プロペラから音速への進化中間体、美しき地味機ホーカー・シーホーク

プロペラから音速への進化中間体、美しき地味機ホーカー・シーホーク
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飛行中のシーホーク
(ヴィンテージ機として飛行中のシーホーク)
シーホークの優美なデザインはさすがカム卿
ホーカー・シーホーク(Hawker Sea Hawk)って知ってますか?優美なボディライン、双発?に見えて単発の吸排気口配置は英国の名航空デザイナー、シドニー・カム卿(Sir Sydney Camm)のデザインです。




シーフューリーの血をハンターにつないだシーホーク
(シーフューリーの血をハンターにつないだ地味機シーホーク)
プロペラ以上音速未満、シーフューリーの血をハンターに繫ぐ
究極のレシプロ戦闘機ホーカー社のシーフューリー(Sea Fury)の血を英国ジェット戦闘機の傑作ハンター(Hunter※)へ繋いだ「進化中間体」がシーホークです。(※:16機大編隊アクロチーム「ブラックアローズ(Black Arrows)」の使用機でもありました)

一見双発シーホークの吸排気配置REV
(一見双発に見える曲線美のシーホーク)
瀟洒でエレガント、曲線美のジェット艦戦、シーホーク
ジェット戦闘機と言えばシャープで直線的なデザインを思い浮かべますが、シーホークはエレガントな曲線美で構成されています、直線翼以外は。

翼を畳んだシーホークはかわいい印象downsize
(翼を畳んだシーホークはかわいい印象;英国DuxfordのIWM博物館にて)
かわいい地味機シーホーク
英国ケンブリッジ郊外ダックスフォード(Duxford)にあるIWM博物館でレストア中のシーホークに出会いました。意外にコンパクトで主翼を上に折り畳んだ姿は小鳥のようでかわいい!印象でした。
空飛ぶ博物館の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
いまだ現役レジェンドが空を舞う飛行場付き博物館IWMは楽しい

RAF博物館のハンター機首とインテークにシーホークの血がdownsize
(RAF博物館のハンター、機首とインテークにシーホークの血が流れてる)
初期ジェット機は空気の出し入れで一苦労
黎明期のジェット機では、非力でか細い推力のジェットエンジンの効率を少しでも高めるため様々苦労があり、ダクトをいかに短くするかもその1つ。吸気口と排気ダクト(エアインテークとエグゾーストノズル)のアレンジとデザインが性能を左右しかねない。
Me262、ミーテーイアのように双発を翼につける、F-86セーバーのように正面から吸気、ヴァンパイアのようにエンジンのすぐ後ろで排気、などがいいんだけど・・・。

ヴァンパイアが双胴な訳の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
双胴にワケあり吸血鬼ヴァンパイア一族名機モスキートを継ぐ者たち

一見双発に見える二股のエグゾーストdownsize
(一見双発に見えるシーホークの二股エグゾースト)
一見双発?ユニークな吸排気口配置
ところがシーホークのデザインはユニークで吸気(エアインテーク)も二股なら排気(エグゾースト)も二股にして主翼付け根に配置してダクトを短くするユニークなデザインとなりました。おかげでシーホークは一見「双発」に見えます。

世界中に兄弟がいるシーホーク
シーホーク搭載ジェットエンジンのロールスロイス・ニーンは傑作エンジンで、同じFAAのライバルであるアタッカーに、ニーンの米国ライセンス版J48は米海軍艦戦F9Fパンサーに、更にソ連のニーン海賊コピー版RD45/VK-1はミグ15に搭載されました。

双子のようなシーホークとパンサー
シーホークとパンサーは第二次大戦終結間際に開発開始、初飛行も1947年で同期、搭載エンジンもニーン(とライセンス版)で同じでともに直線翼のまま。
性能も最大速度など(時速964kmと972km)ほぼ同じ、とまるで双子のようです。


同期に先を越され地味機になったシーホーク
でも先にフネに載ったのは同期のF9Fパンサーの方で1951年、しかも朝鮮戦争で大活躍。一方、シーホークは1953年と出遅れました。結果、「華の同期」パンサーに比べシーホークは「丈夫が取り柄の地味機」に。なぜ?

シーホークのライバルと兄弟たち
(シーホークのライバルと兄弟たちの生年と性能比較)
1940~1950年代の主な実戦化ジェット戦闘機を並べてみると・・
・ 艦載機同士ならシーホークは一番速い
・ 同期生(1947年初飛行)では後退翼の霊験あらたかだけど、直線翼ならシーホークが一番速い
・ ニーン(※)装備同士の中でも、後退翼のミグ15はさておき、シーホークが一番速い
(※:ロールスロイス・ニーンとライセンス版P&W J42、海賊版クズネツォフRD-45を含む)


シーホークの兄貴シーフューリーdownsize
(シーホークの兄貴シーフューリーがIWM博物館のエアショー出番待ち)
何で名前が「シー○○」なの?兄貴と同じ運命
ところで、何で初めから「シー○○」(=艦載型)なの?シーホークの名前に「シー(Sea)」がついているのは1つ前の兄貴シーフューリーと同じ事情。
当初空軍向けに開発され、その海軍向け派生型が「シー○○」。ところが、空軍型は不採用、海軍型だけが実用化されちゃったからです。で、そのいきさつとは?


傑作レシプロ機のジェット化
ホーカー社初のジェット戦闘機シーホークは、まだ第二次大戦中の1944年に究極のピストンエンジンプロペラ機シーフューリーをベースに新技術ジェットエンジンをパワープラントとする新戦闘機P.1040として開発が始まりました。第二次世界大戦の最高傑作機P‐51ムスタングのジェット化を狙ったF‐86セイバーと同じですね。

空軍のジェット戦闘機としては遅すぎた
ホーカー新ジェット戦闘機P.1040は迎撃機をめざしていましたが、1945年には長かった大戦も終結し、RAF(英国空軍)としては既にジェット戦闘機としてミーティアとヴァンパイアがあるしで、アカデミックな興味しか持たなくなりました。当初のダーウェント・エンジンでは最大速度が時速600マイル(965km)しか出ないことも難点だったようです(実用型はより強力なニーン搭載)。

名門エンジンメーカーからいちゃもんが・・・
更にシーホークの「一見双発」のユニークな吸排気口配置に対してエンジン供給者のロールスロイス社から実用性に疑問が出され、おかげで英国海空軍ともに開発には二の足を踏みました。


海軍も先客ありで「勝手にやれば」の自主開発に
ホーカー社はFFA(英国艦隊航空隊)の艦載ジェット戦闘機も狙っていたのですが、こちらも既にスーパーマリン・アタッカー(Supermarine Attacker)がありこれ以上は要らないと言うことで、P.1040は自主開発=「政府としては金は出せない、勝手にやれば・・」、になってしまいました。

やっとスーパーマリンに勝った
ところが、先客アタッカーは見事な駄作っ機、素直で丈夫なP.1040は見直され晴れて「シーホーク(Sea Hawk)」としてやっとフネに載りました。

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テーマ : パリ、フランス - ジャンル : 海外情報

ずぼらな芝刈りがハチは大歓迎!環境にも良いかも?

