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四足歩行で翼竜はF16並みに巨大になった、鳥には無理だけど+サンダーランド飛行艇

四足歩行で翼竜はF16並みに巨大になった、鳥には無理だけど
+サンダーランド飛行艇

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翼竜とF16
(翼竜とF16)
1億6千万年も空を支配した翼竜王国
トリに先立つこと8000万年、初めて空を飛んだ脊椎動物、それは翼竜です。
翼竜の過去記事です↓
海鳥、翼竜、マリタイム機に共通するものとは?




等身大のフィギュアが演技downsize
(等身大のフィギュアが演技)
巨大な海鳥サンダーランド飛行艇
海を飛ぶビッグなものつながりでサンダーランド飛行艇のフォトを添えます(使いまわし多いですが)。
サンダーランドの過去記事はこれです↓
空飛ぶ船サンダーランド飛行艇の洞内巡り

F16戦闘機並みの巨大さの翼竜
巨大翼竜の翼開長はハツェゴプテリクスが最大で12m、ケツァルコアトルスも10-11mあります。ちなみにF16の全幅は9.45-10mで翼竜に負けてる、但し全長は15mあります。

小さい翼竜はスズメの大きさ
でも最小の翼竜はスズメくらいで大きさには大きな幅がありました、適応放散が進み繁栄していた証しですね。

サンダーランドは船ですねdowansize
(サンダーランドは船ですね)
体重300kgが空を飛んだ??
翼竜は、トリとは違って、最大で体重は290kgの重量級だったようで、一体どうやって空を飛んだのだろう?と疑問が沸きますね。あの大きなアホウドリでさえ3-5kg、その100倍です。

化石と数理モデルを使って
出典著者のMichael B. Habib氏は翼竜の化石を調べて骨の構造、体重、飛行速度などを推定し、数理モデルを使ってどのように飛べたのかを推測しました。

連絡係かな通路を歩くフィギュアdownsize
(連絡係かな通路を歩くフィギュア)
いつかは離着陸(離着水)しなきゃならない、これが問題
・・・なのです。重力に揚力が勝れば良いので、空に浮かんでいるだけならいくらでも大きくなれます。例えば、長大な翼があれば大きくても飛べます、ジェット旅客機のように。

飛ぶための3つの要件
出典著者のHabib氏は飛ぶための3つの要件として、①軽くて丈夫な骨格:トリも翼竜も中空の骨です。➁最大揚力係数:翼面積あたりの揚力のこと、翼竜やコウモリなど皮膜の翼が優れている。➂飛び立つための力、ジャンプ力、です。
トリが空を飛んだ訳、の過去記事です↓
トリさんが空を飛んだイキサツとは?トリさんの羽のフシギ[前編]+冬のカンヌ続編

翼竜の離陸原典の図より
(翼竜のカタパルト離陸;原典の図)
4本足の二段加速で巨大な翼竜は離陸した
ジャンプするには2本より4本が有利です。トリは2本足ですが、翼竜は飛ぶために前脚も歩行に使う4本足です。ジャンプするなら2本脚より4本脚が有利です。まず後ろ脚で地面を蹴り、次に前脚で蹴る「2段加速」だから。

結構マッチョな翼竜、太く逞しい二の腕
しかも、翼竜の前脚、特に上腕、私たちなら「二の腕」が羽ばたくために太く強力です。ヒトの胴体ほどもあったとか。

翼の上の「作業台でエンジン整備REVdownsize
(翼の上の「作業台でエンジン整備)
巨体をカタパルト発進、離陸!CAMシップのハリケーンみたい
翼竜は立った姿勢から、①後ろ脚で地面を蹴る、②強力な前脚がカタパルトのような瞬発力で蹴って空中に浮かぶ、⓷最大揚力係数の大きい効率の良い翼で低速でも飛び始められた、と考えられるそうです。
シーハリケーンの過去記事です↓
英雄の健気なドサまわりシーハリケーン+英国IWMの元気なレジェンド・ヒコーキたち

翼竜のカタパルトは「第4中指骨」の構造がミソ
翼竜の“薬指”、第4指には長~い腱があって上腕(二の腕)の強力な筋肉で弓を引き絞るように抑えられていて、離陸のときは第4中指骨の溝を滑って「石弓から矢が放たれる」ように解放され強力なカタパルトとして働き、十分なジャンプ力を生んだと考えられるそうです。

翼竜はたった薬指1本で翼を支えて飛ぶ
翼竜は、私たちの手の薬指にあたる第4指がどこまでも何mも長~く伸びて、その第4指と胴体との間の被膜が翼になっていたのです。

ところで第4中指骨って?
第4中指骨は私たちの手指の骨の内、一番手首に近い、「てのひらの中の骨」が中指骨、その4番目、薬指のものが「第4中指骨」です。

真っ白な空飛ぶ船downsize
(真っ白な空飛ぶ船サンダーランド)
鳥には無理です!恐竜伝統の2足歩行なもんで
じゃ、なんでトリは翼竜のように「重量級が空に浮かぶ」ことが出来なかったのか?トリは翼竜ほどのジャンプ力がないからです。トリとそのご先祖ティラノ君などの獣脚類が二足なもんでジャンプ力が非力だからだそうです。

翼竜の前進翼とユニークなボディデザイン
翼竜のもう一つのユニークな特徴は頭部(首と頭)異様に長く大きいことで、全長の4分の3ほどを頭部が占めていました。。つまり重心が前にあり、飛行姿勢のバランスを取るため揚力中心も前にある必要があります。翼竜は前進翼で揚力中心を前進させバランスをとったようです。

翼端失速を防ぐには?前進翼です
ノー天気な複葉機時代は良かったのですが、ヒコーキが高速化し、マッハを目指して後退翼になると、ちょっとしたことで翼端失速、つまりは翼の先がまったく揚力に寄与しない、うっかりすると墜落する破目になります。その点、前進翼はその心配がない低速飛行向けの優れものなんです。

翼竜はやっぱりマリタイム機です
翼竜の諸元はマリタイム機の諸元そっくりです。巨大で重い体、パワフルな二の腕、重くてもカタパルトで離陸、高アスペクト比の前進翼、安定した低速飛行と長い航続時間・距離、海の獲物を狩る大きなくちばし(ヒコーキなら、ホーミング魚雷フィドー、爆雷、ロケット弾、20mm機関砲とか)・・・。

あぁ、ラドン、歴史の後知恵
白亜紀末6600万年前、隕石の一撃でトリ以外の恐竜と共に翼竜は絶滅してしまいました。今では「ラドン」に面影を見るのみです。古第三紀が開けた時、空はトリの王国になりました。進化の歴史の後知恵で言えば、翼竜はあまりにも特殊化して繁栄していたので、天変地異に対応出来なかったんでしょうね、「生きた化石」でもいいので「ラドン」を見てみたいなって思います。

