煙突に集団で高速ダイブするエントツアマツバメ驚異の飛行術+パリの煙突

煙突に集団で高速ダイブするエントツアマツバメ驚異の飛行術
+パリの煙突
~千羽の大編隊が旋回から狭い煙突に一斉急降下する飛行テクとは?~

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エントツアマツバメGoogle画像
こちらでエントツアマツバメ(chimney swift)が見れます↓(リンクあり)
コーネル大学野鳥紹介ウェブのエントツアマツバメ
エントツアマツバメの大群が一斉に煙突に消える
(エントツアマツバメの大群が一斉に煙突に消える)
煙突に集団ダイブ、その名もエントツアマツバメ
Chimney Swiftことエントツアマツバメはその名の通り煙突の中の巣で眠ります。
夕刻、各地の餌場から戻ってくると集団になって弧を描き群舞、そして突然まるで煙が吸い込まれるように無数のエントツアマツバメの集団が狭い煙突に一斉ダイブ、アッと言う間に中に消えてしまいます。

アマツバメ空中生活の過去記事です↓(クリックで飛びます)
バイオロギングが明かすアマツバメの10か月ほぼ空中生活+南イタリアのソレント




パッシーのアパルトマンの煙突
(パッシーのアパルトマンの煙突)
いまや飾り?パリ、アパルトマンの煙突
パリの古いアパルトマンにはその屋根に小さな煙突が林立しています。今や飾りなのかも知れませんが、煙突つながりで、パリ街角のアパルトマンのフォトを添えます。
パリの過去記事はこのリストにあります(画像をクリック↓)
パリの話題minisizeREV

シャンゼリゼ裏朝日を浴びる煙突REVdownsize
(シャンゼリゼ裏朝日を浴びる煙突)
なんで空中衝突を起こさないのか?
煙突内で撮影するとまるでエントツアマツバメが「おしくらまんじゅう」、満員電車状態。しかも彼らは煙突内も高速で飛んでいるのですよ。出典著者Dennis J. Evangelista氏らはどうして煙突や仲間にぶつからないのか?と調べた研究です。

パッシー駅そばのアパルトマンdownsize
(パッシー駅そばのアパルトマン)
空港上空を旋回するエアライナーのように
ムクドリとは違ってエントツアマツバメは昼間数羽の小さな集団で行動し夕刻も塒入り前に何百、何千羽の大集団の群れになります。そしてまるで空港上空で着陸指示待ちの航空便が旋回するようにエントツアマツバメの大集団が煙突の周りをしばらく旋回します。このときはキチンと統制のとれた飛行編隊です。
ムクドリの群れの過去記事です↓
ムクドリは液体ヘリウムの群れでタカから逃れる+帝都ウィーン

ペレール大通公園のアパルトマン切出しdownsize
(ペレール大通公園のアパルトマン)
一番近い仲間との距離だけを保って突っ込め!
煙突内の塒に良い場所をめぐる「椅子取りゲーム」みたいです。
旋回する編隊はやがて突然ブレーク、一気に煙突内に一斉急降下してゆきます。このときは再び①5羽ほどの単位に戻り、②一番近くの仲間との距離だけを調整して、③遠くの仲間は無視するパターンに切り替えて突っ込むようです。これによって煙突内での仲間同士の衝突を避けているようです。


パッシーの街角切出しdownsize
(パッシーの街角、パリの真夏)
各自が高等飛行術で衝突を避ける
群れの方向やリーダーに従うのではなく、エントツアマツバメ各自が適宜、素早く反転、方向転換、8の字など高等飛行により隣の個体を避けていることが分かったそうです。
まるで戦闘機編隊が突如ブレークして空中戦に突っ込んでゆくようなパターンです。


めだかの群れとも似てるかも?
またこれは、メダカが①1つ前のメダカを視野の決まった位置に置いて追う「追従行動」と②となりのメダカとぶつからないよう一定距離を保つ「反発」で群れが泳ぐ仕組みとも似てますね。
めだかの学校の過去記事です↓
メダカの学校の視力検査+もう一度会いたいサカナたち

エントツアマツバメの渡り
(エントツアマツバメの渡り)
焼け死なないヒミツは渡りです
ちょっと待って、煙突を塒にしてエントツアマツバメがやけどしたり焼死したりの事故が起こらないの?ええ、大丈夫です。暖房で煙突を使う寒い冬の季節は赤道を超えて夏の国に渡るからです。そう、エントツアマツバメは渡り鳥、北米で繁殖し北米が冬になると赤道を超え南米に渡り、南米が冬のときには、また、北米に渡ります。

煙突が樹洞代わり、エントツアマツバメは都会鳥
エントツアマツバメも初めから「煙突暮らし」ではなく本来は樹の穴、樹洞(tree hollow)を塒(ねぐら)にして暮らしていました。やがて人が街を作ると、逃げることなく「煙突が塒にちょうどいいや」と利用し始めた「都会鳥、urban birds」のようです。
都会鳥の過去記事です↓
人が好きなんです けなげな都会鳥 RAFの飛行機 心が優しくなる三冊の本(2)

セーヌ観光船からの風景REVdownsize
(セーヌ観光船から見上げる風景)
1800羽の軌跡を1羽づつ3次元マッピング
ところで千羽を越すエントツアマツバメの飛行軌跡をどうやって調べたんでしょう?出典著者Evangelista氏らは1,800羽を越すエントツアマツバメの群れが高速で煙突に急降下するときの複雑な軌道を3台のカメラでビデオに録り、ソフトで解析して“1羽づつの刻々の3次元空間内の位置”をマッピングしたのだそうです。コンピューターソフトってすごいですね。


エントツアマツバメに倣う倉庫ドローン
この研究を紹介したScience誌記事執筆者Patricia Waldron氏は、倉庫内で多数のドローンにぶつからずに荷物の出し入れや運搬を行わせるときのプログラムに応用できるのでは?と述べています。


リンク貼っていません
出典:”Three-dimensional trajectories and network analyses of group behaviour within chimney swift flocks during approaches to the roost” Dennis J. Evangelista, Dylan D. Ray, Sathish K. Raja, Tyson L. Hedrick, Proceedings of the Royal Society B Biological Sciences Volume 284, issue 1849 (22 February 2017).DOI: 10.1098/rspb.2016.2602
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/284/1849/20162602
出典:”Watch these daredevil birds dive into chimneys en masse” Patricia Waldron Science Vol 355, Issue 6328 (14 February 2017)
http://www.sciencemag.org/news/2017/02/watch-these-daredevil-birds-dive-chimneys-en-masse?utm_campaign=news_weekly_2017-02-17&et_rid=208065204&et_cid=1171731
出典:Wikipedia記事(英語)“Chimney swift (エントツアマツバメ)”
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%84%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%A1