ずぼらな芝刈りがハチは大歓迎!環境にも良いかも?
~適度な環境かく乱が植物相の遷移を防ぎ生態系を保つ場面も~

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ずぼらな芝刈りの効用
(ずぼらな芝刈りの思わぬ効用;適度な手抜きが生態系を保全)
ボランティアに「ずぼらな芝刈り」を試してもらった
出典著者のアメリカ農務省/マサチューセッツ大学のSusannah B. Lerman氏らはマサチューセッツ州の郊外16ヶ所のボランティアの庭の芝生を選び、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回の3グループに分かれて芝を刈ってもらいました。




2週間に1回の芝刈りが一番ハチを呼ぶ
すると咲いている野草の数は1週1回<2週1回<3週1回芝刈りの順で多くなりました。
そしてどの芝刈り回数が一番ハチを呼ぶか、出典著者のLerman氏らが調べたところ2週1回でした。
1週1回<3週1回<2週1回芝刈りだったのです。


背丈の高い草でハチは花を探せない
確かに多くの花はハチを呼ぶのですが、3週1回芝刈りでは背丈の高い野草が繁茂し、ハチは花を見つけにくくなりハチの数が減ったようです。

我が家の芝生のタビラコの黄色い花REVdownsize
(我が家の芝生のタビラコの黄色い花; 5mmに満たない小さな花です)
庭にやって来た野草の花たち
拙宅の“ネコの額”の芝生では、芝刈りを熱心やらないのでかわいい野草が花を咲かせます。そのフォトを添えて・・・
雑草の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
「そっと愛して、長~く愛して」人の暮らしに寄り添う雑草たち;かよわくもたくましいその進化戦略
足元の雑草のいじらしい創意工夫-心を優しくする三冊の本(3)


これはニワゼキショウREVdownsize
(これはニワゼキショウの花とつぼみ)
芝生の小さな世界でも植物は移り変わる
これは住宅地の庭という小さな世界にもちゃんと植物お移り変わり=「植生遷移(※)」が起こるからです。

※:植生遷移: 大きな老木が倒れたり、嵐や山火事などで樹木が除かれて森に陽が射す空き地が出来ると、まずパイオニア植物の小さな野草が生え、次に背丈の高いススキなどに取って代わられ、その内、低木が育ち、やがてもとの高木の森に戻ります。


ネジバナREVdownsize
(庭のネジバナ; 名の由来通りらせん状に花が並んでます)
州のハチの4分の1が集まってきた
一番ハチが多かった2週1回芝刈りの庭ではマサチューセッツ州のハチ全種類の4分の1にあたる93種のハチが見られたそうです。

開き始めた花を訪れたアブREVdownsize
(開き始めた花を訪れたアブ; パリ「ばらの散歩道」ペレール大通りで見つけた花粉媒介者)
ハチは大切な花粉媒介者
ミツバチが花粉をいっぱい脚につけている写真をよく見かけますが、ハチは重要な花粉媒介者(pollinator)です。チョウやガ(蛾)も花粉媒介者ですが、農作物にとって重要な花粉媒介者はミツバチなどハチの仲間です。
パリの「ばらの散歩道」の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
パリ「ばらの散歩道」ペレール大通り

名前を知らない庭の白い小さな花REVdownsize
(名前を知らない庭の白い小さな花)
「適度な環境かく乱」が生態系を保全
人が住んでいる郊外宅地であっても、適切な管理で草地の「適度な環境かく乱」を行えば
→ 背丈の高い野草の繁茂を防ぎ(花を咲かせる野草が生えるのは許しつつ)
→ 花粉媒介者であるハチなどが増えて
→ 郊外環境の生態系も保全されると言うことのようです。


生態系保全にはテキトウな芝刈りがお勧め
出典著者のLerman氏らは住民が自分の庭を「ずぼらな2週1回の芝刈り」という労力もコストも省く「適切な方法」で管理すれば地域の生態系保全に貢献すると述べています。


風が吹けば桶屋が・・みたいな
なにやら「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話ですが、「ずぼらな芝刈り」が環境保全に役立ち、農家も助けていることになります。
生物多様性を守るにはまず生き物の生態をよく知ることですね。


出典:”To mow or to mow less: Lawn mowing frequency affects bee abundance and diversity in suburban yards” Susannah B. Lermana et al. Biological Conservation volume 221, May 2018, p160; doi.org/10.1016/j.biocon.2018.01.025
出典:”Bees love the lawns of lazy homeowners” Kimberly Hickok Science 16 March 2018 Vol 359, Issue 6381 doi:10.1126/science.aat6115


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過去の記事リストは下のイラストをクリック ↓ (日本国内と南の島の記事は「ヨーロッパの話題」にまとめています)
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ヨーロッパの話題minisizeREV生き物とちきゅうのお話minisizeREV
ヒコーキの話minisizeREVグルメ話minisizeREV

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カマキリ君は動くものを3Dで見て必殺アタック+南ブルターニュの旅キブロン

カマキリ君は動くものを3Dで見て必殺アタック
+南ブルターニュの旅キブロン

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カマキリは動きだけ見る立体視で必殺アタックdownsize
(カマキリは動きだけ見る立体視で必殺アタック!)
動くものだけを3Dで見るカマキリの立体視
今回ご紹介のサイエンス小ネタは、左右の目で違う動きが見えればどんなにハチャメチャに左右が違っていてもその動きから対象物(獲物)までの距離を割り出せると言う、まったく新しいタイプの立体視をカマキリ君(Sphodromantis lineola)が持つことを初めて明らかにした出典著者の英国ニューカッスル大学Vivek Nityananda氏らの研究です。




壁の白と窓のブルーのコントラストが鮮やかdownsize
(壁の白と窓のブルーのコントラストが鮮やか)
南ブルターニュのキブロン
フランス南ブルターニュのキブロン(Quiberon)半島の旅のフォトを添えています。
キブロンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
ご自宅拝見バイオロギングで垣間見る動物の私生活 南ブルターニュ キブロン
ママチャリで行くキブロン半島とフランス温泉旅館


巧妙でエレガントな実験系
それ故に、とても巧妙に組まれたエレガントな実験系で、かつ、見つかったのがヒトの常識を超える仕組みなので、記事の後半で少し丁寧に(しつこく、ウザく、とも言う)紹介していますのでマニアックな方は読んでみてください、更にご興味あれば是非元ネタを読んでみてくださいね。

