つけて捕えるそうで、その秘術(テク)はヒコーキが地上目標を捉えるSLAR(側方監視レーダー)みたいです。
コウモリの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ハエもコウモリも空戦機動で天井に着地する+パリ郊外エアショーの複葉機たち
蛾はひらひら翅をデコイ(囮)にしてコウモリをかわす+DH.タイガーモスとモスキート
コウモリってスゴイんだかドジなんだかでもベストセラー動物 +パリの夜





黒衣のデファイアントNFII downsize
(黒衣のデファイアントNFII夜戦;ロンドンRAF博物館)
暗闇の狩人、レーダー夜戦
暗闇の狩りつながりでレーダーの目で敵機を追ったプロペラ夜戦、ボーファイター、デファイアント、Bf110 ,Ju88などのフォトを少し添えています(なぜモスキート夜戦じゃないの?って、だって博物館で会ってないもん)。
ボーファイターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
Beauよ君はホントに戦闘機か 後編 いえ空のインディ・ジョーンズ
Beauよ君はホントに戦闘機か 前編 なんせ間に合わせなもんで


レーダーを無力化するグラウンドクラッター
ちょっと前までの航空機攻撃に低空侵入と言う戦術がありました、モスキートやバッカニアが有名ですね。なぜ低空侵入なのか?レーダー、特に、その運用初期では、地上や海面などからのレーダー波反射の背景雑音、所謂、グラウンドクラッターが目標を隠すため侵入機を発見出来なかったからだそうです。

夜のカマキリかレーダー装備のBf110downsize
(夜のカマキリか、レーダー装備のBf110G型?;RAF博物館)
超音波レーダーで餌を捕えるコウモリ
コウモリが暗闇を飛び回って空中の餌を捕えられるのは、レーダーのように超音波を照射し障害物や餌からの反射を感知することで「見ている」からです。

止まっている餌は背景のノイズに隠れる
でももし、餌の虫が樹や草の葉などに止まっていたら?樹木や草花からの超音波反射の背景ノイズに隠れてしまうのではないか(グラウンドクラッターのように)?と考えられていました。

ノイズに隠れた餌を見つけるコウモリの秘術
しかし、コミミナガヘラコウモリ(Micronycteris microtis)など、いく種かのコウモリは止まっている餌でもうまく見つけて捕えます。でもどうやって?長らくナゾだったそうです。

F7Fタイガーキャット
(F7Fタイガーキャット、朝鮮戦争では夜戦で活躍;ケンブリッジ郊外のIWM博物館)
モデル実験をやってみたら
そこで出典著者のInga Geipel氏らは、コウモリは斜めから超音波照射してるんじゃないか?と予測しモデル実験で斜め照射の最適角度(60度)を割り出しました。

マイクと3Dカメラでコウモリを追うと・・
次に出典著者のGeipel氏らは、実際にコミミナガヘラコウモリが暗闇の中で葉の上の餌を超音波で見つける飛行を3Dカメラで追い、超音波照射を高性能マイクで記録しました。

デファイアントとフィギュアーたちdownsize
(デファイアントとRAF博物館名物1/1フィギュアーたち、動力砲座がチャームポイント)
斜め最適角度で葉の上の餌を浮かび上がらせる
するとコウモリは、モデル実験で得られた最適な照射角度と同じ角度(60度)の斜めから超音波を照射して葉に止まった餌を見つけました。

グラウンドクラッターを避ける
この最適角度の超音波照射なら、1)平らな葉っぱから反射は来ない(暗く見える)、2)葉っぱの上の凸凹である餌の虫からのみ反射が返る(暗闇に白く浮かび上がる)ので“グラウンドクラッター”を避けて餌を浮かび上がらせ捉えるわけです。

葉を反射板にして餌を見つける秘術
更にコウモリは葉っぱを反射板にして、つまり鏡のように使って餌の姿をよりはっきり「見る」ことが出来るようです。

水面ならきれいな鏡になる
水面に止まっている餌なら水面はよりきれいな鏡になりますから、餌は更に鮮やかに浮かび上がるはずです。

夜戦型Ju88R型downsize
(夜戦型Ju88R型;RAF博物館、不鮮明な写真ですみません)
ガラス窓が見えないコウモリが激突!
バードストライクならぬバットストライクが問題になっています。高層ビルのガラス窓に夜間コウモリが激突してしまうのです。