進化は気まぐれ、行き当たりばったりなので
二足恐竜から派生したトリが二足ゆえ大きくなれないけど、翼竜が滅びニッチが空いて今日まで繁栄しているのも、翼竜がたった1本の指で飛び始め、繁栄し、特殊化しすぎて絶滅したのも、いつも行き当たりばったりの「進化のきまぐれ」なんでしょうね。

出典:「中生代の空の怪物翼竜」 “Monsters of the Mesozoic Skies” 日経サイエンス2020年7月号P.78 Michael B. Habib氏執筆、熊谷怜美氏訳、對比地孝亘氏監修
(原著:”Monsters of the Mesozoic Skies” Scientific American October 2019, Michael B. Habib)
出典:”The Wingtips of the Pterosaurs: Anatomy, Aeronautical Function and Ecological Implications” David W. E. Hone, Matt K. Van Rooijen and Michael B. Habib Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, vol.440 pages 431-439 December 2015
出典:ウィキペディア記事「翼竜」「ハツェゴプテリクス」「ケツァルコアトルス」「F-16 (戦闘機)」「中指骨」


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花咲かバチか、葉っぱを噛んで花を咲かせるマルハナバチ+初夏庭の花

花咲かバチか、葉っぱを噛んで花を咲かせるマルハナバチ
+初夏庭の花

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マルハナバチは花咲かバチです
(マルハナバチは花咲かバチです)
「花咲か爺さん」ならぬ「花咲かバチ」か?
マルハナバチ(bumble bee)のセイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)(以下、マルハナバチ)は葉に穴を開けて花を咲かせるようなのです。マルハナバチはまだまだフシギを隠しているようです。
道具使いを仲間に教えるかしこいマルハナバチの過去記事です↓
道具を使って蜜を取り一族にワザを伝えるマルハナバチ+パリ郊外ハチの街ルヴァロワ




気品漂う白いシャクヤクdownsize
(気品漂う白いシャクヤク;毎年拙宅の猫の額の庭を彩ってくれます)
初夏の我が庭の花です
ハチさんつながりで拙宅の”猫の額“な庭を彩ってくれる”キトクな“初夏の花のフォトを添えています。

屋上の野草ガーデンの身近な植物で野外実験
出典著者のFoteini G. Pashalidou氏らは実験室内に加えて屋上の野草ガーデンの野外実験を行いました。マルハナバチが葉に穴を開けるか、それで花が咲くか、実験に使った植物は、実験室ではSolanum lycopersicum(トマト)とBrassica nigra(黒辛子)を、屋上の野草ガーデンではBrassica oleracea(ヤセイカンラン;キャベツ、ブロッコリーが仲間)、黒辛子、Solanum elaeagnifolium(ラシャナス)、Solanum melongena(ナス)などの身近な植物でした。

ピンクのシャクヤク姉妹優雅ですREVdownsize
(ピンクのシャクヤク姉妹優雅です)
「えらいこっちゃ、花が無い」
ハチにとって蜜や花粉を得るために花は大切、なのに・・・花が咲いていないと「ワ!大変」と、マルハナバチは葉に穴を開けることが分かりました。なんでまた、八つ当たりなの?

清楚なウツギの白い花downsize
(清楚なウツギの白い花)
穴を開けられると野草は花を咲かせる
いえいえ、マルハナバチに葉に穴を開けられた野草は花を咲かせたのです。穴を開けられて開花は最大で1か月ほど早まりました。

花があれば穴あけやめます
じゃ、花が咲いたらマルハナバチはどうするのか?屋上ガーデンに花が咲いている野草が加わるとマルハナバチたちは穴を開けなくなりました。

花を刈り込んでしまったら?
さらに屋上ガーデンの野草を刈り込む(花がなくなる)と、マルハナバチの穴あけが増えました。

ひっそりと咲くすずらん華憐downsize
(ひっそりと咲くすずらんは可憐です)
穴あけと言うより噛み痕です
ところで、セイヨウオオマルハナバチの葉の穴開けは「穴開け」と言うより「噛み痕」です。セイヨウオオマルハナバチたちは吻と下顎で特徴的な形の穴(♡に見える?)を開けます、それもほんの数秒でパチン!と穴あけ。

穴が開く程度で花が咲くのか?
・・・と思いますよね。でも、ストレスが加わると植物の開花時期が変わることが知られています。だから、「葉に穴を開けられて花が早く咲く」もありそうですが、これまで知られていなかったそうです。

花がないと花粉を採餌できない
そりゃ、そうだ、でもなんで花蜜じゃなくて花粉なの?

清楚なクレマチス日陰が好きdownsize
(清楚なクレマチスは日陰が好きです)
なぜ花粉?それは子育てに必須だから
ハチの幼虫の食べ物は花粉です、ハチミツではありません。また、花粉は働きバチの食糧でもあります。ハチさんたちは私たちがハチミツを楽しむために花を訪れているのではありませ~ん!

1㎞以内に花がない巣が維持できない
・・のだそうです。マルハナバチの巣(コロニー)にとって、適切な時期に身近に花がないとやってゆけないようです。

真っ赤なシャクヤク鮮やかREVdownsize
(真っ赤なシャクヤク、鮮やかです)
今回の主役セイヨウオオマルハナバチとは
セイヨウオオマルハナバチ(西洋大丸花蜂、Bombus terrestris)はマルハナバチの一種でヨーロッパ原産、日本では外来種です。体長は1-2㎝、胸とお腹は黄色と黒のシマシマで、お尻の先が白いのが特徴です。

盗蜜するので穴あけは得意だよ
セイヨウオオマルハナバチは舌が短く長い花の蜜が吸えない、じゃ、ってことで花の横に穴を開けて蜜を吸う「禁じ手」を使い、これは「盗蜜」と呼ばれます。なるほどセイヨウオオマルハナバチはもともと「穴開け」が得意なんですね。

黄色のアルストロメリアREVdownsize
(黄色のアルストロメリア)
そのとき、花があるかどうかは死活問題
マルハナバチの女王は越冬し春に巣を作り始めます。卵を産み、幼虫を育て、働きバチを殖やさなければなりません。そのとき幼虫の食べ物=花の手に入るか、は女王の巣(コロニー)の死活問題なのです。

花とハチは持ちつ持たれつ
花粉媒介者(pollinator、送粉者)としてのハチと、花を咲かせ蜜や花粉をご褒美に花粉を運んでもらう野草は本来「持ちつ、持たれつ」の関係です。

気候変動の影響を受けるハチたち
ところが、繁殖と開花のタイミングが合う必要があるハチなど受粉媒介者にとって、温暖化により春が早まるなど、気候変動、環境変化は大きな悪影響があると思われます。
温暖化で早まる春の影響の過去記事はこれです↓
温暖化が招く早い春の訪れが鳥や昆虫を脅かしている+パリ5月バラ通り

マルハナバチの穴あけはまだナゾだらけ
女王がいても、いなくても花が無ければ葉に穴を開けるようです。養蜂のハチでも野生のハチでもおなじように穴を開けるようです。

人が真似して穴開けしても花は咲かない
それでは、と実験者がピンセットと剃刀でハチの真似をして葉に穴を開けましたが、花が咲くのは早まりませんでした。マルハナバチ曰く「チッ、チッ、そんな簡単なモンやおまへん!」