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海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち

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リーフの海草が海を守る
(リーフの海草が海を守る)
海草が有害微生物を減らすらしい
海草(seagrass)は、海藻ではなく、海の中の生える草です。
アマモなどの海草が海の水を浄化してくれることは良く知られていますが、今回サンゴ礁の有毒微生物を減らす働きが見つかったそうです。
とんとご無沙汰ですが、石垣の海のダイビングのフォトを添えます。





キンギョハナダイ切り出しdownsize
(キンギョハナダイがサンゴから出てきた;石垣島ダイブ)
せっかく上陸したのに水に戻っちゃった
海草や水草たちはクジラやウミガメのように祖先がいったん上陸したもののまた水中に戻った草たちです。だから、東京湾やサンゴ礁のリーフの内側など浅い海が海草の棲み処です。
水草の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
愛でたり食べたり身近な水草と秋色の水の街アヌシー続々編
水草のフシギ種の旅は葉っぱの舟にゆられて 秋の華やぎ秋明菊


オブジャンビーチは沖まで真っ白の砂downsize
(サイパン島のオブジャンビーチは沖まで真っ白の砂底です)
海草は海岸生態系にとって大切
海草は、その海水の浄化作用によって、世界中の海岸の生態系(ecosystem)にとってとても大切な存在です。(陸上の)植物の土壌浄化作用(bio-remediation)と同じく、海草は抗菌物質を作り出すことは知られていましたが、実際に有毒微生物の繁殖を抑えるのか、どうかは不明だったそうです。

デバスズメダイの群れ切り出しdownsize
(デバスズメダイの群れ、サンゴ礁でいつも出会う)
海のゆりかご、サンゴ礁は海草のすみか
赤道の海のリーフ(外海と隔てる礁)のあるサンゴ礁の中は波穏やかな浅瀬でサンゴも海草も育ちやすく、色々な魚の赤ちゃんたち(稚魚)の棲み処にもなっています。

ハマクマノミ切り出しdownsize
(ハマクマノミが巣を守ってます)
サンゴ礁の海岸には基準値の10倍の大腸菌が
しかし、そんな海にも病原体は居て、サンゴ礁の有毒微生物はサンゴの様々な病気を惹き起こすだけでなく、あるものはヒトにも害を及ぼします。例えば、インドネシアのSulawesi 近くの海では波打ち際の大腸菌の数は安全な基準(米国Environmental Protection Agencyの基準)を10倍も超えてしまっています。リゾート開発が進んだせいでしょうか。

ハナゴイ乱舞切り出しdownsize
(ハナゴイの乱舞、群れで泳ぎます)
海草が「生えてる/生えてない」で病原菌を比べると・・・
米国コーネル大学のチームはそんなリーフのあるサンゴ礁の海8,034箇所について、「海草が生えている場所;海草場(seagrass meadows)」と「海草が生えていない場所」と10数種の有毒微生物の数を比べたそうです。ものすごいサンプル数ですね!

海草があると有毒微生物が半減する
波打ち際は別として、平坦な浅い海底(flat)や礁(reef)では、海草有りの場所は海草無しの場所に比べ有毒微生物は半分だったそうです。結果、海草有りの場所なら安全基準を満たすそうです。

モンツキスズメダイ切り出しdownsize
(モンツキスズメダイ、地味ながらオシャレな魚)
海草があるとサンゴの病気も半分に
では海草は実際に病気も防いでいるのか、を知るため、同じくサンゴ礁の「海草あり」と「海草なし」の場所(平坦な海底と礁)のサンゴの健康状態を比べました。病気のサンゴの割合は「海草あり」の方が「海草なし」の半分(各病気平均で)と少なかったそうです。特にblack band、white syndromeなどのサンゴの病気については劇的に少なくなっています。

ウメイロモドキらしい魚切り出しdownsize
(ウメイロモドキらしい魚、サンゴ礁に結構います)
「兵糧攻め」で有毒微生物を抑える
なぜ海草が有毒微生物を減らすのか?出典論文著者Lamb氏らもまだ詳細は分からないそうですが、海草は①栄養分を消費することで有毒微生物の栄養を奪う、②海底を覆うことで有毒微生物を栄養分から遠ざける、ことで有毒微生物を兵糧攻めにするようです。

ひょっとして抗菌物質も効いてる?
海草が富栄養化した海水を浄化することは知られていますが、それが、微生物の兵糧攻めにもつながるってことでしょうか?あるいは、海草の抗菌物質が効いているのかも知れませんね。

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ほのぼの練習機オックスフォード、出自は栄えある王室専用機エンボイ

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晴天をゆくオックスフォード練習機downsize
(晴天をゆくオックスフォード練習機)
かわいくて地味なヒット作オックスフォード
当時も弱小ヒコーキ・メーカーだったエアスピード社(Airspeed)、そのヒコーキも地味だし、会社そのものもM&Aでとっくにない。だから地味ながらシブイかの社のヒット作のオックスフォード(Airspeed AS.10 Oxford)も遠い日本などでは忘れられた存在かも?




英国博物館のゆるキャラか?
ロンドン郊外ColindaleのRAF博物館、ケンブリッジ郊外DuxfordのIWM博物館などでいまでもオックスフォードに会えますが、小さなエンジンをつけた丸っこくてかわいい“ゆるキャラ系”なヒコーキです。

IWM博物館天井に吊るされたOxford REVdownsiz
(IWM博物館天井に吊るされたオックスフォード、“顔”が撮れないんです)
はかない新興エアスピード社
創立1931年と当時新興のエアスピード社(Airspeed)の主な製品はエンボイ/オックスフォードとホルサ・グライダーくらいで1940年デ・ハビランド社傘下に1951年には同社に吸収合併されました(途中フリートシャドワーやケンブリッジなど岡部さんの本にも載った駄作っ機もちょっと作って・・)。

日本の空も飛んだ前身エンボイ旅客機
オックスフォードの元ネタは2つの大戦間の一時の平和な時代、1934年初飛行の旅客機エンボイ(Airspeed AS.6 Envoy)です。当時としてはヒットで52機が生産され、各国で使われました。
実はエンボイは「ひなづる」の名で三菱がライセンス生産するなど日本とも浅からぬ因縁があるのです。