人工物では超音波ハイテクが裏目に・・・
え、超音波なら夜でも見えるはずじゃないの?いえ、垂直で真っ平な構造は自然界にはありません。コウモリの超音波照射では(真っ正面でもない限り)ガラス窓から反射が帰ってこない=「何もない」のでコウモリはそのまま突っ込んでしまうからです。進化が産んだコウモリのハイテクも人工的な環境では裏目に出てしまうようです。

コウモリ版のSLAR(サイドルッキングレーダー)
サイドルッキングレーダー、SLAR (side looking airborne radar、側方監視レーダー)は地表に向かって斜め長軸方向に指向性の高いレーダー波(電磁波)を照射、スキャンして地形の凹凸や車両(これも凹凸)などを捉えますが、コウモリが斜めからの超音波で餌をあぶりだすテクはまさにコウモリ版SLARですね。
生き物は最新鋭軍用機のハイテクもとっくの昔から使っていたわけで生き物ってスゴイですね。


出典:”Bats Actively Use Leaves as Specular Reflectors to Detect Acoustically Camouflaged Prey” Inga Geipel et al. Current Biology Volume 29, Issue 16, 19 August 2019, Pages 2731-2736 DOI:https://doi.org/10.1016/j.cub.2019
出典:日経サイエンス2020年2月号NEWS SCAN P.25「コウモリの巧みな音響探知戦略」
出典:weblio記事「SLAR」 https://www.weblio.jp/content/SLAR


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氷河の盛衰を無言で語るザトウムシ+フランスアルプスの街ヴァルトランス

氷河の盛衰を無言で語るザトウムシ
+フランスアルプスの街ヴァルトランス

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LGM最前線を示すザトウムシREV
(LGM最前線を示すザトウムシ)
洞窟に棲む虫の分布で氷河の消長が分かる
洞窟に棲む生き物の生息地をたどると前進と後退を繰り返してきた氷河の消長が分かるのだそうです。出典著者のStefano Mammola氏らはアルプスの洞窟に棲むザトウムシの分布が氷河の最前線(氷河先端部)を示していることを明らかにしました。




ザトウムシは後退する氷河を追って前進した
(ザトウムシは後退する氷河を追って前進した)
冷涼な環境が好きな穴居性の虫
洞窟は冷涼で温湿度など環境条件が季節や年次を経てもあまり変わりません。そして洞窟に棲む穴居性の生き物はこのような変動の少ない環境条件を好む生き物です。
氷河や気候と生き物の関わりの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
雲を作って地球を冷やす小っちゃな藻Eハックスレイ南ブルターニュベルイル
絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー
豊かな日本の自然を育む日本海は気候変動のカナリアです(+サイパン、ハワイの海辺)
気孔に気候の話を聞こう:葉っぱものがたりその3
1つのキノコが地球の歴史を変えた+北仏ノルマンディー再び
氷河が作ったアヌシー湖と氷河期を見つけたアガシ第2章アヌシー湖とルイアガシ


出典掲載のザトウムシ
(出典掲載のザトウムシ; 小さな胴体に長~い脚が8本)
アルプス氷河の足跡を教えるザトウムシ
アルプスの洞窟に棲むザトウムシと言う虫(節足動物)の分布がアルプス氷河の最前線(氷河先端部)の前進と後退を反映しているらしいのだそうです。

アルプス氷河の最大版図は長靴に迫る
現在(完新世)は氷河時代の間氷期ですが、一つ前の最後の氷期も終わりごろの約2万2千年前に地球上の氷河は最も発達しました。LGM (Last Glacial Maximum、最終氷期最盛期)と呼ばれます。LGMにはヨーロッパ大陸も広く氷河に覆われアルプスの氷河もイタリア半島に迫るほどの最大になっていました。

360度パノラマのようなアルプスの峰々downsize
(360度パノラマのようなアルプスの峰々:フランス・アルプスのスキー場ヴァルトランス)
アルプス氷河を滑った、昔々に
氷河つながりで昔々フランス・アルプス氷河を滑ったときのフォトを添えています。腰と背骨を傷めている今では到底ムリですけど。
フランス・アルプスの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
標高差1000mを滑るアルプスの空は青が深いヴァルトランス

