厚揚げとナスの炒め煮、思いつきの残り物レシピだけどおいしい

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厚揚げとナスの炒め煮downsize
(厚揚げとナスの炒め煮)
余り物同士の思わぬヒット・レシピ
おでんとグラタンを作ったら厚揚げとナスが少し余りました。そこで、最近試した「おしゃべりクッキング」のレシピ「豚バラと厚揚げの炒め物」(※:文末参照)をヒントにチャッチャッと作ってみたオリジナル?レシピです。でもこれが思わぬヒット、おいしかったのでご紹介しています。
ナスと厚揚げの別のレシピの過去記事です↓(クリックで飛びます)。
ナスと厚揚げをみそ炒めのコクで楽しむ夏の一品




厚揚げとナスの炒め煮の材料ですdownsize
(厚揚げとナスの炒め煮の材料です)
アレンジ戦略?と調理のポイント
1. 一旦ナスを厚揚げと合わせて炒めるのは油との相性がいいからです
2. 元ネタは中華ですが、きつねうどんのうす揚げの煮汁をベースにした煮汁に替えています
3. 隠し味としてショウガ(とりあえず手元にあるチューブショウガですが)を使います
4. 少し薄めの煮汁で煮詰め、更に室温に置いて含め煮にします


ナスと厚揚げは拍子切りにするdownsize
(ナスと厚揚げは拍子切りにする)
主な材料と下ごしらえ
● 厚揚げ 2枚:まずキッチンペーパーで余計な油を取り除きます。1~1.5cmの拍子切りして更に半分にカット。5×2×2で20個の拍子切りが出来ます。
● ナス 2個:まず縦に4分の1カット、更に横半分に切っておきます。4×2×2で16個の拍子切り


ナスが透明になったら厚揚げを加え炒めるdownsize
(ナスが透明になったら厚揚げを加え炒める)
煮汁を作ります
● 砂糖 大さじ1杯
● 白だし(10倍濃度) 30ml
● めんつゆ(2倍濃度) 30ml
● しょうゆ 10ml
● 日本酒 20ml
以上に水を加えて450mlにし、電子レンジで温めて(牛乳温めのモード)砂糖を融かしておきます。


煮汁を少し煮詰めるdownsize
(煮汁を少し煮詰める)
その他の材料
● ごま油 大さじ1杯
● チューブ・ショウガ少々


室温で含め煮し再度温めると完成downsize
(室温で含め煮し再度温めると完成)
作り方
1. フライパンにごま油を敷いて中火で加熱しナスを炒める
2. ナスが油を吸って透明感が出てくれば、厚揚げとチューブ・ショウガを加えて更に中火で少し炒める
3. 煮汁全量を加えて強火にして煮詰めてゆく。3分の2くらいの量まで煮詰まれば火を止める
4. 一旦取り出して室温に置き、「含め煮」にする
5. 食べる前に再度温める(電子レンジでチンでOK)。


※:【参考】
「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」「豚バラと厚揚げの炒め物」(2018/01/26放映)から「ストレート・フロム・ザ・ボックス」ならぬ「ストレート・フロム・ザ・TV」で作ってみたらおいしかったです。
おしゃべりCooking豚バラと厚揚げの炒め物downsize
(おしゃべりCooking「豚バラと厚揚げの炒め物」を作ってみました)

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過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
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温暖化で北上のビーバーが凍土を融かして温暖化を加速+カナダ首都オタワ

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温暖化でツンドラに進出したビーバーが更に温暖化を加速
(温暖化でツンドラに進出したビーバーが更に温暖化を加速)
地球温暖化がビーバーを北にいざなうと更に温暖化
人為的地球温暖化はビーバーを気温が緩んだ極地へと誘うことになりました。そして図らずもこれまで有益だった「ビーバーのダムづくり」が永久凍土を融かし温暖化を加速しているようなのです。
どういうことでしょうか?





ツララに飾られた家並みREVdownsize
(ツララに飾られたオタワの家並み)
白銀世界、オタワの冬
今回は永久凍土地帯の話題につきカナダの首都オタワの冬の街歩きのフォトを添えます。
オタワの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
小さな首都オタワ、マイナス20度の世界遺産で氷の祭典ウィンタールード
地図はなぜ北が上?+ カナダの飛行機は寒冷地仕様


ウィンタールード恒例のアイススケートリンクREVdownsize
(冬の祭り、ウィンタールード恒例のアイススケートリンク)
ビーバー君たちは環境や多様性を守ります
ビーバーには川など水系にダムを作ってその「ダム湖」の真ん中に巣を作る習性があり、その結果、ビーバーの「ダム湖」は様々な動植物に多くの新たなニッチ(Niche、生態的地位)を与え、豊かな環境と生物多様性に貢献しています。

ビーバー湖の治水効果は絶大
ビーバーの「ダム湖」の貢献はそれだけではありません。洪水を起こす急流の河川を治水するため昔から私たちはダムや遊水地を作ってきました。ビーバーのダムも同じように洪水を防ぎ、旱魃を緩和する「治水」の働きをしています。

雪の中で恐竜が出迎える博物館downsize
(雪の中で恐竜が出迎える博物館Canadian Museum of Nature)
温暖化は生き物たちの棲み処を変えます
最近日本近海の魚種の産地が変わってきているようですが、人為的地球温暖化は生き物たちの棲む場所を変えます。温暖化が進んで、極地に暮らすホッキョクグマやカリブーたちはいよいよ追い詰められる一方で、温暖化とともにビーバーたちなどは暖かくなった北へ、北へ、そして遂には極地の永久凍土地帯にも進出し始めています。

人工衛星でビーバーの北進を探ると・・・
米国アラスカ州Fairbanks にあるアラスカ大学のKen Tape博士らはアラスカ州北西部North Slope地方7000平方マイルのツンドラ地帯を人工衛星Landsatの画像を使ってビーバーの棲息を調べました。


樹木の乏しいツンドラでの巣作りとは?
永久凍土があるツンドラ地帯ではダムづくりに使える樹木は少なく(多分代わりに石や泥を使って)、ビーバーがダムや巣を作るとき、ビーバーは永久凍土を掘り返し運河を作ります。更には作ったダム湖の水が周りを浸すことでも永久凍土を融かしてゆきます。