未知のファクターなのか?
マルハナバチが「花不足」を葉に特殊な穴を開けることが、植物にとって”何かの信号(cue)”となり、花を咲かせて「送粉のお礼に蜜と花粉をどうぞ」・・となる、らしいのです。まだ、ナゾ、これからの研究が楽しみですね。

出典: ”Bumble bees damage plant leaves and accelerate flower production when pollen is scarce” Foteini G. Pashalidou et al., Science 368, 881–884 (2020) 22 May 2020: DOI: 10.1126/science.aay0496
出典: “The secret lives of bees as horticulturists?” Lars Chittka Science 22 May 2020: Vol. 368, Issue 6493, pp. 824-825 DOI: 10.1126/science.abc2451
出典:ウィキペディア記事「マルハナバチ」、「セイヨウオオマルハナバチ」


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森と湖の国で奮闘したオランダ産九七戦フォッカーD21

森と湖の国で奮闘したオランダ産九七戦フォッカーD21
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D21側面図REVdownsize
(森と湖の冬戦争の立役者フォッカーD21)
出稼ぎ先で重宝、大活躍D21
ソ連のエアラコブラ、フィンランドのバッファロー、そしてフォッカーD21・・・本国では散々で出稼ぎ先では大活躍のヒコーキたちです。




初飛行年と機体形態の比較
(初飛行年と機体形態の比較)
遅くやってきた移行中間型D21
既にメッサーは前年に飛び、ハリケーンが初飛行、翌年にはスピットがデビューと言う大戦前夜の1936年フォッカーD21(DXXI)は初飛行しました。でも前3者が単葉引込脚の新世代戦闘機だったのに対して、D21は単葉固定脚、つまり戦闘機進化の移行中間型だったのです。

両大戦間の単葉固定脚の戦闘機たち
・・・にはD21のほか、P-26 ,ドボアチンD.500、九六艦戦、九七戦などがありました。近代的レシプロ戦一歩手前がD21です。
第二次大戦を戦った固定脚戦闘機たちに中島九七戦、フィアット CR.42にフォッカーDXXIがあります、さすがに緒戦で、ですが。

最高速度
(最高速度の比較;D21は同じタイプでは優速だが、単葉引込脚には叶わない)
D21は極寒の森と湖の戦場で活躍
バルト三国を併合したソ連は次の標的、フィンランドを恫喝しましたが、フィンランドは拒否、そして1939年11月突然のソ連軍侵略により冬戦争が始まりました。そのときフィンランドの空を守ったヒコーキの1つがフォッカーD21、フィンランドでの愛称フォッケルです。
ユニークな北欧の戦闘機J21の過去記事です↓
北欧田舎空軍の翼(前編);エイプリルフールがホンものになったSAAB21(J21)

D21 Finnish Air Force Museum REVdownsize
(Finnish Air Force Museum展示のD21、ホームページで観られます)
スキーも履けますD21、固定脚なもんで
雪と氷の冬戦争時、フィンランドの湖は凍っていて臨時の天然滑走路。森と湖の白い戦線
森と湖の国なので無数の氷結湖基地を転々としてD21はゲリラ的に善戦し、時にはスキーも履きました、固定脚を生かしたんですね。

エンジン馬力
(エンジン馬力比較;D21は「信頼」のマーキュリーエンジン装備、でもやはり非力)
非力なエンジンの割に高速のD21
D21の心臓は「信頼」のマーキュリーエンジンですが、ライバルに比べ非力です。それでもD21は固定脚の中ではかなり高速です、単葉引込脚I-16には及びませんが。

カタログ性能では負けていても・・
D21はカタログ性能の一部では当時のソ連第一戦機に負けてます、速度で単葉引込脚のI-16に、運動性で複葉引込脚のI-153に。更にソ連機は防弾バッチリだったのにD21は防弾なし。でも結果はD21のワンサイドゲーム。パイロットの練度の差も大きかったようですが、D21が頑丈で素直で信頼性が高いことも寄与しました。搭載のブリストル・マーキュリーが信頼の傑作エンジンだったことも大きいようです。

生産機数
(生産機数比較;小国でしか生産されなかったD21は圧倒的に少ない)
バルト3国の悲劇を見てソ連の脅威を前に貧乏国は・・
ノックダウン生産も含めて21機のD21がソ連の侵攻前の絶妙のタイミングでフィンランド空軍に配備されました。最終的にフィンランドはライセンス生産で90機を生産しました。貧乏国としては精一杯の「大量生産」だったんでしょうね。母国オランダも小国、D21は名声の割に生産数が少ないのです。

D21を駆るエリート部隊第24戦闘機隊
たった1つのエリート部隊、第24戦闘機隊に集中配備された20機ほどのD21はほぼひとりで数千機のソ連機来襲を受けて立ち、撃退しました。

翼面荷重
(翼面荷重比較;D21は意外と高いけど)
高めの翼面荷重ながら・・・
翼面荷重とは機体重量を翼面積で割ったもので小さい方が旋回性能が高いとされます。D21の翼面荷重はライバルの中でも高めです。

D21は旋回性能の優位と速度の優位を使い分けた
D21の翼面荷重(旋回性能)は冬戦争の敵ソ連軍主力の複葉引込脚のI-153と単葉引込脚のI-16のちょうど中間、最高速度もD21は敵2種の中間で、フィンランド空軍は2つの優位をうまく使い分けて敵機を圧倒したようです。また、D21の卓越した上昇力も大いに寄与したようです。

10倍のキルレシオでも10倍の敵、ちっとも楽にならない
緒戦の冬戦争に限らず対ソ戦でフィンランド空運のキルレシオは驚異のほぼ10。しかし、常に10倍の敵機を相手にしなければならず「ちっとも楽にならない」戦況だったそうです。

ダラダラと長いマニアックな記事ですが、ご興味あれば「続きを読む」をクリック↓ください。

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飛ばないハエは眠るのみ+♪ヨコハマ、たそがれ♪ふたたび

飛ばないハエは眠るのみ+♪ヨコハマ、たそがれ♪ふたたび
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飛ばないハエは眠るのみ
(飛ばないハエは眠るのみ)
飛ばない、飛べないとハエは眠るの?
出典著者のK. Melnattur氏らはショウジョウバエ(Drosophila)を強制的に飛ばなく、あるいは、飛べなくすると眠っちゃうことを見つけました。




ハエも眠ります、イルカはシフト勤務で
ほぼすべての生き物が眠ることが今では分かっています、もちろんハエなどの昆虫も。泳ぎ続けるイルカ、海を飛び続ける渡り鳥も眠ります、右脳と左脳が交代に。つまりシフト勤務です。
眠りの過去記事です↓
ネズミも眠りは大切、眠らないと脳の指令が滞り心筋梗塞になりますよ+みなとみらいの夜
睡眠不足で脳にゴミが溜まりますよ
眠りは脳の閉店後のお仕事、眠りと夢の科学の続き+黄昏、宵闇のパリ