空の青を背景にゴンドラの白が眩しいdownsize
(空の青を背景にゴンドラの白が眩しい)
クモもどきのあしながオジサン、ザトウムシ
長く細い脚にちょこんと乗ってるうずら豆みたいな胴体、とクモそっくりだけどクモじゃない別の一派、鋏角亜門、クモガタ綱のザトウムシ目(Opiliones)にザトウムシという節足動物(昆虫やエビ、カニの仲間)がいます。日本語ではその動きから“座頭市”なら座頭虫、英語ではその姿から、英国でHarvestman(刈り入れ人)、米国でDaddy Longlegs(あしながオジサン)と呼ばれます。雑食性だそうです。

冷涼な洞窟が好きな変わったザトウムシ
今回の主役、アゴザトウムシ科(Ischyropsalidae)のIschyropsalis属のザトウムシ(の一部)は1㎝足らずで冷涼な環境を好みます。だから一部のザトウムシはピレネー山脈、アルプス山脈、バルカン山地の氷河の先端の洞窟に棲みます。年間を通して涼しく気温変化が少ないからです。一方、温暖な気候は苦手で、結果、ザトウムシは氷河の最前線に沿って分布します。

ヴァルトランスの素朴な木造りの家並みdownsize
(ヴァルトランスの素朴な木造りの家並み)
ザトウムシの生息地が氷河の版図
つまりこのIschyropsalis属のザトウムシが棲む洞窟を結ぶラインが氷河の広がりの先端、フロントラインに一致するのだそうです。

でもなぜ“過去の氷河最前線”まで分かるのでしょう?
“現在のザトウムシ”の分布が“現在の氷河”の最前線を示すのは納得ですが、その分布が“過去の氷河”の最前線を教えてくれる理由は?ザトウムシは温暖な環境が苦手なはずでは?

雲が沸く稜線を滑るREVdownsize
(雲が沸く稜線を滑る)
空調条件にウルサイ虫もゆっくり慣れれば・・・
専門家のMammola氏は、1)限局された環境(冷涼な洞窟)にしか棲めない生物種でも環境変化(気温上昇)がゆっくりなら適応して生き残ること、と・・・

なんせ出不精なので
更には、2)ザトウムシは「出不精」で何代も同じ洞窟に棲む(洞窟環境に隔離されてしまう)、と言う生態に依るのだろうと説明しています。

山のホテルと白銀の峰downsize
(山のホテル越しにアルプスの白銀の峰)
生き物の老舗です、ザトウムシは
ザトウムシ類(ザトウムシ目)の最古の化石は4億1千万年前のデボン紀のものだそうです。だから、氷河の歴史は「ごく最近の思い出」なのかも?ザトウムシにとっては・・。

生き物に聞く気候変動
それぞれの動植物が棲むに適した気候条件はそれぞれ違います。現生種であれ化石種であれ、その分布域は現在の、あるいは過去の気候を反映します。どんな生き物がどこに棲むか、棲んでいたか、を調べれば気候変動が分かります。生き物は環境の鏡なんですね。

出典:”Tracking the Ice: Subterranean Harvestmen Distribution Matches Ancient Glacier Margins” Stefano Mammola et al. Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research, vol. 57, January 17, 2019
出典:”Cave Arachnids’ Modern Range Matches Ancient Glacier Outline” Joshua Rapp Learn Scientific American vol 322, No 1, 20 (January 2020) doi:10.1038/scientificamerican0120-20a
出典:「ザトウムシが明かす古代の氷河」 日経サイエンス2020年3月号21頁
出典:ウィキペディア記事 「ザトウムシ」、“Ischyropsalis


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デザートマローダーは蛇の目を纏って地味に地中海を征く

デザートマローダーは蛇の目を纏って地味に地中海を征く
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南アフリカ空軍第21中隊マローダー III
(南アフリカ空軍第21中隊マローダー III)

一番蛇の目っぽくない?レンドリース機
・・て、なんでしょう?P-38ライトニング?でも使った(就役した)中では?・・B-26ことマローダーじゃないんでしょうか?レンドリース法は米国が連合国に武器弾薬などを貸してあげる米国の法律でした。
レンドリース関係のヒコーキ過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
美しい名機を生んだノースアメリカンのベンチャー戦略;レンドリースの翼たちその2