RAF博物館のOxford正面downsize
(RAF博物館のオックスフォード;下面はちょっとアヤシイ黒塗装)
新興市場狙いが練習機の名機に
エンボイは当時としては革新的な単葉、引き込み足の、まだ木製ながら、コンパクトで近代的なエアライナーでした。拡大しつつある新興エアライナー市場(戦争さえなければですが)向けに手ごろで高性能を狙ったのか?そのデザインが結果的にオックスフォードを練習機の名機にしたように思います。

戦後も長く活躍、24ケ国で愛されたオックスフォード
エンボイから発展したオックスフォードは8,500機以上も生産され、1937年デビュー以来24の国・地域(※)で使われ、英国では戦後も現役の練習機として働き、RAFを退役したのは20年近く経った1954年でした。(※:英、米、加、仏、印、蘭、南ア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エジプト、ギリシャ、イラン、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、トルコなど)

古城上空のキングスフライトのエンボイ
(古城上空をゆくキングスフライトのエンボイ)
初の”King's Flight”英国王室専用機の栄光
エアフォースワンと言えば米国大統領専用機、では英国王室は?戦前の大英帝国国王エドワード8世は個人所有機に乗っていました。そりゃあんまりと1936年初めて国家予算で専用機を購入、これがオックスフォードの前身、エンボイだったのです。この飛行チームは”King's Flight”と呼ばれました。(リンク↓)
The King’s Flight (Royal Air Force Museum) 公式ホームページ

今ではThe Royal Squadronに受け継がれ・・
でもエドワード8世国王は離婚歴のある米国人シンプソン婦人との世紀のロマンスでわずか1年足らずで退位してしまったんですけどね。
一方、King's Flightはその後エリザベス女王のQueen’s Flightに、更にRAF第32飛行隊The Royal Squadronに引き継がれてゆきます。現在の使用機は、小型四発ジェットBAE146 とアグスタ(Agusta) 109Eヘリです。エアフォースワンみたいに構えてないところが好き♡!
32(The Royal) Squadron公式ホームページ(リンクなし):http://www.raf.mod.uk/organisation/32squadron.cfm


似た者同士のオックスフォードとアンソン
(似た者同士のオックスフォードとアンソン)
戦わなかったオックスフォード
オックスフォードは練習機だけでなく、第二次大戦中は連絡樹、病院機(air ambulance)としても重宝されたようですが、戦闘には参加しなかったようです。なんにしても実戦でヒドイ目に遭わなくて良かったですね。

同時期、同性能なのに戦いに出たアンソン
フシギなのですが、オックスフォードは当初から高等練習機として発注されたのに、かたや、同じく旅客機Avro 652が前身でほぼ同時期で同性能域のアンソン(Avro Anson)は初めからマリタイム機として発注されています(しかもエンジンまで同じチータなのに)。次いでRAFは旅客機出身でもより高性能のハドソン(Lockheed Hudson)を米国から導入しました。
ハドソンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ベンチャー成上りの礎は丸っこくかわいいハドソン機 空(そら)物語その3

オックスフォードとアンソンは瓜二つなのに・・フシギ
ともに前身はエアライナーでエンジンは同じチータ、寸法も性能も“瓜二つ”のオックスフォードとアンソン。違いと言ったら、初飛行はアンソンが2年先輩ながらアンソンの方が10年以上長く使われたことぐらいかな?でもアンソンも間もなく最前線を退き練習機になりましたし。
敢えて探せば、オックスフォード誕生の前(エンボイ初飛行1年後)、1935年の哨戒機のコンペにアンソンは手を挙げ採用されたからでしょうか?更にその後任はより高性能のハドソンになりましたし。


Oxford 所蔵画のネットイメージdownsize
(オックスフォードの所蔵画、有名なターナー画のレプリカ、昔RAF博物館で買いました)
オックスフォードとアンソンを比べてみると・・
オックスフォード

前身 エンボイ旅客機
初飛行 1937年6月→退役1954年
寸法 全幅: 16.26m、全長10.52m、全高3.38m、翼面積32.3平方m
エンジン アームストロング・シドレー社製チータ9(Cheetah)350馬力×2基
乗員 3名
性能 最大速度309 km /h、航続距離1,464km
積載重量(Loaded weight) 3,409kg


アンソン
前身 アブロ652旅客機
初飛行 1935年3月→退役1968年
寸法 全幅: 17.22m、全長12.99m、全高3.99m、翼面積43.01平方m
エンジン アームストロング・シドレー社製チータ9(Cheetah)350馬力×2基
乗員 3名
性能 最大速度303 km /h、航続距離1,270km
積載重量(Loaded weight)  3,608kg


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ゴボウも主役です、子持ちがおいしいナメタガレイの煮つけ

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煮汁もたっぷりに盛り付けますREVdownsize
(ナメタガレイの煮付け、煮汁もたっぷりに盛り付けます)
きんきをカレイに替えてみました
私がいつも料理の教科書として重宝している江崎新太郎氏著の「お料理手ほどき;えさき流日本料理」の「きんきの煮付け」の魚種をカレイに替えてみました。一見手間がかかる印象ですが、意外と短時間、手軽に仕上がります。




この料理のポイントは・・
〇 ゴボウも主役、たっぷり使う
〇 カレイとゴボウにていねいに隠し包丁を入れる
〇 煮汁のアルコール分を事前に十分飛ばす
〇 煮あがったら一旦冷まして含め煮にする


材料はカレイとゴボウREVdownsize
(材料はカレイとゴボウ、シンプルな料理です)
おや、ゴボウの風味がおいしいゾ
なるべくお手本に忠実な、プラモで言うなら「ストレート・フロム・ザ・ボックス」的なレシピなのですが、脇役のはずのゴボウがとてもおいしい。食べるとゴボウの風味が広がります。

とうとうゴボウも主役の座に・・・
やがてゴボウの割合が段々増えてカレイがすっぽり収まる鍋にすき間なくゴボウを浮かべるくらいになり「カレイとゴボウの煮つけ」状態になってしまいました。とてもおいしいですよ。


ナメタガレイには包丁目を入れるdownsize
(ナメタガレイには包丁目を入れる)
やっぱり子持ちがおすすめ、冬のナメタガレイ
同じくこの煮つけではカレイの子もおいしく煮上がりますので子持ちカレイがおすすめです。カレイはナメタガレイが好みなので使っています。ナメタガレイの旬、早春の繁殖期直前の晩冬には良く作ります。子どもの頃の大阪ではよく食卓に出た庶民の魚だったんですけどね・・・。