ヨコハマ大桟橋の青い回廊downsize
(ヨコハマ大桟橋の青い回廊)
飛ばないハエは眠るのみ
出典著者のMelnattur氏らは、①翅をひろげる神経をブロックする、②遺伝的に翅が開かなくする、⓷翅を切って機械的に飛べなくするなどで、ハエが飛ばない、飛べないようにしました。すると睡眠を促す神経回路が活性化され、ハエは眠りました。睡眠を促す神経回路を直接活性化してもハエは眠ります。
つまり「飛ばないハエは眠る」ようです。


意外な発見、飛ぶと眠るはつながっている
出典著者のMelnattur氏らの研究によれば、ハエの睡眠は翅の伸展と関係しているらしいのです。ハエの睡眠を制御する神経回路は翅の感覚神経から出ていて脳につながっていることが分かりました。睡眠と翅の伸展の両方に関わる神経ペプチド(とその受容体)も見つかりました。

ハードロックカフェの夜downsize
(ハードロックカフェの夜)
眠りを誘う生物時計は生き物共通
夜が更けると眠くなります。これは生物時計(体内時計、biological clock)が一日の生理や行動のリズム(概日性リズム、circadian rhythm)を司っていて、昼行性の私たちヒトの場合は夜に眠くなるようプログラムされているからです。

生物時計は生き物共通
・・・なんです、ヒトから単細胞のカサノリまで。生物時計をコチ、コチと刻むのはperiodやtimelessなどの遺伝子(とその遺伝子産物)で生き物に共通、もちろんショウジョウバエ君でも働いていることが分かっています。
生物時計の過去記事です↓
からだのスケジュール管理をする小さな時計たち+フランス街角の時計

ステージをよぎって飛鳥が出港downsize
(大桟橋のステージをよぎって飛鳥が出港)
睡眠の可塑性(変わり得ること)
一方で環境の変化が睡眠に影響するらしい(何となく直観で分かりますよね)のですが、よく分かっていないのだそうです。出典著者のMelnattur氏らの今回の研究結果は睡眠の可塑性の新たな一面を示すもののようです。

ハエ君:「飛ばない」→「飛ばなくていい環境(条件)」→「じゃ、寝るか」・・・なんでしょうか?

ジャックの塔夜の顔downsize
(ジャックの塔の夜の顔;ジャックの塔(横浜市開港記念会館)は横浜三塔の1つです)
妖しい魅力♪ヨコハマ、たそがれ♪
眠り→夜、ヨコハマ、みなとみらい界隈の夜景フォトを添えました(使い回しです)。
たそがれのヨコハマの過去記事です↓
ヨコハマたそがれ♪青い回廊と「いずも」と「飛鳥」

出典:”Disrupting flight increases sleep and identifies a novel sleep-promoting pathway in Drosophila” K. Melnattur, B. Zhang and P. J. Shaw, Science Advances 08 May 2020: Vol. 6, no. 19, eaaz2166 DOI: 10.1126/sciadv.aaz2166
出典:知りたいサイエンス「動物はいつから眠るようになったのか?」 2018年 大島靖美氏著 (技術評論社)
出典: 「生物時計の謎をさぐる」 “The Living Clock; The Orchestrator of Biological Rhythms” 2002年 John D. Palmer氏著、小原孝子氏訳(2003年、大月書店)


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進化実験でカリブのトカゲは教える「進化は時々繰り返す」と+南仏エクサンプロヴァンス

進化実験でカリブのトカゲは教える「進化は時々繰り返す」と
+南仏エクサンプロヴァンス

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カリブのアノールの反復収斂進化
(カリブのアノールの反復収斂進化)
進化は実験出来るんです!
「そんなバカな、進化は何万年もかかる、無理」、昭和な頃、私、Levallosbeeの学生時代のジョーシキではそうでした。ところが、出典著者Jonathan B. Losos氏は若き日の先駆的研究で、カリブのトカゲを違う環境の小島に放つと短期間でそれぞれの環境に適応した体形と暮らし方に進化することを実験で証明しました。そう、進化は実験出来る!んです。
カリブのトカゲのお話前編です↓
恐怖がもたらす玉突き絶滅をカリブのトカゲで実験してみた スプリングエフェメラル




エクサンプロヴェンス街角の古い噴水downsize
(エクサンプロヴェンス街角の古い噴水)
陽光あふれる南仏エクサンプロヴァンス
青い海と空のムリつながりで南仏エクサンプロヴァンスのフォトを添えます(使い回しですが)。
エクサンプロヴァンスの過去記事です↓
陽光あふれる噴水の街、憧れのエクサンプロヴァンス(1)
心地よい光と風、セザンヌの刻印に誘われてエクサンプロヴァンス街歩き(2)
朝の庭が素晴らしい4つ星ホテル-南仏エクサンプロヴァンス(3)
ジカ熱に善戦するキューバ;蚊が媒介する感染症との戦い(1)+南仏エクサンプロヴァンス


生き物は時に「高速進化」する
今では数年、数10年単位で環境に適応し新種が生まれる「高速進化」の例が多く報告されています。カリブのトカゲも植生や、天敵に対応して脚の長さや棲み処を変え数年で素早く適応(進化)しました。
再び、高速進化の過去記事です↓
列車に乗って高速進化、300年で3つの新種を生んだ黄色い花+庭の花
高速進化する大都会の生き物たち+ヨコハマの港と運河
構造湖で高速進化したシクリッドたちの遺伝子のヒミツ
プロメテウスの贈り物-火がヒトの高速進化を生んだ?+フランスで出会った一皿たち


アノールが棲む大アンティル諸島
(アノールが棲む大アンティル諸島)
レゲエの故郷カリブのトカゲたち
出典著者のLosos氏はトカゲ大好き少年だったそうで(出典に少年時代の写真が載ってます)、Losos氏の主な研究対象もカリブのトカゲ、ブラウンアノールです。

ブラウンアノールの「ワンセット」
棲む環境とブラウンアノールは脚の長さは関係があり、①地上で暮らすものは脚が長く逃げ足が速く色は地味、②樹上の太い枝で暮らすものは中程度の脚の長さで色は派手、⓷細い枝先に暮らすものは脚が短くので器用に枝を歩き枝と一体化する地味な色柄(保護色)、④樹上性で中程度の脚の長さ、獰猛で他のトカゲも食べる大きなヤツなど、各島に「ワンセット」います。

カリブの島々に姿、暮らしが違う「ワンセット」のトカゲ
大アンティル諸島のキューバ島、ジャマイカ島、イスパニョーラ島(ハイチとドミニカ)、プエルトリコ島など、どの島にもちゃんと「ワンセット」のブラウンアノールがいます。

ワンセットに分かれてから島々に渡ったのではない!
これまでの通説なら「ブラウンアノールの祖先がまずどこかで環境に適応し種分化し「ワンセット」になった後、各島に流れ着き、それぞれの島の適した環境に棲みついた」ですが、違うのです!