たくさんもらっても使ったのは2飛行隊
千機単位のレンドリース、ダコタやハーバードほどではなくても、カタリナやボストン並みのの百機単位の供与を受けているのに、実戦で使ったにはたったの2飛行隊(スコードロン)でした、B-26マローダーは。(英国空軍(RAF)では第14、第39中隊のみですが、南アフリカ空軍(RSAAF)は第12、第24、第21、第30、第25中隊でマローダーのウィング(航空団)を編成しています。)

RAFマローダーは砂漠を西へ西へ
(RAFマローダーは砂漠を西へ西へ)
砂漠の旅がらす、さすらいの第14中隊
マローダーを唯一ちゃんと使ったRAFの飛行隊は第14中隊(Squadron)。1942年8月の北アフリカ戦線、14中隊は1940年以来のブレニムをやっと手放し“高速機“マローダーIに機種転換(実はその前1か月ほどバルチモアだったのですが)しました。そして第14中隊は砂漠を西へ、西へ転戦してゆきます。

エジプトからリビアへ
まずはエジプトのスエズ運河にある人口湖、グレートビター湖畔Fayid基地を皮切りに、次いでリビア地中海沿岸のガンブート(Gambut)基地へ。

天下分け目を経て西へ、西へ
天下分け目のエル・アラメイン戦後の1943年3月にはまた西へ、アルジェリアの海岸沿いのバラの街ブリダ(Blida)へ、更に西の地中海沿岸、チュニジアのBoneまで。14中隊のマローダーIは北アフリカの地中海沿岸を西へ西へと独伊軍を追ってゆきました。

B-26G.jpg
(B-26G、パワフルな感じです)
ま、ブレニムよりは新しいっぽいので・・・
RAFと英連邦軍がマローダーを使った戦線は北アフリカ、イタリア、バルカンなどのside show こと二次戦線。でも慢性的にヒコーキ不足だった北アフリカ戦線では、「ブレニムより新しいぽいから ま、いいか」、と実戦配備されたようです、マローダーは。
ブレニム一家の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
「イギリスが一番」は遠い日の夢 ブレニム一家の「風立ちぬ」

通商破壊“戦闘機”?に偵察、雷撃。え?戦術爆撃じゃないの?
あとひょっとしたら機雷敷設とか・・・。そうなんです、RAFのマローダー(第14中隊)の北アフリカ戦線の“お仕事”は。中でもユニークなのは、爆撃機の分際でイタリア本土から北アフリカに物資を空輸する輸送機を攻撃するという「通商破壊戦闘機」任務です。好きですね~007の国は、こういうのが。
戦闘重爆撃機を目指した重爆ハムデンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
空飛ぶフライパンと金魚の空似 「戦闘重爆撃機」ハムデンって知ってますか?

魚雷は外付け、マローダー
雷撃機マローダーの魚雷は外付けでした、ボーフォートなどと違って。いかにも現地改造やっつけ的な・・・。それでもちゃんと艦船撃沈の戦果を挙げています。ボー(ボーファイター)ほどじゃないけど・
ボーファイターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます。
Beauよ君はホントに戦闘機か 前編 なんせ間に合わせなもんで
Beauよ君はホントに戦闘機か 後編 いえ空のインディ・ジョーンズ


南アフリカ空軍マローダーはバルカンへイタリアへ
最新鋭機をもらえず、いつも第二線機、二流機、中古機ばかりで我慢した南アフリカ空軍、自由フランス空軍は大事にB-26マローダーを爆撃機として使いました。ま、舞台がside showのバルカンとか、イタリアでしたけど。

自由フランス空軍のマローダー
(自由フランス空軍のマローダー、機首にロレーヌクロス)
4か国(5政権)の旗の下、戦場を飛んだ3種のマーチン機
少し広い目で見ると、メリーランド、バルチモア、マローダーのマーチン社製機3兄弟は第二次大戦の欧州、北アフリカ戦線で米英仏伊、4か国のマークを付けて飛んでいました。フランスなぞヴィシー政権と自由フランス軍の両方で。マーチン社大繁盛ですね。