切れ目を入れたゴボウは酢水であく抜きdownsize
(切れ目を入れたゴボウは酢水であく抜き)
味と食感のための一手間、隠し包丁
カレイやゴボウにひたすら切れ目や隠し包丁を入れまくっていますが、箸でさっと取れて、あるいは、心地よい硬さで嚙み砕けるためには大事な一手間です。もちろん煮汁も浸みていておいしいです。

臭みは拭き取っておきましょう
カレイはまずキッチンペーパーでぬぐってから使います。どれほど新鮮でも魚(肉も)はやはり臭みがあります。最初に丁寧に拭き取っておくと臭みがかなり取れるようです。多分、表面の食材成分が空気酸化が臭みの素の1つなのでしょう。

カレイがぴったり入る鍋で煮るREVdownsize
(カレイがぴったり入る鍋で煮る)
量は間違いじゃありません、酒も味の決め手
このレシピで「お酒の量が間違いじゃないの?」と思われるかも知れませんが、お手本に忠実なままです。ちょっと贅沢ですが、カレイとゴボウの味の深みには欠かせない量ではないかと思っています。

シンプルさがゴボウの風味を生かす
ちなみにこのレシピではショウガを使いません。日本酒で十分臭みが抜けるしショウガを入れるとほんらいの風味、特にゴボウの風味を消してしまいかねません。

ナメタガレイとゴボウの煮つけの完成downsize
(ナメタガレイとゴボウの煮つけの完成)
盛り付けも勉強しなくちゃ・・
おいしいゴボウや煮汁もたっぷりに添えてカレイをおいしくいただきます。でも、完成品のフォトを見ると、相変わらず盛り付けがダメですね。少し青いものが白髪ねぎを盛ると良いかも知れません、

さてレシピです
材料と下ごしらえ

〇 ナメタガレイ(子持ち)2切: 背の皮に×印、腹の皮に三印に包丁目を入れます
〇 ごぼう 2-3本: 5cm幅、縦半月に切り、両面に格子状に隠し包丁を入れます。薄い酢水に浸してあく抜きをし、水洗い後、水気を切っておきます


煮汁の配合
〇 砂糖 大さじ 2
〇 日本酒 200ml
〇 みりん 90ml
〇 白だし 20ml +湯 180ml (合計200ml)
〇 濃口しょう油 60ml
<ポイント>
水ではなく湯を使うことで砂糖を溶かすとともに温かい温度で味見ができます(甘味の味覚は温度が高いほど敏感になりますから)。
甘辛のバランスはしょう油の量で微調整します。
かれいがちょうどひたひたで煮汁をかぶるように、要に応じて比率を保って煮汁の量を増減します(大きめの切り身のときには1.5倍量にしています)。


作り方
1. かれい2切れが入る広い鍋に煮汁をいれて煮たたせアルコール分を十分飛ばします
2. 一旦火を止め、かれいとごぼうを鍋にきっちり並べて入れます
3. 落し蓋(ステンレス製)を置き、中火で10分煮ます(この間材料に触れないこと)
4. 室温でゆっくり冷まし含め煮にします
5. 食べる前に再度温めてから器に盛っていただきます

冷めないうちにいただきます。


出典:「お料理手ほどき;えさき流日本料理」青山えさき江崎新太郎氏著(2009年、柴田書店)
P.86 「きんきの煮付け」


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ムクドリは液体ヘリウムの群れでタカから逃れる + 帝都ウィーン(再)

ムクドリは液体ヘリウムの群れでタカから逃れる + 帝都ウィーン(再)
ゲームソフトが明かす1つの生き物のように舞う群れ戦略

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ムクドリの群れ旋回のしくみ
(ムクドリの群れ一斉旋回のしくみ)
何千ものムクドリが「1匹の龍」となって空を舞う
ムクドリ(椋鳥、Starling)は何百羽、何千羽と群れて目まぐるしく形を変えながら、まるで「大きな1匹の龍」が大空を自在に舞うように群れます。(欧州の例なのでムクドリ科(Sturnidae)の鳥です。出典著者Lallensack氏はこの舞う群れを” murmuration”と言っています。
Murmurationの画像




仲良く首をふりふりお馬さんがゆくREVdownsize
(仲良く首をふりふりお馬さんがゆく古都ウィーン)
会議は踊る帝都ウィーン
ダンスを踊るようなムクドリの飛翔のナゾは液体ヘリウムだった・・と言うサイエンス小ネタ。舞踏つながりで「会議は踊る」ウィーン会議の舞台、いにしえの帝都ウィーンのフォトを添えます(再掲)。
ウィーンの過去記事はこれ↓クリックで飛びます
ウィーンには秋が良く似合う、帝都の残り香
巣を張るだけがクモじゃない蜘蛛の糸の技術革新+古都ウィーン番外編


ホーフブルク王宮へ続く路REVdownsize
(ホーフブルク王宮(Hofburg)へ続く路)
変幻自在、予測不能なのに一糸乱れぬマスゲーム
ムクドリたちは一斉に一糸乱れず動き、しかもその方向と群れの形は予測不能でランダムに見えます。大空を自在に踊るようにも見えます。

「10時上空タカ!右バンク15度」→「右15度」を伝言ゲーム
ムクドリの群れにはこれまで2つのナゾがありました。どのようにして一斉に一糸乱れず方向転換できるのか?果たしてタカなどの捕食者から身を守るに役立っているのか?