白銀の滑走路のローカル線機REVdownsize
(白銀の滑走路のローカル線機)
永久凍土は二酸化炭素の缶詰です
実は永久凍土は「二酸化炭素が詰まった缶詰」、永久凍土全体で大気全体の2倍の二酸化炭素を蓄えています。本来永久凍土は地球の「炭素貯金」の役割を果たしています。
その永久凍土が融けることで大量の二酸化炭素を放出され(気温が上がると微生物などが有機物を二酸化炭素に分解する)、更には凍土中のメタンハイドレートが融けてより強力な温室効果ガス、メタンも併せて大気中に放出されます。

「炭素貯金」の過去記事です↓(クリックで飛びます)
1つのキノコが地球の歴史を変えた+北仏ノルマンディー再び

北半球陸地の2割が永久凍土
永久凍土とは「2冬とその間の1夏を含めた期間より長い間連続して凍結した状態の土壌」でシベリア、カナダなどの北極圏周辺を覆い北半球陸地面積の20%も占めるそうです。夏に永久凍土の地表面が一部融けるところでは草やコケが生えるツンドラ地帯や針葉樹林のタイガになります。

凍土は土と水とのシャーベット
凍土は土と水が混じったまま凍ったシャーベットのようなものです。「ビーバーのダム湖」の相対的に温かい水に浸された凍土が融けると元の土と水となって流れ出てしまいます。その凍土が融けた泥水の沼地が周りの凍土を更に融かすと言う悪循環になってしまいます。

舞台のようにライトアップされた神話の彫刻downsize
(舞台のようにライトアップされた神話の彫刻;ウィンタールードの催し)
中緯度に棲む限りは環境保全動物
本来ビーバーのダムは川の流れを緩やかにして洪水を防ぐとともに、「貯水池」として生き物たちを旱魃から救ってもいて環境保全に大いに貢献をする「環境を守る動物」です、但し、ビーバーが「中緯度地方に棲んでいる限りは」なんですけど・・・・

人工衛星が捉えた永久凍土破壊
つまり温暖化でやむを得ず北に向かったビーバー自身が知らず知らずに温暖化そのものを加速し始めているようなのです。今やビーバーによるアラスカの永久凍土融解の拡大は人工衛星でも観察出来るそうです(出典の1950年、1985年、2002年、2012年の人工衛星画像の比較から)。

ビーバーダム湖でアルベドも下がり気温上昇を招く
もう一つ悪いことには、白っぽいツンドラ地帯の永久凍土が融け「ビーバー湖」の暗い色調の水面が広がればアルベド※は急速に下がって太陽熱の吸収が増し気温上昇を一層加速します。
(※:アルベド(albedo):太陽光に対する地表(海面)の反射光の比、白っぽいと高く温まりにくい)


一石三、四鳥で温暖化加速
人為的地球温暖化が促したビーバーの北進は「一石二鳥」どころか「一石三、四鳥」にもなって温暖化を加速しているようなのです。もちろんビーバー君に罪はありません、私たちが蒔いた種です。「温暖化の主犯」は私たち人間です。

北のビーバーたちのインパクト
ただでさえ地球温暖化がより早く進む極地で永久凍土を掘り返し永久凍土を融かすダムを作るビーバーのダムづくりは温暖化を一層加速しています。


さてどうすれば良いのでしょう?
ここでのいくつかの出典でも解決策は示していません。人為的地球温暖化に歯止めをかけることはもちろん大切ですが、温暖化など気候変動は巨大タンカーのようなもの、すぐには行き足は止まりません。ビーバー君の「強制送還」も難しいでしょうね。

出典:”Beavers Emerge as Agents of Arctic Destruction” KENDRA PIERRE-LOUIS The New York Times DEC. 20, 2017
出典:”Landsat time series analysis documents beaver migration into permafrost landscapes of arctic Alaska” Benjamin M Jones et al. AGU (American Geophysical Union) Fall Meeting 11-15 Dec 2017
出典:”Beavers accelerate thawing of Arctic’s permafrost” Science 22 December 2017 Vol 358, Issue 6370
出典:ウキペディア記事「永久凍土」


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喰っている奴を喰うウミウシは生態系にも優しい+石垣の海のウミウシたち

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ディナーにはポリープのプランクトン添えをREV3
(ディナーにはポリープのプランクトン添えを)
ウミウシには「美しいグルメな肉食系」もいる
ウミウシは鮮やかな彩りでダイバーにも人気者、ノロノロ這っているようですが、今回ご紹介のウミウシ、クラテナ・ペレグリーナはヒドロ虫のポリープ部分を食べる肉食系です。それも「まさに餌を食べている最中ポリープ」を選り好んで食べるグルメです、でもなぜ?!!




石垣の海サンゴ礁の稚魚たちdownsize
(石垣の海、サンゴ礁の稚魚たち)
石垣の海のウミウシとサンゴ礁
今回はウミウシのサイエンス小ネタにつき以前に石垣島ダイビングで出会ったウミウシたちのフォトを、それだけでは淋しいので、石垣のサンゴ礁のフォトを添えています。
石垣島ダイビングの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
珊瑚礁の宝石、色鮮やか魚たち 石垣島ダイビング番外編
6月の海は恋の季節石垣島ダイビング記
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち
クジラたちの水中感覚とは捨てて拾い直した嗅覚+石垣のサカナたち
もしもしカメさんどこから来たの?+ 竜宮城のような石垣の海 番外編


美しい肉食系ウミウシCratena peregrina
(美しい肉食系ウミウシCratena peregrina)
貝殻の無い貝、ウミウシ
クラテナ・ペレグリーナ(Cratena peregrina)は体長3-5cmで鰓の働きをするたくさんの美しい突起cerataを持ち、ヨツスジミノウミウシ科(Facelinidae)、ハクセンミノウミウシ属(Cratena)に属し、地中海や北大西洋に棲んでいます。
ウミウシはクリオネやアメフラシなどとともに貝類を含む腹足綱(Gastropoda)に属し「貝殻の無い貝」です。ウミウシの仲間の食性は幅広く海藻を食べる草食系から魚卵やエビを食べる肉食系までさまざまです。