マーチン167、ことメリーランドの後継機
英国ではメリーランドですが、御仏蘭西ではLe Martin 167(ル・マルタン?)のマーチン167の後継機は1)完全に英国向けのバルチモアと、2)本命の自国米軍向けのマローダー。そのせいか、RAF(英空軍)はマローダーには冷たかったようです。

メリーランドの後継者マローダーとバルチモア
本家米軍ではともかくも、「蛇の目」の世界ではマローダーとバルチモアでは重用のされ方が雲泥の差だったようです。ま、RAFの評価も分からないではない、非武装高速機モスキートとお手頃感のバルチモアがあるのに、なんで気難しいマローダー使うか?って。

「高速爆撃機」ってホントか?
でもそもそも、ホントにマローダーって「高速爆撃機」だったんでしょうか?下表を見てください。
マーチン機性能比較
(マーチン機とライバルの性能比較)

2000馬力エンジンなのに・・
実は、マローダーの心臓は当時最先端ハイテク、P&Wダブルワスプ2000馬力エンジンです。ヘルキャット、コルセアなどと同じ。だからライバルの1700馬力サイクロンのB-25とはパフォーマンス(性能)で引き離すはずが、実はあんまり差がないかも?同僚バルチモアにはなんと速度で負けてるし。
ライバルB-25の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
地味で便利なB25ミッチェル;レンドリースの翼たち その1

ウェリントンに交替させられたマローダーって・・
さて一旦ムスタング Iに機種替えした件の第14中隊はノルマンディー上陸の1944年6月再びマローダーII/ IIIを受領します。ところが同じ年の11月にはウェリントン GRXIVに機種替え。こともあろうにウェリントンですよ!

100km近く遅いヒコーキに取替え
RAFで2番目のマローダー装備の飛行隊第39中隊も地中海から英本土にマリタイム任務で呼び戻されたとき、同じくウェリントンに機種替えされてしまいまた。時速で100km近く遅いヒコーキ、ウェリントンに時代が戻って隊員たちはうれしかったんだろうか?
ウェリントンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
余り物には珍発明を間抜けな漁師のウィンピー大活躍Wellington GR Mk VIII

ムダに長い記事ですが、ご興味のあるキトクな方は「続きを読む」をクリックください。

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翅をひらめかせてヒミツの恋文を送る夜の蛾+ベルギー、ブリュッセル

翅をひらめかせてヒミツの恋文を送る夜の蛾
+ベルギー、ブリュッセル

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羽ばたくと見える斑点は恋のシグナルdownsize
(羽ばたくと見える斑点は恋のシグナル)
昼寝中に喰われないために
ガ(蛾)、中でも夜行性のガは明るい昼間は樹皮などにとまって休みます。その時、トリなどの天敵に見つからないよう翅は保護色の地味な色模様になっています。




雨上がり夜のブリュッセルdownsize
(雨上がり、灯がきらめく夜のブリュッセル)
でも雌にはアピールしたい
今回の主役、夜行性のガのEudocima materna (Noctuidae).は天敵には見えないけど、雌だけに見えるヒミツの信号を操ります。

動物たちの『ヒミツの恋のから騒ぎ』の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)

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見る角度で浮かび上がる恋の斑点模様
ガのEudocima materna (Noctuidae).の前翅は正面から(上から)見ると模様もない地味な灰色ですが、20-30度以上の斜めの方向から見ると、あらフシギ、くっきりと3つの黒い斑点が現れます。でもこれ雄だけです。どうやら恋に役立つらしい。

路地奥でブリュッセルの夜は深く更けてゆくdownsize
(路地奥でブリュッセルの夜は深く更けてゆく)
ベルギー、ブリュッセルの夜の賑わい
今回のサイエンス小ネタは、夜の薄明かりの中で恋文を送るお話し、蛾ですけど、につき美食の街、ベルギー、ブリュッセルの夜(と翌朝)のフォトを添えています。
ベルギー、ブリュッセル街歩きの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
飴色のビアカフェでブリュッセルの夜が深くなってゆく:ベルギー編第2回
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一夜明けたグランプラスdownsize
(一夜明けたグランプラス)
仕掛けは鱗粉のナノ構造にあり
今回出典著者のJennifer L. Kelley氏らはこのヒミツの仕掛けのナゾをあきらkじゃにしました。Eudocima materna の前翅の鱗粉の二層になっていて表層のナノ構造は正面からの光は「すりガラス」のように乱反射しグレーに見えます。ところがななめからの光は「ガラス」のように通すので透明になります。すると下の鱗粉の層の黒い斑点模様が見えてくる仕掛けです。