シュテファン大聖堂(Stephansdom)downsize
(シュテファン大聖堂(Stephansdom))
テレパシー説まで飛び出したムクドリ群れのナゾ
他の鳥と同じ方向に向かうようなモデルではムクドリの群れの動きは説明出来ませんでした。ナゾなのでテレパシーを使っているなんて説もありました。

群れのムクドリを1羽づつ追う最新の画像解析ソフト
そこでムクドリの群れの動きをビデオ撮影し、コンピューターソフトを使ってその映像からその1羽、1羽の動きの軌跡を克明に追って解析したそうです。


「隣りと同じ旋回角でスピン」するのがミソでした
すると「となりの鳥と正確に同じ旋回角でスピンする」ことで方向転換するモデルで説明できたそうです。ムクドリの群れの旋回は一握りの個体の旋回から始まり、秒速20から40mの一定のスピードで群れ全体に伝わり、0.5秒ほどで群れ全体が旋回します。まるでたくさんの小さな方位磁針が磁石を近づけると一瞬で一斉に針を振るように・・・。

颯爽と席をぬってゆくカフェのスタッフdownsize
(颯爽と席をぬってゆくカフェのスタッフ、ウィーンはカフェ発祥の地です)
ムクドリとヘリウムの量子力学的な関係
しかも個々のムクドリの振る舞いは超液体である液体ヘリウムの1つ1つの原子の「量子力学的な振る舞い」とそっくりだったそうです。一定速度で旋回が群れに伝わることと良く合うそうです。

「超流動」で容器から逃げてしまう液体ヘリウム
絶対零度近くまでヘリウムを冷やすと液体になりますが、「超流動」を起こし容器に入れておいてもいつの間にか“逃げ出して”しまいます。この超流動や各原子のスピンが常に揃い一斉反転するのは液体ヘリウムの量子力学的な振る舞いだそうで、ムクドリの群れはこれとそっくりと言う訳です。

全艦一斉回頭
(全艦一斉回頭で攻撃をかわすのと同じなの??)
左舷に魚雷!全艦取り舵いっぱい!
また、旋回角を揃えることが、群れが素早く一斉回頭して敵の攻撃をかわすのに一番有効な方法であることを進化の過程で獲得したのだろうと出典著者は推察しています。
例えば、艦隊が魚雷奇襲攻撃を一斉回頭でかわすのと同じなのでしょうか?


神々の黄昏REVdownsize
(「神々の黄昏」、ホーフブルク王宮彫像のシルエット)
ムクドリの群れを3次元で再現したゲームソフト
そこで、ムクドリの群れの1羽1羽の映像解析からコンピューター上に3次元でヴァーチャルなムクドリ群れを再現し、これをタカ役のプレーヤーが襲うと言うゲームソフトを作り「ムクドリ狩りゲーム」をやってもらいました。

「タカ」役プレーヤーの完敗に終わりました
すると「タカ」役のプレーヤーにとってヴァーチャル・ムクドリを捕えるのはとても難しいことが分かりました。なぜなら、3次元空間を無数のヴァーチャル・ムクドリが予測不能に飛び回るので的が絞れないし、そもそも特定の1羽をずっと追うことが無理だからです(→このゲームソフト、売れると思いません?)。
なお、2次元ではこの「群れの効果」は再現できなかったそうです。


量子力学で天敵タカをかわすムクドリってすごい!
やっぱりムクドリの群れとその動きはタカなど捕食者から身を守るのに役立っているんです。しかも、何百、何千と言うムクドリが一糸乱れず一斉に機動できるのは量子力学と同じ原理だったと言うのも驚きですね。

【余談】ヒコーキのStarlingはムクドリではありません
ちなみにヒコーキのStarlingは椋鳥とは似ても似つかぬ怪鳥でムクドリじゃなくスコットランドの街の名前です。スターリングの過去記事です↓
規制を守って翼を切られた怪鳥の悲喜劇、スターリング物がたり

以下リンクは貼っていません。ご興味あればURLをコピペください。
出典: “Flocking starlings evade predators with ‘confusion effect’” Rachael Lallensack氏、Science誌記事2017年1月17日:http://www.sciencemag.org/news/2017/01/flocking-starlings-evade-predators-confusion-effect?utm_campaign=news_weekly_2017-01-19&et_rid=208065204&et_cid=1114691
出典: “How bird flocks are like liquid helium” Marcus WooJul氏、Science誌 2014年7月27日:http://www.sciencemag.org/news/2014/07/how-bird-flocks-are-liquid-helium
出典: “The confusion effect when attacking simulated three-dimensional starling flocks” Benedict G. Hogan, Hanno Hildenbrandt, Nicholas E. Scott-Samuel, Innes C. Cuthill and Charlotte K. Hemelrijk, Royal Society Open Science vol.4 2016:http://dx.doi.org/10.1098/rsos.160564
出典: ウキペディア記事「ヘリウム」、「超流動」、「ムクドリ」:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E6%B5%81%E5%8B%95
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%82%AF%E3%83%89%E3%83%AA


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無鉄砲と臆病者のチームで生き抜くイトヨ + パリ郊外モレ・シュル・ロワン

無鉄砲と臆病者のチームで生き抜くイトヨ
+ パリ郊外モレ・シュル・ロワン

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実験水槽でイトヨの度胸を試す
(実験水槽でイトヨの度胸を試す)
印象派シスレーの愛したパリ郊外モレ・シュル・ロワン
パリからRERでちょっとお出かけのモレ・シュル・ロワン(Moret-sur-Loing)は、最後まで印象派を貫いた画家シスレー(Alfred Sisley)が愛した村、そのフォトを添える「無鉄砲と臆病者のチーム・イトヨ」と言うサイエンス小ネタです、水辺つながりで・・。
モレ・シュル・ロワンの過去記事です、クリックで飛びます↓
シスレーが愛したモレシュルロワン、バラと岸辺のレストラン
ワンちゃんにはご飯をあげよう+パリ郊外モレシュルロワン番外編





シスレーが愛した堰と水の村downsize
(シスレーが愛した堰と水の村モレ・シュル・ロワン)
サカナだって個性があります
「動物にも個性がある」、「集団で行動する動物も多い」ことはいろいろな例や自らの経験からも納得できます。じゃ、動物の集団(社会)と動物個体の個性との関係は?

開けた水面は危険
(開けた水面ではイトヨは丸見え、危険がいっぱい)
ひとりだけと仲間と一緒では行動が違うのでは?
出典著者Christos C. Ioannou氏らは野生のイトヨ(糸魚 Gasterosteus aculeatus)80匹を使ってイトヨがどのくらい危険を冒して餌を取ろうとするかを、1匹づつの場合と集団の場合について調べました。

石の壁にファンタジーな花屋さんREVdownsize
(石の壁にファンタジーな花屋さん)
開けた水面には危険がいっぱい
自然環境下の開けた水面は鳥などの捕食者から丸見えの危険地帯。餌は欲しいが餌(甲殻類など)開けた水面では捕食者(大きな魚や鳥)に見つかるかも?水槽を泳ぎ渡ることはイトヨにとって「危険を冒す」行為なのです。

Loing川の堰 その3downsize
(ロワン(Loing)川の堰)
覆いのシェルターを出る勇気を試す
実験室の水槽の片隅はカバーで覆われここにイトヨを放します。その反対側に餌を置き、イトヨが餌まで行くにはカバー覆いを出て上から丸見えの水槽を泳いでゆかなければなりません(「実験室だから鳥はいないよ」って言ってもイトヨには分かりませんし)。