かわいいヨットが並ぶ小さな浜辺downsize
(かわいいヨットが並ぶ小さな浜辺)
立体視で百発百中、待ち伏せ型ハンター
カマキリ(praying mantis、Sphodromantis lineola)は待ち伏せ型のハンターで知らずに近寄った獲物を百発百中のアタックで捕えます。
カマキリは3Dの視覚、つまりは立体視が出来る唯一の無脊椎動物(少なくとも知られている範囲では)だそうです。


確実に届く2.5cmで必殺アタック
カマキリの一撃が確実に届く距離、2.5cmまで近づいたとき初めて必殺のアタックを行い確実に獲物を仕留めます。獲物までの距離を正確に測れる立体視を使って。

動くものだけを立体視して保護色も見破る
ところが、私たちの立体視とは違ってカマキリは動いているものしか「見ていない」のだそうです。
だから背景に溶け込む獲物の保護色カムフラージュも(動きさえすれば)見分けてしまうから狩りの成功率も高いのです。


3Dグラスをかけたカマキリ君 出典のフォトをお借りしています
(3Dグラスをかけたカマキリ君、出典のフォトをお借りしています)
世界最小の3Dグラスをカマキリ君がかけると
出典著者のNityananda氏らは「世界一小さい3Dグラス」(3D映画を観るときに使う左右色が違うメガネのミニチュア)を開発しました。
それをカマキリ君にかけてもらい彼らの立体視のヒミツを調べました(研究に協力したカマキリ君が3Dグラスをかけている姿が何とももうかわいいです)。


立体視で正確なシュートが出来る
(立体視で正確なシュートが出来る)
それでは研究の仕掛け、実験系について
ここからがこのサイエンス小ネタのミソでもある、出典著者の実験系のご紹介なんですが、果たしてうまくご紹介できているのか?甚だ心もとない限りです。

カマキリ君は動く3Dバーチャル像にだけ反応する
(カマキリ君は動く3Dバーチャル像にだけ反応する)
まず、右目に青い眼鏡を、左目に緑の眼鏡を・・
まず研究協力者のヒトとカマキリ君には右目に青い眼鏡を、左目に緑の眼鏡をかけてもらいます。
目から10cm離れたスクリーンを置き明るいドットと暗いドットで構成された意味のない画像を見せます。


ずらした青と緑のドット、右は緑、左は青しか見えない
像は青と緑の2種ありこれをずらして重ねると青い眼鏡をかけた右目には緑の画像の緑のドットが暗いドットになり画像のドット模様が見えますが、青い画像はすべてのドットが暗く見えて画像のドット模様は見えません。左目はこの逆です。

左右の目に映る像がずれていると3Dに
青と緑の画像はずらしてあるので、ヒトの場合なら3D映画のように立体的に見えます、たとえそれが静止画でも。

左右の目に見える像を同方向にずらすと3Dにならない
このとき青い眼鏡の右目と同じ方向、つまり右方向に(青い眼鏡で見える)緑の画像をずらせば「10cmの距離に模様がある」と実態通りに見えますが、左右の視差(ズレ)は生じないので立体視にはなりません(3Dとはならない)。

左右の目に見える像を逆方向にずらすと「近い」3Dが
これを逆にすると(右目の像は左にずらす)左右の目で視差が生じて立体視になり、また、左右の視線の交点(2.5cmとなるようセットしてある)にあたかも模様があるように「錯覚して」、3D像が見えます(ヴァーチャルな立体視になる)。う~ん、文章での説明は難しいです、上の図を見てください。

青いさかなの看板downsize
(青いさかなの看板;シーフードレストランです)
カマキリ君、3Dでも静止画なら無視
青と緑の左右交差した画像が静止画なら、ヒトは立体視しますが、カマキリ君はじっとしていて反応しません。

手が届く距離の動く標的には俄然アタック!
ところが、左右の視線の交点(2.5cm)、つまりはカマキリ君が届く距離にバーチャルな動くドットが見える場合のみ、カマキリ君は俄然アタックしました。

動かず、間合いを測り、一閃の居合抜き
これは何を意味するのか?カマキリ君は動くものだけを立体視し、それによって正確に間合いを測り、確実に仕留められる距離2.5cmで行動を起こしたと言うわけです。まるで剣の達人の一閃の居合抜きです。

浜辺のテラスでムール貝downsize
(浜辺のテラス、ムール貝と白ワインで一休み)
明暗反転でも、ぐちゃぐちゃでも動けば距離が分かる
更に実験系をもう一ひねりして青と緑の動くドットのパターンを明暗反転させると混乱してヒトには動きが分からなくなりますが、なんとカマキリ君はちゃんと反応します(アタックします)。左右の動くドットのパターンをぐちゃぐちゃに違えてもなんとカマキリ君には動くドットの距離が分かるんです。どうゆうこっちゃ!!

左右動く方向が逆でも距離が分かる!
もう一ひねり、青と緑の2つの画像の動くドットの進行方向を揃える、あるいは逆にするとどうなったでしょうか?(ここまで来るともうヒトには無理なのでカマキリ君に任せます)なんと動く方向が同じなら当然、逆でも(上向きと下向き)ちゃんと距離を読んでアタックしました。もう人の想像力を越えています。これがカマキリ君のハエ取り瞬殺のすご技のヒミツのようです。

キブロンの街並みdownsize
(キブロンの街並み;「駅前商店街」です)
ステキな進化の贈り物、カマキリ君の立体視
動くものだけに注目し、その動きが左右揃っていても、逆でも、ハチャメチャでも、そのズレの度合いから距離を割り出し正確無比なアタックを絶妙なタイミングで行う、進化がカマキリ君に与えた天部の才です。だから、獲物がどんなにカムフラージュしても、夕暮れの光と影に溶け込もうとも見逃さない、優れたハンターに仕立て上げたようです、進化はカマキリ君を・・・。

シンプルだけど優れた立体動態視アルゴリズム
背景の雑音に煩わされずにターゲットの動きだけに反応し、瞬時にターゲットとの距離を(つまりは攻撃の間合いを)測る、シンプルだけどとても優れたコンセプトのシステムのようです、カマキリ君の立体視は。そのアルゴリズムは、ロボットとか、きっと何かに応用できそうですね。


ひょっとしてトンボ君も?・・
以前トンボ君が戦闘機のように見越し射撃で餌のハエを“撃墜”するスゴ技をご紹介しました。アレ!見越し射撃には現在の的までの距離も必要なんだけど・・→じゃ、ひょっとしてトンボ君もカマキリ君みたいに立体視(=距離が分かる)が出来るんじゃない?と思ったLevalloisbeeです。どなたか、もし、真相をご存知なら教えてくださいね。
トンボの見越し射撃術の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
トンボとスピットは究極のインターセプター高度な機動のヒミツ

出典:”A Novel Form of Stereo Vision in the Praying Mantis” Vivek Nityananda et al. Current Biology Volume 28, Issue 4, p588–593.e4, 19 February 2018 DOI: https://doi.org/10.1016/j.cub.2018.01.012
出典:”World’s tiniest 3D glasses reveal how praying mantises see the world” Katie Langin Science 9 February 2018 Vol 359 Issue 6376 doi:10.1126/science.aat2648