相手はどこから見てるかがポイント
昼間、トリなど天敵は樹などにとまっているガEudocima materna の翅を主に正面から見ます。このとき前翅は目立たない斑点なしです。一方、夜に雄のEudocima materna が飛び回っている時は雌は主に斜め方向から翅を見ます。すると翅には黒い3つの斑点が鮮やかに浮かび上がるわけです。

朝の静かなブッシュ通りのレストランdownsize
(朝の静かなブッシュ通りのレストラン)
羽ばたくと見え隠れする斑点でアピール
ガの雄は盛んに翅を羽ばたかすことで雌にアピールします。Eudocima materna の雄が翅を羽ばたかせると角度が目くるめく変わり黒い斑点が見えたり見えなかったりして目立つことで雌にアピールしているようです。

「君だけに愛を」雄のヒミツの恋信号
そして雌にはこの浮き上がる斑点模様の仕掛けはありません。雌の翅は黒く目立ちません。雄の隠された斑点模様(変形模様)は、天敵には気付かれず雌にだけそっとアピールするヒミツの恋信号なのです。

ランチ準備に忙しいお兄さんたちREVdownsize
(ランチ準備に忙しいブッシュ通りのお兄さんたち)
夜行性では新発見
このようなEudocima materna の視覚に訴える恋の信号、変形模様は夜行性のガでは新発見だそうです。

夜の闇の中では意味ない?いえ、よく見えます
ちょっと待って。Eudocima materna は夜行性、夜の闇の中では模様が出ても意味ないのでは?いえ、夜と言っても月の光など薄明かりはあります。黒い斑点模様は薄明かりでも有効なのだそうです。赤や黄色の派手な色は要らないわけですね。

夜行性だって見た目でアピールします
昼行性のチョウやガでは雄が派手な色模様で雌にアピールする例はたくさんありよく知られています。一方、夜行性のチョウやガでは匂い(嗅覚)=化学信号が主な恋のコミュニケーション手段と考えられてきましたが、出典著者Kelley氏らによれば、今回のEudocima materna の例のように色模様(視覚)の信号ももっとあるかも知れないそうです。

出典:”A Dynamic Optical Signal in a Nocturnal Moth” Jennifer L. Kelley et al. Current Biology, VOLUME 29, ISSUE 17, P2919-2925.E2, SEPTEMBER 09, 2019 DOI:https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.07.005
出典:「秘密信号を伝える翅/夜行性の蛾が使う視覚シグナル」 日経サイエンス2020年3月号17頁
出典:” Nocturnal Moth Species Has a Flashy Secret/ The dot-underwing moth may visibly signal to mates under cover of darkness” Harini Barath Scientific American, Volume 322, Issue 1, January 1, 2020


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鳥は恐竜時代から歌っていたらしい+仏アルザスの宝石コルマール、ストラスブール

鳥は恐竜時代から歌っていたらしい
+仏アルザスの宝石コルマール、ストラスブール
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小鳥は恐竜のそばで歌ってた
(小鳥は恐竜のそばで歌ってた)
恐竜も聞いたかも?小鳥のさえずり
今、私たちが森や公園で聞く美しい小鳥の歌、さえずりは恐竜闊歩する白亜紀の南極の森でも聞かれたようなのです。




川面に映える緑が深い旧市街ストラスブールdownsize
(川面に映える緑が深い旧市街:フランスのアルザス地方の街ストラスブール)

最古のトリの楽器発見
出典著者のJulia A. Clarke氏らは白亜紀後期(6千6~9百万年前)の南極の地層から絶滅した水鳥Vegavis iaaiの「さえずりの楽器」、鳴管(syrinx)の化石を発見しました。南極の森で彼らは歌っていたようです。Vegavis iaaiの鳴管は現在のトリ(新顎類)のそれに近い構造だそうです。