のんびりした辻角のレストランREVdownsize
(のんびりした辻角のレストラン)
「慎重」も「無鉄砲」もイトヨの生まれつきです
1匹づつイトヨを試すと、なかなか覆いから出ない「臆病者」もいれば、迷わずさーっと泳いでゆく「無鉄砲な奴」もいて、何度か繰り返してもそれぞれの個性は変わらなかったそうです。


何も考えず飛び出すヤツ、10分以上迷うヤツ
餌を見つけてシェルター覆いを出て水槽に泳ぎだすまでの“躊躇”の時間は平均160.4秒ですが、その数値の幅はなんと5秒(考える前に飛び出す)から733秒(10分以上、餌はとっくに逃げてる)までバラついています。

かわいい看板のインテリア小物屋さんdownsize
(かわいい看板のインテリア小物屋さん)
群れると個性が相殺される
そこでイトヨたちを10匹のグループ(臆病者も無鉄砲も居る)で水槽に入れて同じテストをやってみると・・・両者の平均的な成績になりました。でもなぜ?

集団は個性を薄め全体のサバイバルに繋がる
出典著者Ioannou氏らの説明(=解釈)はこうです。
1. 無鉄砲はすぐに飛び出すが仲間がついてこないので待つ
2. 臆病者は仲間に遅れないよう少し勇気を奮って早めに出る
3. その結果、グループの行動は臆病者と無鉄砲者の中間の最適時間に落ち着き、
4. この行動が経験も浅く弱い存在であるイトヨ若者たちのサバイバルに繋がるらしい
・・とのことです


ちょっと変わった水車downsize
(ちょっと変わった水車)
若者は群れて暮らすイトヨ
まだ「所帯を持つには未熟な」イトヨの若いオスたちは群れます。その方が餌も得やすく、敵にも襲われにくいからでしょうね。リーダーもいない若いイトヨたちはどういう集団行動を取るのでしょうか?・・・と言うのが出典著者たちの興味であったようです。

個性を活かす集団が生き残る
動物だって、魚だって、ヒトと同じ、それぞれに「個性」があり、また、仲間も居て、それで「社会」を作っています。色々な個性を活かしながらみんなで厳しい自然環境を生き抜くイトヨはたくましいですね。

城塞の面影を遺す石の門downsize
(城塞の面影を遺す石の門)
仲間がいてこその個性です
これまで集団の行動(心理)の研究では個性(=個体差)を顧みず、個の行動の研究では集団となる効果に着目してこなかったのだそうで、その意味でこの研究はユニークなのだそうです。身の回りの日常を振り返れば個性が光るときも、仲間の力を頼るときもありますね。イトヨの個性と仲間意識に注目したこの研究は面白い視点だと思います。

以下はイトヨの余談(と出典)です。ご興味あれば「続きを読む」をクリックください


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赤ちゃん言葉の声に仔犬は耳を傾け、成犬は知らんぷり、なぜ?+ブルターニュの美しき島ベル・イル

赤ちゃん言葉の声に仔犬は耳を傾け、成犬は知らんぷり、なぜ?
+ブルターニュの美しき島ベル・イル(再)

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【もう一度の御礼です(ちょっとウレシイもあって)】先の記事でトータルアクセス100万回超えをご報告いたしました。これも皆さまの温かいご支援の賜物♡♪、心から重ねて感謝を申し上げますとともに、これからも頑張りま~す。Levalloisbee


つい赤ちゃん言葉で話しかける
(つい赤ちゃん言葉でワンちゃんに話しかけてしまう)
ネットニュースにもなりました
この話題、最近のネットニュース(出典①)にもありましたから、ご存じかも知れませんね。
そこで、元ネタの科学論文(出典②③④)から面白そうなところ少し掘り下げてご紹介してみます。





ルパレ港に続く深い入り江に寄り添うような街並みdownsize
(ルパレ港に続く深い入り江に寄り添うようなベル・イルの街並み)
ブルターニュの「美しき島」ベル・イル
フランス南ブルターニュのベル・イル(Belle Ile en Mer)の写真を添えます(再掲)、何のつながりも無いですが。
ベル・イルの過去記事です↓(クリックで飛びます)
南ブルターニュのその名も「美しき島」ベルイル フランス街歩き番外編
かわいい肉食系、ヒドラは海の老舗 + ブルターニュの美しい島ベルイル


仔犬は駆け寄り成犬は無視
(仔犬は駆け寄り成犬は無視)
赤ちゃんやワンちゃんにはついつい「赤ちゃん言葉」に・・
誰でも赤ちゃんや幼児には「赤ちゃん言葉」で話しかけます。そして飼い主はワンちゃんにも「赤ちゃん言葉」のように話しかけます。じゃ、ワンちゃんたちはどう反応しているのでしょうか?

赤ちゃんやワンちゃんには高い声でゆっくり話しかける
何人かのボランティアに大人、子供、ワンちゃんかネコちゃんに「わぁ、かわいい!いい子ちゃんね」とか、“同じ言葉”を話しかけてもらいました。すると子供やワンちゃんには高い声(よく通る)でゆっくりと話しかける傾向だったそうです、大人に話すのとは全く違って。

のどかに舫うヨットたちdownsize
(のどかに舫うヨットたち)
声だけでも駆け寄る仔犬たち
そこでワンちゃんに話しかけた声を録音して、その声だけ(人の姿はない)を動物保護施設の仔犬(飼い主がいない)に聞かせてみると、10匹中9匹の仔犬が興味を示して駆け寄ってきたそうです。

オトナになれば声だけじゃ動かない
同じテストを成犬に対して行ってみるとまるで違う結果でした。成犬たちは初めちょっと聞き耳を立てただけでその後は無視してしまいました。(出典②③)(出典②③)(出典②③)

成犬は言葉よりも所作や行動で察する
出典③著者Nicolas Mathevon氏(仏Lyon大学)らは、
1) 仔犬たちは飼い主の言葉(メッセージ)を学ぼうとしているので声にひかれるのではないか、
2) そして成犬になると言葉よりも飼い主の所作や行動で意図を察するようになる、だからもはや「声だけ」では反応しなくなるのではないか。(例えば、「リードを持ったからお散歩だ!」と察するようなことでしょうか)