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海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている+石垣サンゴ礁散歩

海洋廃棄プラスティックがサンゴに感染症を蔓延させている
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サンゴが感染症に
(プラごみでサンゴが感染症になる訳とは?)
海を汚すのはマイクロプラスチックだけじゃありません
昨今マイクロプラスティク(廃棄プラスティックの微細粒子)の環境影響が話題になっていますが、海洋のマクロな(大きいままの)プラスティック廃棄物も、海鳥やカメなど海生動物への悪影響が以前から問題になってきました。
ウミドリのプラスティック誤食被害の過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
海鳥さん食べちゃダメそれ餌じゃないDMS風味のプラゴミ + Xmasのボルドー(再)




亡霊のようにサンゴ礁を襲うプラごみの袋downsize
(“亡霊”のようにサンゴ礁を襲うプラごみの袋:出典より拝借しています)
亡霊のようなプラごみでサンゴ礁が感染症に、えらいこっちゃ!!
更に、マクロなサイズ(5cm以上)の廃棄プラスティックはサンゴ礁に深刻な感染症をもたらすようなのです。なるほどErik Stokstadの出典の写真などを見ると、海底に漂うプラごみはまるでサンゴ礁を襲う“亡霊”みたいです。一体どういうことなのか?

サンゴ礁の調査地域
(4か国8地域159か所で12万4千のサンゴを調べたそうです)
12万ヶ所以上!のサンゴを調査した結果・・
出典著者のJoleah B. Lamb氏ら(コーネル大学(米)、ジェームズクック大学(豪))は2011年から2014年にかけアジア太平洋のミャンマー、タイ、インドネシア、オーストラリア4ヶ国の8地域の159ヶ所のサンゴ礁で12万4千のサンゴを調べたところ、プラごみ(廃棄プラスティック)がないところでは病気に罹っているサンゴはわずか4%だったのに、プラごみがあるところでは20倍の89%のサンゴが病気に罹っていました。

サンゴに群れる稚魚たちREVdownsize
(サンゴに群れるさまざまな魚種の稚魚たち)
主な病気は3種、40倍に増えたものも・・
プラゴミで増えるサンゴの病気は代表的なものは3種で、skeletal eroding band diseaseは1.2 ± 0.1%から43.9 ± 5.1%に、white syndromesは1.9 ± 0.2%から19.0 ± 4.0%に、black band disease は0.6 ± 0.1%から14.7 ± 3.9%に増えていました(いずれの病名も日本語が見つからないので英語名で書いています)。

サンゴの白化REVdownsize
(サンゴの白化、共生する褐虫藻類がいなくなったため)
石垣の海でもサンゴ白化を見た
今回のサイエンス小ネタのサンゴ礁つながりで石垣島ダイビングのフォトを添えています。


サンゴ礁とスカシテンジクダイの群れ
(サンゴ礁とスカシテンジクダイの群れ)
プラごみでサンゴが病気に罹るのはなぜ?
なぜプラごみがあるとサンゴは病気に罹りやすくなるのでしょうか?
1. プラごみはそれ自身病原体を運んできます。例えば、ポリプロピレンのごみではビブリオ菌が殖えています
2. 硬いプラごみはサンゴを傷つけ傷から感染に至ります
3. プラごみ(例えばビニール袋)がサンゴ礁を覆うと
① (多分、流れが滞り)病原菌のバイオフィルムが出来易くなります
② プラごみが太陽光を遮るので共生している褐虫藻の光合成が低下しサンゴの体力が落ちます
その結果、サンゴは感染症などに罹ります。

サンゴについての過去記事はです↓(クリックで飛びます)
暑い潮に鍛えられサンゴは白化に強くなる、ちょっとユルメがミソ+石垣のサンゴ礁
海草がサンゴの海を有毒微生物から守っている+サンゴ礁の魚たち
光ってパートナーを育み護るサンゴ 石垣のサンゴ礁と魚たち


デバスズメダイの群れ切り出しdownsize
(デバスズメダイの群れ、サンゴ礁でいつも出会う)
虫歯のバイオフィルムがサンゴ礁にも
虫歯や歯周病の主な原因が虫歯菌が作るバイオフィルム、つまりは歯垢であることはよく知られています。プラごみはサンゴ礁にもバイオフィルムを作るようで、病原菌の繫殖を促します。

ハマクマノミ切り出しdownsize
(ハマクマノミが巣を守ってます)
枝サンゴはより病気に罹り易い
更に、出典著者のLamb氏らによればサンゴの形状も感染症リスクを左右するらしいのです。枝分かれなどより複雑なサンゴはプラごみによって感染症になりやすいそうです。

魚影ゆたかなサンゴ礁REVdownsize
(魚影ゆたかなサンゴ礁)
サンゴ礁生態系を育むサンゴが一番危ない!
一方、そのような枝分かれの多いサンゴは多様な環境を作り出してサカナなど多くの生き物の棲み処なっているので、その影響はサンゴ礁の生態系全体に及び事態はより深刻です。

プラごみを海に流すTop10の河川downsize
(日経サイエンス2018年4月号記事より、独Christian Schmidt氏らの研究の紹介)
海のプラごみ汚染の4分の1はたった10本の河川から
独Christian Schmidt氏らの研究では、海には年間800万トンのプラごみが辿り着き,その内、河川からは47万トンから275万トンが流れ込むそうで、更に、河川からの海のプラ汚染の93%をたった10本の河川が占めるそうです。それら10本の内8本はアジアの河川であり、ワースト1の揚子江だけでも年間150万トンのプラごみを海に流し込んでいると考えられるそうです(モデルによるシミュレーションのデータ)。

年間1千万トン前後のプラごみが海に・・
一方、出典著者Lamb氏らに依れば、年間480万トンから1千270万トンものプラごみが海に捨てられているそうです。

世界のサンゴ礁の半分以上を占める海が今、危ない
今回出典著者Lamb氏らが調査したアジア太平洋地域のサンゴ礁は全世界の55%も占めていて現地の観光や漁業だけでなく世界の海の生物多様性にとってもとても重要なサンゴ礁です。

便利だけど捨てるとリスクもある文明の利器
プラスティックそのものは私たちがさまざまな場面で恩恵に預かっている大変優れた文明の利器です。しかし人工の産物である限り安易に生態系に廃棄することは、今回の例に限らず、「何が起こるか判らない」リスクを常に内包します。

「プラスティック、使うなら捨てるな!」
私たちがプラスティックを使うなら(たとえコストがかかっても)ちゃんとすべてをリサイクルすることが大切だと思います。
「飲むなら乗るな、乗るなら飲むな」じゃないですけど、プラスティックも「使うなら捨てるな、捨てるなら使うな」じゃないでしょうか?・・と考えたLevalloisbeeです。