枝に花が咲いたようなフサエダウミヒドラ
(枝に花が咲いたようなフサエダウミヒドラ)
ヒドロ虫も「仕込み毒針」を使う肉食系
一方、クラテナ・ペレグリーナの「餌」のヒドロ虫のフサエダウミヒドラ(Eudendrium racemosum)は個虫がたくさんつながった群体を作ります。フサエダウミヒドラの群体は流れてくる小さなプランクトンや小動物を刺胞と呼ばれる毒針を仕込んだポリープの触手で捕まえて食べる肉食系です。
ヒドロ虫にはクラゲと同じ仲間の刺胞動物で刺されると毒クラゲと同じようなヒドイ目に遭う種類もいます


石垣の海のウミウシその1REVdownsize
(石垣の海のウミウシ;その1)
ポリープの選り好みをするウミウシ
ウミウシのクラテナ・ペレグリーナはヒドロ虫のフサエダウミヒドラのポリープを食べるとき選り好みをするようです。「今まさにプランクトンを喰っているポリープ」を好き好んで食べるようです。

ディナーには「ポリープのプランクトン添え」を
何故か?ただのポリープより「プランクトンをトッピングした」ポリープの方が栄養が高いからのようです。トッピングがある方がおいしいんだもん。

石垣の海のウミウシその6REVdownsize
(石垣の海のウミウシ;その6)
ポリープは季節限定メニュー
ヒドロ虫フサエダウミヒドの群体が出現するシーズンは限られています。だからクラテナ・ペレグリーナとしては短期間に効率よく栄養を摂りとっとと繫殖する必要があります。そんなニーズ(選択圧)から進化した「食事法」なのでしょう。

石垣の海のウミウシその8REVdownsize
(石垣の海のウミウシ;その8)
食事中に喰われるのがヒドロ虫にも好都合なの?
更に、実はヒドロ虫フサエダウミヒドラもこれでハッピーなんです。え、ポリープばかりか餌まで一緒に喰われて踏んだり蹴ったりじゃないの?いえ、その方がフサエダウミヒドラにとっても実は好都合なんです。

どうせ喰われるなら最小限でしのぐ
もしポリープだけがウミウシのディナーならいっぱい喰われてしまいます。「喰っているプランクトンと一緒に喰われる」なら喰われるポリープの数は最小限で済みます(少ないポリープでもウミウシはお腹いっぱいで満足)。

石垣の海サンゴ礁のロクセンスズメダイdownsize
(石垣の海、サンゴ礁をゆくロクセンスズメダイ)
のろまな者同士の妥協、あるいはバランス
ヒドロ虫の群体は漂うだけ、ウミウシだってノロノロと這うだけ。活発に動けない、のろまな者同士の「喰う・喰われる」の絶妙な妥協が「喰っている奴を選んで喰う」戦略のようです。

石垣の海のウミウシその7REVdownsize
(石垣の海のウミウシ;その7)
新しいタイプの捕食らしい
今回出典著者Trevor J. Willis氏らが明らかにしたウミウシの「喰っている奴をその餌ごと喰う」捕食の形態はこれまで知られていなかった新しい捕食の形態なんだそうで、「kleptopredation」とWillis氏らは名付けました。
ホントに、調べれば調べるほど自然はまだまだナゾだらけですね。


結果、生態系にも優しい
このウミウシの「喰っている奴を餌ごと喰う」捕食行動は「省エサ」ともなり、サンゴ礁などの生態系の維持にも貢献しています。「結果的に」ですけど、美しいウミウシ君は生態系にも優しいようです。

出典:”Kleptopredation: a mechanism to facilitate planktivory in a benthic mollusk” Trevor J. Willis et al. Biology Letters November 2017 Volume 13, issue 112017 DOI: 10.1098/rsbl.2017.0447
出典:This sea slug has a trick for getting an extra treat Sid Perkins Science 27 October 2017 Vol 358, Issue 6362 doi:10.1126/science.aar3678


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ヒコーキの007か?ジェット版モスキートのキャンベラ/B-57は長寿でした

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Duxford IWM ではつるされているキャンベラREVdownsize
(英国Duxfordの IWM博物館で吊るされて展示されてるキャンベラ)
【今回、フォトは私、Levalloisbeeが英国の博物館で撮った自前ですが、イラストは出典から輪郭だけお借りし資料を見ながら、省略とインチキも織り交ぜ、テキトウに塗ってみたものです】
そろそろ70才、でも今も現役、キャンベラ
戦後1940年代後半生まれで未だ“現役”なヒコーキ(もはやキナ臭い任務じゃなくNASAのアカデミックなお仕事ですけど)がキャンベラ(米国ライセンス版B-57の派生型ですけど)。




グッと頭を下げたキャンベラPR3 RAF博物館downsize
(グッと頭を下げたキャンベラPR3; ロンドン郊外RAF博物館にて)
ジェット版モスキート、E.E.キャンベラ
イングリッシュ・エレクトリック(E.E.)(後にBAC)キャンベラ(English Electric Canberra)と米国ライセンス版マーチンB-57は第二次大戦で大成功した高速非武装爆撃機D.H.モスキートの「高速、高空、軽快、非武装」のコンセプトをジェット化したものです。ちなみにキャンベラってジェット機のクセに垂直尾翼は“木製”です!(そこまで真似るか?)
同じくモスキートの跡目を継いだ吸血鬼一族の過去記事です↓(クリックで飛びます)
双胴にワケあり吸血鬼ヴァンパイア一族名機モスキートを継ぐ者たち

Canberra B2初期カラースキームdownsize
(キャンベラB2の初期塗装;上面ライトスレートグレー、ミディアムシーグレーに下面PRUブルー)
「我に追いつくメッサーなし」から「我に届くミグなし」へ・・・
同じく非武装ながら、モスキートはその高速でメッサーやフォッケを置き去りにしてナチス・ドイツ軍事施設を空撮し、一方、キャンベラはその高空性能でミグを寄せ付けず鉄のカーテンの向こう旧ソ連の軍事施設を丸裸にしました。いかにもイギリスが好きそうな活躍の仕方ですね。