淡いブルーが空に映える瀟洒な建物downsize
(淡いブルーが空に映える瀟洒な建物)
異論も・・
違った見方もあります。この研究論文をScience誌トピックス(出典②)として紹介したVirginia Morell氏は「仔犬たちに言葉を教えようとしているとは言えない」観点もあると少し前のDenis Burnham氏らの論文(出典④)を引用しています。

「母音のしゃべり方」と言う違った観点からみると・・
引用の出典④著者Denis.Burnham氏(豪Western Sydney大学)らは、母親は大人に対してより、幼児に対しては、より高い声で(高周波数で)、母音をよりはっきりと話しかける、それが、英語、ロシア語、日本語など、どんな母国語でも。そしてそれが、幼児が言葉を覚える助けになると述べています。

赤ちゃん語は感情を込めることの副産物か?
つまり、私たちはワンちゃんたちに言葉を覚えて欲しくて高い声で話すのだろうか?幼児やワンちゃんに話しかけるときいの高い声は感情をこめて話す結果の「副産物」ではないのか?・・と言う疑問です。

荒野にポツンと立つ灯台は白に赤が印象的REVdownsize
(荒野にポツンと立つ灯台は白に赤が印象的)
相手や話す対象次第で話し方が変わる
この出典④著者Denis.Burnham氏らは12人のお母さんに彼女たちの生後6か月の子供、彼女たちの飼いイヌか飼いネコ、そしてアカの他人の大人に対して、3つのおもちゃ;sheep(ヒツジ)、shoe(くつ)、shark(サメ)について話してもらい録音しました。

相手が愛おしければ話し方も変わる、ワンでもニャンでも
すると、声の高さ(周波数)、感情のこもり具合、母音の「はっきり度」が相手次第で違いました(そりゃそうだ)。

ルパレ港の夕暮れdownsize
(ルパレ港の夕暮れ)
我が子には母音をはっきり発音・・
「母音のはっきり度」では“優しいヒツジさん”が“どうでもいい靴”や“恐いサメ”より際立っていましたが、その違いが自分の子供に対する方が、飼いイヌ/ネコや大人に対するより一層差が際立っていました(うん、納得ではあります)。ちなみに対ワンちゃんと、対ネコちゃんでは差が無かったそうです。

ママは思わず気持ちを込め高い声で話す
つまるところ私たちはわが子や飼い犬を愛するがゆえに、また、お話する対象が優しいものであればあるほど、感情を込め、高い声で、母音を明瞭に発音してしまう、それがヒトの性(さが)ってもの、別に言葉を教えようと思わなくても・・てことじゃないのか?・・・。

話すことは愛を伝えるステキな遺伝子の贈り物
私たちは話すとき、その相手が誰であるか(愛する対象か、どうでもいい人か)で話し方も変わります。話し言葉には文字で書ける情報以上のはるかに豊かなコミュニケーションが込められているってことでしょうか?

愛する者たちにはたくさんお話しよう
言葉を話せるのはヒトだけです。話しかけることは優しさや愛おしさを伝える、優れた、大切な遺伝子からの贈り物です。赤ちゃん、幼児に対するのと同じように、仔犬たちにはたくさん話しかけてあげるのが良いのでしょうね。

ヒトとワンちゃんとの関わりは先史時代から・・・
もちろんこれらは1つの研究成果ですし、ワンちゃん、ネコちゃんたちにはそれぞれ個性(個体差)があって必ずしも“平均的な”行動を取るとは限らないでしょう。それでもこのような観点でヒトとコンパニオン・アニマルとの関わり合いを見つめてみることも有意義だと思うLevalloisbeeです。

ワンちゃんとヒトとの関わりに過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
apprivoiserは特別な絆最初のヒトの友はワンちゃん(+パリ1区8区歩き)
白目でヒトとワンちゃんは目くばせする 行き付けBarとカフェ
ワンちゃんにはご飯をあげよう+パリ郊外モレシュルロワン番外編
ワンは平和なコミュニケーション+パリを彩る花たち


以下出典にリンクは貼っていませんので、ご興味あればコピペしてください
出典①:AOLニュース2017・01・20 「子犬は人から赤ちゃん言葉で話しかけられるのがやっぱり大好きだった!英研究で判明」:http://news.aol.jp/2017/01/18/dog/
出典②:” What dogs hear when we talk to them” Virginia Morell Science Jan. 10, 2017
出典③:”Dog-directed speech: why do we use it and do dogs pay attention to it?” Ben-Aderet T, Gallego- Abenza M, Reby D, Mathevon N. 2017 Proc. R. Soc. B vol.284: 20162429.:http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2016.2429
出典④:” What's New, Pussycat? On Talking to Babies and Animals” Denis Burnham, Christine Kitamura, Uté Vollmer-Conna Science 24 May 2002:Vol. 296, Issue 5572, pp. 1435 DOI: 10.1126/science.1069587:http://science.sciencemag.org/content/296/5572/1435


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蚊の必殺仕事人グッピーが環境破壊なの?+”Wooden Wonder” モスキート

蚊の必殺仕事人グッピーが環境破壊なの?+”Wooden Wonder” モスキート ~ 蚊が媒介する感染症との戦い(2) ~

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気が付かない間に先月末にトータルアクセスが100万回を超えておりました。拙いブログにも関わらず皆さまの温かいご支援の賜物と心から感謝と御礼を申し上げます。改めて少しでも中身のあるブログ記事にせねば、と(遅まきながら)気を引き締める次第です。ありがとうございました。Levalloisbee

グッピーは必殺仕事人か環境破壊者か
(グッピーは必殺仕事人か?環境破壊者か?)
蚊が媒介する感染症との戦い
・・・の続きです。前編はここをクリックください↓
ジカ熱に善戦するキューバ;蚊が媒介する感染症との戦い(1)+南仏エクサンプロヴァンス




伝統のボウフラ・バスターズ、グッピー
前編でご紹介したように、蚊はマラリア、デング出血熱、ジカ熱など多くの熱帯感染症を媒介する中間宿主です。優れたワクチンなど未だなく、衛生環境の劣悪だった戦前から、熱帯、亜熱帯の旧植民地諸国では蚊の駆除の切り札として、その幼虫であるボウフラを食べてくれるグッピー(Guppy、Poecilia reticulata)を湖沼に放流しました。

理不尽な運命の必殺仕事人、グッピー
ところが、グッピーは「理不尽な」判定をされそうなです。蚊駆除の「必殺仕事人」として各国でもてはやされたのに今度は生態系を壊す「容疑者」になってしまいました。