フォトについて・・・
今回はサンゴ礁のサイエンス小ネタにつき、石垣島などのダイビング・フォトを添えました。ここしばらくとんと潜れていない(坐骨神経痛のせい?)ので、過去記事からの流用となりましたこと、ご容赦ください。


出典:“Plastic waste associated with disease on coral reefs” Joleah B. Lamb et al. Science Vol. 359, Issue 6374, pp. 460-462 DOI: 10.1126/science.aar3320
出典:”Is plastic trash making coral reefs sick” Erik Stokstad Science 26 January 2018 Vol 359, Issue 6374 doi:10.1126/science.aat1182
出典:「プラスティックの大河」日経サイエンス2018年4月号海外ウォッチ記事P.28-29


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カゲロウ幼虫はF1カーのウィングで急流をしのぐ+パリ郊外のエアショー

カゲロウ幼虫はF1カーのウィングで急流をしのぐ
+パリ郊外のエアショー

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Ecdyonurus幼虫の水棲昆虫原典より借用
(Ecdyonurus幼虫の水棲昆虫原典より借用)
儚い代名詞カゲロウが筋肉系とは?
儚い代名詞のようなカゲロウは幼虫期を水の中で水棲昆虫として過ごします。カゲロウの1種、ヒラタカゲロウ科(Heptageniidae)のEcdyonurus(タニガワカゲロウ属)は急流で川底の藻を食べて暮しています。




カゲロウ幼虫はF1カーのリアウィングで張り付く
(カゲロウ幼虫はF1カーのリアウィングで急流の石に張り付く)
F1カーのリアウィングを使って急流でたくましく暮らす
そしてEcdyonurusは「muscle mayfly (筋肉系カゲロウってこと?)」とも呼ばれます、なぜ?F1カーのリアウィングのような脚の翼で急流に流されずにたくましく暮らしているからです。

こんなカワイイスポーツ機の参加REVdownsize
(パリ郊外Ferete Alaisエアショーにはこんなかわいいスポーツ機も参加してます)
急流に逆らい川底で餌さがし
急流で暮らすには流れに流されないようにしながら餌の藻も探さなければなりません。Ecdyonurusは急流に逆らい川底の石の上を移動します。
水棲昆虫が泡を使う過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
泡も立派な呼吸器、潜って分る空気のありがたさ

A1 Skyraiderが翼を展開し発進REVdownsize
(A-1 Skyraiderが翼を展開し発進。Ferete Alaisエアショーではレトロ機も飛びます)
飛ぶことがチャレンジとロマンだった時代
今回の主役、カゲロウ幼虫の脚の翼は裏返した飛行機の翼です。そこで飛ぶことを試行錯誤していたレジェンドたちに出会ったパリ郊外Ferete Alaisエアショーのフォトを添えています。
Fertes Alaisエアショーの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
金色の蛾が作るトモダチの輪: Ferete Alaisエアショー その2
パリ郊外草っぱらのエアショーはの~んびり: Ferete Alaisエアショー その1
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RAF SE5を整備するオジさんたちdownsize
(RAF S.E.5を整備するオジさんたち)
抵抗を減らす平たい体では浮き上がってしまう
Ecdyonurusの幼虫は葉っぱみたいな平べったい体をしています。確かに激しい水流の水の抵抗を減らすには向いていますが、このままでは揚力が生まれて浮き上がってしまいます。そこで進化はもう一工夫したようです。

F1カーのリアウィングで急流を乗り切る
か弱いカゲロウ幼虫になぜこんなパワフルな真似ができるのか?その秘密は脚に装備したウィングにあります。その断面はF1カーのリアウィングそっくりだそうです。
ダウンフォースを使って空へ駆けあがったトリさんの過去記事です↓(クリックで飛びます)
トリさんが空を飛んだイキサツとは? トリさんの羽のフシギ[前編] +冬のカンヌ続編

Spitfirre PR19 とお揃いのブルーdownsize
(Spitfire PR19 とお揃いのブルーのコスチュームがカッコイイ)
脚の翼の3Dプリンター模型の風洞試験
出典著者のDitsche氏(アラスカ大学)らはEcdyonurusの脚を顕微鏡観察して3Dプリンターで模型を作り、まるでクルマやヒコーキの試作みたいに、風洞試験を行い、その空力効果を確認しました。

裏返した飛行機の翼がダウンフォースを生む
高速で走行するF1カーはそのリアウィングで地面に張り付き空気抵抗を減らします。リアウィングは飛行機の翼とは上下反対の断面で揚力の代わりにダウンフォースを生むからです。

水流をダウンフォースに変えて石に張りつく
Ecdyonurusの脚の翼もF1カーのリアウィングのように急流の中、その水流の力を利用して体を川底の岩や石に押し付けることでEcdyonurusは流されないのです。

パラソル機の移動は人力ですdownsize
(パラソル機(※)の移動は人力です)(※:名前知らいないので・・・)
迎え角が可動式のハイテクウィング
しかも出典著者のDitsche氏らによればEcdyonurusは脚の角度で水流に対する脚のウィングの迎え角まで微調整しているそうです。可動式のF1カー・リアウィングですね。

P47 Thunderboltを前に談笑するオジさんdwonsize
(P-47 Thunderboltを前に談笑するオジさん)
そこまで苦労するのは急流に餌が豊富だから
なぜそんな苦労までして水棲昆虫たちは急流で暮らすのか?速い流れは豊富な酸素や栄養素を運び餌も豊富だからだそうです。Ecdyonurusの幼虫の餌の藻も栄養素が潤沢に供給される急流の石の上に生えています。だから他の水棲昆虫と同じく急流に適応するためEcdyonurusの幼虫の脚の翼が進化したのでしょう。

カゲロウEcdyonurusの成虫(ウキペディアより借用)
(カゲロウEcdyonurusの成虫(ウキペディアよりお借りしています))
水棲昆虫のハイテク・ウィングに学べるかも?
川底で暮らす小さな水棲昆虫たちにも高速マシーンに匹敵するハイテクがあるなんて、私たちが生き物に学ぶところはまだまだありそうですね。

出典:“Spoiler”-legs help stream mayfly larvae to stay on the ground” DITSCHE, P. HOFFMANN et al. Society for Integrative and Comparative Biology 2018 Annual Meeting P3-148 (Jan. 6 2018)
出典:”This muscular mayfly has arms like airplane wings” Jeremy Rehm Science 19 January 2018 Vol 359 Issue 6373 doi:10.1126/science.aat0338


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ヒトは「ついに立った」んじゃなく「初めから立ってた、樹の上で」+サグラダ・ファミリア