ミラボー通りの涼しい木陰に憩うREVdownsize
(ミラボー通りの涼しい木陰に憩う)
一見同じトカゲのワンセットは独立した進化
カリブのどの島にも見られるアノールトカゲの一見同じ「ワンセット」はその祖先は全部違うのです、遺伝子DNAでも確かめられています。これはどういうことなのか?

ハリケーンがリセットするカリブの小島
カリブと言えば太陽と青い海、でもハリケーン多発地域でもあります。カリブ海の無数の小島をハリケーンが襲うと島の動植物を吹き飛ばし、洗い流して一掃してしまいます。そしてまた、海鳥から植物の種が落とされ、トカゲが流れ着き、新たな生態系が誕生します。

オークル色の光に包まれた盃型の噴水downsize
(オークル色の光に包まれた盃型の噴水)
進化は実験出来る!無トカゲ島なら
て、ことは進化は実験できるゾ!と実験進化学なるものも生まれています。無人島ならぬ、ハリケーンがリセットした無トカゲの小島にアノールトカゲを導入し数年~10年観察するのです。

アノールは脚の長さを変えて適応進化していた
当初は別の研究者が生存に必要な環境を調べる「無トカゲ」な小島にアノールを導入したフィールド試験でした。若き出典著者Losos氏はこの試験の別の結果、草むらから高木の林まで様々な植生環境の小島に定着したアノールたちの脚の長さを調べました。するとなんと、10年ほどで環境(植生)に対応してアノール君たちの脚の長さが変わった、つまり環境に適応して「進化」したんです、脚の長い地上性の種から脚の短い樹の枝先に棲む種とかに・・。

捕食者がいたらどうなるか?
そこで出典著者のLosos氏はアノールを導入する小島にアノールを食べるゼンマイトカゲも導入してみました。当初は速く走る脚に長い個体が生き残るが、そのうち樹の枝先でも暮らせる脚の短い個体がより良く生き延びる(ゼンマイは樹に登れないので)、と予測し、その通りの結果になりました。

広場を守るように葉影を広げる樹REVdownsize
(広場を守るように葉影を広げる樹)
体形よりまず行動だ!
ところが、その後の研究でアノールたちは体形(脚の長さ)の変化に先立って行動を変えていました。ゼンマイを“見かけたら“すぐに枝先に避難するように行動が変わったのです。また、棲み処も樹の上に移りました。

警戒心が強く俊敏なものが生き残る
出典著者のOriol Lapiedra氏、Losos 氏らは、アノールにゼンマイを見せ、ゼンマイを除いた後、避難場所の樹や岩陰に到着するまでの時間(=危険な地上にいる時間)を測り、捕食者ゼンマイのいる島といない島で比べました。ゼンマイのいる島では素早く避難場所にアノールの方がより良く生き残りました。

捕食者がいると棲み処を樹上に変えた
4か月後、ゼンマイがいる島では本来地上性のアノールは樹の幹や枝先にいる割合が高くなっていました。つまりアノールは短期間で暮らし方(生態)まで変えていました。

収斂進化
トリとコウモリの翼、サカナとイルカのひれ、など祖先が違うのに似た形、機能に進化することを「収斂進化」と言います。

木陰が気持ちいい赤いテントのカフェREVdownsize
(木陰が気持ちいい赤いテントのカフェ)
環境が同じなら進化は繰り返す「反復収斂進化」
カリブの島々はどこも似た植生(森林や草むら)の環境なので、パイオニアになったアノール君は似た組み合わせのいくつかの環境;地上の草地、樹の幹、枝葉の先など、に適した姿に進化して棲み分けます。だから「違う由来のトカゲの同じワンセット」になります。これが「反復収斂進化」です。

時間軸に替えて空間軸でも反復収斂進化が起こる
古生代から続く魚類、恐竜時代の中生代の魚竜、現代のイルカやクジラは「時を超えて」尾びれを振って推力を得る同じ仕組みで泳ぎます。これは「時間軸」の反復収斂進化です。
一方、似たいくつかの環境に生き物が並行して似た適応進化をすれば「空間的」な反復収斂進化が起こります。これがカリブのトカゲで起こっていることです。

進化の特異点、似たものがいないヒト、カモノハシ
今や「ヒトにしか無いもの」「ヒトにしか出来ないこと」のリストは消え去る寸前ですが、ヒトの特徴や能力がワンセットある生き物は過去も現在も他にいません。ヒトは「平凡の特別の組み合わせによる非凡」であるようです。
カモノハシは哺乳類なのに卵を産む変わった動物ですが、1つ1つのパーツや機能は他の動物に例があり、同じくカモノハシは平凡を組み合わせた非凡、新発明じゃなくイノベーションです。
出典著者Losos氏はヒトやカモノハシは一度きりしか現れない「進化の特異点」だと述べています。

進化は行きあたりばったりで時々繰り返す
進化には、1)「反復収斂進化」、つまりご先祖が違っても、時代や場所が違っても、似た環境に適応すれば似た姿かたちや機能になる、“必然的な”進化(カリブのトカゲの例)もあれば、2)行き当たりばったりで“運と偶然が支配する”進化(ヒトの誕生など)の両方がある、と出典著者のLosos氏は述べています。

進化は偶然と必然が織りなす絶妙な綾
結局、「偶然と必然が織りなす絶妙な綾」が生き物の進化の歴史であるようです。

出典:「生命の歴史は繰り返すのか?:進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む」 “Improbable Destinies: Fate, Chance, and the Future of Evolution” 2017年 Jonathan B. Losos氏著、的場知之氏訳 (2019年、化学同人)
出典:”Predator-driven natural selection on risk-taking behavior in anole lizards” Oriol Lapiedra et al. Science 01 Jun 2018 Vol. 360, Issue 6392, pp. 1017-1020 DOI: 10.1126/science.aap9289


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サンゴ礁は食べ物で温暖化による白化し易さが変わる+サンゴ礁のかわいいサカナ

サンゴ礁は食べ物で温暖化による白化し易さが変わる
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サンゴと共生藻類は持ちつ持たれつの栄養関係
(サンゴと共生藻類は持ちつ持たれつの資源リサイクルする栄養関係)
地球温暖化が進み造礁サンゴが白化の危機
・・にあることは既に世界中で報告され、ニュースで耳にされることも多いと思います。サンゴの白化とは共生藻類が出て行っちゃってサンゴの色がなくなることで、栄養源を断たれたサンゴは死にます。




サンゴの白化REVdownsize
(サンゴの白化;石垣島にて)
浅海の生態系を支える造礁サンゴの白化
出典著者のInga E. Conti-Jerpe氏らの研究で光合成する藻類と共生する造礁サンゴは温暖化に脆弱であることが分かりました。
でもその程度は共生のあり方によって違うようで、共生藻類と栄養面で共生関係が濃密なサンゴほど地球温暖化に脆弱なようです。
暑さに鍛えられるサンゴの過去記事です↓
暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁

キンギョハナダイ切り出しdownsize
(キンギョハナダイ;静かに見ているとポツ、ポツとサカナが出てきます)
サンゴ礁の小さな妖精たち
石垣島ダイビングで出会ったサンゴの“森“を彩る小さなかわいいサカナのフォトを添えます、使い回しですが・・・。

サンゴ礁を作るサンゴは多種多様
造礁サンゴとその細胞内に棲む共生藻類(渦鞭毛藻類(dinoflagellate)の褐虫藻)との関係は様々で、「独立栄養型」、「従属栄養型」そして中間の「混合栄養型」に分類されるそうです。
これもサンゴの過去記事です↓
海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている+石垣サンゴ礁散歩
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち


ボラ系の稚魚かREVdownsize
(ボラ系の稚魚でしょうか、おちょぼ口がかわいい)
独立栄養から従属栄養までサンゴは多様
出典著者のConti-Jerpe氏らは、①共生同士の栄養源(炭素と窒素)が同じ、つまり完全な共生で宿主サンゴと共生藻類を一体とみなせる「独立栄養型」、②共生藻類に棲み処は貸しているけど、宿主サンゴと共生藻類は栄養的に独立しているサンゴは「従属栄養型」、その中間のサンゴは「混合栄養型」と分類しています。

栄養に乏しい熱帯の海
陽光あふれる熱帯、亜熱帯の浅い海は生き物にあふれてる?いえ、実は貧栄養です。栄養塩が多く酸素が豊富でオキアミが大量に繁殖する南氷洋の逆ですね。

サンゴ礁では窒素が足りない
サンゴ礁では十分な太陽光があるので光合成の生産物(糖分)は余り気味なのに対して、体を作るもう1つの主な栄養素、N源(窒素源)は常に不足気味です。

デバスズメダイの群れ切り出しdownsize
(デバスズメダイはサンゴ礁の青い宝石)
貴重な窒素は共生者間でリサイクルする
宿主サンゴは肉食で小さなプランクトンなどをポリプで捕食します。炭素と窒素を含むサンゴの老廃物は共生藻類に提供され、共生藻類は無機炭素、無機窒素に変えてから光合成を行い、糖分とアミノ酸をサンゴに提供します。こうしてサンゴと共生藻類の間で資源、特にN源のリサイクルが行われます。

独立栄養型サンゴは共生藻類と運命共同体
このように栄養面で持ちつ持たれつの宿主サンゴと共生藻類、サンゴ礁で優勢な種である独立栄養型のサンゴは共生藻類と運命共同体の関係にあります。

5属、7種のサンゴを調べた
出典著者のInga E. Conti-Jerpe氏らは香港近海の23か所で5属、7種のさまざまなサンゴの栄養交換と暑さ耐性を調べました。

サンゴの迷路を泳ぐミツボシクロスズメダイ
(サンゴの迷路を泳ぐミツボシクロスズメダイ)
サンゴの暑さ耐性を比べる実験
海水温を10年平均より高い30-32℃にすると45日から70日にかけてサンゴは白化しましたが、50%が白化した日数で比べると、まず独立栄養型、次いで混合栄養型、最後に従属栄養型の順でした。つまり独立栄養型サンゴが最も暑さに弱く白化し易いことが分かりました。

アイソトープで物質のやり取りが分かる
出典著者のInga E. Conti-Jerpe氏らは、炭素の安定同位体C13の比率と窒素の安定同位体N15の比率を組み合わせて比べることで栄養源(C源とN源)のやりとりの程度を調べました。

CとNのアイソトープ比率の重なり具合で分類
すると7種のサンゴは、①2つの同位体比率の範囲ほぼ重なるなら栄養源(C源とN源)が同じ完全共生「独立栄養型」サンゴ、②2つの同位体比率の範囲が完全に離れていて宿主サンゴと共生藻類は栄養的に独立している「従属栄養型」サンゴ、⓷同位体比率の範囲が一部重なる「混合栄養型」サンゴに分けられました。

独立栄養型サンゴは温暖化には脆弱
通常なら、太陽さえあれば良い独立栄養型のサンゴがサンゴ礁では優位です。しかし、今回出典著者Conti-Jerpeらが示した研究結果では共生藻類と一体の独立栄養型のサンゴは海水温上層に弱く、地球温暖化で真っ先に白化してしまいます。

サンゴのポリプの大きさが温暖化耐性と相関
サンゴはポリプで餌を捕食しますが、「従属栄養型」、つまり共生藻類に栄養源を頼らないサンゴのポリプはより大きく、ポリプの大きさと白化し易さは反比例するそうです。

もっと調べないと・・・
これまでこのようなサンゴと共生藻類の栄養依存度と温暖化耐性の研究は稀だったそうです。しかし、造礁サンゴは世界で約100属、800種もいます。今回の5属7種のデータではもちろん全体像は分かりません。出典著者Conti-Jerpeらはもっと研究が必要だと述べています。

出典:”Trophic strategy and bleaching resistance in reef-building corals” Inga E. Conti-Jerpe et al. Science Advances 10 Apr 2020:Vol. 6, no. 15, eaaz5443, DOI: 10.1126/sciadv.aaz5443

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恐怖がもたらす玉突き絶滅をカリブのトカゲで実験してみた+スプリングエフェメラル

恐怖がもたらす玉突き絶滅をカリブのトカゲで実験してみた
+スプリングエフェメラル

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バハマへトカゲ導入実験
(バハマへトカゲ導入実験:ちゃんとした名前はブラウンアノール、グリーンアノール、ゼンマイトカゲ)
多くの島と岩礁とサンゴ礁、バハマ諸島
カリブ海の、フロリダ半島やキューバの東にバハマ諸島(国はバハマ)があります。ウィキペディアでは約700の島々と2,400の岩礁からなるサンゴ礁の群島でうち30の島々に人が住む、とあります。




ちっちゃな島に棲むちっちゃな王様、ブラウンアノール
そのうち、今回出典著者Robert M. Pringle氏らが「実験」した16の小さな島(岩?)には昆虫を食べるトカゲ、ブラウンアノール(Anolis sagrei)が棲んでいます。体長5-7cmのちっちゃなトカゲですが、ちっちゃな島では“王様”;頂点捕食者です。

ムラサキカタバミREVdowbsize
(ムラサキカタバミ;うちの庭に来た春の妖精、スプリングエフェメラル)
小さなスプリングエフェメラルたち
ちっちゃなトカゲのお話につき我が家の庭にそっと咲いている小さな野草の花、スプリングエフェメラルのフォトを添えます。

グリーンアノールは梢、枝先が棲み処
カリブにはたくさんの種類のトカゲが棲んでいて、ブラウンアノールは木の幹や地上の草むらが生活の場ですが、緑色のグリーンアノール(Bahamian green anole (Anolis smaragdinus)は低木の梢、枝の先に棲み同じく昆虫などを食べます。