Canberra PR3 カラーdownsize
(最初の偵察型キャンベラPR3、標準的な戦後RAF迷彩)
正真正銘の”Wooden Wonder”モッシー後継ジェット機
実際、キャンベラのデビュー当時は速度も運動性にも優れ、高度では追いつける戦闘機はいませんでした。だからキャンベラは大戦中のモスキートのように高空から悠々と旧ソ連軍事施設を丸裸にできたわけです。また、後年、ハンターやファントムでも高空模擬空戦ではキャンベラの軽快さには手こずったそうです。

Canberra PR9ヘンプdownsize
(アフガンにも行ったキャンベラ PR9、ヘンプ塗装もよく似合う)
50年代生まれが50年後にアフガン紛争で活躍って・・
“岡部ださく”さん(本当は岡部いさく氏)名著「世界の駄っ作機」の番外編「」蛇の目の花園」(MkⅠ)に21世紀初頭のアフガン紛争に駆り出された老兵キャンベラPR9のお話しがあります、なんと初飛行後
50年ですよ。第二次大戦のソードフィッシュも顔負けですね。ちなみに初飛行後33年の1982年フォークランド紛争ではさすがにアルゼンチン軍キャンベラはハリアーの「斬られ役」でしたけど。


一見平凡ながら非凡な設計のキャンベラdownsize
(一見平凡ながら非凡な設計のキャンベラ、さすがペターのデザイン)
パっと見、凡庸で時代遅れか?キャンベラ
米空軍がB-47やB-52など後退翼多発ジェット戦略爆撃機を開発し始めた1949年に初飛行した英空軍(RAF)初のジェット爆撃機E.E.キャンベラはミーティアをそのまま拡大したような直線翼に双発のエンジンを翼内に埋め込んだごくフツーのデザイン。「時代遅れで凡庸」と思った専門家もいたようです。

バンクに入るキャンベラ Duxford IWM REV downsize
(バンクに入るキャンベラ; 英国DuxfordのIWM博物館エアショーにて)
さすが天才ペターの作品、抜群の運動性と高性能
しかし、かの高名なテストパイロット、R.P.ビーモント操縦でファーンボロ航空ショーにデビューしたキャンベラは、まるでモスキート初飛行のデジャブみたいに、単発機並みの軽快な運動性のローパス飛行で観衆を沸かせました。性能も直線翼とは思えないほど高速で高空性能も優れていました。だってライサンダー、ホワールウィンドを、後にはナットをデザインした天才ペター(’Teddy’ W. E. W. Petter)の作品だもん。
天才ペターの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
美しくあまりにも個性的なWhirlwind機と天才Petter

B-57B Night Intruder downsize
(米空軍の初期B-57B 真っ黒けのナイトイントルーダー仕様)
戦後一番儲かった英国軍用機、キャンベラ
戦後もっともビジネス的に成功した英国製軍用機なのだそうです。だって軍用機じゃ世界No1になってたはずの米国が自国の試作機をクビにしてマーチン社にライセンス生産させたくらいですから・・。キャンベラ/B-57の生産数は1,376機、内、米国製B-57は403機で約30%を占めます。
使用国はキャンベラが22か国、B-57は3か国で、ライセンス生産国は米国とオーストラリアです。


キャンベラのローパス Duxford IWM downsize
(キャンベラのローパス; IWM博物館エアショー)
「中古キャンベラ、お安くしときまっせ!」
商売上手の英国はRAFの中古キャンベラをお化粧直しして途上国に売りました。引退した日本の私鉄車両がアジアの国で走っているようなもんでしょうか?キャンベラ使用国22か国()を見ると、途上国の中小空軍に売りまくった感じです。
:イギリス、インド、オーストラリア、アルゼンチン、ボツワナ、チリ、コンゴ民主共和国、コロンビア、エクアドル、エチオピア、フランス、西ドイツ、モロッコ、ニュージーランド、ナイジェリア、ペルー、南アフリカ共和国、スウェーデン、ベトナム共和国、ベネズエラ、ザンビア、ザイール)


007の国はスパイ偵察が大好き
ちなみに英国で買った“Eyes of RAF”と言う英空軍航空偵察史を綴った超マニアックな本が手元に
あります。第1次大戦から、第2次大戦、戦後冷戦まで英国空軍の偵察機、偵察飛行(スパイ偵察とも言う)をまとめていて面白いエピソードがたくさん載っています。そのキャンベラの項から・・・


偵察機と迎撃機の高度性能REV2
(偵察機と迎撃機の高高度性能と運用開始年の比較)
スパイはお任せ、RAFの「鉄のカーテン」のぞき見飛行
第二次大戦後、冷戦が始まると米英は「鉄のカーテン」の中を隠密裏に偵察機で探るようになりました(もちろん領空侵犯)。1950年、時既にジェット機時代、高速偵察機だったモスキートPR34も損害を出し、1951年から米国の懇願()を受けてRAF(英国空軍)はRB-45をレンタルして鉄のカーテンの内側を偵察しました(:米国は朝鮮戦争真っ最中、自らが領空侵犯ではヤバイと考えたようです)。

損害ゼロのキャンベラPR型スパイ偵察
レンタルRB-45の損害はゼロでしたが、1952年RAFはより高性能のキャンベラ偵察機型PR3、PR7に更新し同じく損害ゼロでした。しかしMiG17の配備開始もあり1956年からはU-2偵察機がソ連領空のスパイ偵察を行うようになりました。そのU-2も対空ミサイルには撃墜され上空からの監視はやがてスパイ衛星が行うようになりました。
両陣営の偵察機と迎撃機の性能を時系列で比較すると経緯がよくわかります。


キャンベラ同士の戦い、印パ紛争
同士討ちの戦いもありました。印パ紛争でインドはイギリスから買ったキャンベラで、パキスタンはアメリカからもらったB-57で互いに攻撃、双方若干の損害を出し、空戦はインドの勝利でした。
う~ん、英米ともにまさに「武器商人」ですね。