水面に映える花の館ストラスブールdownsize
(水面に映える花の館:ストラスブール)
化石に残りにくいヒミツの器官
これまで鳴管化石の250万年前頃までなので“大幅記録更新“です(最古は始新世(5600~3390万年前)ながら明確な記述はないそうです)。なぜ見つからなかったのか?実は、鳴管は化石に残りにくい軟骨製の歌の器官だからです。

化石を3Dイメージ化して機能を探る
出典著者のClarke氏らは12種の化石トリの鳴管をX線撮影して3D化し、白亜紀後期のトリが既に現在のトリとほぼ同じ構造の(=機能の)鳴管を持っていたことを明らかにしました。

色を競うおとぎの国の家並みコルマールdownsize
(色を競うおとぎの国の家並み:フランスのアルザス地方の街コルマール)
フランス、アルザスの宝石コルマール、ストラスブール
可憐にさえずる小鳥の色鮮やかな衣装(羽色)から→無理ムリの連想で→フランスはアルザス地方のカラフルなかわいい街、ストラスブールとコルマールのフォトを添えています。
アルザスの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
アルザスの小さな宝石箱コルマー訪問番外編
「おとぎの国」コルマー紀行
水に囲まれたプティットフランスはディズニーアニメの世界
ストラスブールはアルザスの香り木組みの家並みが陽にまぶしい


え、南極の森?
・・と思いません?ところで。そう、当時、白亜紀は氷河期ではなく(現在は氷河期です)極に氷はありませんでした。だから恐竜の化石も見つかります。その南極の森の水辺で今回の化石の水鳥Vegavis iaaiは暮らしていたようです。
氷のない闇の極の冬が落葉樹を作った過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
絶えず姿を変え生き抜いてきた、たくましい落葉樹林+フランスの秋アヌシー

トリは特殊装備のかたまり(翼、羽毛、気嚢)
・・・ですね。翼で飛び、羽毛で色鮮やかに飾り、気嚢はターボスーパーチャージャーのような高効率の呼吸装置、くちばし、偏光と地磁気を感じてナビるなど・・・。

青い家に赤い花が鮮やかコルマールdownsize
(青い家に赤い花が鮮やか:コルマール)
鳥の歌はユニークな器官、鳴管が奏でる
もう一つが今回の記事ネタ、鳴管(syrinx)と言うとてもユニークな発声器です。特にスズメの仲間、鳴禽類は筋肉が良く発達した鳴管を持ち美しく歌います(さえずり、song)。

「あなただけに」の囁き、地声
もう一つのトリの声は、カノジョ、カレだけに囁くの地声(call)です。やっぱり、トリは多芸です。

運河沿いにレストランが競うストラスブールREVdownsize
(運河沿いにレストランが競う:ストラスブール)
胸の奥(気管の分岐点)で歌います
他の動物の声帯の場所とは違って、トリの鳴管は喉よりもっと下、「胸の奥」の気管が左右の気管支に分かれて肺に向かう分岐点にあります。

長い共鳴管と強力な筋肉の輪
胸の奥にあり、くちばしまでの長い気管が優れた共鳴器となり、更に、発声器、鳴管はリング状の筋肉が良く発達していて、これがバラエティに富み複雑で華麗な鳥の歌声のヒミツであるようです。

管楽器のリードに相当する声帯ひだ
じゃ、そもそも、なぜ音が出るのか?トリの鳴管が鳴る仕組みはヒトなどの声帯と同じで、呼気の空気が通ると声帯ひだ(vocal fold)が、まるで管楽器のリードのように、振動することで音が出ます。

ピンクの家が広場に色合いをコルマールdownsize
(ピンクの家が広場に色合いを与えています:コルマール)
「ひとりコーラス」;左右違う音を出すトリの鳴管
しかし、私たちの声帯が気管の真ん中に1対の「ひだ」ですが、トリの鳴管は気管が分かれる左右の壁が震える2対の「ひだ」(側鼓形膜、中鼓形膜)なので、左右で違う音を同時に出せます。「ひとりコーラス」多彩な歌がさえずります。

音色も変えます
また、鳴管から出た音を気管でフクザツに変調して多彩なさえずりや地声を出すのだそうです。

話す機能と誤嚥リスクを実現したヒトののど
実は私たち、ヒトも発声器である声帯を含む喉頭が下がり、口から喉への入り口、咽頭が長くなって、トリと同じく、音響効果が強化されて、口蓋や舌の働きも併せ、話したり、歌ったり出来ます。しかし、その代償として気管と食道が交差するため、誤嚥リスクを背負いこみました。