ツタバウンランREVdownsize
(ツタバウンラン)
トカゲを食べるゼンマイトカゲ
カリブの島には、全長26cmと大型で地上に棲み昆虫だけでなくトカゲも食べるゼンマイトカゲ(Leiocephalus carinatus)が棲んでいます。逃げる時にしっぽをクルクルと巻くので和名“ゼンマイ“トカゲなんだそうです。

スノーフレークREVdownsize
(スノーフレーク)
ブラウンの島にグリーンとゼンマイを放すと・・
出典著者Pringle氏らはブラウンアノールが棲む16の島を2つに分けて、1)グリーンアノールだけ、2)グリーンアノールとゼンマイトカゲの両方を導入し、6年間観察しました。

ブラウンとグリーンとなら棲み分けてWin-Win
ブラウンのいるところにグリーンだけ導入した島では棲み分けが起こりブラウンは減らず、グリーンは8倍に増えました。ブラウンは地上と木の幹に、グリーンは木の上にと棲み分け餌の昆虫も違い、“Win-Win”関係でした。

コオニタビラコREVdownsize
(コオニタビラコ)
ゼンマイの導入でグリーンは絶滅
ところが、グリーンとゼンマイ両方を導入した島では1)グリーンは数が10分の1とほぼ全滅!、2)ブラウンはもはや地上には降りず樹上生活となりました。

恐怖がもたらす玉突き事故のような絶滅
何が起こったのか?ゼンマイによる捕食を「恐れた」ブラウンは、1)地上や木の幹からグリーンが棲む期の梢や枝先に「避難」し、2)結果、グリーンと棲み処と餌を競合するようになり、3)競争に負けたグリーンは数を減らしたという玉突き事故のような絶滅です。

ヒメオドリコソウREVdownsize
(ヒメオドリコソウ)
ブラウンアノールは高速進化
もともと地上暮らしで脚の長いブラウンアノールは樹上の新しい環境に急速に適応して(高速進化して)、脚が短く、脚パッドが大きくなった・・・らしいのです。そう結論するには、まだ研究が必要と出典著者Pringle氏らは述べていますが・・・。
高速進化の過去記事です↓
列車に乗って高速進化、300年で3つの新種を生んだ黄色い花+庭の花
高速進化する大都会の生き物たち+ヨコハマの港と運河
構造湖で高速進化したシクリッドたちの遺伝子のヒミツ
プロメテウスの贈り物-火がヒトの高速進化を生んだ?+フランスで出会った一皿たち


これまでの通説「キーストーン捕食者」
ある生態系に新たに頂点捕食者がやってくる(侵入種)、持ち込まれる(外来種)と、優越した(=数が多い)種を捕食するので、生物多様性は増加する(=環境は賑やかになる)、との理論「キーストーン捕食者(keystone-predation effect)」が通説だったそうですが・・・

いやむしろ「避難競争」
出典著者Pringle氏らは、バハマの島のトカゲに起こったことは、むしろ、「避難競争理論(refuge-competition theory)」で説明され、生物多様性は逆に低下していると述べています。つまりは天敵におびえて避難すると棲み処が限られ、似た種同士で餌や棲み処の競合が起こるようです。

外来種捕食者の影響は複雑です
外来種などによる新たな捕食のリスクは在来種の避難(=移動)につながり、他の種との共存関係が崩れることがあるようです。

先駆者Jonathan B. Losos氏
今回の出典論文のLast name(たいていは研究指導者)に、私、Levalloisbeeが最近読んで面白く」感銘を受けた本の1つの「生命の歴史は繰り返すのか?:進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む(Improbable Destinies: Fate, Chance, and the Future of Evolution」著者Jonathan B. Losos氏の名があります。この研究は数10年に亘るLosos氏の「実験進化学」のライフワークを継ぐものです。

Losos氏のカリブのトカゲ研究のYoutube
Losos氏のカリブのトカゲの反復収斂進化の研究を紹介した分かり易く楽しいYoutubeもあります↓
https://www.youtube.com/watch?v=rdZOwyDbyL0
(リンク貼ってませんので、コピペで訪問ください)

反復収斂進化ってなんだ?
Losos氏のライフワークはまた、次の記事でご紹介しますね。

出典:“Predator-induced collapse of niche structure and species coexistence” Robert M. Pringle et al. Nature volume 570, pages58–64(2019)
出典:「群集の危機:導入された捕食者への恐怖が島嶼生態系の種の共存を崩壊させる」 Nature Japan Nature ハイライト 2019年6月6日 Nature 570, 7759 (上記出典の日本語要約)

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なぜ四つ足動物は上陸できたの?海の中で歩いていたから+ハワイ、サイパンの浜辺

なぜ四つ足動物は上陸できたの?海の中で歩いていたから
+ハワイ、サイパンの浜辺
~くねくね泳ぎのサカナは中性浮力がくれた丈夫な骨でやがて歩いた~

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「背骨で四つ足は上陸した」アッとおどろきの最新シナリオ
背骨こそ上陸へ導く秘密兵器だったみたいです。
もともと四肢動物の祖先、サカナは、①歩く、②空気呼吸する、ことはやっていた。⓷やがて肺(古いタイプ)が出来、鰾(うきぶくろ)になり中性浮力を得て、④重いが丈夫な骨格が出来た。⑤やがて陸は高酸素濃度になり→⑥とうとう四肢動物となって上陸した・・・と言うシナリオらしいのです。




オレンジ色に染まるワイキキの日暮れREVdownsize
(オレンジ色に染まるワイキキの日暮れ)
四つ足上陸地点もこんな感じ?南国の浜辺
四つ足上陸のサイエンス小ネタにつき、南の島のリゾート、ハワイ、サイパンの浜辺のフォトを添えています。
ハワイとサイパンの過去記事です↓
♪この~木、なんの木・・・♪;冬のハワイ番外編
金色の波に陽が落ちてゆくワイキキ;ハワイの冬を行くその4
普段着で味わう素朴だけどおいしいハワイグルメハワイの冬を行くその3
風亘るハウツリーの木陰で朝食をハワイの冬を行くその2
穏やかで優しいワイキキ虹の島ハワイの冬を行くその1
日本近くの深海は汚染ゴミためって知ってました+サイパンの海
3つのWが運ぶ海洋島のユニークな生き物 生物地理学の冒険者2


浜辺で一休みREV
(浜辺で一休み、サイパンの昼下がり)
四つ足ご先祖の上陸は大きな一歩
私たちヒトも含め四つ足こと、四肢動物(四足動物、トリも含みます)は昆虫と並んで陸を制覇している動物です。それは3億数千万年前のデボン紀にご先祖の“誰か”が上陸した一歩から始まりました。そして両生類になりました。

上陸第1号の栄冠は誰に?
上陸第1号の“誰か”は次々と古さ記録更新がされていますが、現在は約3億7500万年前にいたエルギネルペトンのようです。

午後のホテルガーデンdownsize
(午後のサイパンの海を臨むホテルガーデン)
まず海で歩き、丈夫な骨が出来たので上陸したらしい?
私、Levalloisbeeが若い頃に習ったときは、“サカナがひれで時々水辺の陸を歩くうちに脚が出来て両生類として上陸した”、みたいな説明だったかな?でもそれ、違うみたいです。“まず海の中で歩き、浮力がない陸でも潰れない骨が出来て、じゃ、と上陸してみた”らしいのです。