ヒトは「ついに立った」んじゃなく「初めから立ってた、樹の上で」
+サグラダ・ファミリア
~ 意外に渋いみたい、二足歩行の損得勘定は ~

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二足歩行の証初めから立っていた
(二足歩行の証初めから立っていた)
ヒト最初のご先祖の「ヒトたる所以」、特徴は?→二足歩行
出典著者Ian Tattersall氏によれば、大きな脳を持つ、石器を作る、火を使うなどはもっと後から出現する特徴ですし、言葉は化石にならないいではっきりしませんが、明らかに「他のサル」と”初めから違う“特徴が二足歩行だそうです。




得もあるが損も多い二足歩行、むしろ初めは損だらけ
何がヒトの祖先に二足歩行を促した(=二足歩行へと進化する淘汰圧になった)のでしょうか?何がメリットでしょうか?でもこれは「四足か二足か!」(三足は無いので・・)のメリットもデメリットもひとまとめの「二者択一」となります。そしてはじめはデメリットが目立つようです。

だって初めから立っていたんだもん
じゃ、なぜヒト科ご先祖は立ったのか?初めから樹上で立っていたから、と考えられるそうです。拍子抜けの答えですが、出典著者Ian Tattersall氏の言うところでは・・・・。


サグラダファミリアの遠望downsize
(サグラダ・ファミリアを遠望する)
代を紡ぐスペイン、サグラダ・ファミリア
今回のサイエンス小ネタは何百万年も遡る私たちヒト科ご先祖のお話しにつき、綿々と代を紡ぐスペイン、バルセロナのサグラダ・ファミリアのフォトを添えています。
バルセロナとガウディの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
憧れのガウディに会いに行く南欧バルセロナ
体温を感じるガウディの建物バルセロナ紀行後編
生き物が作る宝石金塊核燃料 + バルセロナのガウディ番外編: 小石と砂のネバーエンディングストーリーその3


ハトの目線で見下ろすdownsize
(ハトの目線で見下ろすとサグラダ・ファミリアは結構高い)
上半身はサルでも下半身はヒトだった?ご先祖
ヒトに限らず、恐竜なども足跡の化石が見つかることがあり、それにより歩き方や体形も推定できます。そして早い時期からヒト二足歩行の足跡の化石も見つかり、骨の化石と併せると、早期のヒト科は「上半身は樹上の類人猿」でも「下半身は二足歩行のヒト」だったようです。

二足歩行の確かな証拠は?頭の下の孔です
二足歩行の証拠の何よりは頭の付き方が違うことです。頭蓋骨が背骨(脊椎)につながる大孔(大後頭孔)はヒトでは頭蓋骨の真下にあり、二足歩行でまっすぐ立つと背骨が重い頭を安定して支えることができます。この大孔が斜め横にある四足歩行動物とは違う「二足歩行」の特徴です。実際、誕生直後からヒト科は大孔が真下にあると化石でわかるそうです(古いものはあまり明瞭ではないそうですが)。

近づくと巨大なサグラダファミリアdownsize
(近づくと巨大なサグラダ・ファミリア)
内向き大腿骨が二足歩行のカギ
二足歩行にとって骨盤と大腿骨の結合、即ち股関節と内向きに傾いた大腿骨の角度がミソです!これで両膝が近づき体が左右に振られないので歩行のエネルギー効率が非常に良くなります。体が左右に揺れてしまうチンパンたちの二足歩行を見れば分かります。

ネギ坊主のような塔downsize
(ネギ坊主のような塔)
決め手じゃないけどヒトたる特徴は二足歩行(くらい)かも?
出典著者Ian Tattersall氏は「これがヒトたる決め手と言うものはない」としていますが、二足歩行がヒト科の誕生期まで遡れる多分唯一の検証可能な共通の特徴であるとしています。

手が空きましたけど・・「道具作り」でもする?
二足歩行の初期ヒト科にとって何がメリットだったのでしょう?
「手が自由になって道具が使えるじゃん」→いえ、石器など道具出現はもっと後の時代です。


森がモチーフの内部downsize
(森がモチーフのサグラダ・ファミリア内部)
遠くまで見通せるサバンナは後世の人工物?
「サバンナの遠くの獲物や敵が見渡せて有利でしょう」→いえ、広大なサバンナの出現はもっと後の時代、この頃は身を隠せる疎林です。「森を出て草原で立ち上がった」ってシナリオは無さそうです。今ではアフリカのサバンナ草原はもっと後の時代の牧畜農耕による「人工物」と考えられています。

熱中症になりにくいのか?二足歩行は
「立つと灼熱の太陽が当たる面積が小さく地面からも離れて風で体を冷やせて有利でしょ」→いえ、その頃は疎林の木陰もありました。

マラソンなら負けないんだけどな・・・
「短距離なら負けるけど長距離走なら二足歩行が最も効率が良いから狩りをしやすい」→いえ、集団で狩りをするのはもっと後の時代です。その頃の疎林では移動距離は短かったはずです。
二足では足が遅くて猛獣に追いつかれてしまいます。マラソンでは勝てるけど100m走ではライオンなどに負けます。


入口から装飾に圧倒されるREVdownsize
(入口から装飾に圧倒される)
「手が自由ならママは赤ちゃんを抱きやすい」
うん、そうかも、でもサルや森の動物は赤ちゃんの方が母親にしがみつくので問題なさそうです。

アレ!難産になっちゃった
立ったことで骨盤構造が変わり産道が狭くなって赤ちゃんが生まれるのが一苦労、結果ヒトは未熟児で生まれるようにならざるを得なくなったと考えられています。


立ったからって餌は増えない、そりゃそうだ
ヒト科誕生当時、森は果物など食べ物が豊か、立ちあがってサバンナに出ても「餌になる」だけで「餌は増えない」状況だったみたいです

でもネ、産むのが大変だからみんなで大事に育てます
シマウマやヌーの赤ちゃんが生まれてすぐ歩けるのは成熟して生まれるからで、狭い産道から生まれるヒトの赤ちゃんは超未熟児で自立できません。母親だけでなく仲間全員の協力がないと育たないのです。それがまたヒトが高度な社会を作ることを後押ししたとも言えそうです。

新築中の部分その1REVdownsize
(新築中の部分その1)
なんだ、最初はデメリットだらけじゃん!
そうなんです。結局、ヒト科誕生の頃では「二足歩行」のメリットはほとんどない!デメリットは?はい、いっぱいあります。→じゃ、なんでご先祖様たちは二足で歩いたの?