蛇の目なジェット、キャンベラ
私、Levalloisbeeの拙い素養では到底名機ャンベラの魅力を十分お伝え出来ませんが、「いかにも蛇の目!」なデザインのキャンベラが好きです。

キャンベラの諸元
キャンベラ(English Electric Canberra) B(I)6(イントルーダー型)
乗員:3名
全長:19.96 m、全幅:19.51 m、全高:4.77 m、翼面積:89.19 平方m、翼面荷重:234 kg/平方m
最大離陸重量:24,948 kg
エンジン: Rolls-Royce Avon R.A.7 Mk.109 ターボジェット7,400 lbf (36 kN) 双発
最高速度:時速933 km(高度12,192 m)
戦闘行動半径:1,300 km、フェリー飛行時航続距離:5,440 km
実用上昇限度:15,000 m
武装:20 mm 機関砲4門、ロケット弾、ミサイル各種、爆弾搭載量3,628 kg・・・・、または核爆弾(幸い使ってないけど・・)

キャンベラと同期生たちREVdownsize
(キャンベラと同世代たち、やっぱりキャンベラはアカぬけてる)

出典:“Eyes of the RAF; A History of Photo-Reconnaissance” 1996 Roy Conyers Nesbit (Alan Sutton Publishing Ltd.)
出典:「世界の傑作機;No146 E.E.キャンベラ/マーチンB-57」2011年 田村俊夫氏、藤田勝啓氏、鳥養鶴雄氏、松崎豊一氏、山内秀樹氏、岡部いさく氏共著 (文林堂)
出典:「世界の駄っ作機 番外編 蛇の目の花園」 2004年 岡部いさく氏著(大日本絵画)
出典:ウキペディア記事(和英)「イングリッシュ・エレクトリック キャンベラ」「B-45 トーネード」等


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泡を使って身を守り強アルカリ性の湖で暮らすハエ+早春の庭の花

泡を使って身を守り強アルカリ性の湖で暮らすハエ+早春の庭の花
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泡にくるまったアルカリハエalkali fly出典よりお借りしていますdownsize
(泡にくるまったアルカリ・ハエ(alkali fly) 出典よりお借りしています)
ヒミツの泡でアルカリ湖に潜るハエ
(ヒミツの泡でアルカリ性の湖に潜るアルカリ・ハエ)
アルカリ湖に棲むその名もアルカリ・ハエ
米国カルフォルニアのモノ湖(Mono Lake)は海の3倍もの高塩濃度の上に、炭酸ナトリウムによるアルカリ性のため多くの生き物には棲めない環境ですが、平気で水面に浮かび、潜ることさえできるハエがいます。その名も「アルカリ・ハエ」(alkali fly、Ephydra hians)。
水棲昆虫が泡を使うお話の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
泡が呼吸器にからだの働きを延長する体外構造



ピンクのアシビ 群れた咲く姿がかわいいですREVdownsize
(ピンクのアシビ、群れた咲く姿がかわいいです)
季節のさきがけ、早春の花たち
昆虫のサイエンス小ネタにつき、早春の庭の花のフォトを添えています(昨シーズンのものですが)。

真っ赤なボケ つぼみも鮮やかな赤REVdownsize
(真っ赤なボケ、つぼみも鮮やかな赤)
ボンベを背負って2mまで潜るアルカリ・ハエ
アルカリ・ハエはベジタリアンでモノ湖の藻を食べています。そのためには水中に潜らなければならないのですが、なんと泡の空気ボンベを背負って2mの深さまで潜るそうです。

体毛とワックスで高塩濃度でも泡が安定
アルカリ・ハエは体を泡で包むことによりアルカリ性で高塩濃度の湖も平気なようです。高塩濃度は泡を不安定にするのにアルカリ・ハエが泡を作れるのは体表にびっしりと生えている「長い体毛」のおかげらしい、その上、体表はワックスで覆われ、これらが水をはじくことで泡作りに役立っていると考えられるそうです。

実はハイテク、アルカリ・ハエの泡
実はアルカリ性の水中では泡はとても不安定になります。モノ湖のようなアルカリ性の環境では空気の泡を作ることが至難のワザなんです。だから、アルカリ・ハエは次世代の新素材のヒミツも隠し持っているかも知れませんね。

白梅 黒い幹を背景に淡い紅色が引き立ちますdownsize
(白梅、黒い幹を背景に淡い紅色が引き立ちます)
アルカリ高塩濃度への耐性テスト
そこで出典著者のFloris van Breugel氏らは、モノ湖のアルカリ・ハエと、同じく体を泡で包む近縁種6種をモノ湖と同じ炭酸ナトリウム溶液(アルカリ性)に浮かべ少しずつ濃度を高めてゆく(塩濃度もアルカリ性も高まってゆく)ことでどこまで泡が安定に保たれるか比べました。

アルカリ・ハエの泡は最後まで耐えた
炭酸ナトリウム濃度を高めてゆくと近縁種の泡は次々と壊れてしまいました(ハエは溺れます)が、モノ湖のアルカリ・ハエの泡は最後まで残りました。

産卵も生育もアルカリの水中で
アルカリ・ハエは、ふつうのハエとは違って、なんと水中に潜って産卵し幼虫はアルカリ性の水中で藻を食べて育ちます。

透けるような花びらの桃の花REVdownsize
(透けるような花びらの桃の花)
生態系を支えるベジタリアン、アルカリ・ハエ
一方、モノ湖に渡ってくる渡り鳥たちにとってアルカリ・ハエは大事な餌になっています。一見「死の湖」のようなモノ湖にも、藻→ハエ→トリ・・・とちゃんと生態系が機能しているようです。

仲良くならんで咲いた桃の花downsize
(仲良くならんで咲いた桃の花)
温暖化で危うくなるアルカリ・ハエの生活
そんなたくましいアルカリ・ハエですが、干からびつつあるモノ湖のさらなる高塩濃度ではさすがに生き残れないかも知れないのです。人為的地球温暖化の影響なのか?モノ湖地域の乾燥化が進みただでさえ塩分の濃い湖は更に高塩濃度になり、もはやアルカリ・ハエでも泡を作れなくなる=生きられなくなる、懸念があるそうです。

サンオイルは使わないでください!
こんなアルカリ性で塩っ辛いモノ湖でも泳ぐ人たちがいる(え!)ようで、その時に肌に塗るサンオイルが大問題なんだそうです。サンオイルはアルカリ・ハエのワックスの撥水効果を台無しにするからで、温暖化に加えアルカリ・ハエにとっては「泣きっ面にハチ」ってとこでしょうか?