そもそもエビやカニは海で歩いているじゃん
確かに現代でも海の中を歩く生きものはエビ、カニなどたくさんいますし、その中にはカエルウオなどサカナもいます、ムツゴロウは干潟を歩きますし。だから上陸前からサカナが歩いていてもフシギじゃない、ようです。

冬の陽が優しいワイキキビーチdownsize
(冬の陽が優しいワイキキビーチ)
昔からサカナは空気呼吸していた、コイだけじゃない
動物が上陸するにはいくつかクリアーすべき必須条件があります。その1つが空気呼吸です。鰓では陸上で空気呼吸できず肺が要るからです。

水面アップアップの金魚は空気呼吸している
夏の日、金魚鉢の金魚が水面でアップ、アップしているのを見たことがありませんか?あれは私たちと同じ「空気呼吸」をしているんです。え?肺もないのに?実は水面アップアップでも若干の空気中の酸素は消化管を介して吸収されます。

空気呼吸するサカナは熱帯の浅海にいる
酸素の乏しい海でサカナは肺を消化管壁から陥没する袋として何度も独立に「発明」したようです(反復収斂進化です)。それはどこ?熱帯の浅い海です。暑く、植物の分解が盛んで酸素に乏しい海です。電気ウナギ、ガー。ピラルクなど空気呼吸するサカナの多くがここに棲んでいます。
空気呼吸魚の1つポリプテルスの過去記事です↓
サカナですけど練習次第で歩けます!生きた化石の発生可塑性+Wooden Wonderモスキート~「生きた化石」その3~

日没の浜辺テラスでディナーを待つdownsize
(日没のサイパンの浜辺、テラスでディナーを待つ)
歩けるかどうかじゃなく、「潰れないかどうか」
硬い背骨、脊椎を持たない軟骨魚でも脊索が体の軸となり”くねくね“で効率よく泳いだようです。でもこのまま鰭(ひれ)が脚になっても上陸できません。浮力の助けがない陸じゃ、歩けるかどうかじゃなく、「潰れないかどうか」です。

肺が鰾(うきぶくろ)になり中正浮力を得た
やがてサカナの肺(古いタイプの)は鰾(うきぶくろ)に進化しサカナは中性浮力を得たようです。スキューバダイバーがBCの空気で浮き沈みせす水中に留まれるのと同じです。

浮力があれば丈夫で重い背骨も使える
鰾(うきぶくろ)による浮力によりサカナは脊椎(背骨)など硬く丈夫だが重い骨を持つ硬骨魚へと進化しました。あとは脚さえ手に入れば陸で歩ける条件が出来たようです。

白いパラソルが浜辺にリズムを与えているREVdownsize
(白いパラソルがワイキキの浜辺にリズムを与えている)
4億年前のナゾの足跡
アイルランドやポーランドで、化石で確認できる最古の四肢動物よりさらに古い約4億年前の泥についた足跡(の化石)が見つかっていますが、体の化石はなくどんな動物かはナゾのままです。四つ足上陸はもっと古いのかも知れないのです。

高酸素時代に初上陸かも?
最古らしい四つ足の足跡は酸素濃度が最大になった4億1千万年前のすぐあとです(もっともその後急落しますが)。高酸素も上陸を後押ししたかも、と出典著者のPeter Ward氏 Joe Kirschvink氏は述べています。

四つ足の上陸までウィキペディア記事掲載の図REV
(四つ足の上陸までウィキペディア記事掲載の図)
サカナと四つ足をつなぐミッシングリンク、ティクターリク
上陸前夜の約3億7500万年前デボン紀後期ティクターリクは肉鰭類ですが、いかにも歩けそうな丈夫な鰭があります。しかし、ティクターリク、シーラカンスなどの肉鰭類は“歩けそうに丈夫なひれ”があってもサカナです。

シーランカンスは歩かない
現在のサカナでは少数派の、シーラカンスなどの肉鰭類(Sarcopterygii)は脚のように骨が支える丈夫な鰭(ひれ)を持っています。しかし、その機能は「歩行」ではなく「高機動性の泳ぎ」であるだろうことが肉鰭類の「生きた化石」シーラカンスが狭い海の洞窟で器用に泳ぐ姿の衝撃的な映像で分かりました。つまり肉鰭類のひれは、やがて子孫が陸を歩く脚への“前適応”ではあっても、泳ぎに高機動性を与える進化だったようです。

ホントに上陸したの?アカントステガはほぼ魚生活
約3億6,500万年前の8本指のアカントステガやイクチオステガはエルギネルペトンに上陸第1号の座は奪われましたが、確かにひれと言うより脚になっていて四つ足です。しかし、立派な尾ひれもついたまま、どうも“ほぼ魚生活“だったみたいです。

2度の上陸を挟む「ローマーの空白」
ほぼサカナ生活だったかも?の上陸第一波、デボン紀後期のエルギネルペトン、イクチオステガやアカントステガなどと、上陸第二波の石炭紀後期のエリオプスなど本格的両生類の間に2~3千万年の陸上四足動物(化石)の空白、「ローマーの空白(Romer's Gap)」がありましたが、約3億5,000万年前(石炭紀前期)の5本指のペデルペスの発見が空白を埋めました。

はっきりしない線引き
干潟を歩けそうな脚みたいな鰭(ひれ)なのに深い海の洞窟で暮らすシーラカンス、陸で腕立て伏せ出来そうな鰭なのにまだサカナのティクターリク、上陸パイオニアなのにほぼサカナ生活だったらしい両生類のイクチオステガやアカントステガ・・・。2冊の出典を読んで私、Levalloisbeeが感じることとして、上陸前夜と上陸後のサカナと四つ足(両生類)の線引きははっきりしないナ、と言う印象です。

四つ足上陸は何度もあった?
歩く脚、空気呼吸する肺、潰れない背骨など揃えてサカナの「海兵隊」はナゾの四つ足、イクチオステガたちなど、4億年前ころから何度か上陸したが、その度「橋頭保」を失い、結局、「陸軍」エリオプスなど本格的両生類が上陸し陸の覇権を得た???のかも知れませんね。

出典:「脚・ひれ・翼はなぜ進化したのかー生き物の「動き」と「形」の40億年」 “Restless Creatures; The Story of Life in Ten Movements” 2016年 Matt Wilkinson氏著、神奈川夏子氏訳 (2019年 草思社)
出典:「生物はなぜ誕生したのかー生命の起源と進化の最新科学」 “A New History of Life; The Radical New Discoveries about the Origins and Evolution of Life on Earth” 2015年 Peter Ward氏 Joe Kirschvink氏共著、梶山あゆみ氏訳 (2016年 河出書房新社)
出典:ウィキペディア記事「ティクターリク」、「エルギネルペトン」


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