美しき天敵モスキート
(美しき天敵”Wooden Wonder”ことDH.98モスキート)
美しき天敵「モスキート」
グッピーの“仮想敵“、蚊(mosquito)がらみで”Wooden Wonder”ことモスキート(DH.98 Mosquito)のフォトを添えます。一説によれば「モスキートの流麗なデザインはカワカマスをヒントにした」とも。サカナとモスキートは他人の空似と言う過去記事はこれ↓
サカナですけど練習次第で歩けます!生きた化石の発生可塑性+Wooden Wonderモスキート~「生きた化石」その3~

モスキトーの心臓マーリンエンジンdownsize
(モスキートの心臓マーリンエンジン; ロンドン郊外RAF博物館)
グッピー放流の不都合な4つの証拠
出典著者のカナダのヴィクトリア大学Rana W. El-Sabaawi氏らは蚊撲滅目的でグッピーたちを水系に放つことが不適切であると4つの点を挙げています。
1. グッピーが「蚊の幼虫、ボウフラをよく食べてくれる」実験結果は野外では当てはまらない
2. グッピーの繁殖力は旺盛で強力な侵入種になり得る(数で圧倒する)
3. 放たれたグッピーの封じ込めは難しい(オープンな水系に放たれるため)
4. グッピーは在来種の餌と棲み処を奪い、環境を悪化させる(排泄アンモニアが水質を悪化させる)


蚊だけでなく在来種も駆逐するグッピー
ところが、放流されたグッピーたちは競争力のある「外来種」として地元の生態系を壊しているようなのです。グッピーは繁殖力が強くすぐに殖え、在来種のニッチ(餌と棲み処)を奪ってしまうそうです。

モスキトーB35 RAF博物館にてdownsize
(モスキートB35 RAF博物館にて)
グッピー、腹が減ればボウフラでも喜んで食べますが・・・
そもそもグッピーが蚊駆除の必殺仕事人であるとの科学的根拠もちょっと怪しいそうです。実験室で絶食したグッピーにボウフラを与えたら良く食べたそうですが、そりゃ腹が減れば何でも食べるから当たり前です。実際に野外ではグッピーはボウフラよりは在来種の餌を食べてしまうそうです。

もともと雑食です、グッピー
そもそも野生のグッピーは藻の切れ端、昆虫の幼生など無脊椎動物、と幅広く餌にし、また、環境次第で餌を器用に切り替えます。実験室でボウフラを食べても野外でもっと入手し易い餌(他の魚の餌も含めて)があればそちらを食べるのです。

なるほどカワカマスなモスキートdownsize
(なるほどカワカマスなモスキート)
グッピーのオシッコ(NH4+)が水系を汚す
それだけではなく湖沼、河川などの水系に排泄物のアンモニアを大量に放出し水系環境そのものを変えてしまっているそうです。富栄養化した湖沼、河川では藻が繁茂しグッピーとはニッチを競わない在来種まで影響を受けているそうです。

ワクチンのない感染症対策にグッピーへの期待は高い
もちろん一方で、やはり蚊が媒介する感染症撲滅のためにはグッピーの放流を進めるべきとの見解もあります。特に最近感染が拡大しているジカ熱、デング熱には未だ有効なワクチンもなく、途上国ではグッピーは現実的な対抗策なのかも知れません。

正確無比の高速パスファインダーMosquitoこれはB35downsize
(正確無比の高速パスファインダー、モスキート、これはB35)
「トロイの木馬」、遺伝子組み換えの蚊
新しいアプローチとして、グッピー放流の代わりに抗生物質なしでは成虫になれないよう遺伝子改変した蚊を放って蚊を減らしマラリア原虫媒介を抑える方法も2009年から南米を中心に試行中です(※)。これは組み替え遺伝子の拡散リスクと言う別の懸念もあります。自然と同じ組み換えが出来る遺伝子編集ならこのリスクを克服できるかも知れませんが・・。(※:日経サイエンス2017年3月号P.31「蚊で蚊を退治」)

今やネットでDIYのグッピー放流
グッピーで蚊を制圧する試みは現在でも感染症に苦しむ熱帯、亜熱帯諸国で引き継がれています。新しくはジカ熱、デング熱駆除のため2013年にパキスタンの、2015、2026年にブラジルの水系に放流されました。今やネットではグッピー放流を”DIY“で行う方法まで紹介されているそうです。

RAF博物館の一等席に展示されているモスキートdownsize
(RAF博物館の一等席に展示されているモスキート)
グッピーの二律背反
パンデミック(pandemic、感染症の世界流行)の制圧か、環境の保護か、今回ご紹介のかわいい「グッピー」の扱いは悩ましい二律背反の問題です。
これを解決するのは(前編でご紹介したキューバのような)昔ながらの公衆衛生の向上と(CRISPRなどを用いる)最先端の遺伝子編集でしょうか。


今こそ間尺に合った妥協を・・・
まずは必要な科学的データを集めること、そしてその地域に暮らす人々がこれを十分理解したうえで自らが政策を決めてゆくことなのでしょうね。
持続可能な環境施策とは、あくまで合理的、科学的な根拠に基づきながらも、一方で、当事者である住民が納得できるスマートな、つまりは「間尺に合った」ある種の妥協ではないでしょうか?・・と思うLevalloisbeeです。


おまけ:Mosquito B Mk.35 諸元
全長 12.497m、全幅(wing span) 16.51m、全高 5.309m
主翼面積(wing area) 40.469平方m、自重 6,638kg、全備重量(loaded weight) 11,431kg
エンジン R.R. Marlin 113/114 1690馬力×2 (双発)
最大速度 時速668km、上昇限度(service ceiling) 12,800m、航続距離(range) 2,235km
防御武装 なし、爆弾搭載量 4000ポンド(1.814トン)×1発


出典URLにリンクは貼っていませんので、参照の際はコピペしてください。
出典:”Biodiversity and ecosystem risks arising from using guppies to control mosquitoes” El-Sabaawi RW氏他Biology Letters誌 12: 20160590
http://dx.doi.org/10.1098/rsbl.2016.0590
出典:” Ecologists raise alarm over releases of mosquito-killing guppies” Kelly Servick氏 Science誌 Oct. 25, 2016 DOI: 10.1126/science.aal0304
http://www.sciencemag.org/news/2016/10/ecologists-raise-alarm-over-releases-mosquito-killing-guppies?utm_campaign=news_weekly_2016-10-28&et_rid=208065204&et_cid=940904


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