堰を囲む家並みと橋と水音ストラスブールREVdownsize
(堰を囲む家並みと橋と水音:ストラスブール)
新規大発明!トリの鳴管
そんなトリの鳴管ですが、実は進化では珍しい「新規発明」なのだそうです、似た原型(素材)がないので・・。

誰にも似てないトリの発声器
トリ以外の脊椎動物、ヒトも含めて、発声器はすべて喉頭、つまり「のど」のてっぺんにある声帯です。一方、トリの鳴管は場所が違うだけでなく他のどの動物の発声器とも造りも由来も違うのです。

親戚の恐竜にさえないらしい?鳴管
トリは(その祖先も含め)、恐竜やワニなども含む、主竜類に属します。しかし、彼ら「主竜類の親戚」からも鳴管(の化石)は見つかっていません。鳴管は新規でユニークな「進化の発明」だったようです。
鳴管じゃないけど恐竜がトリに贈ったものの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
恐竜が発明しペンギンに贈ったもの、それは羽毛+ブルターニュの小さな港コンカルノー

進化は使いまわしの「ゆきあたりばったり」戦略
進化はフツウありあわせ素材の使いまわしで何とかツジツマを合わす「ゆきあたりばったり」戦略の積み重ねです。陸に上がったら浮袋を肺にするとか、鰭を手足にするとか・・。

赤壁に木組みが印象的コルマールdownsize
(赤壁に木組みが印象的:コルマール)
さえずり(歌)によるコミュニケーション
スズメ目の鳴禽類の鳴き声は鳴管のおかげで美しく多彩ですが、大別して①遠くの異性やライバルにまで聞こえる華麗な歌(song)「さえずり」と、②小さくパートナーだけに囁く地声(call)があるそうです。

恋と縄張りのためのカラオケボックス
小鳥たち(スズメ目の鳴禽類)は恋のために、縄張りを守るために歌い(さえずり)、様々な場とシチュエーションに応じてたくさんの歌のレパートリーがあるそうです、カラオケボックスみたいに。

作曲し、コピペし、流行を追う
そんな小鳥たち(の雄)は新曲を作曲したり、モテるやつの曲をコピペしたり、流行を追ったりしてライバルと競い合っているそうです。なんか、“人間臭い”ですね。

歌はパパに習うよ
小鳥たちの歌(さえずり)は生まれながらではなく、習うものであるようです。特に雄の恋の歌はパパから習うようです。
ママに励まされてパパの歌を習う幼鳥の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ママの大好きなパパの歌をキンカチョウの幼鳥はママに励まされ覚える+冬のパリ

ちなみにトリは話すことは出来ません
え、インコなどは「オハヨウ」なんて“しゃべる”じゃないか、いえ、これはモノマネです。発話、しゃべる能力は声帯や鳴管など発声器ではなく脳の、ヒトならブローカ野と言う言語中枢の機能です。いかに多彩な小鳥のさえずりも、文法のある言葉ではありません。

出典トリの本
(出典の2冊のトリの本)
鳥の歌や鳥のあるあるの楽しい本
今回のサイエンス小ネタの元ネタは出典の科学論文のほかに2冊に楽しい鳥の本です。今回はごく一部しか引用しませんでしたが、いつかちゃんとご紹介したいと思います。本屋さんや図書館でこれらの本を見かけられたら手に取ってもてください。いずれもとても楽しい本ですよ。

出典:” Fossil evidence of the avian vocal organ from the Mesozoic” Julia A. Clarke Nature volume 538, pages502–505 (2016)
出典:” The bird voice box is one of a kind in the animal kingdom” Elizabeth Pennisi Science 5 October 2018 Vol 362, Issue 6410 doi:10.1126/science.aav6415
出典:「歌う鳥のキモチ」 2017年 石塚徹氏著 (山と渓谷社)
出典:「トリノトリビア」 2018年 川上和人氏執筆・監修、マツダユカ氏マンガ・執筆 他 (㈱西東社)
出典:ウィキペディア記事「鳴管/syrinx」、「Vegavis」


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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報