出典:” Superhydrophobic diving flies (Ephydra hians) and the hypersaline waters of Mono Lake” Floris van Breugel et al. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS) November 20, 2017 doi: 10.1073/pnas.1714874114
出典:” This fly survives a deadly lake by encasing itself in a bubble; Here’s how it makes it” Elizabeth Pennisi Science 17 November 2017 Vol 358 Issue 6365 doi:10.1126/science.aar5258
出典:” Fly makes air ‘submarine’ to survive deadly lake” Elizabeth Pennisi Science 17 November 2017 Vol 358, Issue 6365 doi:10.1126/science.aae0236
出典:” Mysterious diving flies of Mono Lake” VAN BREUGEL, F. et al. Society for Integrative and Comparative Biology 2016 Annual Meeting 35-5
出典:Wikipedia (英) 記事 “Ephydra hians”


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おいしいホタテの眼力はハッブル宇宙望遠鏡並みです+ホタテの海鮮レシピ

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ホタテの眼の早期警戒システム作業REV2
(ホタテの眼の早期警戒システム)
ホタテのチーズ揚げdownsize
(チーズとバターが香るホタテのチーズ衣揚げ)
ホタテ、おいしいですよね、ちょっとお高いけど
ホタテガイのサイエンス小ネタにつきホタテの自作レシピのフォトを添えます。
ホタテを使ったオリジナル・レシピの過去記事です↓(クリックで飛びます)
チーズとバターが香るホタテのチーズ衣揚げ
ぷりぷりエビのシーフードあっさり中華丼





こんがりきつね色に揚げるdownsize
(ホタテのチーズ衣揚げ;こんがりきつね色に揚げます)
ジェット一噴き、敵から逃れるホタテ
ホタテガイは二枚貝の1種で海底に棲んでいます。天敵が近づくとジェット噴射でまるで飛ぶように逃げ去る動画をご覧になった方も多いと思います。

シーフードのあっさり中華丼の完成REVdownsize
(ぷりぷりエビのシーフードあっさり中華丼)
ホタテの「早期警戒システム」
でもどうやって敵を察知するのでしょうか?ホタテガイには天体望遠鏡のように精密な小さな眼(眼点)が200以上もあります。出典著者、イスラエルのワイズマン研究所Benjamin A. Palmer氏らによれば、更にそれらの像をフェーズドアレイ・レーダーのように統合して海中の様子を「早期警戒」しているようです。(出典では”scallop”でホタテガイ以外のイタヤガイ目も含むかも?ですがここではホタテガイとしています)

Saint Malo ホタテの一皿Art67 REVdownsize
(新鮮!ホタテの一皿、北仏サンマロのレストランRestaurant Delaunay)
ホタテの眼はハッブル宇宙望遠鏡並み
望遠鏡には学習用などもあるレンズによる屈折型と天体望遠鏡のような大型のものもある凹面鏡による反射型があります。実は動物の眼もヒトの眼のような屈折型が大半です。ところが、今回ご紹介のホタテ貝の眼は反射型、それもハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope、HST)などの天体望遠鏡のように高性能だそうです。

Arcachonムール貝クリームソース Art16 downsize
(ムール貝のクリームソース、ビスケー湾岸アルカションのレストランLe Thiers)
ホタテの眼には二層構造の網膜が
反射望遠鏡と同じく、ホタテの眼の凹面鏡の前に受光部、“網膜“(retina)があります。ホタテガイではそのretinaが二層構造になっていて、これが上から忍び寄る天敵を素早く察知するのにとっても役立つようです。

Roscoff レストランLe SurcoufのオマールArt22 downsize
(オマールの一皿、北ブルターニュのロスコフ、レストランLe Surcouf)
下層の網膜の穴がミソなんです
ミソは反射鏡に近い方、下層の受光部、網膜の真ん中の穴です。ホタテガイの周辺からの光は眼の凹面鏡で反射し下層の網膜だけに届きますが、真ん中(ホタテガイの個々の眼の真正面)からの光だけが下層の穴を抜けて上層の網膜に届きます。

Menton絶品のムール貝のパスタArt29 downsize
(絶品!ムール貝のパスタ、南仏コートダジュールはマントンのレストランLa Coquille d'Or)
上層の網膜をよぎれば、それは「敵の影」
だから、上層の網膜が「感じる」視野が急に暗くなれば、それは忍び寄る「敵の影」!すかさずジェット噴射!・・でホタテガイは難を逃れると言う訳です。

フランスのシーフードはおいしい!です
ところでフランス語でホタテはSaint-Jacques (coquille Saint-Jacques、聖ヤコブの貝)です。今回記事ではフランス各地で出会ったシーフードの一皿のフォトも添えました。
それぞれのフランス各地の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
真冬のアルカションは大西洋の嵐の中
漁船も干上がる干満差、北ブルターニュの小さな港ロスコフ
ピンクに染まるマントンの街はアラビアの香り: コートダジュール旅行紀
海賊砦サンマロ、パイレーツ・オブ・ブルターニュの”兵どもが夢の跡”


ホタテガイの眼
(ホタテの眼って結構きれいです;出典からお借りしてます)
球面収差を減らす生き物の光学的工夫
さて本題に戻って。レンズはビー玉のような球なら小型でも高倍率にできますが、真ん中近くを通る光と周辺を通る光ではズレて同じ場所に像を結びません。これが(球面)収差です。魚では屈折率の違う媒体の組み合わせで、カメラなら重ねレンズでこの収差を修正しています。
収差は凹面鏡でも起こりますが、ホタテの眼の凹面鏡はこの収差もちゃんと修正できているそうです。