じゃ君はなぜ立ったの?初めから立っていたからです
・・と言うことのようです。どうやら初めは森の樹に「立った姿勢」でしがみついていたようです。シファカとオランウータンと言うヒト以外の二足歩行モデルもあります。マダガスカルに棲むシファカ、樹から樹へ立ち姿勢でジャンプしてしがみつき、地上を二足で横歩きジャンプで移動します。なぜ?だって立ってる方が楽なんだもん(そのような骨格なんだから)。

出典ヒトの起源を探してdownsize
(出典:「ヒトの起源を探して」)
ぜひ、本屋さんで手に取ってみてください
今回は「二足歩行」に絞ってサイエンス小ネタにしています。出典著者Ian Tattersall氏には失礼と重々承知なのですが、全部をご紹介するのは手に余りますので。Tattersall氏の言わんとするところは「ヒトが成功したのはその認知機能と社会性である」だと思います。ご興味あれば原著を手に取ってみてください。


出典:「ヒトの起源を探して」”Masters of the Planet; The Search for Our Human Origins” 2012年 Ian Tattersall氏著 河合信和氏監訳、大槻敦子氏訳 (2016年 原書房

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砂漠のクモは砂を熟知した穴掘り名人+ベルギーの学問の街ルーヴェン(再)

砂漠のクモは砂を熟知した穴掘り名人
+ベルギーの学問の街ルーヴェン(再)

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横転flic flac spiderは砂団子を捨てて竪穴掘り
(横転flic flac spiderは砂団子を捨てて竪穴掘り)
乾いた砂のトンネルは「砂上の楼閣」
俗に「砂上の楼閣」などと言いますが、乾いた砂では砂のお城を作ることは難しい、ましてトンネルを掘るなんて無理です。サラサラの砂粒は互いにくっつかず、掘った穴はすぐに壁が崩れてしまうからです。




体長の10倍以上の縦穴を砂漠に掘るクモ
ところが、モロッコの乾いた砂漠にトンネルを掘って棲んでいるクモがいます。2cmに満たない体長の10倍以上、20cmを越す深さまで縦穴のトンネルを作ります。flic-flac spider (Cebrennus rechenbergi)と言います(さんざん検索しましたが和名はなさそう、同じCebrennus属に同じく横転するwheel spider (シャリングモ?Carparachne aureoflava)がいます)
クモのハイテクの過去記事はこれ↓(クリックで飛びます)
巣を張るだけがクモじゃない蜘蛛の糸の技術革新+古都ウィーン番外編

華麗な装飾のルーヴェン市庁舎downsize
(華麗な装飾のルーヴェン市庁舎)
ベルギーの学問の街ルーヴェン
クモの技から知恵つながりでベルギーの学問の街ルーヴェン街歩きのフォトを添えています。
ルーヴェンの過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
歴史を守り文化をつなぐ学問の街ルーヴェンのたくましさ:ベルギー編第3回

市庁舎前広場ではコンサートの準備中downsize
(市庁舎前広場ではコンサートの準備中)
薄くて丈夫なハイテク土管
このflic-flac spiderの巣のトンネルを砂から掘り出すとまるで土管のようにちゃんと形を保っています。しかもその「土管」は砂粒でたった2層ほどの薄いもので、とてもハイテクな構造物です。

クモの糸で編んだネットで砂粒をまとめる
そこでその「土管」の砂粒を取り除くと編んだ靴下のようなやわらかいネットが出てきました。そしてその「靴下」はクモの糸で出来ていたそうです。


市庁舎前広場レストランは盛況downsize
(ルーヴェン市庁舎前広場、レストランは盛況)
もう一つの難題: どうやって掘った砂を運び出すか?
乾いた砂でこれだけの構造物にするのも驚きですが、そもそもトンネルを掘るときは掘ったもの、この場合は乾いた砂を運び出す必要があります。すくっても指の間からこぼれ落ちてしまう砂をどうやって運び出したのでしょうか?


たくさんの砂団子のナゾ
クモの縦穴の巣の周りにはたくさんの小さな「砂団子」があります。その砂団子は砂粒に糸のネットワークが張られています。砂漠のクモ、flic-flac spiderは口器と脚に生えている長いブラシ毛を使ってクモ糸で砂粒を丸めるようです。

クモの脚はパワーショベル
flic-flac spiderはこうして作った砂団子を脚で出口まで運び上げ、脚で「エイヤ!」と外に投げ飛ばします。土木工事のパワーショベルみたいです。たくさんの砂団子はクモのトンネル掘りの廃棄物だったわけです。

ルーヴェンカトリック大学官舎16世紀建設の銘板downsize
(ルーヴェンカトリック大学官舎16世紀建設の銘板)
砂漠の忍者flic-flac spiderのバック転
flic-flac spiderと言う妙な名前はマット運動の横転か、ダンスのバック転のようにクルクル回りながら素早く逃げる習性からきています、まるで忍者みたい。flic-flacはダンス技ですが、元のフランス語は「ぴしゃぴしゃ」、平手打ちなどの音です。

砂を湿らせても砂団子ができます
同じ乾いた砂漠で縦穴のトンネルを掘るクモでもクモの糸を使わない南アメリカのコモリグモ(wolf spider、Allocosa senex)もいてこちらは粘液を利用するようで、砂粒でも湿らせればくっついて砂団子になることを利用しています。


子守りをするクモはローンウルフ
ちなみにコモリグモって名前も変わってます。「雌親が卵と幼虫を腹部で保護する習性があることから」だそうです(ウキペディアより)。クモの巣は作らず優れた視力の8つの眼を使って単独で狩りをします。

重厚な姿のルーヴェンカトリック大学図書館REVdownsize
(重厚な姿のルーヴェンカトリック大学図書館)
まるで砂の物性を熟知しているみたいな
クモたちが考えてやっているはずはないのですが、まるで砂の物性を熟知しているみたいです。砂のトンネルの巣は砂漠と言う過酷な環境にクモが適応した(適応するよう進化した)結果ですが、生き物はまだまだフシギを隠し持っているようです。

何かに役立ちそうな・・・
この砂漠のクモさんの砂のトンネル工事技術は何かに、例えば、もろい地盤の工事とか、など何かに応用出来そうですね、いわゆるbiomimeticsとして。

出典:”Sand transport and burrow construction in sparassid and lycosid spiders” Rainer Foelix et al. Journal of Arachnology 45 p255–264 (2017)
出典:”These desert spiders put sandcastle builders to shame” Elizabeth Pennisi Science 15 December 2017 Vol 358, Issue 6369 doi:10.1126/science.aar7773
出典:ウキペディア(和英)記事「Cebrennus rechenbergi」、「コモリグモ」/「wolf spider」、「Wheel spider」


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地雷と結核と戦うヒーローラットが絶滅危惧動物も救う+ブラッセル街歩き

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「ここ掘れ!チュウ~チュウ~」
ヒーローラットが自慢の鼻で地雷探索中downsize
(ヒーローラットが自慢の鼻で地雷探索中;ウキペディアに掲載のAPOPOのフォトをお借りしています)
地雷を除去し結核を見つけるヒーローラット
ヒーローラットと言ってもアニメヒーローじゃありません。主にアフリカなどに棲む体長50cmの大型のネズミ君、アフリカオニネズミ(African giant pouched rat、Cricetomys emini)です、正確にはアシナガマウスの仲間ですが。




20年に亘り人命を守ってきたヒーローラット
何で「ヒーローラット」と呼ばれるのか?アフリカオニネズミ君はアフリカの地で20年にわたり優れたその嗅覚で10万個の地雷の除去と結核感染者の検出を行い、人々の命を守ることに貢献してきたからです。