グアニン
ナノスケール結晶が並んだミクロ凹面鏡
たくさんあるホタテの眼の凹面鏡1つ1つはミリメートルサイズでナノスケールのグアニン結晶から出来ています。ほとんどの生き物の遺伝子DNAを構成する4つの塩基(AGTC)の1つがグアニン(G)で、遺伝子以外でもグアニンの結晶は魚のうろこなどさまざまな生き物に見られます。しかし、普通はおおざっぱな結晶です。

グアニンの完璧な結晶がホタテ眼のいのち
ところが、ホタテの眼のグアニン結晶は完璧な直方体で表面も凹凸のない平らな結晶です。更に、天体望遠鏡のようにグアニン結晶の配置を微調整し、併せて収差を最小限に抑えているそうです。

高度な画像処理も行う「200目小僧」
眼にはヒトのような単眼と昆虫のような複眼と言う種類分けもありますが、眼の数でも種類分け出来ます。左右相称動物の場合、大半は2個ですが、ハエトリグモのように数個持つものもいます。ちなみにカンブリア紀にはカンブロパキコーペという一つ目小僧もいましたが
一方、ホタテガイにはなんと200個以上の眼があり、その上200以上の画像を1つのイメージに統合する高度な神経系もあると言うことで、ビックリですね。

左右相称動物の過去記事はこれです↓
「動物の作り方」基本レシピはみんな一緒、Spitも、宇宙人も?

出典:”The image-forming mirror in the eye of the scallop” Benjamin A. Palmer et al. Science 1 December 2017 Vol. 358, Issue 6367, pp. 1172-1175 DOI: 10.1126/science.aam9506
出典:”Hubble in a bubble: Scallop eyes act just like tiny telescopes” Andrew Wagner Science 1 December 2017 Vol 358, Issue 6367 doi:10.1126/science.aar6333


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春を呼ぶ菜の花とアサリのシーフード・パスタ

春を呼ぶ菜の花とアサリのシーフード・パスタ

あけましておめでとうございます。
拙ブログも8年目に入りました。相変わらずマニアックなブログですが、今年も頑張って書いてゆきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。


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春を呼ぶ菜の花とアサリのパスタdownsize
(春を呼ぶ菜の花とアサリのパスタ)
一足早い早春のシーフードパスタ
暮れに入ってから野菜売り場に「春のさきがけ」菜の花を見かけるようになりました。
そこで我が家定番の1つ、「菜の花とアサリのパスタ」で一足早く春の香りを味わいました。
いくつか参考にはしていますが、一応オリジナル・レシピ、菜の花を使った季節限定の一皿です。





菜の花は花芽や葉と茎とに切り分けるREVdownsize
(菜の花は花芽や葉と茎とに切り分ける)
さっさと炒めて春の香りを楽しむ
爽やかな苦味と春の香り菜の花にアサリのコクがよく合うオリーブオイル系のパスタです。菜の花やアサリに火が入りすぎないよう短時間で仕上げます

調味料はこれだけdownsize
(調味料はこれだけ)
ポイントもあります
ちゃっちゃと出来るパスタですが、いくつかポイントもあります。
1. 菜の花の風味を楽しむには火を通しすぎないことです
2. なので、花芽、葉は茎とは別に切り分けておき、茹でたパスタの余熱だけで炒めます
3. パスタを加えたら混ぜながら少し置いてアサリのソースをパスタに十分吸わせるとおいしさが増します
4. そのためにはアサリに白ワインを加えアルコールを飛ばすときアサリがひたひたになる程度の煮汁(ソース)を残します
5. 塩は2回に分けて味見しながら加えます。シンプルなソースなので塩加減は大事です。菜の花の苦みをキャンセルする塩味は必要ですが、入れすぎると塩辛くなってしまいます
6. 菜の花はたっぷり使います。炒めるとびっくりするほど縮むので、生葉の段階ではフライパンにあふれるほどがちょうど良い量になります


アサリを白ワインで蒸すREVdwonsize
(アサリを白ワインで蒸す)
材料(2-3人分)と下処理です
イ) アサリ:小ぶりなら20~30個(1人あたり10個の目安)→砂抜きをしておきます
ロ) 菜の花:1束→水洗いをしたら①花芽と葉と②茎に切り分け、①花芽と葉は数㎝大に切り、②茎は縦切りにしてさらに1-2cmの長さに切っておきます
ハ) パスタ:1.6mmのものを210g
ニ) 白ワイン:100ml
ホ) 塩:ティースプーンに半分ほど、海塩が良いです、今回はフランスの海塩”Fluer de Sel “
ヘ) オリーブ油:大さじ 3杯
ト) にんにく:1かけ→みじん切り
チ) 鷹の爪:1個


パスタ茹で上がり前に茎を散らすdownsize
(パスタ茹で上がり前に茎を散らす)
作り方です
1. フライパンにオリーブ油を敷いてにんにくを入れてから火をつけ弱火で炒める
2. にんにくが炒まってきたら鷹の爪を入れる。にんにくが色づいたら一旦火を止める、
3. フライパンにアサリを入れ、ふたをして殻が開くまで強火で加熱する(開かない貝は必ず取り出し捨てる)。鷹の爪だけを取り出しておく(入れたままでは鷹の爪を“煮出す”ことになるので)
4. 海塩を振り入れ、白ワインを入れて再びふたをして強火で加熱し、湧いたらふたを取ってアルコール分を飛ばす(この段階で適量の汁気が残っていること)。
5. 火を止め再びふたをしておく。この段階で塩加減を確認し必要なら整える
6. パスタを茹で始める
7. パスタが茹であがる1分前にアサリのフライパンを再度強火で加熱する。(お好みで炒めた鷹の爪を戻しても良い)
8. 菜の花の②茎を入れてさって炒めたら、火を止めて菜の花の①花芽と葉を上に盛る
9. 茹で上がったパスタをフライパンの菜の花の上に直接入れ、素早く混ぜる
10. フライパンの中でしばらく混ぜパスタに汁気(ソース)を十分吸わせる。フライパンを傾けてほとんど汁気がなくなればOK、皿に盛りつける(この一手間のがまんが大切です)