レストランScheltemaの絶品オマール料理downsize
(レストランScheltemaの絶品オマール料理;ベルギー、ブラッセルのグルメ)
グルメの街、ベルギーのブラッセル街歩き
ヒーローラットの生みの親、APOPO創設者Bart Weetjens氏の出身はベルギーにつきブラッセルの街歩きフォトを添えます。
ベルギーのブラッセル過去記事はこれです↓(クリックで飛びます)
飴色のビアカフェでブリュッセルの夜が深くなってゆく:ベルギー編第2回
脳は多党民主制、意識は脳テンキCEOその1+ブリュッセルのグルメ


雨上がり夜のブリュッセル(BrusselBruxelles)downsize
(雨上がり夜のブリュッセル(BrusselBruxelles))
今度は絶滅危惧種を助けます
さて、その「ヒーローラット」ことアフリカオニネズミ君、今度は自慢の嗅覚で絶滅危惧種のセンザンコウを密漁から救うべく現在特訓中とのことです。訓練には2~5年かかるそうで、根気がいる仕事です。

アリクイそっくりのセンザンコウ
センザンコウは鱗に覆われ蟻を食べるなどアリクイそっくりですが、まったく違う種類のユニークな哺乳類で、分類もセンザンコウ目センザンコウ科の1目1科です。

あとを絶たないセンザンコウの密漁
センザンコウはインド、東南アジア、アフリカに棲息し、その鱗は古くから漢方薬や媚薬の原料として珍重されてきたため絶滅危惧種と指定された現在でも密漁があとを絶たない深刻な事態です。

魚臭い鱗を嗅ぎ分ける
センザンコウの鱗は魚臭い独特の臭いがあり、アフリカオニネズミ君はその嗅覚で空港や港の荷物、貨物の中からセンザンコウの密輸品を見つけ出す任務に就くため特訓中と言うわけです。

グランプラス(Grand Place)の市庁舎downsize
(グランプラス(Grand Place)の市庁舎)
「APOPO」の身近、簡単、安価な地雷除去
ベルギーの社会的企業「APOPO」(Anti-Persoonsmijnen Ontmijnende Product Ontwikkeling、「対人地雷除去製品開発」みたいな名前)ではアフリカオニネズミ君の高い嗅覚能力に着目し、タンザニアに拠点をおいてアフリカオニネズミ君を「地雷処理部隊」として訓練し、現地アフリカの人々に「誰でも使える、身近なパートナーによる、簡単、安価、安全な地雷除去手段」として提供し、過去20年間で10万個の地雷を除去してきました。やがてアフリカオニネズミ君たちは人々から「ヒーローラット」(“heroRATS”)と呼ばれるようになったそうです。
APOPOのホームページ

なんでネズミ君なの?
とてもユニークな取り組みですが、どういう経緯でアフリカオニネズミ君を抜擢したのでしょうか?APOPO創業者Bart Weetjens氏は子供の頃に飼っていた大好きなネズミの優れた嗅覚を地雷除去に使えるのでは、また、ネズミなら体重が軽いので地雷を踏んでも大丈夫だから、と思い立ったそうです。それにはアフリカで身近なネズミで人に慣れやすいアフリカオニネズミ君が最適と言うわけです。

グランプラス(Grand Place)のレストランdownsize
(グランプラス(Grand Place)のレストラン)
既に甲子園球場100個分の地雷除去完了
タンザニアに拠点を置き隣国モザンビークでこれまでに130万平方メートル(甲子園球場100個分)の土地の地雷を完全除去し、住民の帰還と農耕の再開に至っています。

ご褒美バナナをもらう訓練中のアフリカオニネズミdownsize
(ご褒美バナナをもらう訓練中のアフリカオニネズミ;左下はAPOPOのロゴ)
9か月の訓練で4,5年働いてくれる
訓練はアフリカオニネズミ君がまだ幼い5-6か月齢で開始されます。平均9か月の訓練を受けると「ヒーローラット」としてデビュー、以降“定年退職”するまで4-5年は働いてくれます。

人懐こくて嗅覚に優れるアフリカオニネズミ君
嗅覚に優れるだけでなくアフリカオニネズミ君はとても人になれやすくて訓練し易いので、地中の火薬の臭いから地雷を探り当てたり、結核菌保菌者に特有な痰を嗅ぎ分けるお仕事が出来るよう訓練されるわけです。

ブッシェ通(Bouchers)レストラン呼び込みのオジさんdownsize
(ブッシェ通(Bouchers)レストラン呼び込みのオジさん)
ところでアフリカオニネズミ君を使うメリットって何?
はい、「速くて、確実で、安くて、簡単で、とても安全」・・・といいことづくめなんです

地雷探索のスピードが桁違いに速い
ともかく速い!200平方mの地雷探知をわずか20分で完了、それに比べ従来法では4日もかっかってしまっていたんです。

火薬を嗅ぐので地雷探知にマチガイがない
それに確実!従来地雷探知で用いられる金属探知機は地雷以外に金属なら何でも反応するのでボルトのどにも反応しやたらとノイズが多いですが、アフリカオニネズミ君は火薬の臭いのみに反応するので“地雷にしか!“反応しないので判定マチガイ(所謂false positive)がないのです。

地雷に触れても大丈夫、軽いから
安全第一!人もネズミ君も地雷を踏んで「殉職」の恐れがない。人が遠隔操作し地雷を見つけたネズミ君は地面を掘るので安全な距離でそれと分かる。ネズミ君は体重が軽く地雷を踏んでも爆発しないので、“地雷検出・除去作業が極めて安全になった”のです。

人懐こい馴染みの在来種
アフリカオニネズミ君は地元の“在来種”で現地の人々に馴染みがあり、それにとても人懐こく、現地の人々が簡単に訓練を行うことができます。

APOPO取り組みの優れた点は・・・
〇 そもそもアフリカオニネズミ君が地雷探知にとても適していること
〇 先進諸国の高価な地雷探知装置が要らない途上国でも使えるよう安価にしたこと
〇 自動訓練装置を開発しトレーナーの個人差をなくしたこと(属人性の回避)
〇 アフリカオニネズミ君は“地元出身”(当地の在来種)で地域の人々にとって親しみやすいこと
・・・などです。


がんばれ!ヒーローラット
そんなAPOPOのヒーロラットことオニネズミ君、「絶滅危惧種センザンコウを救う」新たなミッションでも頑張ってほしいですね。

出典:” These heroic rats detect land mines. Now they might help save an endangered anteater” Karin Brulliard氏執筆 The Washington Post December 21 2017,
出典:”Rats to the rescue Rodents train to save endangered anteater” Science 22 December 2017 Vol 358, Issue 6370
出典:APOPOホームページ https://www.apopo.org/en
出典:ウキペディア記事(和英)「APOPO」


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