菜の花とアサリのパスタの完成ですdownsize
(菜の花とアサリのパスタの完成です)
冷めないうちにいただきましょう

注意:作り置きはできません
余った分を冷蔵庫で保存したことがありますが、がく然とするほど風味が損なわれます。「食べきり」の量を食べる直前に作ることをお勧めします

ご参考まで
パスタのレシピの過去記事です↓(クリックで飛びます)
イカげそのうま味で味わうシーフードトマトパスタ
“お・も・い・つ・き” リサイクル・パスタ、タコと生ハムのペペロンティーノ
定番を一ひねりで一味違う美味しさの『炒めナスのトマトソースパスタ』
アンチョビとキャベツのパスタひとひねりに何を加える


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アヒルちゃんのキスは繊細なんです+南仏ヴィルフランシュシュルメール

アヒルちゃんのキスは繊細なんです+南仏ヴィルフランシュシュルメール
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濁った水の中から餌を摂るアヒルちゃんのくちばしは敏感REV
(濁った水の中から餌を摂るアヒルちゃんのくちばしは敏感です)
アヒルさんはクチバシ(嘴)で餌さがし
水鳥であるアヒルさんは地上で暮らすニワトリさんとは餌の摂り方が違います。
主に視覚で餌を見つけるニワトリさんとは違って濁った泥の中から餌を探すアヒルさんはくちばしの触覚で餌を見つけます。両者の餌取りの様子を見ると違いが分かりますね。





生まれる前から敏感クチバシなんです
アヒルさんが触覚で餌を探す繊細な嘴(クチバシ)は生まれつきで、それどころか卵の殻を割って生まれる前から「繊細な唇」を持っているみたいです。

朝の船出の準備をする漁船REVdownsize
(朝、船出準備のヴィルフランシュ港の漁船)
南仏の港町ヴィルフランシュの朝
水鳥アヒルさんつながりで南仏の港町ヴィルフランシュ-シュル-メール(Villefranche-sur-Mer)の朝の風景を添えます。ヴィルフランシュはニースからわずか1駅ながら迷路のような旧市街と弧を描く海岸線が美しい街です。
ヴィルフランシュシュルメールの過去記事です↓(クリックで飛びます)
冬のコートダジュール、ヴィルフランシュシュルメールの朝
君の瞳の中にボクが居る ワンちゃんは特別な友達+南仏コートダジュール番外編


鏡のように静かな朝の港REVdownsize
(鏡のように静かな水面、早朝のヴィルフランシュ港)
水鳥さんたちのクチバシは触覚カスタマイズ
視覚に優れたトリさん世界の例外として、アヒルさんやハクチョウさんのような水鳥さんたちは、発生のプログラムをちょっとイジッて繊細なキスのような嘴も進化させたのかも知れませんね。そのためには嘴については生まれる前に触覚のセンサーを優先的に残す必要があります、そうでないと孵化前後に刈り込まれてしまうからです。

金色の灯が照らす旧市街のトンネル通路downsize
(金色の灯が照らす旧市街のトンネル通路)
生まれる前に神経を刈り込みカスタマイズ
例えば、ヒトの脳は生まれる前には色々な機能を司る神経のフルセットを持っていますが、体重の2%しかないのにエネルギーの20%も使う脳の省エネは生死にかかわります。だから生まれる前後にその動物にとって要らないものをどんどん省いてゆきます。脳に感覚を伝える体の各所の感覚受容器も刈り込まれます。まるでパソコンのカスタマイズみたいですね。

急坂に重なり合う軒先から海が垣間見えるdownsize
(急坂に重なり合う軒先から海が垣間見える)
触覚は機械刺激を脳に伝える
触覚は、聴覚や平衡感覚などと同じく外からの機械的な刺激を脳に伝えるものです。機械刺激を“感じる“は機械受容器(mechanoreceptor)の細胞が押されたり、引っ張られたりすると細胞膜のイオンチャネル(mechannosenstive channel)が開いて信号になり脳に伝わります。

クチバシには触覚を優先して残す
アヒルさんの嘴にはたくさんの触覚を感じる機械受容器とこれを脳に伝えるイオンチャネルがあります。嘴の触覚が孵化の前後で刈り込みから優先的に免れるからのようです。

海辺の レストランはまだ準備中downsize
(海辺の レストランはまだ準備中です)
敏感クチバシを作る調節遺伝子
出典著者Eve R. Schneider氏らによれば、Piezo2遺伝子と言う触覚の発生を促す遺伝子がアヒルさんの「敏感唇」を創り出すようです。触覚の発生途上で「これは大事だから」と嘴の触覚を伝える仕組み(mechanotransducer)の刈込を棚上げにするように孵化以前から発生に働きかけるみたいです。

敏感クチバシは水鳥さんの宿命
Piezo2遺伝子の働きで、アヒルさんの嘴には孵化前から、触覚を伝えるためのたくさんのPiezo2イオンチャネルが準備されます。なぜって、アヒルさんは孵化したらすぐに水の中の餌を自分で探さなければならないからです。生まれながらにして敏感なんです、タッチには。

急な階段と細い路地が続く旧市街downsize
(急な階段と細い路地の迷路が続く旧市街)
トリさんによって優先順位も違います
嘴の触覚もニワトリさんには無用の長物、とっとと刈り込まれますが、アヒルさんには命をつなぐ大切な機能なので神経の刈込を遅らせるように調節遺伝子が働くようなのです。

出典:”Molecular basis of tactile specialization in the duck bill” Eve R. Schneider et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) November 6, 2017 doi: 10.1073/pnas.1708793114
出典:“Duck bill's sensitive touch develops in the egg” Roni Dengler Science Vol 358, Issue 6363 (2017) doi:10.1126/science.aar4225
出典:ウキペディア記事「機械受容器(mechanoreceptor)」
出典:Wikipedia(英)記事”Mechanosensitive channels”


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